Fate/Grand Order【The arms dealer】   作:放仮ごdz

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どうも、最近起きるたびに寝床の枕の上に寝る前にはなかったはずのGの死骸だったり死に掛けだったりが落ちていてろくに眠れない放仮ごです。本当に何なんだ…どこから来るんだ…何で死に掛けなんだ…

寝不足テンションで書いたためクオリティは下がっているかもしれません申し訳ない。

今回は前回の召喚後のいざこざ、オルガマリーの英霊召喚、そしてローマ突入。本格バイオハザード×FGO要素が入ります。楽しんでいただけたら幸いです。


第二特異点:永続変異狂気帝国セプテムG
ローマは大波乱だストレンジャー


「「サーヴァント、ライダー。召喚に応じ参上した」」

 

 

召喚されたライダーのサーヴァント二名の内、全身甲冑の方に話しかけるディーラーに「騎士とも知り合いだったのか!?」と内心戦慄する立香。ディーラーと甲冑のライダーが何やら話し込み始めた間、手持無沙汰になったもう一人が歩み寄って来た。

 

 

「アンタが俺達のマスターか?」

 

「あ、はいそうです。カルデアのマスターやらせていただいている藤丸立香です」

 

「畏まらなくていいぜマスター。俺はマイク、しがないヘリ操縦士だ。よろしくな」

 

「はあヘリ操縦士…ヘリ!?」

 

 

また近代的な英霊だなぁと思っていたら本当にディーラーと同じ最近の英霊だったヘルメットで顔を隠したライダーのサーヴァント、マイク。

 

 

「知っているかは知らないが、レオン・S・ケネディの援護をした者だ。そのままロス・イルミナドスの連中に撃ち落とされてしまったがな」

 

「…って事はディーラー?もしかしてその人も…」

 

「ああ、ストレンジャー。そっちの男までレオンの奴の知り合いとは知らなかったが、コイツは紛れもなくレオンの関係者だ。アンタ、また英雄でも反英雄でも無い半端な英霊を呼んでしまったらしいぜ?」

 

「またですか。えっと…貴方は?……男ですか?女ですか?」

 

 

今のところ素性不明性別不明の甲冑のサーヴァントにそう尋ねる立香。すると甲冑がエーテルとなって霧散し、ごく普通の服を着た金髪の少女が現れ、何やら憤慨し始めた。

 

 

「失礼ね、私は女よ!…ところで貴女が私のマスターなの?レオンがいると思って来たのに武器商人さんだったし…頼りないわね…」

 

「そちらこそ失礼じゃないかお嬢様。名を聞く時は先ずご自分からだぜストレンジャー」

 

「…私はアシュリー・グラハム。アメリカ大統領の娘よ。私はろくに戦えないし、場違いかもしれないけどよろしくお願いねマスター」

 

「うん、よろしく。マイク。アシュリー」

 

 

ディーラーに促されて礼儀正しく礼をした甲冑のサーヴァント、アシュリーとマイクに笑顔で応える立香。戦力になるかは微妙ではあるが、仲間が増えたのはいいことだ。次の特異点に連れていくことを決めた立香は、彼等を連れて報告のために管制室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また石を使ったの!?オルレアンで手に入れたもの含めた30個全部!?」

 

 

報告を聞くや否や、次の特異点についてロマンと話し合っていたオルガマリーは立香に怒鳴り散らした。しかも引けたのは相変わらず強力なのか弱いのかよく分からない無銘の英霊ばかり。さすがにキレる。

 

 

「はい。でも二人も当たったので大勝利ですよ所長!」

 

「そう言う問題じゃないわよ!?私、せっかくマスターになれたのに貴女と違ってまだサーヴァントが一人もいないじゃない…このまま特異点を攻略していたらまた死んじゃうわよ!?」

 

「あ、一回分ならディーラーがファヴニールやらを倒した時に手に入れたらしい三個がありますけど」

 

「よこしなさい!」

 

 

あとで召喚するつもりだったのか申し訳なさそうに懐に隠し持っていたそれを差し出してくる立香から涙目で分捕り、ついでに確実に当てるためにディーラーを引っ張って召喚部屋に直行するオルガマリーを優しい目で見つめるロマンとマシュに立香は首を傾げた。

