Fate/Grand Order【The arms dealer】 作:放仮ごdz
今回は、ロムルス&ウェスカーの最強コンビとの対決。最強のB.O.W、最優の英霊が登場します。楽しんでいただけたら幸いです。
「行くぞ!余に続け!ローマが誇る勇士達よ!」
「「「「「ォオオオオオオオッ!」」」」」
ディーラーのロケットランチャーで「ダイナミックお邪魔します」を行い、怒涛の勢いでローマ連合首都に攻め込み始まる決戦。
ただでさえハンターの群れもいるというのに、一度姿を見せたロムルスに連合兵は鼓舞されローマ兵は混乱し、ネロもまた戦意喪失しかけるも立香の一喝で戦意を取り戻してローマ兵を奮い立たせた彼女は、荊軻の見出した敵宮殿の侵入経路を進んで敵の首魁を討つ事でこの戦争を終わらせる事を決める。
少数精鋭でロムルス、そしてウェスカーとそのマスターであると思われる宮廷魔術師レフ・ライノールを倒す事が勝利条件ではあり、ネロがいない間にローマ兵が全滅してしまっては意味がないが問題は無かった。
「行くぞ!ローマであろうと、スパルタ魂が此処にあることを見せつけん!
「ド田舎リス!マスターは任せたわ!それじゃ一曲…え、駄目?しょうがないわね…
オルガマリーの命で300人のスパルタ兵を引き連れたレオニダス一世とエリザベート・バートリー、そしてブーディカ、スパルタクス、呂布奉先と共にローマ兵が連合ローマ兵とハンターの群れを推し止めている間に、ネロを連れたカルデア一行は侵入経路を進み敵の本丸に突入。ちなみに、何でエリザベートが突入メンバーでないのかというと、下手したらディーラーが巻き込まれて死んでしまうからである。理由は察して。
「雑魚は引っ込んでろ!」
襲い来るゴーレムとハンターの群れもディーラーが一人でシカゴタイプライターと無限ロケランを駆使する事で不必要な疲労も無く彼等は最奥の間に辿り着いた。
「…来たか、愛し子」
「うむ、余は来たぞ!誉れ高くも建国を成し遂げた王、神祖ロムルスよ!…この連合都市の者達を見て余は決意した。連合の下にいる民を見よ。兵を見よ。皆、誰ひとり笑っていない!いかに完璧な統治であろうと、笑い声のない国があってたまるものか!」
憧れであるロムルスにそう怒鳴り散らすネロ。それは自らのローマに誇りを持っている事の表れで、ロムルスは優しい笑みを浮かべた。
「もう迷わぬ。過去も、現在も、未来であっても、余こそがローマ帝国第五皇帝に他ならぬ!故にこそ神祖ロムルスよ!余は、余の剣たる強者たちでそなたに相対する!」
「許すぞ、ネロ・クラウディウス。
そうロムルスが促したのは、ずっと黙ってその側に控えていた、ロムルスの傍だと小さく見える黒服サングラスの男、ウェスカー。
「ふむ、発言権は俺にもあったか。…遅かったな、カルデアの者達よ。待ちくたびれたぞ。ああ、安心しろ。俺とロムルスは共には戦わない。
そちらにはちょうどマスターが二人いるだろう?ならばちょうどいい、俺は人類最後のマスターには用はない。…そこの、死して生還した女には興味がある。それでいいなロムルス?」
「うむ、そうするがいい。では
掲げられた槍が輝き、巨木が宮殿の広間を真ん中から貫いて立香とマシュとセイバーオルタとアシュリー、そしてネロと荊軻が、オルガマリーと清姫とタマモキャット、そしてディーラーと分断されてしまう。
「藤丸!ディーラーを借りるわよ、そっちは任せた!」
「はい!ご武運を、所長!」
「…やれやれ。俺はあの筋肉達磨の相手がいいんだがな。ストレンジャーを見捨てる訳にもいかないか」
溜め息を吐きながらもシカゴタイプライターを構えるディーラー。既に、清姫とタマモキャットが飛び出していた。
「シャア!」
「ブッちぎる!」
「やはり速いな。…ヨーン」
「「っ!」」
「大蛇…!?」
自身に飛び掛かって来る化生二人をゆっくりと眺めたウェスカーは焦る事も無くトン、と右足を軽く鳴らし、その足元にウロボロスウイルスの水溜りを作り、鱗とぬめりを帯びた赤い瘤に体表が覆われている全長10mの大蛇「ヨーン」を召喚。
