ナイツ&マジック FMA(フルメタル・アナザー)   作:コレクトマン

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ナイツ&マジックとフルメタル・パニックのクロス作品です。

批判や嫌がらせはやめてください、死んでしまいます。(気力的な意味で…)



Reincarnationからロックンロール

彼はよくいる一般の日本人で、大学生でもある。彼自身は頭はそれほど良くはないが成績は悪く

はないといったちょっとした半端者であった。しかし、彼には他には負けぬある自信があった。

それは重度のロボオタであった。その大学生こと園崎一真は、あるロボットアニメのロボットが

好きだった。そのアニメの名は『フルメタル・パニック!』のAS(アーム・スレイブ)の独特なデザインや設定面

が彼を虜にした要因でもあった。

そんなある日のこと、彼はあるホビーショップでフルメタル・パニック!に出てくるASである

『ARX-8レーバテイン』のフィギュアを買った後に自宅に帰ろうとしていた。

 

「うーん…やっぱこの独特なフォルムとデザイン、たまんないなぁ〜。

このデモリッションガンはロマンを感じるなぁ〜!」

 

だが、そんな彼に悲劇が起きる。その帰り道の信号の歩道にて車が猛スピードで彼を真正面から

ぶつかった。この時に彼の意思はぶつかった衝撃で次第に薄れていき、走馬灯が見てた時に彼は

思った。

 

(ああっ…くそ、まだレアフィギュアであるベリアルを手に入れ損ねたのが無念だ……!)

 

人生の振り返りでも、事故に対する恨みごとでもなく。ただ単にASの限定フィギュアを手に入れ

損ねたことに対する後悔の念だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらいの時間が経ったのだろうか。彼の意識が戻った時、彼の周りにはSFロボットの

コックピットと思わせるモニターが彼を囲んでいた。そして、服装にも変化があった。

彼来ている服装は普段の私服ではなく、フルメタル・パニック!のパイロットスーツに着て

いたのであった。

 

「……っ。ここは……どこだ?俺は……何かに乗っているのか?」

 

彼はコックピット内の周りを確認して見た。そのコックピットのモニターに映るのは森林地帯の

風景であった。何処を見渡しても彼のみ映るのは木…木…木と、殆どが木に覆われていたので

あった。すると正面下のパネルから聞いたことのある声が聞こえてきた。

 

《おはようございます。園崎殿》

 

「!……この声……まさか、アル?」

 

《肯定。園崎殿は異世界転生の一万人目になった一人としてこの世界に転生しました》

 

アルの言う異世界転生という言葉を聞いた彼は、彼自身がこの未知の異世界に転生した事を

理解したと同時に後悔もした。

 

(マジか……やっぱり無理してもレアフィギュアであるベリアルを買っておけば良かった……)

 

《園崎殿、落ち込んでいるところ済みません。貴方にはこの世界について説明しておくことが

あります、心して聞いてください》

 

アルからこの世界の文明や技術、そしてASより少し背が高めの幻晶騎士(シルエットナイト)と呼ばれる対魔獣用の

ロボットや魔法があること知った。しかし、彼は彼で困惑していた。

彼は、魔法と呼ばれるものに実感を持てなかった。そして彼はアルから自分が乗っている機体の

事について聞き出した。

 

「アル…俺が乗っている機体は何なんだ?」

 

《ARX-7アーバレストの後継機…ARX-8レーバテインです。このレーバテインはこの世界の

バランス調整の為にパラジウムリアクターではなく、この世界の幻晶騎士が使用するエーテル

リアクターを代用しています。因みにリアクターの説明は後々説明いたします》

 

アルの説明を聞きながら彼は、自分が架空の兵器であるレーバテインに乗れた事に感動していた。

 

(…なるほど。レーバテインの動力炉が変更されているんだな。確かに今の世界の技術じゃ

パラジウムを生成する事がまだ不可能だからな…。だからパラジウムリアクターじゃなくエーテル

リアクターに仕様変更されているんだな。それはそれで分かったのだが、まさか…俺が本物の

レーバテインに乗れる日がやってくるとは…!これは神様に感謝します!)