 

 

「どうしたの二人共?」

 

「いやね。所長、父親が死んでも気丈に振舞って無理していた子だったから…何か、今彼女があんな風に感情をむき出しにしていて嬉しくてね」

 

「私もあんな人間らしい所長はカルデア生活でも始めて見ました。レフ教授にさえ、あんな顔は見せませんでした。ディーラーさんは恩人でありながら対等の友人みたいなものなんでしょうか」

 

「…何かジェラシー感じる…所長とディーラー二人共に」

 

「分かるわマスター。私も、レオンが私に隠していた女の人を「俺の心の幻影かもな…」なんてほざいた時は海に蹴り落としてやろうかと…」

 

「いや、そいつは違うんじゃないか?」

 

 

頬を膨らませて不貞腐れるマスターに感慨深げに同意するアシュリーにツッコむマイク。それだけで新たな仲間と仲良くなれそうだなとマシュは笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディーラーが喚びなさい!」

 

「ストレンジャーの初めての召喚なんだろ?アンタがした方がいい。俺が喚んで弱いのが来て怒られるのも面倒だ」

 

「…分かったわ。ただ側にいるだけでいいから」

 

 

そう言って石を召喚サークルに放り投げ、静かに祈る様に自分を守ってくれる英霊をイメージするオルガマリー。

 

 

「もう誰も死なせない。私みたいな犠牲者は出したくないけど、人理は救いたい。それが実現する私の武器になってくれる強いサーヴァント、来て…!」

 

 

願い続けるオルガマリーに呼応し、光輝いた三つの環から何者かが現れる。十中八九サーヴァントだ。立香はこの方法でディーラーを当てたのだ。もし微妙な性能でもそれなりに強い英霊が…

 

 

「サーヴァント、清姫。こう見えてバーサーカーですのよ?どうかよろしくお願いしますね、安珍様(マスター)?」

 

「………清姫って、日本のお伽噺のアレ?」

 

「はい。その清姫でございます」

 

「…アンチンサマって、私の事かしら?」

 

「もちろん貴女の事です。もしや私を忘れてしまったとは…嘘吐きは燃やしてしまいますよ、と言いたいところですが嘘はついていない様ですね。私には分かります」

 

「え、ええ…」

 

 

命の危機に瀕して脱した事を察しながら、手にしたセイントグラフに記されたステータスを見たオルガマリーは絶望した。敏捷Cと宝具EX以外のステータスがオールE。さらに狂化EX、つまり話が通じない。これは酷い。

 

 

「…最狂の武器を当てたなストレンジャー。俺より酷いとかある意味凄いぞ」

 

「…清姫。令呪を持って命ずる、貴方の性能を確かめたいから宝具でそこの馬鹿をやりなさい」

 

 

哀れみの目を向けて来たディーラーにカチンと来て、立香への怒りやらが頂点に達したオルガマリーは回復したばかりの令呪が刻まれた右手を掲げ、そう言うと清姫は一瞬混乱した後に扇子を構え、こてんと首を傾げて問いかける。

 

 

「よろしいのですか?」

 

「どうせ生き返るし、何よりアンタのせいでハズレが来たのよ!あとアンタのマスターが勝手に10連鎖召喚をしなければー!」

 

「はい、喜んで。転身火生三昧!」

 

「crazyだなストレンジャー…」

 

 

その後召喚部屋が全焼し、黒焦げになったオルガマリーと清姫がロマンに怒られ、立香がオルガマリーに謝り倒したのは言うまでもない事であった。

 

なお、召喚の様子を見に来て巻き添えになった新入り二人のうちアシュリーのみが何故かピンピンしていた事を一応報告しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで数日後。立香が清姫に嫌われたり、清姫がオルガマリーに何度もダイレクトアタックを仕掛けたり、ディーラーとマイクがダ・ヴィンチちゃんと共に装備の相談をしたり、鎧を着たアシュリーにセイバーオルタが興味を持って仲良くなったり、ディーラーとクー・フーリン、メディアに加えて清姫がINしたことによりカルデア食堂が盛り上がったりした、そんな日常の中で。ついに発見された第二特異点についてロマンによるブリーフィングが始まった。