巨蛇がウェスカーを頭に乗せて持ち上げた事により二人の攻撃は回避され、ウェスカーが飛び降り、自由になったヨーンの牙が清姫に襲い掛かる。
「清姫、宝具!牙に気を付けなさい!」
「了解しましたわ、
それに対し、オルガマリーの指示で清姫は自らも白蛇に似た龍に変貌、青い炎をまき散らして対抗し、二体の巨蛇は互いの体を締め付け合いながら、清姫がオルガマリーを巻き込むことを考慮したのかズルズルと隅の方へと移動していく。
「これで一人。次は誰だ?」
「キャットだ!玉藻地獄をお見せしよう!」
「見切るのは容易い」
背後から飛びかかるタマモキャットの爪を避け、ウェスカーは掌打で一蹴。ディーラーとオルガマリーの放った弾丸も次々と避け、ウロボロスウイルスの水溜りから「リッカー」と呼ばれる肥大化して外部へ剥き出しになった脳と筋肉組織が露出した四つん這いの生物兵器を二体召喚。
巨樹の壁や天井に張りつき、長い舌で貫こうとして来るリッカー二体を二人が対処している間に、何時の間にやら宝具を発動していたタマモキャットにウェスカーは向き直りにやりと口元を歪めた。
「サービスだ、受けてやろう」
「いい度胸だ!という訳で何を出そうが皆殺しだワン!――
野生(?)の力を爆発させて巨大な猫っぽい姿に変化したタマモキャットによる滅多切りがウェスカーと、召喚した何かに炸裂。
「…では性能テストを行う」
「なぬっ?」
倒し切ったと確信したタマモキャットがその背後でゴロリと寝転がっていると、殺気を感じて力を使い果たした体に鞭打ち何とかそれを回避する。それは、右胸に剥き出しになった心臓や異常に発達して長く伸びた左手の爪が特徴の巨人であった。
「…ふむ。クリス曰く「究極の出来損ない」であるタイラントの耐久力ならばこの程度の英霊の宝具を耐え切る事は可能か。…もう用はない、やれ。リミッターは解除しろ」
「この程度のノロマに負けるキャットじゃ…なんとぉ!?」
「キャット!?」
ウェスカーの言葉と共に全身に赤みを帯び、肥大化した爪の薙ぎ払いでタマモキャットを一撃の元に葬ったタイラントに、戦慄し尻もちをついてしまうオルガマリー。
タイラント、暴君の名を持つ怪物に久しく忘れていた恐怖を思い出して震える。…今、ロマンとダ・ヴィンチちゃんは立香の方にかかりっきりなのか通信は繋がらない。つまり何の助言ももらえない。頼れるのは己だけ…仮にも神霊であるタマモキャットを簡単に倒してしまった怪物に何ができる?とネガディブ思考に陥ってしまう。
「もう駄目…なの…?」
「遅くなりましたマスター!」
蹲っていた彼女を助け起こすのは、ヨーンを倒して傷だらけで戻ってきた清姫と、タイラントにロケットランチャーを発射しそれを容易く弾かれて半ば呆然としつつも負けられないとばかりにシカゴタイプライターを乱射して近づけない様にしているディーラーだった。
「マスター。貴女には私が付いています、何も心配せずにただ指示をくださいませ」
「ストレンジャー。生憎俺一人じゃコイツに勝つ方法は思い浮かばなくてね。さっきの脳味噌野郎もアンタの頭部を狙えって指示で退けたんだ。…指示をくれ、アンタの言う通り戦ってやる」
「…分かったわ。清姫は宝具を出せる?」
「変化なしならば後数回は撃てます」
「…だったらディーラー、アンタのもう一つのとっておき、ある?」
「ああ。二個ぐらいしかないが」
「十分よ。とっておきを、ウェスカーとタイラントの間に投擲!その間、清姫はタイラントの脚に集中砲火よ!」
「かしこまりました!」
タイラントの足元に向けて清姫の扇から炎の奔流が放たれ、炎の壁を作って進行を妨げると渾身の力を持ってディーラーが投擲したそれがウェスカーの真ん前に落ち、それの正体に気付いて慌てて退避した瞬間に起爆。強烈な電撃がウェスカーとタイラントを襲う。電撃グレネードと呼ばれる、ヴェルトロから入手したとっておきである。
