ナイツ&マジック FMA(フルメタル・アナザー)   作:コレクトマン

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Beastを狩る魔剣

 

 

レーバテインを操縦する園崎は、ラムダ・ドライバを起動させてGRAW-4単分子カッターを両手に

持ち、そのままべへモスに向かってべへモスの左前足に単分子カッターを突き刺して、深く斬りつける。

べへモスは己が左前足の甲殻がいとも容易く斬りさかれる事

の驚きと左前足の切り傷からくる激しい痛みが同時にべへモスに襲った。

べへモスは悲痛の叫びを上げながらも左前足でレーバテインを踏み潰そうとするが簡単に避けら

れる。さらにレーバテインは、駄目押しと言わんばかりに頭部に搭載されているGAU-19/S

12.7mmガトリングガン二門をべへモスの左前足の切り傷に撃ち込んだ。

 

「体の大きさが仇となったな!」

 

べへモスは左前足の切り傷に12.7mm NATO弾を受けるとさらなる激痛が走り、レーバテインに

対する怒りが湧き上がる。べへモスは、お返しと言わんばかりにブレスを吐くがレーバテインは

軽々と避ける。するとアルが先程通信を受け付けなかった紅の幻晶騎士の音声を傍受した事を報告

してきた。

 

《軍曹、紅の幻晶騎士内の音声を傍受しました》

 

「紅の幻晶騎士の?分かった。アル、繋いでくれ」

 

園崎はアルに傍受した音声を繋ぐ様に指示を出して紅の幻晶騎士の騎操士の声を聞いた。

しかし…園崎にとって意外な結果が出たのであった。

 

「ははははははは!これがべへモス!これが魔獣!」

 

「…!?この声…まだ子供か?!」

 

《肯定、紅の幻晶騎士の騎操士は約10代前半と推定。突撃を敢行しております》

 

紅の幻晶騎士は自前の長剣でベヘモスに斬りつけるがベヘモスの甲殻が邪魔で本体に傷つけること

すらできなかった。ベヘモスはレーバテインの次に邪魔な紅の幻晶騎士にブレスを吐くが、紅の

幻晶騎士は軽々と躱し再びベヘモスに向かって突撃した。

紅の幻晶騎士ことグゥエールはライヒアラ騎操士学園の生徒であるエルの先輩であるディートリヒ

・クーニッツが乗っているのだがベヘモスと戦った際、同級生のゲパードの惨死を目の当たりに

したことから恐怖心に駆られ、戦友たちを見捨てて1人逃げ出した。この時にそれを追ったエルに

グゥエールを奪われて今はグゥエールの中で気絶していることは今の園崎には判らなかった。

 

「これが…幻晶騎士の戦闘!いざ、突撃です!」

 

「あーもー、いつからここは子供でも参入できる戦場になったんだ!とにかくあの紅の幻晶騎士を

援護するぞ!」

 

了解(ラージャ)

 

園崎は、レーバテインを動かして左足の膝に単分子カッターを収納し、グゥエールの後を追って

同時にベヘモスの甲羅の上目掛けて飛び上がり、そのままベヘモスの甲羅に突き刺す。グゥエール

の長剣はベヘモスの甲羅に弾かれて刺さらず、レーバテインのラムダ・ドライバで攻撃に転換し、

切れ味を増した単分子カッターでベヘモスの甲羅を蒸したジャガイモの様に簡単に突き刺すが、

単分子カッターのリーチが短い為に致命傷に到らなかった。

 

「くっ…!やはり短かったか!」

 

「ワァ…!凄いですね!全身ほぼ隙間なく甲殻!無敵装甲!斬るだけ無駄!魔法すら無駄!

