よって本編じゃ絶対見れない、ややめんどくさくなったキリコが登場します。
…上手く書けてりゃいんだが…
『爆発規模判明! 一帯を巻き込んだ大規模火災、アジトがマグルの工場内にあったのが原因。
忘却術師は対応に追われ、スキャマンダー氏がスウーピング・イーヴルの薬をまかねばならぬ程の大惨事に。
ノルウェー闇祓い局長は辞任か』
日刊予言者新聞の一面を読み終えた俺は、深い息をつき寮から出ていく。
俺は困っていた。
何故か、無論ダンスパートナーの事である。
ダンスパーティーまであと四日、にも関わらず俺のパートナーはいまだ見つかっていなかったのだ。
その原因は幾つか存在する、一つは遅すぎた事。
何せ既に四日前、校内のほとんどの生徒達はパートナーを見つけており、無いヤツの方が少なくなっている。
そして俺の人間関係の少なさも理由だ、誰とも話さないという訳では無いがハッフルパフの中で良く話すのはキニスくらいしかおらず、他の寮の連中は顔すら覚えていない。
例外としてハリー達とは時々話すが、あいつらの相手はもう決まっているらしい。
自分の愛する人と踊り、その関係を深める。
とはいうもののこれは建前、実際は少し気になるヤツと仲良くなれたら良いと考えている連中が大半だ。
最悪その辺の女性に頼み込んで、素早く踊りさっさと解散してしまえばいい。
しかしそれが認めがたいからこそ俺は頭を抱えているのだ。
それでは踊ってくれる相手に対し、あまりにも無礼。
面倒くさそうに踊られてすぐに放置され、喜ぶ女性が一体何処にいるというのだ。
こんなクズそのものな行為、できるなら俺だってしたくは無い。
最大の理由は単純だ、俺自身が踊りたくない、彼女以外と踊りたくないからだ。
別の女性と踊る事を彼女がどう考えるかは分からない、例え許してくれるとしても嫌なものは嫌だった。
そうはいっても義務は義務、やらねばならぬ以上は仕方がない。
夕暮れの廊下を一人彷徨いながら頭を抱える。
だが一体誰と組むべきか、しかしもうほとんどの生徒はパートナーを見つけて…
いや駄目だ、そう悩んで一体何日間無駄に過ごしているのだ。
もうこうなればヤケだ、手段が何だのと言っている場合ではない。
今から出会う女性に片端から声を掛けていこう、それしか策は残されていない。
端から見れば笑い話に違いないだろう、しかしその実自分の気持ちと義務の板挟みになり、俺の精神は自覚している以上に荒みきっていたのだ。
自分の本心と義務、女性への敬意によって作り出された地獄…いや、ブラックホールの様な重力に足を掴まれているのが、今の俺だった。
内心かなり苛立ちながら渡り廊下の角を曲がると、運の良いことに…いっそ誰とも遭遇せず当日になってほしかったが、早速一人の女子生徒と鉢合わせた。
「………」
「………」
その少女は奇妙だった。
濁ったブロンドの髪に銀灰の瞳、レイブンクロー生だという事を示す青と白のネクタイ、株の様なイヤリング。
そこまでは普通だった、しかし問題がある、何故イヤリングが本物の株なんだ。
いや、取り合えずまじないか何かの類いと考えておこう。
「知ってる、あんたキリコ・キュービィーだ」
「…お前は?」
「あたし? ルーナ・ラブグッド、年齢は聞いちゃだめだよ」
「…何故そんな事を?」
「レディだから」
「………………」
全く会話をしている気がしない、どうやらこの少女はそのイヤリング以上に変わっている様だ。
しかしそれだけで距離を取る様な感性は俺には無かった、というよりも慣れているのだろう、何せあっちの宇宙に居たヤツらが濃すぎるからだ。
懐かしい面々をふと思い出し、少しの感傷に浸った後彼女との会話に戻る。
「頼みがある」
「いいよ」
「…え?」
俺は知った、この声帯からこんな素っ頓狂な声が出る事もあるのだと。
この場合の″いいよ″とは間違い無くダンスパートナーの事だ、しかし言っても居ないのに何故分かったのだろうか。
「だってこの時期のお願いっていったらダンスパーティーしかないもン」
