【完結】ハリー・ポッターとラストレッドショルダー   作:鹿狼

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フォイフォイフォ、フォフォフォイフォイ。
フォ? フォッフォ!
フォォォイッ!







(こんな前書きを、真面目に訳すと思ったか? 馬鹿め!)


第四十六話 「アーミー(Bパート)」

必要の部屋は様々な用途に応じる為、基本的に巨大だ。

しかし今は小さく、こじんまりとしたスペースが広がるのみ。

心地よい暖房と、ふかふかとしたベッド、冬なので加湿器まで完備されている。

そこで一人、孤独に過ごしている人物が居た。

 

「…………」

 

キリコである、彼はここ最近自分の寮ではなく、必要の部屋で睡眠を取っていた。

別に寮で寝るのに飽きたという訳では無い、危険から逃れる為だ。

 

アンブリッジは贔屓にしているスリザリン生の一部にすら嫌われている、それに加担しているキリコも嫌われるのは当然だ。

 

結果彼はありとあらゆる生徒から実害を伴う嫌がらせを受け続けていた、それを喰らうような彼では無かったが、流石に寮という密室だと回避するのが困難な為、寝る時はここに引き籠る事にしていたのだ。

尚アンブリッジの許可付の為、夜間外出の減点は無い。

 

では日中の嫌がらせはどうしているか、彼は律儀に一つ一つ、それを数十倍にしてやり返していた。

水を掛けられれば一日中″太陽の光″を付き纏わせ、石を投げられれば変身術で作ったポリマーリンゲル液を″火炎呪文″付きでぶっ掛ける。

魔法界でなければ一生残る様な傷を、彼は何の躊躇も無く付けまくっていた。

 

それでも嫌がらせが尽きないのは、彼がどれだけ嫌われているかを如実に表している。

キリコは権力の代わりに、一切の安息を失っていたのだ。

最も自業自得と言えばそれまでだが。

 

クリスマス休暇中の彼は今、手元にある一枚の羊皮紙を眺めていた。

そこにはこう書かれている、『アーサーが襲われた、子供達とハリーは移動鍵で本部へ戻る、それ以外の者は学校で待機』と。

 

(…いよいよヴォルデモートが動き出したのか? 何故ヤツは襲われたんだ?)

 

この羊皮紙はダンブルドアが用意した騎士団メンバーへの連絡道具である、彼はアンブリッジに付いて以来騎士団から追放されていたのだが、如何なる手段を用いたのかこの道具を確保していた。

 

因みに彼が知る由も無いが、防衛協会もといDAのメンバーも同様の手段で連絡を取っている。

恐るべき事にハーマイオニーは死喰い人が使っている連絡手段を、ハリーから口頭で聞いただけで模倣していたのだ。

 

(…いずれにせよ、今やれる事をやらなくては)

 

彼はベッドから起きると、机に向かい何かを書き出した。

 

(確か″磔の呪文″が…30発、ここで発動していた。

では飢餓状態から脱したのはいつだ? …そうだ、一週間程過ぎた頃に、都合良く鼠が現れ、それで食い繋いだんだったな)

 

磔の呪文、飢餓状態、キリコはマルフォイ邸に囚われていた時、ヴォルデモートからどんな拷問を受けていたかを一つ一つ、丁寧に思い出しながら記録をしていた。

 

(やはり、いずれの時も異能が発動した疑いがある、飢餓状態は肉体的な死だが、磔の呪文でも発動したという事は、異能は精神的な死でも発動するという事か…

もっとも、俺が転生した時点で予想できていた事ではあるが、確認できたのは無駄では無い)

 

磔の呪文による拷問を、自主的にやる事は理論的にはできる。

しかし精神崩壊しかねない程、掛け続ける事ができるだろうか?