なのにあのロボットはベヘモスの甲殻を常温のバターを切るかの様に簡単に突き刺すなんて!」

 

「そこの紅の幻晶騎士!一旦ベヘモスから降りて左前足を狙え!そこには俺が斬りつけた傷が

ある!」

 

園崎はグゥエールに乗るエルにベヘモスの左前足を狙う様に指示を出した。

 

「分かりました!そうでしたら…巨大兵器破壊の心得その1です!」

 

エルはグゥエールを動かしてベヘモスの尻尾の攻撃を躱しながら甲羅から飛び降り、レーバテイン

が付けた左前足の切傷に目がげて長剣を突き刺す。ベヘモスは再び左前足の激痛に襲われながら

悲痛の叫びを放つ。グゥエールは長剣を引き抜いてそのままベヘモスとの距離を取った。

そしてレーバテインは牽制がてらにGAU-19/S 12.7mmガトリングガンでべへモスの頭部を狙い、

集中砲火を浴びせる。しかし、あくまで牽制なのでラムダ・ドライバを攻撃に転用せずそのまま

攻撃した為ベヘモスの頭部の甲殻は無傷だった。

 

「やはりラムダ・ドライバなしじゃ豆鉄砲扱いか……」

 

「あのロボットのバルカンを物ともしないなんて…!ひょっとして、全身中身まで硬いです?」

 

エルはレーバテインがGAU-19/S 12.7mmガトリングガンでベヘモスに攻撃してるのを見て、

ベヘモスの甲殻の防御力を見計らった。するとレーバテインのAIであるアルがエルの疑問を回答

した。

 

《肯定、ベヘモスは身体強化魔法で甲殻や巨体を支えている様です》

 

エルはレーバテインから発した機械的に加工された声を聞いた瞬間、エルの目が再び輝きを増した

のであった。

 

「あのロボットから発する加工された声…!まさか、そのロボットには特別なAIを搭載しているの

ですか!」

 

レーバテインに搭載されているアルのことAIと呼んだことに驚いたが、まだベヘモスの脅威が

残っている為考えるのを後回しにした。

 

「詳しい自己紹介は後だ!先ずはベヘモスを倒さなければゆっくりすることできん!」

 

「分かりました!ベヘモスを倒したら、詳しい自己紹介をお願いします!でも…ベヘモスを倒すと

なると、これは…持久戦になりそうですね?……まあ、それはそれで構いません。僕は嫌いじゃ

ないですよ?心ゆくまで幻晶騎士を味わえますから♪」

 

(……一体どういう環境に育ったらそういう狂った感じになるだ?)

 

園崎はエルから発する異常なロボットマニアのオーラ的な物を感じて若干引き気味になっていた。

グゥエールは長剣を持ち直してベヘモスに向かい合う。そしてレーバテインは単分子カッターを

右足の膝に収納し、腰にマウントしている「ボクサー2」76mm散弾砲を手に持ち、ベヘモスに

目掛けて照準を向ける。そしてベヘモスはレーバテインとグゥエールに向かって突進した。

ちょうどその時、グゥエールの中で気絶していたディートリヒが目を覚ました。

 

「うー……ん??私は…一体?そうだ……あの時…確か、誰かが突然……!?」

 

身体を起こしてグゥエールの幻像投影機(ホロモニター)を見る。するとベヘモスが突進してくるのをディートリヒ

の瞳に映った時ディートリヒの顔は青ざめ、再びパニックに陥った。

エルは発狂しているディートリヒに目もくれず、べへモスの突進を躱すのであった。

レーバテインもべへモスの突進をグゥエール同様にべへモスの攻撃を躱すのであった。

 

「ちょっ?!お…おま、おまえっな!?」

 

「先輩、只今修羅場の真っ只中なのでお静かに願います!」

 

「何っ!?あの紅の幻晶騎士の中にもう一人いるのか?」

 

《肯定、恐らくは紅の幻晶騎士の本来の騎操士だと推測》

 

アルが先ほどグゥエールから男性の発狂の声を聞き取り、グゥエールの本来の騎操士であると

推測する最中、エルはグゥエールを動かして今度はベヘモスの右後ろ足に斬りつけるとグゥエール

の長剣がベヘモスの甲殻の硬さに負け、刀身が折れてしまった。その事に気付いたエルは、一旦

ベヘモスとの距離を取って折れた長剣を捨てた。

 

「これはもう流石に使えませんね?さて……」

 

「って、おい!武器を捨ててどうする?!」

 

「慌てるな!武器なら向こうのサロドレアの残骸に剣がある!援護するから取りに行け!」

 

「分かりました!」

 

