緋弾のアリアAA(+A)~リリカル、マジカル、武偵なのっ!~   作:タカヒロオー

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タイトルまんまです。

では本編どうぞ!



第9弾 ぱんちゅーとぶらちら~乙女2人の災難~

NO SIDE

 

敬愛する先輩・アリアに近づく悪い虫(あかり認定)、遠山キンジの素行を調査すべく尾行を開始した間宮あかり。

 

途中、風魔陽菜の妨害に遭うものの、とうとうキンジと対峙する…。

 

SIDE:あかり

 

「…で、誰だよお前…?」

 

凄みの効いた声で話しかけてきたキンジ先輩。

 

さすが武偵Sランクを感じさせる迫力…でも!

 

「あの…アリア先輩とはどんな関係なんですかっ?!」

 

「…アリア?…お前アリアの知り合いか?何を勘違いしてるか知らんが、俺とあいつはそんな関係じゃない。」

 

関係がない?!あれだけアリア先輩が親しく近づいてるのに?

 

「要件はそれだけか?…そうならもう俺をつけるな。今のおればEランクだが探偵科(インケスタ)だ、お前ら1年の尾行ぐらいすぐにわかる…次はないぞ、じゃあ…」

 

え…元Sランクなのに今Eランク?それって…

 

「…キンジ先輩、あなた何か秘密が…」

 

「…度胸があるのと無謀なのは違うぞ1年。」

 

(ゾクッ!!)

 

ひいっ?!な、なんなの今の殺気は?!

 

「…大丈夫でござるか師匠?」

 

いつのまにか陽菜が背後に控えてる…これって形勢不利?

 

わたしは訓練で教わった通り銃口を2人に向け視線を交互に向ける。

「…お前、どこ中の出身だ?」

 

?…質問の意味が分からないけど…

 

「い…一般出身です。中3の2学期から武偵高の付属中に転入してきました。」

 

わたしの答えにキンジ先輩は軽くため息をつき…

 

「…一般中(パンチュー)か…風魔もういい、こいつは大丈夫だ。」

 

「…御意。」

 

キンジ先輩の一言で陽菜も武器を収めた。でも…

 

「ぱ、パンチューがなんだっていうんですか!!」

 

一般中出身なのを馬鹿にされたと感じたわたしが怒鳴ると同時に…

 

ゴォォォッ!

 

突然吹いた強風がスカートを捲し上げ…その…

「ぱ…ぱんちゅーがっ!」

 

…思わず噛んじゃった。わたしは慌ててスカートを押さえ込む。

 

「なっ?!…なんなんだよお前はっ!…うああああっ…」

 

突然キンジ先輩が頭を抱えて苦しみ出した…えっ、なんで?

 

「しっ、師匠!お気を確かに…傷は浅うごさるっ!」

 

結局キンジ先輩は陽菜と一緒に公園からでていった。

 

(何、何、なんなのっ?あれって女性恐怖症?!それにしたってあの態度は失礼よっ?!)

 

わたしは去り行く2人を見ながらそんな事を考えてた…。

 

NO SIDE

 

時同じ頃…アリサは横島とタマモを連れて教務科(マスターズ)の綴 梅子の元を訪れていた。

SIDE:アリサ

 

…コンコン!

 

「失礼します!綴先生にお客様をお連れしました!」

 

教務科の扉を開け中を伺う。ここにいるのは現役バリバリの武偵である教官たち。…ものすごい緊張感だ。

 

「なんだバニングスか…何か用事か?」

 

その部屋の奥に目的の人…綴梅子の存在を見つけたわたしは声をかける。

 

「ご苦労様です。お客人をお連れ…ってあれ?」

 

「うっめこさ~ん!」

 

わたしが一瞬目を離した瞬間に横島さんは綴先生向かってダイブしていた。…いったいいつの間に?!

 

バコッ!

 

…と思ったら顔面にカウンターのストレート!さすがに隙がない。

「ん…?なんだ、誰かと思えば横島か!相変わらずだな…令子は元気か?」

 

やっぱり知り合いだったんだ…って令子さんって誰?

 

「いててっ…それがですね梅子さん。実は…」

 

横島さんが渡した紹介状を読む綴先生。そして…

 

「…なるほど、GSの研修で海外にいくんでお前を預かってくれってか。…でも、確かもう1人いなかったか?おキヌかなんかいうのが。」

 

「おキヌちゃんは別の高校に通ってるんで。…というわけなんでこれからしばらくお願いしまっす!」

 

「…わかった。ただ適性検査は受けてもらうぞ?曲がりなりにもA級のGSなんだ。超偵ランクも高いだろうからな…ま、令子の推薦なら心配いらんだろ。」

「あの…すいません、令子さんっていったい…?」

 

…まったく話が見えないんだけど…

 

「…あぁ、すまんすまん。令子ってのはこいつの師匠で私の知り合いだよ。美神令子…聞いたことないか?」

 

…?! 確か神威さんから聞いたことがある…世界でも有数の特S級のGS…!

 

「…弟子というよりは極安で使われてる助手、って方が正しいんっすけどね…」

 

「まぁあいつの金に対するがめつさは尋常じゃないからな…ちなみにいくらだったっけ、お前の給料?」

 

「…時給498円です…」

 

ぶっ?!…な、なによその金額…ロー〇ンだってもう少しくれるわよ?