 

この時彼は、この世界に転生させてくれた神様に感謝するのであった。すると…突然微弱な揺れを

彼は感じた。

 

「ん…?今のは地震か?」

 

《否定。これは超大型魔獣による歩行の余波地震です。距離役1500mに超大型魔獣と交戦して

いる幻晶騎士がいます。園崎殿、どういたしますか?》

 

「いや…どうしようにも俺は此奴の動かし方をまだ知らないぞ!」

 

彼の言う通り、園崎はこの世界に転生したばかりでASの動かし方を知らない。しかしアルは

そんな事を予想していたのか彼にある事を話した。

 

《問題ありません。園崎殿がこの世界に転生する時に神から貴方の脳にASの操縦方法を事前に

入れ込まれています。ですから操縦方法は知っているはずです》

 

「いや…そんなご都合主義な展開があるわけ……ッ!?」

 

すると彼の脳裏にいろいろな情報が流れ込んできたのだ。突然の情報量に彼は激しい頭痛を

感じた。そしてその頭痛は次第に薄れていき、彼は一旦一呼吸を置いてレーバテインを操縦する

為のコントロールレバーを触れてそしてペダルを踏み込んでレーバテインを動かしてそのまま

超大型魔獣と幻晶騎士がいる方に向かって走った。

 

「何だ…これ……!こいつの動かし方が手に取るように分かる!?」

 

《これなら行動や戦闘に支障はありません。それでは行きましょう軍曹(サージェント)

 

「いや…俺軍属に入ってないんだけど……まぁいっか。じゃあ…行くぞアル!」

 

了解(ラージャ)

 

そして彼、園崎はレーバテインでその超大型魔獣の方に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園崎が超大型魔獣の足跡を辿ってみると、アルが言っていた幻晶騎士達が超大型魔獣と交戦して

いた。園崎はアルから現場状況を確認してもらった。

 

「アル、あれが例の超大型魔獣か?見た目は亀みたいだが……」

 

《肯定。師団級魔獣ベヘモスです。体内に宿る魔力で身体強化魔法を体全体に回し、より硬い

甲殻とその重い体を支えているものと推定します。そしてそのベヘモスと交戦しているのは

フレメヴィーラ王国の第一世代型幻晶騎士サロドレアを改良した白いサロドレアと赤茶褐色の

サロドレアと断定。そして、向こうで焼かれたサロドレアはべへモスにやられて騎操士は死亡

しているものと断定。軍曹、どういたしますか?》

 

「どうもこうもない、助け出すぞ!(ここで彼らを死なせたら、俺たちは野宿する羽目になる!

…どうでもいい事だが、ベヘモスの名前…確かフルメタにもいたな…)」

 

事実上、レーバテインにはサバイバルキットが存在しないため何とかどこの国でもいいから

寝床を確保の為に行動するのであった。するとベヘモスが赤みの増した茶褐のサロドレアに

向けてブレスを吐き、そのサロドレアの動きを封じた。ベヘモスのブレスによってサロドレアの

下半身が地面に埋まってしまい身動きができない状況に立たされていた。

 

「くっ……!この!」

 

サロドレアは駄目元で手に持つ魔導兵装で火の槍(カルバリン)をべへモスの顔に当てるが効果は虚しく、べへモスは

平然としていた。

 

「……っ!逃げられない!」

 

べへモスが動けなくなったサロドレアに向けてブレスを吐こうとしていた。絶体絶命のその時、

べへモスの顔に火の槍とは違う黄色の閃光の何かが直撃した。べへモスの左目に直撃した。

べへモスは左目の視力を失い、激しい痛みを咆哮で表せながら怯むのであった。

 

「何っ?!今のは…!」

 

べへモスのブレスで下半身が地面に埋まっているサロドレアの改修機であるトランドオーケスの

騎操士であるヘルヴィ・オーバーリは、先ほどべへモスに当たった謎の砲撃が飛んで来た方に

向けると、サロドレアより少し小さめな白と赤の幻晶騎士がいた。正確には幻晶騎士ではなく

ASであることは今のヘルヴィには理解できなかった。すると白いサロドレアの改良機である

アールカンバーに乗るエドガー・C・ブランシュがヘルヴィの救出しに来たのであった。

 

「ヘルヴィ、大丈夫か?まだ動けるか?」

 

「ええ、何とか。でも立ち上がるのがやっとだわ。それに…あの幻晶騎士は…?」

 

エドガー達は園崎が乗るレーバテインを見た。幻晶騎士より少し小さめな約8m強位だった。

本来幻晶騎士のサイズは約10m強位である。そしてレーバテインの音声スピーカーから園崎が

エドガー達に告げた。

 

「こちらレーバテイン!援護する、今の内に後退しろ!」

 

園崎はレーバテインが手に持つOTOメララ「ボクサー2」 76mm散弾砲をべへモスに向けて

いつでも撃てる様に構えた。するとアルから何かしらが接近してくるのをセンサーで感知し

園崎に接近警報を報告した。

 

《軍曹、接近警報。数は一、機種は幻晶騎士と推定》

 

「幻晶騎士…?増援か?にしては数が足りなすぎる……!?」

 