グゥエールは全速力でベヘモスの真下を駆け抜け、レーバテインは「ボクサー2」76mm散弾砲で

ベヘモスの注意を引く。グゥエールはサロドレアの残骸の剣を回収し、そのままベヘモスの真下を

通過する。そしてレーバテインは、再びベヘモスの甲羅の上に飛び乗り、そのままグゥエールの

元に向かって走り出した。グゥエールの姿を目視したレーバテインは、そのまま甲羅から降りて

グゥエールと合流した。

 

「これで今しばらく戦えます。…とはいえ、残りのマナは2割を切っています」

 

「そうか…アル、ラムダ・ドライバの残り活動時間は?」

 

《残り180秒です、軍曹》

 

「……そういう事だ。こちらも3分も過ぎれば後は動けなくなる」

 

「何ぅ?!それでは不味いではないか!」

 

「問題ない、その前にベヘモスを倒せば良いだけだ」

 

「そうですね、せめて足の一本でも潰しておかないとどうにも格好がつきません!」

 

グゥエールは先ほど回収した剣を手にベヘモスと向かい合う。そしてレーバテインも手に持つ

「ボクサー2」76mm散弾砲を構え直して向かい合い、第二ラウンドに入るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、フレメヴィーラ王国ヤントゥネン市街地からフィリップ・ハルハーゲン率いるヤントゥネン

守護騎士団がベヘモス討伐の為にフレメヴィーラ王国第二世代型幻晶騎士であるカルダトアと、

そのカルダトアの指揮官用に強化した幻晶騎士ソルドウォートに乗って出陣したのであった。

ヤントゥネン守護騎士団は、ベヘモスの進行予想ルートに向かっている最中エドガー達の

サロドレアの改修機達を保護し、エドガーはベヘモスの所にはディートリヒが乗るグゥエールと

所属不明の幻晶騎士(ASだということをエドガーは知らない)の二機が未だ戦闘中だということを

聞いた守護騎士団の騎操士がヤントゥネン騎士団長が乗るカルディアリアに報告をする。

 

「学生の練習機二機を保護、その学生の報告によれば未だ一機と所属不明の幻晶騎士一機が戦闘中

とのこと!」

 

「所属不明の幻晶騎士?それにたった二機で足止め?…にわかには信じられんが……」

 

フィリップは学生の幻晶騎士のことを考えていたが、所属不明の幻晶騎士がべへモスと交戦してる

ことを考えていた。所属不明の幻晶騎士の目的は一体何なのかと……。

そう考えていると左方からべへモスのブレスが通り過ぎたことを察知し左側を向くとべへモスと

交戦しているグゥエールとレーバテインを確認したのであった。

この時フィリップは、レーバテインやグゥエールの動きを見入った。フレメヴィーラの幻晶騎士で

もあるはずが無い髪の様に白い繊維が後頭部の方から出ており、本来の幻晶騎士の動きを凌駕して

いたのだ。またグゥエールもレーバテイン同様に本来の幻晶騎士の動きを凌駕していた。

 

「何だと?あれが幻晶騎士の動きなのか!?」

 

そしてグゥエールとレーバテインもまた、味方であるヤントゥネン守護騎士団を確認するので

あった。

 

「あれは…カルダトア!援軍だ!ヤントゥネン守護騎士団が来てくれたのか!!」

 

「予想よりも少し早いですね。でしたら…そろそろ()()ことを視野に入れましょうか!」

 

《軍曹、朗報です。フレメヴィーラから援軍が到着致しました》

 

「援軍か…これで少しは負荷が減るか……」

 

園崎は、初めてラムダ・ドライバを起動してから斥力を攻撃と機動に回し続けていた為か精神が

疲労していた。こうしてレーバテインを動かし続けてるのはある意味火事場のド根性と言うべき

であろうか。

 

「紅と白髪の騎士、よくぞ健闘した!今こそ我らヤントゥネン守護騎士団の力を見せる時だ!!

