BLACK・DRAGON 僕と黒い喰種   作:ルディア

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第1話目です。一万字書くとか言ってたけど実際には八千字位しか書いていません。そして原作キャラが多数登場します。完全オリキャラというのは何だったのか。タイトル詐欺です。拙い文章ですが最後まで読んでいただけると幸いです。


第1話 “偶然”

どの位意識が無かったのかは定かでは無い。けど、これだけは確かだ。僕は今地面に突っ伏している。しかも背中には未だにとれぬ強烈な痛み。喰種に生まれた事が一番ツいてない事と思っていたが今日の出来事は二番目位にツいてない。身体を起こそうと藻掻くが唯、爪が地面を削るだけだ。だが辛うじて生きている事に一先ず安堵する。喰種じゃ無かったら今頃三途の川を漂っているだろう。今日だけは喰種であるという事に感謝した。漸く痛みが引いてくると正常に脳が活動を始める。取り敢えず状況を整理しよう。

 

確か僕は家に帰る帰り道の最中であった筈だ。それで急いでいたら急に空から人が降ってきて......

 

「そうだ......アイツは何処へ行ったんだ......?」

 

“アイツ”と言うのは僕の記憶にやけに鮮明に焼き付いている黒い人物の事だ。会って早々「喰種か?」なんて尋ねてきた失礼極まりない奴。一瞬、奴が僕に危害を加えたのか?という考えが頭を過ぎる。だがそれは無いと頭の中で否定した。確かに僕は“背後からの衝撃”によって意識を失った。現に引いてきたとはいえ確かに感じる痛みが何よりの証拠だ。奴は僕の真正面に落ちて来たのだから僕の背中にダメージを負わせる事は難しいだろう。

 

じゃあ誰が?という疑問が頭に浮かぶ。だが、今はそんな事よりも起き上がり帰宅することが何よりの目的だ。力が入らない身体に鞭打ってプルプル震えながらも何とか起き上がる。幸い直前に人肉を喰っていた為再生は早い。今日二回目となる喰種という事への感謝を終えると傍に無造作に転がっていたリュックを拾い上げるとヨタヨタした足取りで、家に向かい歩いて行く。

 

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自宅に着いた僕はリュックを放り投げると真っ直ぐにベッドに向かいその身を投げるとそのまま目を閉じる。安心感からなのか僕は数分でスースーという寝息を立て夢の世界へ落ちて行く。この時僕はまだ知らなかった。あの“黒い人物”に会ってしまったことが何を意味するのか......。

 

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目が覚めたのはけたましい音を出し小刻みに震える目覚まし時計の所為だ。腕を上下にバンバン振り、止める。見上げると見慣れた天井があった。僕の家は1LDKのマンションだ。アパートでは無くマンションなのは僕の親代わりである叔父に当たる親族からの仕送りが多い為多少高くても充分やっていけるというのもある。因みに僕の両親は既に他界している。捜査官に殺されたそうだ。詳しい事は知らないが。何せ当時僕はまだ6歳。理解しようにも出来ない年齢だった。

 

ホッと一息つき胸をなで下ろすと身体を起こそうとしてみる。筋肉痛に酷似した痛みが背中を中心に広がっていく。今日は学校休もう。そう決心すると薄型で灰色が基調のやけに傷だらけな携帯電話を手に取ると、少し迷った挙句学校に直接、では無く唯一僕が友達というものをやっている『四麻乱須(シマランス)』に電話を掛けることにする。その理由は僕のクラスの担任は良い意味でお節介なのだ。僕は今迄殆ど学校を休んだ事が無い。下手に嘘をつくと僕の家に直接、或いはクラス総出で見舞に来る可能性があるからだ。四麻乱須。名前の由来は父親が槍が好きだから、だそうだ。だったら槍(ソウ)でもいいではないかと思うのは僕だけでは無い筈。本人が気に入っているので僕は何も言わない事にしているが...。因みに子供が出来た時付ける名前は?と聞いたら速攻で『剣(バスター)』と答えた。キラキラネーム好きは遺伝するようだ。

 

数回のコールの後今起きましたと言わんばかりな四麻が

 