そんな事をすれば途中で自己防衛本能が働き、自分に手加減してしまうのは明確、いくらキリコといえど、そこまで意思で捩じ伏せるのは無理である。

ヴォルデモートの拷問にそれは無い、そこに限って言えば、貴重な実験記録を得たと言える。

 

(だが、いずれの場合も結局異能は発動してしまった。

しかし肉体的に死んでも転生すると分かっている以上、肉体的な死を試みるのは無駄になるだろう。

ならやはり、精神的な死を目的に研究すべきだな)

 

こんな状況になっても尚、キリコは自らの死を目指している。

彼は自覚しているのだ、死なない限り自分に救いは無いと。

無論ヴォルデモートを打倒するまで、死ぬ気は更々無いのだが。

 

だがそれだと謎が一つ残る、自らの死と打倒ヴォルデモートを掲げながら、何故アンブリッジに取り入ったのか。

その時、必要の部屋の扉が開かれた。

 

「…何の用だ、マルフォイ」

「色々とね、言いたい事があるのさ」

 

アンブリッジ公認で泊まっているという事は、親衛隊はキリコが必要の部屋で暮らしている現状を知っている事と同じ意味である。

よってマルフォイ(+グラップ&ゴイル)がここに来たのも、特におかしい事では無い。

その場にあった適当な椅子に座り、マルフォイはある意味当然の言葉を口にする。

 

「よくも僕の家を燃やしてくれたな」

 

あの時日刊予言者新聞の一面を、煌々と燃えるマルフォイ邸が飾ったのはまだ記憶に新しい。

その時純血主義者であるマルフォイ邸に、マグルの銃弾が転がっていたのをロッチナが目ざとく見つけ、権力闘争の脅迫材料にしていたのをこの二人は知るよしも無かった。

 

「知るか、自業自得だろう」

 

そんなマルフォイの恨みぶしはバッサリと叩き切られる、実際にそうなのだから反論の仕様も無い。

 

「…それだけか?」

 

自習や研究に当てる事ができる一人の時間を邪魔されたのでやや不機嫌なキリコは、素早く彼との会話を終了させようとする。

 

「いや…もう一つある」

 

この勿体ぶった言い方、マルフォイにとってこちらが本命の話題だった。

最初の話題が愚痴じみた内容だったのは、所詮会話の切っ掛けに過ぎない。

 

「『今戻ってくれば、今度は最高の待遇を用意しよう』…例のあの人からの伝言だ」

「…………」

 

今まで眉一つ動かさなかったキリコの眉が、ほんの僅かにピクリと動く。

それを見たマルフォイは、手応えアリと判断し、更に畳み掛けていく。

 

「まさかこの意味が分からないなんて事はないな?」

「…なら伝えておけ、″無駄″だと」

「…フン」

 

あれだけ苦しめておいて何を今更。

それはもっともな考えだ、あれだけ拷問しておいてまた仲間になれなど、虫が良いどころの話では無い。

仮に仲間になり、かつ最高の待遇を用意したとしよう。

 

…一度あそこまで暴れまわった男を、そのまま迎える訳が無い。

まず間違いなく、″服従の呪文″を掛けられるのがオチだ。

それを分かっていたからこそ、その雄弁を切り捨てたのだ。

 

「そうかい、けどじっくり考えておく事だ、残された時間はそう長くない」

(…やはり、ヴォルデモートは何かを企んでいる。

一体何時動く? マルフォイはそう長くないと言った、なら長くても今年度中には動くだろう。

それは何だ? アーサーが襲われた事と関係があるのか?)

 

僅かな手懸かりを繋ぎ合わせ、熟考するキリコだったが、途中でおかしな事に気付く。

 

「…まだ何かあるのか?」

 

何時まで経っても、マルフォイが帰ろうとしないのだ。

元からやや不機嫌だったのが、余計に悪くなっていく。

 

「さっきのは仕事だ、今から話すのは、僕個人が気になっている事だ。

お前は本当にアンブリッジに従ってるのか?」

「当然だ、何を言っている」

 

先程までと同じく即答するキリコだが、それだけで引き下がる程マルフォイもアホでは無い。

 

「…例のあの人に逆らったのに、何故アンブリッジには従った?」

 

奇しくもハリーと同じ疑問を抱いていたマルフォイ、それをぶつけられたキリコは、冷徹に微笑しながら答えた。

 

「権力だ、あいつはいずれダンブルドアを追放し、更に出世するだろう。

それに協力すれば、おのずと俺も権力を手にできる」

 

確かに説得力はある、現に今彼はアンブリッジの右腕となり、彼女の暴走を全力でサポートしている。

事実上アンブリッジがホグワーツのトップになっている今、キリコはNo.2と言ってもおかしくない。

しかしこの理屈には穴があった。

 

「…例のあの人が魔法界のトップになれば、それ以上の権力を手に入れられるんだぞ?