全機抜杖!放てっ!!」

 

ソルドウォートに乗るフィリップの号令の下に全カルダトアが魔導兵装である火の槍でベヘモスを

集中的に砲撃する。グゥエールの中にいるディートリヒはこれを見て勝利を確信した。

 

「やったぞ!どうだ化け物め!」

 

「気をぬくな!まだ完全に倒したわけじゃない」

 

《肯定、ベヘモスは未だ健在。守護騎士団の魔導兵装では決定打を与えられません》

 

「そうですね…これで終わるほど容易くはないでしょうね?」

 

フィリップはヤントゥネン守護騎士団に決戦兵器である対大型魔獣用破城鎚(ハードクラストバンカー)の使用指示を出す。

 

「一番、二番中隊はそのまま法撃を続けろ!三番から五番中隊は鎚の用意を!六番から八番中隊は

三番、四番、五番中隊の援護!」

 

ヤントゥネン守護騎士団全員が了承し、一、二番は魔導兵装で法撃を行い、三番、四番、五番中隊

は対大型魔獣用破城鎚をカルダトア4機掛かりで持ち上げる。

 

「対大型魔獣用破城鎚、用意しました!」

 

「よしっ!突けーっ!!」

 

フィリップの指示の下、対大型魔獣用破城鎚を4機掛かりで持つカルダトア達はそのままベヘモス

の側面に向かって走り出し、残りの中隊はベヘモスの注意を引くため魔導兵装で法撃する。

そして幻晶騎士による速力を活かして対大型魔獣用破城鎚をベヘモスの側面に突き刺し、そのまま

本命の中央の大型鎚を風の魔法の恩恵で射出し、ベヘモスの土手っ腹に打ち込む。ベヘモスは

対大型魔獣用破城鎚を打ち込まれて悲痛な叫びをあげる。そして残りの対応型魔獣用破城鎚を

持った4機のカルダトア達はそのままベヘモスの死角に向かって対大型魔獣用破城鎚を打ち込む

為に走り出す。するとベヘモスは、本能で危険を察知したのか顔を下に向けた。するとアルが園崎

にベヘモスの行動のことを知らせた。

 

《軍曹、どうやらベヘモスは真下にブレスを吐き、その反動で上半身をあげてカルダドア達を

一網打尽にするつもりです》

 

「何っ?!だったら尚更不味い!アル、ラムダ・ドライバの稼働可能時間は?」

 

《残り90秒。ここでひと暴れしますか、軍曹(サージェント)?》

 

「ああ、そうさせてもらう!アル、全てのセンサを無制限で使用しろ。最大戦速で突っ込むぞ!」

 

了解(ラージャ)

 

園崎はレーバテインの出力を最大限にし、「ボクサー2」76mm散弾砲を手にそのまま駆け抜け

そのまま足に力を込め、高く飛び跳ねた。

 

「食らえ!」

 

そして園崎はラムダ・ドライバのイメージの力で「ボクサー2」76mm散弾砲の弾丸を貫通する

イメージを流し込み、ベヘモスの甲羅に向けてそのまま76mm弾を撃ち込む。

ベヘモスはブレスを吐いてその反動で上半身をあげてカルダドア達を潰そうとする為にブレスを

吐こうとするが、背中から急に何かが打ち込まれた様な激しい痛みに襲われてブレスを吐くのを

止めた。べへモスの異変に気付いたフィリップは周りを見渡すと、レーバテインがべへモスの

甲羅に砲撃ししているの確認した。そう…魔導兵装による法撃ではなく大砲による砲撃である。

 

「馬鹿な!?幻晶騎士に大砲だと?」

 

レーバテインがべへモスの前に着地し、そのまま左足膝の単分子カッターを取り出してべへモス

の右前足に斬り刻み、更に駄目押しに「ボクサー2」76mm散弾砲を撃つ。

そして左肘からM1108対戦車ダガーを抜き出し、そのままべへモスの右前足に投げつける。

対戦車ダガーがべへモスの右前足に突き刺さると対戦車ダガーが爆散し、べへモスの右前足に

大きな傷跡ができた。無論べへモスもレーバテインの攻撃によって身体強化魔法が弱まり、

より動きが鈍足になってきたのだ。そしてレーバテインは、「ボクサー2」76mm散弾砲を腰に

マウントして最後の仕上げと言わんばかりに四番中隊の破城鎚隊から対大型魔獣用破城鎚を借りる

様に手に持った。

 