「ふわぁー...なんだよぉ霧薙ぃ。」

 

と言いながら電話を受けた。と言うかもう登校時間20分前だぞ?大丈夫か?というツッコミをグッと飲み込むと

「朝早くゴメン。実は僕今日熱出て学校休むから先生に言っといてくれない?」

四)「はぁ?自分で言えばいいだろ......。」

「ウチのクラスの担任に言ったらどうなると思う?」

四)「.........チッ分かったよ。今度飯奢れよな。」

「覚えてたらね。」

 

そんな感じで電話を終えると大きな溜息をつく。余計な予定が一つ増えたが無断欠席の罰に比べれば安いものだ。突然だが此処で僕自身の紹介をしておこうと思う。

 

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名前は......言わなくても解ると思うが念の為もう一度。『霧薙遊理』。何処にでもいる普通の高校生二年生だ。身長は170後半位(RC値検査に引っ掛かるためあの手この手で計測から逃れている為詳しい事は解らない。)ルックスは...まぁ定評はあるが生まれてこの方彼女というものが出来たことがない。喰種だから深入りされると困るという理由を盾に言い訳を続けている。趣味はゲーム全般。ガチ勢では無く色んなゲームを浅く広く試している。親友(笑)の四麻乱須とは中学校からの付き合いだ。唯の腐れ縁だが切っても切れない所がある。とまぁこんな所か。(メタい話、キャラ紹介の時にまた詳しく説明するのでここまでにしておこう。)

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大分身体が動かせる様になり暇なのでテレビを付け適当にチャンネルを回していた。ふと、気になるニュースに目が止まりリモコンを机の上に置いた。よく見るアナウンサーが特に興味は無いけど仕事だからと言うようなトーンで淡々と原稿を読み上げる。

 

『11月26日に起きたあの“黒竜事件”からもう直ぐ一年が経とうとしています。行方不明になった方や帰らぬ人となった親族達の悲痛な叫びは届くのでしょうか。当局は、この事件を扱うに当たり喰種対策局20区支部の方にお話を伺いました............ 』

 

画面ではアナウンサーの横に黒竜の写真が映されたところであった。再び意識をテレビに向ける。今度は黒竜の写真が映されていた。怖いくらいに肌の色が白く、かつ端整に整えられたそれは一目見ただけでは黒竜とは信じられないくらいの美青年だった。次に捜査官と思われる人物に映像が切り替わり如何にも仕事用の表情で事件について述べていた。“黒竜事件”とは一人の喰種が起こした個人の喰種の犯行ではCCG開局以来過去最高の被害者を出した一年前の11月26日に起きた事件である。二ヶ月で二千人余りが亡くなった人類史にいや、喰種史に残るその事件は多くの謎を残したまま主犯である通称“黒竜”が駆逐された事によって幕を閉じた。“謎”と言うのは、僕が知ってる中でも多く存在する。例えば黒竜を“駆逐した”という記録は残っているが肝心の遺体は煙のように消えてしまったとか、11月26日という日付けは確かだがその日に事件が“起きたのか”“終わったのか”はハッキリしていないとか、色々だ。(因みに後者の謎については11月26日に事件が起きたという説が有力である為本記述ではそう記されている。)

 

「もう一年か......。」

 

一年も経つのに未だに人々の記憶から消えない事件はそうそう無い。当然だ。二ヶ月で二千人なんて普通なら有り得ない。単純計算でも1日に140人以上は殺している計算になるのだ。そんな喰種居たら間違い無く日本、いや世界最強だろう。それを駆逐したという報告も疑う位だ。実際に遺体は見つかっていないのだから。

 

「.........そんな非現実的な事考えたってどうしようもないよな。」

 

そう割り切るしか無かった。そんな喰種がまだ生きているなんて考えたくも無い。暫くあれこれ考えていたが不意に睡魔が襲い気づいたら再び夢の中だった。

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僕を起こしたのは家に鳴り響くチャイム音だった。慌てて起きるとインターホンに向かう。そこには案の定、予想していた人物つまり四麻乱須が立っていた。手には何か不穏な白い袋を携えていたが気にしない事にした。玄関を開けると「お邪魔します」も言わずに家の中にズカズカと入ってくる。僕もそれを咎める事はしない。咎めても意味が無いことを知っているからだ。四麻は僕を見るなり