わざわざあいつに従う理由が無い」

 

ヴォルデモートに従えば、間違いなくその通りになる。

しかもアンブリッジ以上に、キリコを重宝してくれるだろう。

これは矛盾以外の、何者でもない。

では何故そうしないのか?

 

「ククク…分からないのか?」

「…何?」

「…ヴォルデモートより、アンブリッジの方が無能なんだぞ?」

「―――!」

 

マルフォイは気付いた、こいつはNo.2で居る気など更々無いことに。

キリコはアンブリッジをトップに据えて、そこでまた裏切り、自分をトップにするつもりなのだ!

普通はできないだろう、しかしマルフォイは″できる″と思った、何せ例のあの人を出し抜いた男、アンブリッジごとき、騙すのは屁でもない。

 

「…でも魔法省を乗っ取っても、いずれ例のあの人が襲ってくる、そうなったらどうするつもりなんだい?」

「簡単だ、死喰い人を殺せば良い。

いくらヤツといえど部下を全て失った状態では、ろくに動けない。

闇祓い全員を特攻させれば、大体は殺せるだろう」

「…………」

 

マルフォイは震え上がる、アンブリッジに媚びを売るどころの話ではない。

彼の目的が達成できるかなど分からないが、問題はそこではない。

全員特攻させると、平然と言い放つ冷徹さを恐れたのだ。

 

「そ、そうか、まあやれるものならやってみるといいさ…」

 

完全に腰を抜かしている彼に、それ以外話を続ける気力は無く、そう言い残し二人を連れ部屋から出ていくしかなかった。

 

「…………」

 

やっと一人に戻れたキリコは、溜め息をつき静けさを堪能する。

 

(ヴォルデモート、アンブリッジ…

どちらにつくつもりも無い、むしろ両方とも叩きのめしてやろう…

魔法省の力を手にするのは、俺一人で十分だ…!)

 

 

*

 

 

アーサー叔父さんの大ケガからしばらく経ち、クリスマス休暇も終わった頃。

何処かへ出張していたらしいハグリッドが帰ってきたお陰で、学校の雰囲気は少し明るくなったかに見えた。

けど、大広間の中にはとんでもなく重苦しい空気が立ち込めていた。

 

何故かと言うと日刊預言者新聞の一面に、『アズカバンからの集団脱獄』が報じられていたからだ。

しかも脱獄したのは誰もかも、ヴォルデモートに忠実だった人ばかり。

誰がどう見ても、ヴォルデモートの仕業に違いなかった。

 

これで脱獄したのが普通の犯罪者ならまだマシだった、けどそうとはならない。

アズカバンに居る死喰い人、それはつまり、ヴォルデモートが居なくなっても最後の最後まで暴れ回った、凄い忠誠心を持ってるってことだ。

 

そして死喰い人にとって忠誠心の高さは、そのまま実力の高さに直結する。

今回脱獄したのは、そういった精鋭ばっかだった。

 

だと言うのに、魔法省の態度が変わる様子は全く無い。

トンデモナイ事にこの事件をシリウス・ブラックの仕業だと報じていたのだ。

あの人は無罪じゃなかったのかと思ったら、『疑わしいので再審の必要有』とか言っているらしい。

 

今の魔法省じゃ絶対有罪にするに決まっている、これにはハリーも怒りを通り越し「嘘だろ」と呆れるしかなかった。

 