「今よ!清姫がタイラントを、ディーラーがウェスカーを!」
「ディーラーさん!」
「おう、今回は特別に貸してやる!」
ウェスカーとタイラントが溜まらずダウンするや否や、オルガマリーの命を受けてディーラーから手渡された、クー・フーリンも使っている特注の槍を握り、左胸…心臓目掛けて突貫する清姫と、その脇を通ってウェスカーに向けてロケランを放つディーラー。…しかし、このTウイルス系統最強のB.O.W.はまず前提が違う。
「ァアアアアアアアッ!」
「「なっ…!?」」
左胸に槍が突き刺さっているというのに何ともないかのように清姫を突き飛ばし、一跳躍でウェスカーの前に着地し自らの爪を盾の様にしてロケット弾頭を弾き返すタイラントに驚愕するオルガマリーとディーラー。清姫はオルガマリーの傍まで飛ばされて息も絶え絶えであり、もう戦えない事は目に見えて分かった。
「なんで…」
「残念だったな。…その右胸に露出している心臓がただのオブジェクトだとでも思ったか?まあ常識ならばこれもまたクローンとはいえ人間が変化した生物兵器、心臓とはどんな生き物であれ左側にある物だからな。だがそれは間違いなくタイラントの心臓だ、深読みし過ぎたな」
「…本当に現代の生物兵器なの…?魔術師の作ったホムンクルス以上に常軌を逸した身体の作りに、英霊を一撃で屠るなんて出鱈目過ぎる…」
「アンブレラ。ロス・イルミナドス以上にとんでもないイカレだな」
「タイラントはアンブレラの狂気の体現だと自負している。…取り込んだT-abyssの影響で俺も電撃を諸に喰らったがな。これは改善点だな、記録するか」
そう言いながら本当にメモを書き始めるウェスカーに苛立ちを隠せないディーラー。ウェスカーにとって自分達は彼の目的に置ける通過点でしかないのだろう。サドラーとは別の意味で反りに合わない相手だ。
「…もう俺以外に戦えるサーヴァントは居ないか。ならストレンジャー、コイツを預ける。時間稼ぎぐらいならしてやるから何とか打開策を練ってくれ」
「ちょっ、ディーラー!?」
リュックを手渡されて右往左往するオルガマリーを残し、身軽になったディーラーはタイラント…否、暴走形態となったスーパータイラントに突貫。振り下ろしを避け、二丁握ったマグナムを右の心臓に当てて行くが怯まず、薙ぎ払いによる風圧で吹き飛ばされる。
「なめるなよ、武器商人を!」
少しでもダメージを受ければ死んで立香の方に戻ってしまうため、叩き付けられる訳にはいかないディーラーはマグナム二丁を懐に戻して代わりに取り出したナイフを巨樹の壁の太い枝に突き刺して急停止、降りると同時に焼夷手榴弾を投擲。
炎に包まれるスーパータイラントだが怯むことなく炎の中を突っ切り、しかして投擲されると同時に顔面の前で爆ぜた手榴弾にさすがに怯み、そのままマシンピストルの掃射を受けて後退する。
「…手持ちはマグナム二丁にマシンピストル、ナイフと手榴弾系統が数個か…身軽になるためとはいえショットガンが無いのは痛いな。しかしあの村長だって軽くバーベキューにする焼夷も効かないとはな…本当に生物か?」
「耐久度ならば並の生物兵器とは一線を画する。コイツも英霊…もどきだ、勝ちたいならば生前に倒した英雄共を連れて来るんだな」
「無茶言うなストレンジャー。電撃は効く事は分かっているんだ、コイツで怯ませて口の中に手榴弾放り込めば…」
「ゥウウウウウウッ!」
地響き。ちょうど電撃グレネードを取り出していたディーラーを襲い、足元を取られる。見ると、タイラントが突進を繰り出してきており、今の地響きは最初の一歩による物だと分かった。分かったからと言って、どうしようもないのだが。
「ちっ…すまん、ストレンジャー…」
「諦めるな!バカ!置き土産は残しなさい!」