 

「これでも新人当時からすれば倍になったんだよっ!」

 

「…ってことは時給250円?そんなんでよく辞めなかったわね…。」

 

わたしはある意味感心する。そこまでしてGSになりたかったのか…

 

「いや、ただ単に美神さんが好きだったから…」

 

ズコッ?!

 

(わたしの感心を返せ~っ?!)

 

頭を抱えて悩むわたしを余所に綴先生は話を進めていく。

 

「…で、住むとこは決まってるのか?」

 

「一応美神さんが用意してくれたマンションに住もうかと…ここなんすけど。」

 

横島さんが出したのはマンションのパンフレット…ん?どこかで見たような…えっ、まさか?

わたしはパンフレットを奪い取り写真を確かめる…間違いない、ここは…(汗)

 

「…先生これ、わたしの住んでるマンションです…」

 

「お、それなら案内してやれバニングス。横島もそれでいいな?」

 

「もちろんっすよ!よろしくなアリサちゃん!」

 

「…すまんなアリサ。こいつ共々よろしく頼む。」

 

…はぁ…マジですか。なんかどたばたしそうな予感しかしないんですけど。

 

わたしはこれからの生活に一抹の不安を感じつつ横島さんとタマモをマンションへと案内するのだった…。

 

SIDE:忠男

 

「…ここがそのマンションよ、横島さん。」

何故か不満げに言うアリサちゃん。

 

俺は知り合いの可愛い子ちゃんが近所にいるだけで嬉しいんだけどなぁ…

 

「いや、多分それはお前だけだ横島。普通にお前がそばにいると身の危険を感じてしまうぞ?」

 

おまえは黙ってろタマモっ?!俺はアリサちゃんと話しとるのだ。

 

書類を確認した管理人さんが眼鏡を傾けながら言う。

 

「はい、確かに。部屋は隣の棟の最上階だね。」

 

隣の棟だと?それじゃアリサちゃんとは…

 

「…残念でしたね横島さん?ま、ご近所さんには違いないんで、よろしくお願い…あれ、そういえば横島さんって幾つなの?」

 

「…俺か?17だけど。なんか強襲科2年に編入してくれってうm…綴先生から言われた。」

 

なんでも2年に素質のある生徒がいるらしいんで面倒みてもらえ、ってことらしい。

 

「ふ~ん…強襲科だったら訓練一緒になるかも。ま、そのときはよろしくね♪…じゃ、わたしはこの棟だから。仕方ないから明日は送ってあげるわ、感謝なさい?」

 

そう、学校からの帰り俺たちはアリサちゃんのお迎えに便乗したんだが…リムジンだとは思わなんだ。しかも執事つきだぞっ?!

 

「エントランスで待ってればいいわ。じゃまた明日ね♪」

 

アリサちゃんは手を振ってエレベーターに乗り込んだ。

「さぁ、わたしたちもいくぞ横島!荷ほどきをせねばならんからなっ!」

 

…しゃあね~なぁ…俺はタマモに引っ張られて自分達の部屋に向かった…

 

SIDE:アリサ

 

「お疲れ様でしたアリサお嬢様。…どうされましたか?」

 

「…別に。先にシャワー浴びるわ。」

 

わたしはカバンをベッドに放ると浴室へ向かった。

 

シャアァァ…

 

「あぁ甦るぅ…♪やっぱりシャワーは最高ね。」

 

浴室の外から鮫島の声。

 

「お嬢様、少し買い物に出掛けてきます。鍵は…」

 

「あぁ開けたままでいいわよ、すぐ出るから。」

このマンションはセキュリティが厳しいから不審者が入るのは不可能だからね。

 

「そうですか、ではすぐに戻ります故…」

 

鮫島の声の後にドアの閉まる音。…ふぅ。

 

わたしはシャワーを終えた後、下着だけ着ると台所の冷蔵庫からコーヒー牛乳を取り出す。

 

ごくごくっ…ぷはっ!

 

「は~っ、なんで風呂上がりのコーヒー牛乳ってこんなに美味しいのかしら?」

 

毎度ながらつくづくそう思う。

 

ガチャ…

 

あ、鮫島が帰ってきた?

 

「お帰り、意外にはや…」

 

「「……………?!」」

次の瞬間、わたしの思考は停止した。だって…開いたドアの前にたっていたのはさっき別れたはずの横島さんとタマモだったんだから…。

「……………」

 

「…え、あ、………?」

 

「………見たなぁ…下着姿…」

 

「…いや、あの、これは不可抗力と…」

 

「問答無用っ!(ビュッ!)」

 

ゴツン!

 

「へぐっ?!」

 

わたしの投げたコーヒー牛乳のビンが横島に命中、KOする。鼻血を出してるのはわたしの下着姿のせいか、今の攻撃のせいか…

 

「…見たか、乙女の怒りっ!」

 

「あ~ぁ…どうしていつもこうなるんだお前は…?」

 

何故か両手に赤〇きつねの入った袋を持ったタマモは呆れ返るだけだった…。

 

 




リリすれ読まれてない方のために補則設定です。

※逢魔 神威(あいま かむい)

拙著「リリカルすれいや~ず!」主人公の逢魔リナの父親。

現在は凄腕のトレジャーハンターだが、若い頃は武偵としてならしていた。

魔法を使わない近接戦ならヴォルケンリッター全員でかかっても勝てない猛者。

アリサはリナ、なのは、すずか、はやてとともに家族ぐるみの付き合いで、武偵高への推薦をしたのも彼。

ちなみに綴にとっては神威は憧れだったが生徒には内緒。



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