月を守る太陽である為に何が出来るか…?   作:ぬヰ

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3話デース


カルマノイズ再来

ユニゾンを完璧にするべく、調の世話を未来とエルフナインに任せ、クリスと切歌は特訓に専念した。

緒川さんの手伝いもあって、かなり出来は良くなっていた。

そして、ノイズが出る度に対カルマノイズのためユニゾンを成功させた。

 

「ふぅ……ま、こんなもんだろ」

 

「なかなか良くなってきてるデース!」

 

イグナイトを解除した2人は本部へと戻る。

 

「あ、クリスさん切歌さん、お疲れ様です!」

 

向かいからエルフナインが歩いてきた。

切歌とクリスはすれ違うエルフナインを呼び止め、調の状態を聞き出した。

 

「調さんには前回と同様な反応が見られました。シュルシャガナの話を持ち出すと辛そうな顔や緩やかな顔をしています。状態は一週間前と全く変わっていない、とメディカルチェックの結果が出ています」

 

「そうデスか……」

 

「あっ!!!」

 

そう言うとクリスが大きな声をあげた。

 

「どどど、どしたデスか…?」

 

「特訓に集中しててアイツに挨拶すんの忘れてた!!」

 

「デデデデース!!?」

 

クリスと切歌はまずい…と思いながら調の元へと向かう。

急いで、調の居る部屋に入ると未来と話していた調はキョトンっとした顔で2人を見つめる。

 

「あなた達は確か、、、」

 

「あぁ、すぐどっかいっちまって悪ぃな」

 

「いえいえ、話は未来さんから聞いていましたし、それに今は忙しいと、、、」

 

「今は大丈夫デス!」

 

「クリスさんに、切歌さんですね」

 

「覚えてくれて嬉しいデース!」

 

「それでなー」

 

ウィィン!ウィィン!

 

クリスが話を振ろうとした瞬間、サイレンが鳴る。

そしてクリスと切歌の2人に招集がかかった。

 

「お呼ばれの様だ、また悪ぃな」

 

「いえいえ、忙しい中ありがとうございます、また話しましょう」

 

クリスと切歌は手を振り、指令の元へと急ぐ。

 

 

「商店街にエネルギー反応!カルマノイズです!!」

 

クリスと切歌が司令室へ入った途端に情報を聞いた。

 

「カルマ…ノイズ…」

 

クリスがぼそっと呟く。

 

「という訳だ、向かってくれるか?」

 

指令がそう言うとクリスと切歌は頷き、商店街へ向かう。

 

 

暫くすると指令室へ、調と未来の姿が現れる。

 

「調ちゃんが2人の戦いを見たいと言っていたので、連れてきちゃいました」

 

未来がそう言うと司令こと風鳴弦十郎は「いいだろう」といい、モニターを見つめた。

 

 

「さてと、アイツか…」

 

ノイズを倒しながら、カルマノイズの姿を見つけたクリスは切歌と息を合わせ、フォニックゲインを高め始める。

 

カルマノイズはクリスと切歌の存在に気づき、迎え撃とうとする。

 

「こないだのあたし達だと思うなよッ!?」

 

クリスはカルマノイズの動きを一瞬でも止めるためにホーミング弾を何発も打ち込む。

カルマノイズの動きが止まり、一瞬隙が出来た。

そこに切歌が仕掛ける。

 

「デェェェス!!」

 

切歌が声を上げながら鎌を振り下ろす。

前回よりは効いているようだったが、まだ倒れる気配は無かった。

 

「この調子だ!!叩き込むぞ!!」

 

「デス!!」

 

クリスと切歌は同じように立ち回り、前回よりも圧倒的にカルマノイズより優勢な戦いをしていた。

 

しかし、その優勢な戦いも長くは続かなかった。

カルマノイズの姿が変形したのだ。

 

「姿が変わった…?」

 

モニターを見ていた調は呟く。

カルマノイズは人型の姿から、恐竜のような2足で尻尾が付いている姿へと変わる。

 

「第二形態のお出ましか」

 

クリスがそう言うと切歌にさっきと同じように行くぞと言い、走り出した。切歌もクリスに続き走り込む。

するとカルマノイズは迎え撃とうとまた近寄ってくる。

 

「何度やっても同じだ!!喰らえ!!!」

 

クリスはさっきと同様ホーミング弾のようなものを撃ち込んだ。

 

しかし、第二形態のカルマノイズは止まることなく突き進んでくる。

 

「なっ……効かないだと!?」

 

「これでも喰らうデス!!」

 

カルマノイズの背後から切歌が鎌を振り下ろす。

しかし、その攻撃は尻尾によって弾き飛ばされてしまった。

 

そして、クリスと切歌はそれぞれカルマノイズの腕と尻尾で吹き飛ばされてしまった。

 

「クッソ……!こーなったら…!」

 

「イグナイト……やるしかないデス…」

 

 

「「イグナイトモジュール、抜剣ッ!!」」

 

黒いオーラに2人は包まれ、イグナイトの姿へと変身する。

 

筈だったが、、

 

「ぐっああぁぁぁ!!」

「がぁぁぁああ!!」

 

「なんだっこれッ!!」

「意識が…持ってかれそうデース…ッ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「何が起きているッ!!」

 

司令はその場に居るオペレーターの藤尭と友里に叫ぶ。

 

「クリスちゃん!切歌ちゃん!2人ともフォニックゲイン急低下!!」

 

友里が叫び、状況が不味いことを瞬時に知れ渡る。

 

「あの2人、、とても辛そう、、」

 

何も知らない調はモニターに写っている2人の様子を考察するしか方法は無かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ぐっ……!!」

 

クリスと切歌はイグナイトの維持を諦め、通常状態へと戻る。

 

「どーなってやがる!!」

 

「イグナイトが使えないデス…」

 

「イグナイトの状態でのユニゾンならもっと力が出せるってのにっ!!」

 

クリスと切歌は1度距離を取る。

幸い、まだカルマノイズは威嚇するように吠えるだけでこっちには寄ってこなかった。

 

「クッソ!!もう一回試してみるぞ!!」

 

「デース!!」

 

「「イグナイトモジュール、抜剣ッ!!」」

 

クリスと切歌は再度イグナイトを試みた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ッ!!ダメです!!そのままだとイグナイトが!!」

 

司令室にいたエルフナインがモニターに向って叫ぶ。

が、クリスと切歌には聴こえていなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ぅがぁああああ!!!」

「ぐっ…ああぁぁぁ!!」

 

「クソッ!!……このままじゃ……!!」

「暴走する…デース……!!」

 

 

 

「二人共ッ!!今すぐイグナイト状態を解除するんだッ!!」

 

指令が叫ぶとクリスと切歌はイグナイトを解除し、通常状態へと戻った。

 

「はぁ…はぁ…どーなってんだ……」

 

暴走の衝動に駆られ、それに抵抗したせいで2人は疲れ果てていた。

 

「ここで、カルマノイズが来たら……大変デース…」

 

切歌は歯を食いしばり、蹌踉けながらもイガリマの鎌を杖替わりにして立ち上がった。

 

しかし、その場にはもうカルマノイズの姿は無かった。

 

 

「カルマノイズ反応消えました!」

 

 

「あれが、イグナイトシステム……」

 

調はモニターを見つめながら呟いた。

未来はその調の姿を、心配そうに眺めていた……

 

 




ご覧頂きありがとうございます
今回は戦いメインで書かせていただきました。
少し、短いかも知れませんがお許しをm(*_ _)m
誤字脱字やミス等ありましたらコメントお願いします。

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