 

 

「さて、今回発見した特異点の事について説明する。レイシフトする先は一世紀のヨーロッパ、イタリア半島から始まり地中海を制した大帝国、古代ローマだ。この時代でどのような異変が起きているのか、それはまだ観測しきれていない」

 

「ローマか。…奴隷制度のあった時代だな」

 

「…ああ、そうかガナードって…」

 

 

家畜。その意味を持つ名称で呼ばれたディーラーにとって奴隷制度は嫌悪する物であり、それを知っている立香は居た堪れない表情を浮かべるが、それを尻目に話を続けるロマン。

 

 

「まず間違いなくその時代のローマ皇帝、ネロ・クラウディウスが今回の鍵だろう。そこは所長の出番だ、交渉役をお願いします」

 

「ええ、任せなさい。…だからこの子を誰か離してくれないかしら」

 

『………………』

 

「無視しないでよ!?」

 

「それで、今回のメンバーだが…」

 

 

ずっとオルガマリーの背中に寄り添うその少女を気にしないことにしたロマンの続けた言葉に異議を申し立てるのは立香だ。

 

 

「今回のって事は全員を連れて行けないんですか?」

 

「現状、レイシフトできるサーヴァントは五名なんだ。マスター適正のあるマシュ以外だけどね。所長、どうします?」

 

「…ディーラーと清姫は連れていくとして、現状カルデアの最高戦力であるセイバーオルタと、ディーラーと本人達による話から有利に事を運べると思われるアシュリー・グラハムとマイクを連れて行きます。異論はないわね?」

 

「俺は今回お留守番か。ディーラー、嬢ちゃんは任せたぜ」

 

「おう、任された。もしもの時はマシュの嬢ちゃんの出番だな」

 

 

オルガマリーの言葉に頷く面々。ベストだろうと誰もが思う。クー・フーリンが居ないのは聊か不安は残るが、それでも十分だと思える面子だった。

 

 

「転移地点は帝国首都ローマを予定している。聖杯の場所は不明で歴史に対してどんな影響があるかも分かっていない。作戦は今までと同じだ。サポートとバックアップは僕ら待機班に任せてくれ。無事に帰って来てくれ」

 

 

その言葉を受け、レイシフトを行なう立香達。そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立香達カルデア一行は、戦場のど真ん中へとやって来た。大部隊と、少数の部隊による激突。ちなみに少数部隊を率いていたのは赤いドレスに身を包んだ小柄な少女だった。彼女が個人で大多数を圧倒し、少数でも拮抗させている様だった。

 

 

「この時代のローマ付近で戦争があったなんて知らないわよ!?清姫、私を守りなさい!」

 

「つまり、これが今回の異変ですね…マシュ、みんな!人間は出来るだけ峰打ちで!」

 

「エクスカリバーで無茶を言う…商人!ライオットガンとやらを渡せ!」

 

「ライオットガンは打撃武器じゃないんだがな…!」

 

 

投げ渡されたライオットガンで襲いかかってきた兵士に兜割を叩き込むセイバーオルタを見ながら、オルガマリーは指示しながら新たな仲間へと目を向ける。

 

 

「とりあえず少ない方に加勢するわよ!…清姫、アシュリー、マイク。初陣だけどやれる?」

 

「マスターのために焼き尽くします…!」

 

「レオンがいないから不安だけど大丈夫!」

 

「援護は任せろ!」

 

 

霊体化していたらしい戦闘ヘリを出現させ、それにディーラーと共に乗り込み機関砲でディーラー特性ゴム弾を大部隊と思われる兵士に撃ち込んで行くマイク。さらに後部座席からディーラーも閃光手榴弾を投げまくり、突如現れた謎の物体と閃光の連鎖に士気は下がってさらに清姫の炎で牽制され、その真っ只中に何も武装していないアシュリーが飛び込む。

 

 

「あわわ…えっと、護衛いらずの無敵甲冑(ノーモア・レオン・アーマー)!」

 

 