この酷さに顎を外した人達も居たらしく、DAメンバーが少し増えたのは素直に嬉しく思う。

…それで釣り合うかどうかは、考えるまでもないけれど。

 

とまあ更に活気ずくDAの活動内容も、徐々にレベルアップしている。

最近はもう皆、武装解除呪文と失神呪文を覚えたので、ついに″守護霊呪文″を覚える段階になった。

何でも吸魂鬼に襲われた時の対処方がこれしか無い為、覚えておいた方が良いらしい。

 

いや、覚えてないと一巻の終わりと言った方が良いか。

ただ本来六年生で習うような呪文なので、流石にこれは難航していた。

今のところ守護霊を出せるのは数人、その中で有体守護霊を出せたのとなるとルーナやネビルといった、極々一部の人に限られている。

…因みに、その極々一部に僕も居る。

 

エクスペクト・パトローナム(守護霊よ来たれ)!」

 

ぐるぐるといった感じで杖を振ると、先端から白い光が放出される。

それは一か所に集まり、巨大な大鷲を形成した。

どうやら僕の守護霊は大鷲らしい、…もしかしてキリコの大蝙蝠を意識しているのだろうか。

いや、空を飛ぶ以外の共通項はないんだけど、あっちは哺乳類だし。

 

「わー、おっきい、可愛いね」

「そこはカッコいいっていって欲しかった」

 

ルーナは相変わらずだ、肩に兎の守護霊を乗っけながら何処かずれたことを言っている。

何だかな…って思っていると、ふとルーナと目が合う。

 

「どうしたの?」

「何だか、あんた疲れてるね」

「あー、…やっぱりそう見える?」

 

最近ハリーや皆から同じことを言われているのを思い出す、実際に最近寝不足気味だ。

やっぱりアレと、キリコが裏切ったことのダメージが大きいんだろうな。

そうなると、ルーナがどう思ってるか気になるのは当たり前だ。

 

「ルーナは、キリコのことを…信じてる?」

 

去年キリコのダンスパートナーになってから、彼女とキリコはたまに話す仲になった。

元々滅多に喋らないキリコとたまに話すと言うことは、普通の人に変えればよく話すって意味になる。

 

「信じては…居ないかな、あたし達を売ったのは事実だし」

「そっか…」

 

ルーナなら信じてくれるかと思っていた僕は露骨に落胆する。

僕は彼女が同意してくれることで、自分が間違ってないと思いたかったんだろう。

他人が肯定してくれるということは、それが少なくとも間違いじゃないって事を強くしてくれるから。

 

「でも、あれで終わりじゃないと思う」

「終わりじゃない? それは僕らを売っただけじゃって意味?」

 

売ってアンブリッジの信頼と権力を得て、まだ何かしようとしてるのか?

それとも、あれは何かの為の第一歩で、本当の狙いがあるのか…

 

「うン、裏切ったのか分かんないけど、きっとまた何かするよ、そんな気がする」

「そっか…そうだね」

 

何か、何かを企んでいるのは間違いない。

それが何なのかは分からない、けど…それがハッキリするまでは、キリコを信じても良いんじゃないだろうか。

 

「…ありがと、少しスッキリしたよ」

「? そう? じゃあ守護霊を何とかしてほしいんだけど」

 

何のことかと思ってルーナの肩を見たら、兎の守護霊がいなくなっていた。

何処へいったのか探してみると、部屋の端っこで僕の守護霊に追い回されていた。

 

「―――って何してるの!?」

「これが弱肉強食…」

 

何とか大鷲をひっぺがした頃、ハーマイオニーが練習終了の合図を出した。

けどまだ出ていく訳にはいかない、この扉一枚先に、大量の親衛隊が待ち構えているかもしれないからだ。

 

「誰か居る?」

「あー、またフィルチが居座ってる」

 

ハリーの持つ忍の地図を覗き込むと、柳跡地の所にフィルチさんの名前がキッチリと書かれている。

幸い今日は親衛隊が居ないみたいだけど、これじゃ簡単には出られないな。

 

「どうしたら良いかしら?」

 