「最後の仕上げにこいつを借りるぞ!」

 

「なっ…!?待て!白髪の騎士、その対大型魔獣用破城鎚は幻晶騎士4機掛かりでないと持ち

上がらん代物だ!」

 

「問題ない。それと一つ訂正だ、俺は騎士じゃない」

 

そう言いながらラムダ・ドライバの斥力で重量の法則を無視して対大型魔獣用破城鎚を右手で掴み

それを軽々と持ち上げそのままベヘモスに向かっていった。これを見たフィリップは驚きを隠せ

ないでいた。無論グゥエールに乗るエル達も驚いていた。ディートリヒはレーバテインの底知れぬ

力の前に唖然し、エルは瞳を輝かせながらロボットオタクとしてのロマンを感じていた。

 

「何なんだ、あの白髮の幻晶騎士は?もはや幻晶騎士の常識を超えている!」

 

「アハッ♪やはり凄いですね!あのロボットには僕の知らない技術があって、あの大型の鎚を

軽々と持ち上げるなんて!……はっ!」

 

するとエルは、ベヘモスがレーバテインに向けてブレスを吐こうとしている処をみてすぐ、園崎に

回避する様に伝えた。

 

「いけないっ!避けてください!」

 

「問題ない。俺は…」

 

園崎はエルの注告を無視しレーバテインを動かして対大型魔獣用破城鎚を持ってベヘモス正面に

向かって走った。そしてベヘモスは正面から突っ込んでくるレーバテインに対してブレスを

吐いた。ベヘモスのブレスを真面に受けたレーバテインを見たフィリップやフィリップが率いる

ヤントゥネン守護騎士団は一瞬青ざめた。そしてグゥエールに乗るディートリヒが心強い幻晶騎士

がやられたと思い、再び死と言う恐怖心にかられる。

 

「そんな…バカな…あの幻晶騎士が……もう駄目だ…みんな死ぬ、死ぬ「……ません」…へっ?」

 

「許せません…ロボットを壊していいのは、ロボットだけなのですよ!」

 

エルはグゥエールを動かしてベヘモスに向かおうとしたその時……。

 

「スペシャリストだぁぁぁぁぁぁ!」

 

園崎の掛け声と同時にべへモスのブレスの中から対大型魔獣用破城鎚を持ったレーバテインが

現れ、そのまま死角である左目に鎚を打ち込む。べへモスは死角である左目にまた痛みが

襲われ、悲痛な叫びを上げながら悶え苦しんだ。そしてレーバテインは打ち込んだ反動を利用

してべへモスとの距離を取って地面に着地した後、再び足に力を入れてそのまま飛び跳ねた。

 

「いけぇぇぇぇぇぇ!」

 

レーバテインは右手の拳を握り、そのまま鎚の中央に殴りつける。その反動で中央の鎚が

べへモスの左目を通して脳髄まで貫通させた。べへモスは脳髄を破壊されたことで意志を失い

身体強化魔法も解かれ、そのまま巨体の重さによって倒れて力尽きてこの世を去った。

 

「……やったのか?あの化け物を白髪の幻晶騎士が倒した……!各隊、我々の勝利だ!!」

 

この光景をフィリップはヤントゥネン守護騎士団全員に勝ち鬨を上げるのであった。

そしてべへモスを倒した園崎はというと、アルからレーバテインの機体状況を確認していた。

 

《目標は完全に沈黙いたしました。丁度ラムダ・ドライバの活動限界時間ですので緊急冷却を

開始。約60分の間動かすことは出来ません》

 

「……そうか、分かった。アル……俺、もう動けそうに無い。しばらくの間、任せて良いか?」

 

《肯定、お疲れ様です軍曹殿》

 

アルにレーバテインの操縦権を渡して園崎はそのまま眠りについた。初回のラムダ・ドライバ

の使用によって精神が疲労し、限界が来たのだろう。

その後はフィリップ率いるヤントゥネン守護騎士団はグゥエールとレーバテインを保護し、その

ままフレメヴィーラ王国に帰投するのであった。

 

 




次回、“自己紹介の後はNext Generation Knight”


エル
「新型開発に僕は燃える!」
園崎
「この世界でAS作るか……」

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