周囲を囲まれ、剣が同時に振り下ろされてきたため思わず頭を庇って屈み、思い出したかのように自らの宝具である甲冑を出現させ全てを防いだ上で、剣身を全て砕きながら立ち上がるアシュリー。その背後から突撃して来た兵士が斧を振り下ろすも斧の方があっさり破壊され、アシュリーは振り向きざまに両手を突き出し、思いっきり吹き飛ばす。

 

 

「危ないわね、怪我したらどうするのよ!」

 

 

いや、絶対怪我しないだろと誰もが心の中でツッコんだのを知ってか知らずか腕をブンブン振り回して突撃し、ボーリングのピンの様に兵士をどんどん跳ね飛ばしていくアシュリー。マシュとセイバーオルタと清姫はマスターの周りを護衛するだけであり、新サーヴァント二名により戦局は傾き始める。

 

 

「…ヘリを出せるのも凄いが、あのお嬢様の無敵っぷりも凄まじいな…」

 

「だが俺達の武装じゃただの人間は殺しかねない。さっさと大将を狙って撤退させるべきだが…」

 

「キシャアアアアッ!」

 

「なっ!?」

 

 

上空を旋回し、敵軍のリーダーを捜していたマイクのヘリへと、突如跳躍して来た何者かが操縦席のガラスへとへばりつく。それを見てディーラーは青い顔になってすかさずマグナムを構えた。それは、前回ワイバーン相手に幾度も連想した生物兵器であるハンターだった。

 

 

「何でこいつがここに…!マイク、振り落とせ!」

 

「この、邪魔だ!」

 

 

マグナム一発を浴びても怯まずプロペラを破壊しようと爪を振り上げたハンターは、マイクの操縦で体勢が崩れて機関砲に堪らず掴まり、ハチの巣にされて落ちて行く。そして下を慌てて確認すると、何時の間に投入されたのかハンターの部隊を引き連れた、色黒のローマ皇帝の姿があった。

 

 

「…よりにもよってバイオハザードか。コイツはきついぜストレンジャー」

 

 

その異形と化した右腕の肩に付いている眼に睨まれ、ディーラーは身震いする。前回のサドラーもヤバかったが、此処は本当にヤバい。




G生物inカリギュラの叔父貴+ハンター軍団。ローマ連合、超強化です。

新サーヴァントはバイオ4のヒロイン、アシュリーとレオンの救援に駆け付けたカプコンヘリの使い手、マイクでした。どちらも共に宝具が強いだけの英霊です。マイクはヘリに乗らないとろくに戦えません。容姿はよくあるヘリの操縦士のイメージ。エンディングでエイダを回収したヘリの操縦士がマイクじゃないかと疑っていたりしますがさすがにナイヨネ。
アシュリーの兵士を吹き飛ばす怪力、アレ実はゲームのネタです。ディーラー並の体力で普段はひ弱なアシュリーですが、レオンが押せないコンテナを彼女が手伝う事で押せたりと意外と力持ち。
しかしそれが理由ではなく、ゲーム内でアシュリーと分断されドリルが襲い来るという罠があるんですが、あそこである工夫をすれば、錠前がかかった鉄の扉をこじ開けて来るんです。レオンでさえも蹴りを何発か当てるかナイフや拳銃を使わざるを得ない錠前を、女の子が素手でです。筋力凄い。

清姫を召喚してしまい安珍様認定された不幸なオルガマリー。最初は武器繋がりでエルキドゥを呼んでレフを鎖で縛って圧殺しようと思ったんですが、いざ書いてみると口調が安定せず、やむなく彼女に変更しました。何で立香が安珍様じゃないのかというと、とある理由から清姫に嫌われているからだったり。オルガマリーは基本本音しか言わないから相性抜群。

ローマ突入、しかしていきなりのハンター軍団とG生物inサーヴァントという強敵登場。アシュリーの宝具「護衛いらずの無敵甲冑」は名の通り無敵ですがやはり英霊、制限つきです。立香達は切り抜ける事が出来るのか。

次回はGカリギュラ戦。そしてローマ!がいきなり登場。次回もお楽しみに!よければ評価や感想などをいただけたら嬉しいです。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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