「………」
この時に限り俺は純粋に感心していた、少しだけ変人というフィルターを掛けてしまっていたが、その実頭の回転は相当なものだ。
この少しのやり取りでそれを見抜くとは、流石レイブンクロー生といったところか。
「…いいのか?」
しかし俺は後ろめたさを感じていた、確かにパートナーの申し出を受けてくれた事は非常に助かる。
だがここまですんなり了承してくれたのに対し、踊りをさっさと済ませるつもりだという俺の狙い。
結果としてパートナーを蔑ろにするその考えは、俺に申し訳なさを痛感させるには十分過ぎた。
では何回か踊るか、と聞かれれば間違いなく「断る」と答えるだろう。
「うン、だってあんた踊りたくないんでしょ?」
一人唸っている所に恐るべき、確信的な発言が俺を貫いた。
何故そんな事まで分かったんだ、もしや開心術でも掛けていたのか?
「…何故分かった」
「鏡、見てみなよ」
あらぬ疑いを立てつつ、彼女の言うままに近くの大鏡を覗き込む。
…ここまで酷い顔をしていたとは自分でも想像できなかった、成程分かって当然だ。
いや、だとすると彼女は俺が嫌がっている事を承知で受けてくれたのか?
ますます申し訳なくなってきたが、こんな機会はもう来ないだろう。
その罪悪感を少しでもマシにする為に、改めて誠意を込めた申し出をする事にした。
「…すまない、宜しく頼む」
「うン、あたしもよろしく」
「…一つだけ質問がある」
だが一つだけハッキリさせなくてはならない事がある、それを無視して踊る事はできない。
「俺が行きたくないと知って、何故付き合ってくれるんだ?」
「あたしだって一回くらい踊ってみたいもン、でも一人はやだし、あんたならちゃんとしてくれそうだったから」
「ちゃんと?」
「そっ、真面目に付き合ってくれそうってこと」
…イマイチ分からなかったが、どうやら彼女の都合から見ると俺が一番丁度良い…という事で良いのだろうか。
まあ彼女が納得しているのならそれで良い、この利害の一致により、俺は何とか絶対の危機を脱する事に成功したのであった。
*
今年一番の極寒と大吹雪、魔法が掛かっているので寒さは感じない筈だが、それでも感覚が冷気を感じてしまう程の悪天候のクリスマス。
大半の生徒が帰省し、いつもなら蛻の殻となる時だが、ダンスパーティーがあるおかげか逆に殆どの生徒が残っている。
会場に到着してみれば開始30分前にも関わらず、玄関ホールは足の踏み場も無い程の群衆で埋め尽くされていた。
その中パートナーであるラブグッドを探す、これだけの中から一人探すのは骨が折れるだろう。
…その悩みは一秒も持っただろうか、ホールのど真ん中に居る彼女は一際、いや二際も三際も浮いていたのだから。
「………」
「あ、キリコ、こんばんは」
今年の持ち物リストの中に記載されていたドレスローブを着込む彼女、そのドレスローブは俺の予感通りなんとも奇抜なものだった。
白で統一されたドレスに、大胆に開いた胸元、からの肩から延びる鳥の様な羽が凄まじい自己主張を叫ぶ。
いや、このドレス、確かクメンで見たような…
「わあ、そのドレスローブ似合ってるね」
「…ああ」
確かに客観的に見れば似合っているのだろう、しかし俺は全く気に入っていなかった。
俺の着ているローブは黒一色という、シンプル極まった物だった。
だが店主が「この方が似合う」と要らぬ気を利かせた結果、所々に赤いアクセントを付けてしまったのだ。
そのお陰で俺は、これを見るたびに
しかし今更文句を言ったとてどうしようもないので、肩が赤く無いだけマシと思い込む様に勤めている。
「…行くぞ」
「うン、エスコートお願いね」
ちょうど良く玄関ホールが開き、彼女の手を取りながら会場へ入っていく。
「あ、キリコ、…とルーナ?」
「こんばんわ」
するとバッタリキニスと鉢合わせる、ヤツもまたパリッとした灰色のドレスローブで身を包んでいた。
その隣に居たのは美しい銀髪をなびかせる美女だった。
「あら、キュービィー君ですーか? こんばーんは」