 

「うわぁ...ひでぇ顔。もしかしてずっと寝てたのか?」

 

病人が寝ていて何が悪いんだと心の中で毒づきながら床に座る。テーブルを挟んで向こう側に四麻もドスンと腰を下ろした。そして先程の白い袋をドン!と机に置くと腕を組み何かを言いかけたのでそれを制止するように口を開く。

 

「何の用?」

四)「決まってんだろ。おめぇの見舞いだよ。ほらお前どうせ何も食って無いだろうって思ってな。“特別に”わざわざ“俺が”買ってきてやったハンバーガーだ。一緒に食おうぜ!」

「生憎、お前と話す気力も飯を食う気力も無いから帰ってくれないか?」

 

当然このb...ゲフンゲフンこの四麻という男は僕が喰種であると知らない。だから普通に人間の食事を持ってくる。気持ちだけ受け取って......いや、気持ちもハンバーガーも何もかも捨ててそのままご帰宅願うのだがこの四麻という男、性格からして自分と一緒にハンバーガーを食すまで家から出ないだろう。これは詰みというやつか。無言でハンバーガーを袋から取り出すと包み紙を丁寧に必要以上に時間を掛けて剥がす。黄土色のバンズにべっこう色の艶やかなソースが掛かった肉。その上に所狭しと盛られたキャベツ。人間が好き好んで食べる食べ物。それを前にして僕は一つ息を吐いてから覚悟を決めかぶりついた。

 

四)「いやぁ、やっぱこの店の照り焼きバーガーはいつ食べても死ぬ程美味いなぁ。お前もそう思うだろ?」

「じゃあ今すぐこの場で死ね。」

 

分かってはいたが酷い味だ。先ず、この馬鹿が大好きだという照り焼きされた肉だろうか、人肉に近い食感で人肉の数億倍は不味い味が口の中を駆け回った。生臭い溝の様な匂いと泥のような味に吐き気がした。その後は緑と白の野菜。これは、なんと言うか食感がしっかりしている粘土である。しかも油粘土。バンズはまるで人間で言う所の燃えるゴミをゴミ袋ごと食べてるかのようだった。僕は一口だけ食べると包み紙の上にその物体を置き慌てて水をコップに注ぎ一気に煽った。暫く嘔吐感が付き纏うだろう。

 

「ゴメン...折角きてくれて悪いんだけどうつしたくないし今日は帰ってくれないかな?」

 

僕が一口食べる間に完食した四麻はコーラを飲みながら僕の方を向いた。

 

四)「.........そっか。分かった。今日は帰る。じゃあ明日学校で会おうな。」

 

自分の食べた分だけのゴミを、持って来た白い袋に入れると颯爽と帰って行った。僕は四麻が帰った事を確認するとトイレに駆け込み喉の奥に指を突っ込むと先程食べた物を全部吐き出した。

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暫くして漸く落ち着くと珈琲を入れ流し込む様に飲んだ。最悪の気分だ。冷蔵庫から昨日ストックした人間の手をジップロックから取り出すと一息に全部食べてしまった。口直しは出来たがストックを失ってしまった事についていつも以上に罪悪感を覚える。唯一の親友を無理矢理帰したことなのか、普通に食べるより美味しく感じた死体の手についてなのか、それは解らない。はっきりした事は僕は人間では無いと再確認したことだけだ。少々欝になりながら溜息をつくとふと、昨夜起きた事を思い出す。そして僕は数十分後、グレーのフード付きパーカーを来て家を出るのであった。

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勿論、今僕がいる場所は昨晩起きた奇妙な出来事の舞台となった場所だ。来たからと言って特に何もする事は無いが、一応周辺を探索してみることにする。この場所は別に僕の食い場という訳ではなく、僕が住んでいる“20区”の組織“あんていく”が管理している食い場である。主に、一ヶ月前程に亡くなったSSレートの喰種の食い場だったらしい。そこを力の無い喰種に分け与えているというのだ。有難い話だが許可とか貰ってるのだろうか?と気になってしまう。此処では時々別の喰種と出くわす。僕を含め皆基本温厚で力の無い喰種ばかりだ。時には殺した獲物を分け合う事だってある。現に今日もこの場所には一人の喰種が死体を貪っていた所だ。僕はそっと近づくと

