プロト・ツー。
二番目のパーフェクトソルジャーとして創られたその兵士は、イプシロンと呼ばれていた。
しかしある男の願いから、彼は殺戮兵器マシーンではなく人として育てられることになる。
一番目である、プロト・ワン。
フィアナとも呼ばれた彼女が、彼の養育係となった。
外部から隔離された閉鎖空間の中で、ただ二人。
それが原因かもしれないし……もしくは、PSとしての同族意識がそうさせたのかは分からないが、ともかく彼はフィアナに特別な感情を向けるようになった。
それは、同じく彼女に思いを寄せるキリコ・キュービィーとの、決して逃げることのできない因縁を意味していた。
彼女を巡り、星々を巡り、幾度となく激突を繰り返す。
遂には戦士のプライドだけで戦いを挑み、絶対零度に燃え上がる殺意を叩き付ける。
それでも、キリコには勝てなかった。
いや、そもそもからして勝ち目はなかったのかもしれない。
何故ならPSイプシロンは、異能生存体キリコを再現し、超える為に創られただけの存在だったのだから。
この残酷な真実を知ることなく、PSとしての誇りを抱いたまま死ねたのは、ある意味幸福だったのかもしれない。
だが、まさしく奇妙な運命と言えよう。
今、此処に、彼は居る。
如何なる経緯を辿り、此処へ辿ったのか。
「また会えたな、キリコ」
「イプシロン……!」
一歩間違えれば千切れ、少し触れただけでも人を切りつける、張り詰められたピアノ線が琴を鳴らす。
この衝撃の再開に、キリコは唖然としてるようで……内心冷静だった。
去年ロッチナがアンブリッジの部下に囲われた際、現れた護衛が見事なバランシングという、アストラギウスにしかない武術を披露した時から、このエディアという男をイプシロンと疑っていたのだ。
……落ち着けとキリコは自分に言い聞かせる、イプシロンと決まった訳ではないのだから。
確かに仮面を取った顔や、外見はイプシロンその者。
だがこれらは、魔法でどうとでもなる。
しかし……クメンの伝統武術、バランシングを操るヤツが、この世界に居る筈が無い。
「……何故お前が此処に居る」
「あの男と同じだ、私はお前を倒す為に此処に居る」
ロッチナはキリコとの『縁』の深さによって転生した、ならばイプシロンが転生してもおかしくはない。
もしくは……『神』が呼び寄せたか。
「……決着はついた筈だ」
「いや、まだだ、私のPSとしての誇りは汚されたままなのだから!」
やはり聞いていたかと、一人納得するキリコ。
彼はロッチナから知ってしまったのだ、自分が何故、どうして、如何にして産まれたのかを。
「PSがPSに破れたのなら悔いはない? とんだ茶番だ。
私はお前の劣化コピーでしかなかった、あの糞の様な機械が用意した濾過装置でしかなかった!」
PSとしての誇り、それはワイズマンが用意した、後継者に相応しいかを見極める為の試験でしかない。
惨たらしい真実を知ってしまったイプシロンの胸中にあるのは、純粋な怒りだったのだ。
「私は今度こそお前を倒し、PSとしての誇りを取り戻す」
しかしキリコの内心は冷めきっていた。
戦いに関する拘りもない、フィアナを巡る戦いも本人が居ない。
未だ戦いにしか生きることのできない戦友を前に、キリコは何処か冷めた憐れみを送っている。
「……何だその目は、ひょっとして私を憐れんでいるのか?」