「…今晩は」
フラー・デクラール、まさか彼女がキニスのパートナーだったのか。
通りであの時自慢げな顔をしていた訳だ。
「…彼女だったのか」
「うん、フラーさんが学校に来た頃、学校案内をしてあげていたんだ」
「私、言葉が上手く通じなーくて困っていまーした、その時彼が助けてくれたーのです」
キニスは五か国語を操る事ができる、それもあって彼女と仲良くなれたのだろう。
「うん、というかキリコパートナー見付けたんだ」
「まあな…」
「てっきり最後まで渋って、マクゴナガル先生と踊るのかと思ってたよ」
「へー、私じゃなくてマクゴナガル先生だったんだー」
訳の分からない疑いを吹っかけてくるラブグッドは無視しておく。
だがこれ以上会話に没頭し、パートナーを蔑ろにするのも悪い。
「んじゃ! しっかり踊ってきなよ!」
「分かっている」
お互いに気を使い合い、会話も程々にしてテーブルへ向かっていく。
近くの空いているテーブルに座るが、そこで俺達は途方に暮れた。
「わあ、綺麗なお皿、でも料理は何処だろう?」
無い、テーブルの上には金色の皿だけが置いてあり、後はメニュー以外何も無いのだ。
会場の何処にも料理が無いのでバイキングでもない、しかしウェイターも居ないので注文式でも無い。
これは一体何なんだ…と、どの生徒も混乱している。
「ローストチキン」
審査員席の方からダンブルドアの声が聞こえてきた、そしてそちらを見ると次の瞬間皿の上にローストチキンが直接出現しているのが見え、そこで俺達は注文方法を理解した。
「びっくりだ」
「…ああ」
何とも斬新な方法を考えたものだ、周りの連中も次々と頼みだすのを見て俺達も注文する。
「ローストビーフ」
「ダボフィッシュとチヂリウムソーダー」
出てきた料理を二人して無言で食べ続ける、そこに会話は一切無い。
どうやら食事に対する姿勢はお互い同じの様だ、極力邪魔されずに美味い料理を堪能する。
しかし俺が代表選手である以上、それは叶わぬ願いだった。
「ここに居ましたかキュービィー、パートナーが見つかった様で何よりです」
「こんばんわマクゴナガル先生、凄い綺麗ですね」
確かに若さを生かした色気とは違い、その老いすらも美しさへ昇華したそれはまさに英国淑女といった雰囲気である。
「おや、ありがとうラブグッド、用件ですが、代表選手は見本も兼ねて一番最初に踊る伝統があります、なのでパートナーを連れて壇上に上がってください」
まさかの事態が発生した、しかしもうここまで来たら腹を括るしかないのだろう。
「~♪」
「…………」
この状況でも鼻歌混じりとは、その精神力には圧巻するばかりだ。
壇上に上がると代表選手とそのパートナーが並び、何人かは恥ずかしげである。
そして魔法界で最も人気のあるバンド(らしい)″妖女シスターズ″の曲と共に、代表選手のダンスが始まった。
「へえ、キリコ結構上手だったんだね」
「…恥はかかせたく無い」
「知ってる、紳士ってヤツだ」
「…………」
俺達のダンスを切欠に盛り上がりだしたパーティー、その空気の中俺達はエントランスで休憩していた。
「…水だ」
「ありがと、みんな盛り上がってるね」
吹雪は一旦落ち着き、景色はクリスマスらしい静かな雪を積もらせている。
だが俺の心はある意味雪よりも静かだった。
その理由は俺も、彼女も分かっている。
「…まだ踊るか?」
「ううん、大丈夫、最初からそういう約束だったしね」
彼女に気を遣い、俺自身もなるべく楽しく過ごそうと意識していたが、やはり心から楽しめる事は無かった。
いや、最初から意識しようとした時点で無理だと分かっていたのだ。
「…すまない」
「いいよ、あたしとじゃ楽しめないって分かってた」
今のは自嘲だったのだろうか、しかしそれにしては何かが変だ。
…そして俺は、彼女の恐るべき直感を知る事となった。
「あっちに行っちゃった、好きな人に申し訳ないもんね」
「!?」
何故だ!? 何故こいつがフィアナの事を知っている!?
