ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
里奈:・・・・・・。
作者:はっ!
里奈:全ての力の源よ 輝き燃える 赤き炎よ 盟約の言葉によりて
我が手に集いて力となれ
作者:ちょ!それ洒落に──
里奈:
作者:ギャああああああああああ・・・・。
里奈:悪は滅んだわ!今年もよろしくね!
サーゼクスとグレイフィアが泊まってから数日後の日曜。
私とアーシアは制服を着て学園に向かっていた。
ちなみにサーゼクスとグレイフィアは駅近くのホテルに滞在し視察という名の観光をしている。
魔王って暇なのかしら?
まあ、人間界を参考に施設作るとか言ってたけども。
で、私達が日曜なのになぜ学園に向かっているかというと、プールの清掃、その後貸し切りで遊ぶ為である。
本来は生徒会がやるんだけどコカビエルの件の後始末を生徒会がやってくれたので変わりに終わったら貸し切りで使っていいという条件で清掃を引き受けたらしい。
最近何かと忙しかったし息抜きには丁度いい。
泳ぐの嫌いじゃないしね。
学園に付き体操着に着替えてプールに全員集る。
「一年放置してただけはあるわね〜。」
さすがに結構汚れている。
「全員でやればそんなに時間掛からないんじゃない?」
「そうね、ちゃっちゃと終わらせてプール堪能しましょう。」
そして清掃が始まったんだけど・・・。
「おおおおおおおおおおおおおおおおお。」
声をあげながらガウリイが凄い勢いでプールを綺麗にしていく。
「え〜と・・・。」
「うん・・・。」
私達は綺麗になっていくプールを眺めている。
「ガウリイ、楽しい?」
「おお!楽しいぞ!!」
物凄い良い笑顔でかえされた。
「綺麗好きなのかしら?」
「単純なだけじゃない?」
「私もそっちだと思います。」
リアス、私、小猫の順。
「手伝わなくてもいいのでしょうか?」
「本人楽しんでるからいいんじゃない?」
アーシアの問いに答える。
なんて話している内に
「終わった〜。」
物凄く満足した顔をしたガウリイがいた。
プールを見るとピカピカに磨かれていた。
まだ清掃始めてから30分なんだけど・・・。
「私達の出る幕なかったわね。」
今の会話を聞いていたのかガウリイから声が掛かる。
「あるぞ〜。」
ん?
「水溜めてくれ。」
・・・・・。
その後私達の魔法で水を溜め着替えにいくのだった。
「プール貸し切り気持ちいいわね〜。ガウリイのおかげで時間もたっぷりあるし。」
私は軽く泳いだ後プールサイドでリアス達と話していた。
当のガウリイは物凄いスピードで泳いでいる。
「里奈の泳ぎ綺麗ね。」
「身体作りには水泳って結構いいのよ。まあ、泳ぐの好きってのもあるけど。」
リアスも充分上手かったと思うけど。
「そうだ里奈、小猫とアーシアに泳ぎ教えてあげてくれないかしら?」
「小猫も泳げないの?運動神経いいのに。」
猫だから?なんてね。
「泳ぎだけは苦手なんです。」
「いいわよ。アーシアには元々教える約束してたし、一緒に練習しましょ。」
「はい!お願いします。」
それから暫くアーシアと小猫に泳ぎを教えてあげることにした。
「小猫は運動神経いいだけあって、飲み込み早いわね。アーシアもこの短時間でこれだけ泳げれば充分じゃない?」
「里奈お姉様の教え方が分かりやすかったからです。」
「そうですね。あと、優しかったです。」
ぐ。
「お〜、珍しく里奈が照れてるな。」
「ガウリイ!いつの間に!てか、余計な事言わんでいい!」
いつの間にかプールサイドに上がっていたガウリイに文句を言う。くそう。
「照れる里奈さんレアです。」
「ホント可愛いです、お姉様。」
小猫とアーシアまで・・・。
「相変わらず素直じゃないな〜、里奈は。ああ、あと今更かもだけど水着似合ってるぞ。前よりも胸もおおきくなっ──」
「だからあんたにデリカシーってもんはないのかああああ!」
ドカシャアァァァァァン!!
私の言葉と共に放ったパンチ(魔力付き)でぶっ飛ばされるガウリイ。
「わかった!わかったから、魔力込めて殴るのやめてくれ!」
「ほんっっっとうでしょうね?」
無言で何回もコクコク頷くガウリイ。
よろしい。
「とはいえ、可愛くなって見違えたのは本当だぜ?」
ボッ!