 

「リーさん、今晩は。」

 

と話し掛けた。リーさんと呼ばれた人物は驚いた様に顔を上げたが相手が僕だと分かると急に警戒心を解き黙って一部を僕に差し出して来た。

 

「僕は大丈夫ですよ。昨日食べたので。」

 

そう言うとリーさんは黙って手を引っ込める。リーさんは中国生まれの喰種でこちらの言葉は分かるが話すことは出来ないらしいと、“あんていく”の店長に聞いたことがある。あまり会う機会はないが会う度に死体を分けてくれる温厚な方の喰種だ。「そう言えば」とリーさんに話し掛けようとした直後リーさんの首から上は綺麗に血飛沫と脳漿を撒き散らし消えた。突然の出来事でポカンとしていると背後から蹴られたような衝撃が走った。何とか受け身を取り衝撃を受けた方向を見るとそこには茶髪で如何にもガラが悪そうな眼鏡を掛けた男が立っていた。

 

「誰......ですか?」

 

恐る恐る聞くとその男は面倒くさそうに答えた。

 

「あー俺?俺はは西尾錦って言うんだけど、てめぇら俺の食い場で何してくれちゃってんだ?」

「俺の...食い場...?確か此処はあんていくが管理してた筈じゃ...カハッ!?」

 

突然腹部に回し蹴りを入れられる。二、三歩後ろによろめくと呻き声を上げながら「どうして......」と呟く。全く昨日から本当にツいてない。飛んでいく思考を掻き集めるように脳を働かせる。だが、何も出てこない。何も答えにならない。西尾と名乗った男はイラついた口調で僕の疑問に答えてくれた。

 

「本来ならな、ここら一帯は俺の食い場だったんだぞ?それなのに“大食い”の野郎が我が物顔で占拠しやがって死んだら今度はあんていくが管理する?ふざけんじゃねぇ。」

 

確かに理屈は通る。だが、僕は禁句であるだろうある事に気づいてしまうのだ。そう単純だがこの人が一切触れないように嘘をついている事に。

 

「グッ.........食い場を奪われたのは......貴方が弱いからでしょう......?」

 

一瞬、時間が止まった。次の瞬間怒りを露わにした西尾が全力の蹴りを僕に向けて放った。ビュンッ!という風切り音と共に凄まじい速さで迫ってくる脚を両手をクロスして何とか堪えるが数メートル程宙を舞った。昨日以上の衝撃に肺の中の空気が全部出てしまったようであった。地面に倒れる事は避けたが立つのがやっとの状態だ。

 

「あーかったりぃ。雑魚のくせにいきがりやがって。早く死ねよっ!」

 

二発目が来る。もう受けられない。死を覚悟した僕にその脚が届く事は無かった。それは僕と西尾との間に一人の人物が立っていたからだ。正確には西尾の脚を受け止めていた。片手で。

 

「まぁまぁ西尾君。此処は僕に免じて勘弁してやってくれないかな?」

「ちぃっ.........またお前らか...あんていく!!」

 

その人物は前に行った時にあんていくの店員が着ていた制服を来た恰幅の良い変わった髪型の男性だった。

 

「それとも......この“魔猿”とやり合ってみるかい?」

「クソっ......あの羽赫の糞野郎といい...。次は殺す...ぶっ殺す......!」

 

不穏な捨て台詞と共に建物の奥へと消えて行く。僕はそんな西尾から目を離すと改めて乱入者に視線を向けた。そして礼を述べるため口を開く。

 