やはり開心術を使っていたのか!?
「…何故…分かった…?」
「だってパパにそっくりなんだもン」
「…パパ?」
「あたしのママね、魔法の実験で死んじゃったんだ、その時のパパが、キリコとそっくりの目をしてたの」
…そういう事だったのか、よく見ればそれを語る彼女の眼もどこか、遠い場所を見ている様である。
と、理解すると同時にそれを思い出させてしまった事に対する罪悪感が湧き出てきた。
「…本当にすまない」
「謝んなくていいよ、それにあたし、お陰で楽しめたから」
「…………」
「じゃあね! よかったらまた踊ろ!」
そう言い残し彼女は何処かへ去っていってしまった。
残された俺が感じていたのは、冷たい孤独感だった。
…フィアナ、お前に会える日は来るのだろうか、今生きている事はお前が消えてしまった時よりも辛くはない。
だが、それでも心のどこかで常に寂しさが泣いている、こればかりは無くなる事は無い。
「―――良かったのかの?」
「…ダンブルドア…校長」
「何だかあまり楽しそうでなくてのう、どうしたのかと思い、ちょっと覗いてみたら… すまん、聞くつもりは無かったんじゃがの」
カーテンの影から現れたのはばつの悪そうな顔をしたダンブルドアだった。
いつから聞いていたのか、あの顔を見るに割りと最初のほうからだろう。
「…おぬしが寂しそうな理由がようやく分かった」
「…ようやく?」
「今だから言うが、儂は君の事をずっと心配していたのじゃ」
心配か、だからこいつは入学したての頃、俺に妙な視線を向けていたのか。
確かにあの頃はキニスにもほとんど心を開いておらず、常に威圧感を放っていた。
「今はもう、その寂しさは和らいだ様に見える、しかしそれでも時折寂しそうな眼をするのが分からなかったのじゃ」
「…………」
「キリコ、君は、彼女の事をいまだ思っているのかね?」
「そうだ」
その思いが変わる事は無い、他は何も要らない、俺の望みはフィアナだけだ。
だからこそ、このパーティーに参加するのを散々渋っていたのだ。
「そうか、…それは良い事じゃ、じゃが覚えていてほしい、君が生きている場所はここなのじゃ、向こうではない。
彼女を忘れてもならんが、引きずられてもいかん。
君を思っている人は沢山おる、それだけは覚えておいてほしい」
そう語るダンブルドアの顔を覗き込む、その蒼い瞳には俺と同じ寂しさが写っている様に感じる。
それと同時に、まるで自分自身に言っている様な感覚も覚えていた。
「ところでもう一つあるんじゃが」
「…どうぞ」
急に声色を変えたダンブルドア、今度は何の用なのだろうか。
「最初の課題で君が使ったあれは、何の呪文なのじゃ?」
…不味い、この質問に答えるのは非常に不味い。
それを教える事は、俺が何なのかを教えるのと同義だ。
だが答えない訳にもいかない、それはむしろ警戒を呼ぶ。
ならば適当に誤魔化す以外ないだろう。
「…アニメ、…です」
「アニメ? やはりジャパニーズアニメかの?」
「…ロボットが好きで、ゴーレムで再現したん…です」
「ほう、確かにあれは凄い、実にクールじゃ、…しかし儂がボケていなければ、あんなロボットを見たことは無いんじゃが…」
「…オリジナル…です、他を真似てもつまらないので」
「なるほどのう、それにしては運転に慣れてる様じゃったが」
「…練習したので」
「…………」
「…………」
何てしつこい追求なんだ、先程の説得が嘘だったという訳でも無いだろうが、この質問も狙いの一つの様だ。
その真剣さを表す様に、ヤツの目線はこちらを見て離さない。
…目線?