ハーマイオニーがフィルチさんを何とかする方法を考え出すけど、彼女の目の前にフレッドとジョージの二人が現れる。

 

「…何?」

「「フッフッフ、少し待ってみなさいな」」

 

滅茶苦茶嬉しそうな顔でそう告げる二人。

あ、これ絶対何か仕掛けてる顔だ。

僕らが察した瞬間、ハリーが変な声を上げた。

 

「ぇえっ!?」

「どうしたんだい?」

「…フィルチの名前が消えた」

 

そんなアホな、姿眩ましじゃあるまいし。

第一ホグワーツの敷地内で、姿眩まし&姿現しはできない。

 

「…そんなアホな」

 

ロンの反応と僕の内心はまったく同じだったらしい、けどロンは地図を見ながら言っている点で違いがある。

え、じゃあホントに消えたの? どうやって?

 

訳が分からなくなりながら外へ出ると、確かにフィルチは居なくなっている。

一体何処に?

そう思い回りを見渡すと、何か一ヶ所だけ妙なことになっていた。

 

「…沼?」

「沼、だね」

 

沼である、文字通りの沼がそこにはあった。

いや別に沼なんて大したものじゃない、探せばそこら中にあるだろう。

なら何が変なのかというと、あんな所に沼なんて無かった筈なのだ。

 

「えーと、これはどういうこと? フィルチは?」

「「あそこさ」」

 

ハリーが小さく呟くと、その質問を待ってましたと言わんばかりの勢いで二人が現れた。

フレッドとジョージが指差す方向にあったのは、禁じられた森の更に奥、二年前吸魂鬼の大群に襲われた湖だ。

 

「「これぞ新製品、″泥沼ジェットコースター″!

ハマった相手をどこまでも運んでくれるぞ!」」

 

確かに沼のある場所から、何かを引きずった様な後が湖の方向まで続いている。

耳を澄ませば、遠くの方から「助けてくれぇ」という声が聞こえた気がする。

 

「うわぁ…酷い」

「むち打ちに比べれば遥かにマシよ、早く戻りましょう」

 

僕の同情は、一瞬で切り捨てられた。

まあその通りなんだけど…一応後で先生に伝えておこう。

と、早足で学校の方に戻っていく。

そして外出禁止時間ギリギリの所で校内に入り込んだ僕たちは、そこで解散となった。

 

 

 

 

DAが終わってしまえばやることは無い、次の練習のタイミングも、ハーマイオニーが用意した連絡用コインで何とかなるので、また集まる必要も無い。

ついでに夕食を食べ終えたらすぐに就寝時間だ、用も無いのに外出する程アホじゃないので、僕は自分の部屋に転がり込む。

 

「あー、疲れた、キリコー、居…ないよね…」

 

いつもの癖でキリコが居るかどうか確認してしまったことに、少し溜め息をつく。

あれ以来キリコはこの部屋に戻っていない、戻ればここの寮生全員に襲われるのが分かってるんだ。

 

僕くらい信じようと決めてはいるけど、やっぱり辛いものは辛い。

しかも確証なしかつ、いつ本心が分かるかも分からず待ってるのだ、余計辛い。

 

ベッドに持たれ込み反対側を見れば、物一つ置かれていない机に少し埃が積もっている。

あれから部屋は広くなった、けどそれが嬉しい筈も無く。

いつもより遥かに冷たく空気を感じた僕は、また一つ溜息をついた。




神が逃げ込み、神が蘇り、神が殺された星、ヌルゲラント
神はその今際の際に、野望の胞子を世界に放った
青い海と豊饒なる大地を持つ、因果の果ての蒼き星
その陰謀はひたすらに深く、恐怖を齎すに相応しい異能の刃だ
密やかに怪しく、瞼の奥にその時を淡々と待つ
次回、『ツインザンド』
対なる者が理想を求む古き城



語られるキリコの恐るべき野望…ホグワーツはどうなってしまうのか!
マルフォイの前髪がストレスで後退する!
以上、想像を絶する程久しぶりのフォイ話回でした。

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