「あの......。助けて頂いて有難う御座いました。古間円児さん...ですよね?」

古)「覚えてくれてたなんて光栄だね。君は一度店に来た事があるよね?」

「はい......。霧薙遊理と言います。」

古)「遊理君か......。君さえ良ければ今からうちの店に来ないかい?」

「いいんですか...?確かもう営業時間は終わっているような..。」

古)「勿論、全然大丈夫だよ。」

「じゃあ...お言葉に甘えて...。」

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カランカランという小気味よい音を立てて扉を開け店内に入る。既に営業時間は終了している為客は居ないと思っていたが、何と僕以外に既にカウンター席に座り珈琲を飲んでいる人が居た。この人も喰種なのだろうか。そんな事を考えながらカウンター席に向かう。

 

「お客様1名ご案内しまーす。」

 

古間さんがそんな事を言ってカウンターの奥へ入り何も言わずに珈琲を引き始めてくれた。珈琲を淹れてもらってる間僕は我慢出来ずに隣の大学生らしき人物に話し掛けた。

 

「あの............貴方も喰種なんですか?」

「えっ......まぁ...半喰種って言った方が正しいのかな?」

「?半喰種?」

 

弱々しく微笑む人物...『金木研』は自分にも良く分からないといった感じで珈琲を啜った。話を聞くと信じられない事だが、喰種の臓器である“赫包”を移植され喰種になったとか。その為半分喰種半分人間という奇妙な生物になってしまったという。“赫眼”も片目だけらしい。

 

「そうなんですか.........。信じられませんが事実なのでしょうし......。」

金)「最初は色々戸惑ったし正直今も喰種か人間かも解らないまんまだよ。所で霧薙君...?はどうして此処に?」

「実は......」

 

僕はこれまでの経緯をざっくり纏めて話した。西尾さんに襲われたと話すと苦笑しながら「僕もさっき襲われたよ。トーカさんが来てくれなきゃ死んでた。」と言った。話を聞く限り、西尾さんは食い場を荒しているように見えた金木研を殺そうとした所トーカさんと呼ばれていた人物に軽くボコられ頭に来て食い場を飛び回っていたら偶々僕達を見つけ襲って来たという事のようだ。

 

「はぁ......お互い災難ですね......。」

金)「そうだね.........。」

 

その後も暫く金木さんと話した後遅い時間なので家に帰ることにした。店長さんや古間さんは泊まっていきなよと言ってくれたが、家は近いのでと断って店を後にした。因みに珈琲の代金は店長さんがサービスしてくれた。財布を持っていなかったので助かりますとお礼も忘れずに。そんなこんなで帰り道を急いでいると、不意に強烈な既視感に襲われた。まるで何かの前兆の様な...。そんな考えを掻き消す様に走り出す。すると、申し合わせた様に頭上から人影が落ちてきた。今度は尻餅を着かない。何故ならその人物を僕は探していたからだ。

 

「お前は......あの時の...。」

「...............生憎貴様と喋っている余裕は無い。退け。」

 

そう、あの時の黒い人物だ。一歩踏み出すとその黒い人物は舌打ちしながら突進してきた。咄嗟に横に転がり躱す。意味が分からない何故攻撃してきたのか。

 

「僕はただ貴方に話が.........。」

「知らん。そこを退けと言っているんだ。聞こえなかったのか?」

 

話とは一体なんなのか。それは、“黒竜”についてだった。一年前。路地裏で一度だけ僕は“黒竜”を目視している。全身黒ずくめの格好に黒いマント。そう、この黒い人物“黒竜”に酷似しているのだ。口を開こうとするがその前に黒い人物の拳が飛んでくる。西尾の蹴りなんて目じゃないくらいのスピードだ。顔面を庇うように腕で顔を覆うが、それごと吹き飛ばされた。遥か後方に吹き飛ばされ頭から地面に墜落した僕は薄れゆく景色の中、はっきりと黒い人物の顔が見えた。そして目を見開く。その顔は今朝ニュースで見た黒竜の顔そのものだったのだから......。




展開が原作に近いのも原作キャラに霧薙を会わせる為に敢えて似せてみました。原作キャラと言うかカネキ君に会わせる為ですね。無理矢理感が半端ないです。そして黒い人物の謎が明らかになってきました。ここから先は原作キャラ殆ど登場しません。こんな稚拙な文章ですが次回も最後まで読んで頂けると嬉しいです。

次回の更新は未定です。

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