短いようで長い付き合いが、同類としての感性が、キリコの奥底にある憐れみを見抜いた。
それはイプシロンの、更なる怒りを招いたかに見える。
「私を侮辱するか、人として余計なものを削ぎ落とし、鋭くしただけの機械と罵るか、その通りだ」
PSは所詮、感情や心……といった部分を無くし、空いた分を戦闘力に割いただけである。
何も知らない人が聞けば、人の都合で作り出された糸繰人形マリオネットと思うだろう。
「だがその事実を恥じたりはしない、この戦いは確かに私のものなのだから!」
それでも尚、彼は誇りを譲らない。
誰かに利用されてあれ、道具であれ、その戦いは全て己が通った道。
与えられた戦いでも、付けられた能力でも、闘いは自らが手に入れたもの。
何一つ悲劇などなく、確かに自らの道なのだ。
なれば後悔などなし、パーフェクトソルジャー・イプシロンは誇りである。
「だからこそ私はお前と闘わなければならない、試験だとしても結果が見えていたとしても、私は負けたのだ」
利用されていても構わない、勝ち続けることが、己の存在意義。
たった一つの汚点が、この男。
同じ存在ではなく、格上に負けたという、PSの限界。
これこそがイプシロンの抱える、唯一にして絶対無比の怒り。
「これは告知だ、キリコ、私は勝つ、そしてPSの誇りを取り戻す」
「…………」
「……しかし、今ではない。
今の私はロッチナの護衛だ、勝手に戦いなど言語道断、いずれまた会おう」
宣戦布告と共に、イプシロンは消えて行った。
殺意や意思は……あの時感じた、ヤツの空気そのものだ。
未だ途切れぬ因縁が、キリコを固く締め付ける。
残された殺意の中、キリコだけが残されていた……訳ではない。
「……知り合い、だったのか?」
歴戦の戦士二人の本気の殺意に晒されたクィリナス・クィレルが、端で呆然と突っ立ていた。
「……は! で、では私はこれで失礼して……良いでしょうか……?」
過剰に丁寧な態度をとるクィレルに対し、キリコは少し呆れた視線を送る。
……ああそうか、下半身を吹っ飛ばした事がトラウマになっているのか。
目の前の男を眺めていたキリコは、ある一つの事件を思い出す。
それは一年の頃、期末試験の数日前の時。
禁書棚に居た、謎の黒ローブの男。
そこで何かをして、そのまま立ち去って行った謎の存在。
あの後、キリコは本に掛けられた呪いをモロに受け、散々な目に合ったのである。
あの時はこいつを、クィレルと考えていた。
だが、何故あのような行動に出たのかは知らない。
……ヴォルデモートは、あの時から俺を警戒していたのか?
警戒する理由は十分にある、ハリーに呪いを掛けていた事を一瞬で見抜いた観察眼は十分脅威だろう。
寧ろ……もし、そうでなかったとしたら。
僅かに震える心を隠し、キリコは口を開く。
あの時、禁書棚に居たのはお前なのかと。
「いえ、あの時期は試験問題の作成に忙しく、それ所ではありませんでしたが……?」
キリコは絶句し、戦慄した。
黒ローブは、クィレルでは無かった。
続けた問い、ヴォルデモートが体を操っていたのでは。
それもまた否、帝王では無かった。
では……誰なのか。
そんな事、解り切っている。
この事実が意味する、最悪な真実も。
ワイズマンが居るとするなら、ホグワーツ内部。
感知されず侵入する方法は無い。
……事前に潜むしか、策は無いのだから。