諦めかけたディーラーの服の裾に引っ掛かるのは、フックショット。共に聞こえてきた言葉に、慌ててディーラーは取り出したパルスグレネードを投擲、タイラントを怯ませてからフックに引っ張られて受け身を取り、オルガマリーと復活した清姫の元に戻る。タイラントとウェスカーは不意打ちにより共に怯んでおり、何かするなら今だった。
「アンタに助けられるとはな」
「冬木の時のお返しよ。それより言いなさい、この石って、もしかしてセイバーオルタとクー・フーリンからのもらい物?」
「ああ、報酬代わりにな。セイバーからはレッド9の一個、キャスターからは槍が二回で二個。ちょうど三個もあったか、召喚できるな」
「…縁による召喚。私達はアレを倒すには火力不足、今はその可能性を信じるしかない。…私は優秀な魔術師だから、行けるはず…私を、信じて」
「…もちろんです」
「
そう言ってリュックの中から取り出した火薬で魔法陣を書き始めるオルガマリーに、ディーラーは何をするのか察して清姫と共に、スーパータイラントと、新たに呼び出されたハンターの群れを迎え撃つ。
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する―――――
ハンターを貫いて燃やし、タイラントをロケットランチャーで足止めし、手榴弾もありったけ投擲してとにかく時間を稼ぐ。その様子に、何かに気付いたウェスカーが高速で突進してくる。
「――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
炎により燃える魔法陣が輝き、エーテルの奔流が起こる。ウェスカーを食い止めようとしたディーラーが邪魔だと言わんばかりの拳による一撃で屠られ、ハンターとスーパータイラントを推し止める事に必死な清姫の脇を通ったウェスカーの手刀がオルガマリーに迫る。
「っ、誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」
それに気付き、一瞬焦るオルガマリーだがそれでもやめない。ウェスカーは焦っていた、タイラントであろうと、タマモキャットや清姫の様な凡俗の英霊ならいざ知らず、真の英雄に勝てる確証はない。これは、完全に計画外の出来事だった。当り前だ、まさか貴重な召喚媒体を使わずに常に持っているとか誰が思うか。
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
そして。風の奔流が起こり、ウェスカーはその人物が何かを振るったことにより起きた竜巻で大きく吹き飛ばされる。現れたのは、もはや見慣れたものの、髪や肌や鎧の色、否在り方すら違う正規の騎士王。
「セイバー、召喚に応じ参上した。問おう。貴方が私のマスターか」
「…ええ、ええ!セイバー、後ろよ!」
「っ、はあ!」
振り下ろされるスーパータイラントの爪を、不可視の剣で弾き飛ばすセイバー…アルトリア。そのまま不可視の剣を突き出し、突風を弾丸として放つ。
「
それによりスーパータイラントどころかハンターの群れまでウェスカーの傍まで押し戻され、ウェスカーは悔し気にこちらを睨みつけながらも、不気味に笑む。やはり、タイラント程度では真の英雄に勝つことはできないという結論に満足している様だった。
「清姫、こっちに!セイバー、宝具で丸ごと薙ぎ払って!」
「ええ、決着をつけましょう」
清姫がオルガマリーの傍に戻ると同時、アルトリアは風の鞘から解放した真の輝きを放つ黄金の聖剣を掲げる。それと同時、アシュリーとマシュの突進で体勢が崩れた所にセイバーオルタが一撃を加え、動きを止めた神祖の元へとネロもまた赤の大剣を構えて駆けていて、
「束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流。受けるがいい!」
「神祖よ、これが余の、ネロ・クラウディウスのローマだ!」
星の聖剣と、隕鉄の剣が、全く同時のタイミングで振り下ろされた。
「――――――