園崎が接近してくる幻晶騎士のことを考えていると紅の幻晶騎士がAS以上の動きをして

自前の赤い剣でべへモスに斬りつけるが弾かれる。園崎はアルからある事を聞き出した。

 

「アル…幻晶騎士はAS以上の動きをする機体なのか?」

 

《否定。恐らく騎操士が幻晶騎士のリミッターを外して動かしているものと推定》

 

「ディートリヒ?!戻って来たのか?!」

 

アールカンバーのエドガーが紅の幻晶騎士の騎操士の名を呼んだ。しかし、紅の幻晶騎士からは

応答がない。通信を入れるのを忘れているのかそれとも……園崎がそう考えるが今は先ずアール

カンバーに乗るエドガーとトランドオーケスに乗るヘルヴィに戦線を離脱ように指示した。

 

「そこの白い幻晶騎士!まだ動けるか?」

 

「あ…ああ。だがヘルヴィのトランドオーケスが立つのがやっとの様だ。私はヘルヴィを運んで

ここから離れる。レーバテイン殿、できればディーを援護してくれないか?」

 

「肯定だ。あの紅の幻晶騎士は俺が面倒を見る。お前達は先に離脱しろ!」

 

「感謝する。すまないディー!今騎士団を呼んでくる!少しの間持ちこたえてくれ!」

 

エドガーはアールカンバーでヘルヴィが乗るトランドオーケスを抱えて戦線を離脱するので

あった。そしてこの場に残ったレーバテインと紅の幻晶騎士は超大型魔獣ベヘモスと対峙する

のであった。べへモスはレーバテインに殺気を放ちながらブレスを吐いた。

べへモスはレーバテインが己が左目を奪った奴と本能で直感し、怒りと本能のまま必要以上に

レーバテインを集中的に狙い、紅の幻晶騎士には目もくれなかった。

 

「く…っ!思った以上にお怒りの様だ…。アル、ベヘモスに対して有効な兵装はあるか?」

 

《肯定。ベヘモスの甲殻を突き破るには165mm多目的破砕・榴弾砲(デモリッション・ガン)が

有効。しかし、弾薬の製造が確立していない為推奨致しません》

 

アルからベヘモスの甲殻を突き破る兵装はないかと聞いてみた。レーバテインの基本携帯火器

であるデモリッション・ガンを題に出したが、まだデモリッション・ガンの弾薬の製造方が

まだ確立していない為に没になった。だが、園崎はレーバテインの奥の手であるアレを知って

いるのでアルにレーバテインの奥の手を使用できるかどうかを確認した。

 

「なら、ラムダ・ドライバはどうだ?ラムダ・ドライバの斥力ならベヘモスの甲殻を破れる。

アル、ラムダ・ドライバを使用した時活動限界時間はどれぐらいだ?」

 

《…推定上5分が限度です。しかし、ラムダ・ドライバを攻撃に転換する際に操縦者の精神力に

左右されます。初めて使う軍曹には部の悪い賭けかと…》

 

「…だがどの道、やらなければ俺達が御陀仏になるだけだ。部の悪い賭けに賭けるしかない!

アル、ラムダ・ドライバを使うぞ!」

 

《了解》

 

アルの掛け声と同時にラムダ・ドライバを起動させた。するとレーバテインの頭部ユニットの

後頭部から白い髪と思わせる放熱策が展開された。そして園崎はボクサー2を腰にマウントし、

両膝のハードポイントに2振り装備されているGRAW-4単分子カッターを両膝共パージし、左右

それぞれに手に持って走り、紅の幻晶騎士を追い越し、そのままベヘモスに突っ込んでいった。

それを見た紅の幻晶騎士の騎操士……ではなく、一人の幼き学生がレーバテインを見て、まるで

子供の頃から欲しがっていた時の目をしていた。

 

「幻晶騎士とは違うロボット…!なんと素晴らしい!僕が前世の頃に作ったプラモデルの様に

幻晶騎士とは違う独特なロボットに出会えるなんて!何とか、あのロボットのパイロットと

コンタクトを取れないでしょうか?そうと決まれば、即行動あるのみです!」

 

紅の幻晶騎士に乗っている少年もとい、この世界に転生した倉田翼ことエルネスティ・エチェ

バルリアが初めて幻晶騎士以外のロボットであるレーバテインの感想であった。

そしてエルネスティもまた、レーバテインに続く様にべへモスに向かっていくのであった。

 

 




次回、“Beastを狩る魔剣”


エル
「レーバテインの力が僕を滾らせる!」
園崎
「実際使用するのは俺です…」

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