*
イプシロンとの再会から数日経ち、ホグワーツはざわめいていた。
何と、ロンがスラグホーンの持っていた蜂蜜酒を飲み、死に掛けたのである。
当然彼が疑われたが、その蜂蜜酒は他人から貰った物と分かり、無罪は確実。
犯人は以前のネックレスと同じく分からない、生徒達は不安に駆られていた。
そんな中、キリコは一人、『必要の部屋』を訪れていた。
自分の『異能』の研究資料を回収する為である。
元々この部屋で研究していたのは、同室のキニスを気遣ってのこと。
彼が死んでしまった今、いちいち此処を訪れるのも手間だと、陰鬱な心境になりながら回収しに来たのであった。
……思えば、録に研究出来なかったな。
死ぬ為の呪文を見付けにホグワーツに通い、異能の研究をしているのに、毎年何かしら起こるせいで碌に進められなかった。
だが幾つかの成果は得る事が出来たと、キリコは資料を見つめる。
一つは、どのタイミングで異能が干渉しているか。
これは確実に死ぬ状況が決定的になった時から、干渉が確認できた。
逆に言えば、死ぬかどうか分からない状況での発動は確認できなかった。
二つ目は、異能の対象である。
そもそも死なないの定義は何だろうか、死にも様々なものがある。
キリコは自身の経験から、本質は精神であると結論づけた。
この世界に転生したのも、異能が精神的な死を許さなかったからである。
つまり寿命などで肉体的死が免れない場合、精神を優先するということだ。
……やるとするなら、精神からのアプローチだろう。
だが、精神的な死など御免である。
キリコの目的は極端な話フィアナとの再会だ、だからこそあるかどうかも分からないあの世へ行こうとしている。
にも関わらず精神的に死んでしまっては、再会もクソも無い。
「…………!」
物音、唐突な音が自分以外の存在を告げる。
考えるよりも先に身を翻し、姿を眩ます。
物音のした方を、本棚を背にしながら、慎重に観察する。
(ヤツは……マルフォイか?)
青白い顔、少し尖った耳、紛れもなくマルフォイだ。
誰にも見つからずここまで来たので緊張が緩み、脱力する深い息を吐き、椅子に凭れ掛かっている。
そんな彼を、キリコの目線が鋭く貫く。
だがマルフォイは気付かぬまま、椅子から立ち上がると目の前のキャビネットに向き直す。
懐からメモを取り出し、杖や道具を使いキャビネットを弄り出した。
キリコは懐から以前の買い物で調達しておいた軍用双眼鏡を取り出し、遠距離からメモを盗み見る。
……姿を眩ますキャビネット棚。
ボージン・アンド・バークスに繋がっている?
書かれているのは……修理方法か?
メモから情報を得たキリコが再び目線をマルフォイに戻すと、彼は何故か小鳥を持っていた。
小鳥がキャビネットに入る。
キャビネットを閉じる、開ける。
小鳥が消える、また閉じる、開ける。
死んだ小鳥が現れた。
頭を掻き毟るマルフォイを見たキリコは、今のが失敗だったのだと推測する。
なら成功していれば、生きたままの小鳥が現れるのか?
消えた先は?
ボージン・アンド・バークスか。
キリコは注意深く観察しながら、素早く思考を重ねて行く。
ワープさせたいのは誰だ、仲間に決まっている。
何故仲間、死喰い人を招く、理由は明らかだ。
キリコの視線がより鋭くなり、確信を呼び覚ます。
ヤツは死喰い人を招き入れるつもりか……!