まさか開心術か? 開心術は行う時に目線を合わせる必要がある。
しかしそうだとしたら、身体中を這いずり回る感覚に襲われる筈、それが無いという事は使っていないのだろうか。
万が一使われても、閉心術は会得済なので大丈夫だが…
「…ふう、少し話疲れてしまったのう」
「…………」
「儂は戻るが、どうするかね?」
「…寮に戻ります」
「そうか、では第二の課題、頑張るんじゃぞ」
「お疲れさまです」
会場へ戻っていくダンブルドアの言葉が、俺に染み付いていた。
引きずられてはならない、俺がフィアナを思い続けるのもそうなのだろうか。
だが俺にはそうとは思えなかった、いや彼女だけではない。
かつて共に戦った
だが忘れた事も無いのだ。
…だからこそ。
ようやく、あの子の″闇″の一片に触れることができた。
愛すべき人を失った悲しみ、それがあの子の寂しさの理由だったのじゃ。
じゃが、儂の不安が消えることは無かった、むしろ膨らむ一方。
何故あの子は殺しに躊躇いが無いのか、あのロボットは何なのか、何故彼はあれほど冷静に戦えるのか。
彼の悲しみはその問いの答えには成らない、結局儂の不安は一つも解決していない。
…異質じゃ、あまりに異常過ぎる。
それだけではない、儂は彼に対し正体も分からぬ恐怖を感じていた。
恐怖の正体を見るために、それに駆られるまま、彼に開心術までかけようとした。
じゃがすんでの所で踏み留まる事ができた、そして儂は自己嫌悪に陥った。
あの子の過去を覗けば、愛する人の死を見るのも必然。
それを知りながら目的の為に記憶を掘り起こそうなど、それこそ儂が後悔して止まぬ″善″そのものじゃ。
大丈夫、今の彼は多くの友に囲まれている、それにあの子は邪悪などではない、これだけは間違いない。
ならば儂がすることはない、あの子はいつか死の悲しみを乗り越え、自分の道を歩んで行くじゃろう。
あの子の光を可能性を信じる事こそが、儂の務めなのじゃから。
じゃが、それは大きな思い違いじゃった。
結局の所、儂は彼の事を何一つ理解してはいなかった。
これが儂の、罪を誤魔化す為の自己満足でしか無いこと。
それを知るのは、まだ遥か先の事…
会場に監禁と過酷を求め、完璧さを追求すればここになる
ここには厚い壁もなければ、深い海もない
吸魂鬼の群れもなければ看守さえいない
あるのは澄み切った湖と代えがたいモノのみ
摂氏1℃足らず
手足どころか内臓さえも凍る
息をくれ
鉄心石腸を立たす息をくれ
次回、『冷獄』
恨みつらみの言葉すら出せない
キリコに開心術を掛ける 異能ポイント+10
キリコに開心術を掛けない 異能ポイント+2
※10以上で回避不能の死亡フラグが成立します
たまたまキリコの過去を聞いてたから踏みとどまったが、もし聞いていなければ…
運の良い奴め。