「――――――
極光がウェスカーごとスーパータイラントとハンターを飲み込み、同時に巨樹の壁も蒸発させる。舞い散る花弁と共に斬られた神祖は、その雄姿を崩して倒れ込む。極光が消えた後に残るは、辛うじて人型を保ちつつも徐々に崩れていくタイラントだったものの亡骸。勝敗は、決した。
「…暴君相手には名君かストレンジャー。アンタの悪運も凄まじいぜ」
オルガマリーの無事を確認し、ほっと息を吐くディーラー。同時にウェスカーの所在を確かめるも、在るのはタイラントの亡骸のみ。ロムルスの巨樹の壁さえも消失した極光の直撃を受けて消滅したと判断し、ローマ皇帝の行く末を見守る事にする。
「…眩い、愛だ。ネロよ。第五代ローマ皇帝よ。永遠なりし真紅と黄金の帝国。そのすべて、お前と、後に続く者達へと託す。忘れるな、ローマは永遠だ。故に、世界は永遠でなくてはならない。心せよ………そうだ、特にローマには決してなりえない異形の者共に気を付けるがいい…」
そう言って消滅するロムルス。最後にちらっと、上の方を見ていた事に気付いたディーラーもちらっと上を見る。ローマのネロの宮殿と同じ豪華な造りだが特におかしなところは無い。
「敵性サーヴァント、ランサー・ロムルス共に、アサシン・ウェスカーも撃破。私達の勝利…ですよね、先輩。所長?」
「ええ、ええ。タマモキャットには申し訳ない事をしたわ。それに死ぬかと思った…ありがとうね、セイバー」
「いえ、気にしないでください。…私のオルタまで居るのですか。大変気難しい所の様ですねカルデアは」
「そうか、勝った、のか…これで……うむ。これで連合ローマ帝国は終わりを迎えた。ローマは元あるべき姿に戻るだろう。大義であった。カルデアの勇者達よ。余は嬉しい!」
『待ってくれ!概ねその通りなんだけど、まだ宮廷魔術師を発見していない。それに聖杯も探さないと』
「あ、そうだった。レフ、レフはどこ…!?」
疲れを癒す様にドライフルーツをセイバーと清姫と一緒に食べて休んでいたオルガマリーが我に返り、慌てて周囲を捜す。そして。王座の奥に、その男は立っていた。
「いや、いや。ウェスカーが退けられるのは想定内だったが、まさかオルガ。君が正規のアーサー王を呼び出すとはね。度肝を抜かれたよ。それにまさかロムルスを倒しきるとは…無能共がよくやるものだ」
「…レフ。やっぱり生きていたのね…あんだけ叩き込んだのにしつこい奴」
「死してなお生に縋り付く君にだけは言われたくないなぁオルガ」
レフ・ライノール。カルデアにとっての宿敵が、聖杯を手に彼らの前に現れた。
タマモキャットは正直すまんかった。タイラントの強さを見せたかっただけなんだ。
今回ウェスカーが召喚したのはいずれも初期のバイオに登場するB.O.W達。ヨーンは血清でしか治せない毒を使う事無くきよひーに敗北。勝てる訳がなかった。リッカーは描写される事無くオルガマリーにまで倒される始末。リーチさえ分かっていれば怖くない。なお、ディーラーはハンターしか知らないので猛毒もリーチも知りません。
今回のタイラントは半ば英霊みたいなもので、耐久筋力がA行ってます。ロケランが効かなかったのはリメイク版からですが、実は爪に弾かれたから効かなかっただけで心臓に直撃していればさすがに死にます。バイオ2裏のスーパータイラントがトラウマになったプレイヤーは僕だけじゃないはず。
ピンチの所長が、ディーラーがセイバーオルタとキャスニキから手に入れた石で召喚したのはまさかの青王。オルタを呼んだ立香と、正規の青王を召喚した所長には明確な違いがあったりなかったり。
そして意味深な言葉と共に現れた死亡フラグの塊レフ・ライノール。次回でどんな末路を送るのか。
次回はVS魔神柱、そして…?次回もお楽しみに!よければ評価や感想などをいただけたら嬉しいです。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。