マルフォイにとってこれ程の悲劇はないだろう、慎重にねった計画が、たまたま同じ部屋を利用していたのがキリコだったというだけで、完全に露呈したのだから。
……だが、キリコは疑問を抱いた。
マルフォイにスパイであるスネイプも絡んでいる以上、ダンブルドアは知っている筈。
なのに何も対策を取らないことが、やけに引っかかる。
かくしてマルフォイの計画は、焼き尽くされずに済んだのであった。
マルフォイが部屋から出て行った後に続き部屋を出たキリコは、校長室の前をウロウロしていた。
合言葉が分からないので、こうしていれば向こうが気付くだろうという魂胆である。
「……儂に用かね?」
「最近の連続殺人未遂の犯人についてです」
「……成程、立ち話は不味いのう、入るのじゃ」
部屋に通されたキリコは、ダンブルドアに諭され椅子に座る。
紅茶と珈琲を持ってきたダンブルドアも座り、キリコが真実を語り出す。
「マルフォイが死喰い人を招き入れようとしている」
「ほう、どういうことじゃ」
「必要の部屋でヤツは"姿を眩ますキャビネット棚"という魔法道具を修理していた」
「ああ、ボージン・アンド・バークスと対になっているやつじゃな」
キリコの言葉一つ一つに、ダンブルドアは予知でもしているかの如く先んじて重ねていく。
「呼び出したいのは死喰い人だろう、それ以外でコソコソする理由はない」
「そりゃそうじゃろうな、そして狙いは儂の命かの」
「…………」
「…………」
キリコは確信した、こいつ、やはり知っていたな。
暫しの無言が気まずさを加速させ、耐えきれなくなったのはダンブルドアである。
自分が知っているのを察したキリコに対し、申し訳なさそうに口を開いた。
「……怒らないのかの?」
「理由次第だ」
終始冷静さを崩さない彼に、「助かる」と告げ語り出す。
今のややこしい状況を。
「まず儂が知っていた理由じゃが、これはまあ分かるじゃろう、セブルスからの情報じゃ。
ドラコ・マルフォイはヴォルデモートから、儂の暗殺を命じられておる」
キリコはふと怪しんだ、まだ十六歳の子供にこんな大役を押し付けるのは可笑しい。
「気付いた様じゃの、そう、この任務はヴォルデモートの私情が大きい。
あやつは任務が失敗しようが成功しようがどうでもよいのじゃ」
事の発端は、ルシウス・マルフォイが予言を取り違えた事に発する。
ペールゼン・ファイルズというこれはこれで貴重な予言を手に入れたので、多少はマシなのだが任務に失敗したことに変わりはなく、ヴォルデモートは怒っていた。
そして思い付いたのが、マルフォイへのダンブルドアの暗殺命令である。
もし成功すればそれで良し。
失敗しても息子を殺すことでルシウスに対する罰になる。
どちらへ転んでもヴォルデモートには得しかない、それがこの作戦なのだ。
即ちダンブルドアが迂闊に手を出せば、その瞬間マルフォイの死が確約されてしまう。
その為彼は黒幕を知っていながら、何もできなかったのである。
「確かにドラコは死喰い人の息子じゃ、しかしあの子の手はまだ汚れておらぬ。
何者にもチャンスは与えられるべき、じゃが儂はまだ死ぬわけにはいかぬ」
理性と人情、どちらかに振り切れれば完璧。
それでもどちらも取れず、悩み苦しむ人間の姿がそこにあった。
だが時間は冷徹、決して待ってはくれない。
「…………」
「分かっておるよ、このまま手を拱いていれば、最悪な結末が待っておる」
死ぬか、見捨てるか。
ダンブルドアの心は比較して、死ぬ方に偏りつつある。
彼の自分の命に対する評価は、かなり低い。
過ちを繰り返す愚者、老い先短い老人、未来ある若者。
相対的な結論は、既に明らかだ。
それに死んだとしても、打てる手はまだ残っている。
マルフォイではなくセブルスに儂を殺させれば、よりヴォルデモートの信用を得ることができる。
そうなれば恐らく分霊箱の捜索に旅立つであろう、ハリー達のサポートもしやすくなる。
ヴォルデモートとの戦闘を手伝えないのが不安だが、あの繋がりがある以上そうそう負けはしないだろう。
加えてこの方法ならば、儂の持つニワトコの因果を終わらせられるかもしれぬ。