顔が鏡見なくても真っ赤になるのがわかった。
「え、あ、え〜と・・・あ、ありがとう(ボソッ)」
「さすが天然凄いですね。」
「お姉様が乙女の顔してます〜。可愛いです!」
ああああ、アーシアと小猫まで〜・・・。
前世で結婚して早くに死に別れて再会出来るなんて思ってなかったから自覚してる以上にガウリイの言葉に反応するようになってる!
とはいえ素直になるとか無理よね〜。
となるとこれしか無い!
「ガウリイ、泳ぎあんな速かったっけ?」
秘技話題そらし!
「ああ、こっち来てから一時期ハマってな。最近泳げなかったから久しぶりで楽しかったぜ。里奈も泳ぎ上手くなってるじゃないか。」
泳ぎながらこっち見てたんかい。
「また照れてますね。」
「ガウリイさんが弱点みたいですわ。」
くそう!朱乃まで加わるとは。
「前と変わらないと思うけど。ここ迄乙女じゃなかったとは思うけど。」
リアスまで〜!
「里奈、泳ごうぜ。教えてばっかりであんまり泳いで無いだろ?」
そう言って私の手を引く。
「分かったから、そんな引っ張らないでよ。」
そうして暫くガウリイと泳ぐことにした。逃げた訳じゃないんだからね!
〜 祐斗 side 〜
泳いでいる二人を見て無意識に呟く。
「ガウリイさんには敵いそうにないね。」
「えっ!?」
僕の言葉に反応したリアス部長が目を見開いて驚く。
「あはは、聞こえちゃいましたか。」
「祐斗あなた・・・。」
「ゼルガディスの記憶を思い出した時点で諦めた筈なんですけどね。二人のやり取りを見てたらついね。」
「なんて言えばいいのかしら?」
「気にしないで下さい。気持ちの整理はついてますし、恋というよりも憧れに近い感情だったと思います。何があっても自分を見失わない強さに・・・。」
ただ、コカビエルの時にガウリイさんに再会して記憶も取り戻したときに気付いた。あの強さを支えているのが彼なんだと。
部長のルークとしての過去を聞いた時に僕が里奈さんの立場だったら耐えられる自信は正直無い。その時に里奈さんを支えたのが間違いなく彼でそれを聞いた時に僕は里奈さんを諦めた。
「ふふ、分からなくもないわね。そういえば小猫の事はどうなの?」
「アメリアさんの事は好きだったみたいです。ただ、今の感情としては可愛い後輩という感じですね。」
「私もそんな感じなんだけど・・・何で私だけ性別変わってるのかしら?」
「あははははは。」
部長は納得いかないという顔をしている。
「リアスは記憶に関しては大丈夫ですの?」
僕等の話を聞いていたらしい朱乃さんもやって来た。
「記憶だけ考えると辛いけれども、感情は今のままだからなんとかなるわ。そう考えると里奈とガウリイの方がきついんじゃないかしら?」
「だからこそあの二人の結び付きは私達よりも強いのではないでしょうか?」
「私もそう思います。」
アーシアさんと小猫ちゃんもやって来た。
「そうだろうね。そう考えると僕の憧れなんて霞んでしまいそうだね。前世でも里奈さんとガウリイさんには助けられてばっかりだったから、今世は僕達で二人を支えられるように頑張らないとだね。」
「そうね、戦いだけではなく気持ちの面でも支えられるようにならないといけないわね。」
部長の言葉に全員頷く。
その瞬間
「
ザバアアアアアン!!
いつの間にか上がっていた里奈さんの魔法で、その場にいた全員がプールに落とされる。
「な〜に辛気臭い話ししてんのよ、折角プールに来てるんだから遊ばないと損よ?過去は過去、私達はこれからを生きるんだから気にしちゃ駄目よ。」
驚いたみんなに向かって里奈さんは言い放つ。
「さっ!みんなで遊びましょ!」
里奈さんの言葉にみんなも頷く。
みんなもこの里奈さんの前向きな考えに救われてきた。
諦めるのもったいないかな?なんて思いながら僕も参加することにした。
里奈ちゃん照れっ照れです。
本編ではこういうのほとんど無かったので書いてて楽しい。
ただ、里奈の性格上イチャイチャはしないでしょうね~。
意地っ張りな里奈も可愛くていいですが。
作者:たまにはデレたら?
里奈:無理。