ニワトコの杖の所有権は、所持者に勝利することで移行する。
しかし茶番で殺されたなら、移行はしない。
何と、儂一人の死で得られる物の多いことか。
ダンブルドアは決意した、自らの死を、その宿命を。
「……儂は、セブルスに殺されようと思う」
「……スネイプにか」
「これが最善の手じゃ、マルフォイの手を汚さず、セブルスをより深く潜らせることができる」
最良とは言い難いが、これは紛れもなく最善の手だろう。
だが、キリコの表情は変化を見せない。
今から喜んで死のう、それを喜んで受け止められるような冷徹さは、彼にはない。
誰かの為に死に、お前は人の為になったと、拍手を打つのではない。
何故その為に死んだのかと、彼は嘆くのだから。
「……そうか」
だがキリコは淡白に返すだけ、彼の本質は優しさだが、基本的にはドライ。
目の前の相手がどんな心境だとしても興味はなく、最善の手なら、それを受け止めるだけ。
彼もまたドライさと優しさの間をさ迷う、愚者なのだ。
ダンブルドアと違うのは、それをやり直そうと思わず、背負い続けるという覚悟である。
「やはり、死ぬ覚悟は辛いのう。
じゃが、やらぬ訳にもいかぬのじゃ」
「……お前が居なくなったとして、ホグワーツの安全はどうなる」
ホグワーツが未だに死喰い人に襲われないのは、古の古代呪文と、ダンブルドアという最強の牽制によるもの。
それがなくなればホグワーツは死喰い人に占領され、彼らの支配に置かれるであろう。
「問題ない、儂を殺すことでヴォルデモートはセブルスをより信用する。
あやつにとってもホグワーツは重要な場所、ならば信頼できる者に任せるじゃろう。
校長に就任したセブルスは、最悪の事態を引き起こさないよう生徒達を守る……という訳じゃ」
成る程と納得するキリコに対し、ダンブルドアは敢えて矛盾する言葉を言い放つ。
「じゃが、不安は残る。
セブルスとて校内全てを監視できる訳ではない、もし見ていないところで死喰い人が生徒を害した場合……儂は、この選択を地獄で悔やみ続けるじゃろう」
それに、死喰い人がスネイプの命令を聞くとも限らない。
どれだけ工夫しようとも不安要素は残ってしまう、これを極限まで減らすのがダンブルドアの役目である。
「では、どうすれば万一に備えられるか。
……DAの活動が持続しておるのは知っておるな?」
アンブリッジの暴走に対抗する為に作られたDAだが、そのアレが消えた後も活動は持続していた。
少しでも自衛能力を高めようという、教師達の配慮だ。
「俺にDAを手伝えと?」
「そういうことじゃ、闘えなくともよい、生きて逃げ切れるように鍛えて貰えないじゃろうか」
キリコにとって他の生徒は関係ない、だが次々と子供達が死んでいく光景など、彼にとっては耐え難い。
この提案を受け入れるのは、ある種当然の結果であった。
「……分かった」
「そうか、ありがとう、手間を掛けてすまぬのう」
偶然にも暴かれた事件の黒幕、だがその中心は、絡み合い縺れた糸のようだ。
ダンブルドアの提案と決意を受け入れた俺だったが、本当にそれしか方法は無いのだろうか。
俺の意思は対照的に、未だ霞の中に居たのだった。
「……いや」
去り際の一言を、霞に残して。
愛の究極に、憎しみの究極に、ともに潜むのは孤独。
永久なる孤独は、最早寂しさではなく、無為なる贖罪。
人は、神に似せて創られたという。
それでは、神の意志に潜みしものは、罪か、孤独か。
次回「会談」。
神の使いは、蛇に囁く。
禁書棚の黒ローブ、覚えてました……?
おまけ 去年のロッチナ
ヴォ「神秘部にキリコ乱入すると思うけどどうする?」
ベラ「私にお任せください! ケチョンケチョンにしてやります!」
ロッ「あいつを甘く見るなよ」
ベラ「あんなちょっと常識がない餓鬼一人に何びびっt」
ロッ「奴について知った風な口を聞くなッ! 特にこのロッチナの前ではな!」
ベラ「!?」
ロッ「フハハハハ……キヒヒヒヒ……奴は有害なバクテリアだ、猛毒を持つ細菌だ」
ヴォ「また発作か、誰か薬を飲ませてやれ」
※この後ベラトリックスの髪がよく燃えました