Fate/Grand Order【The arms dealer】   作:放仮ごdz

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お待たせしました。独自解釈大目な第10話です。まさかのお気に入り500件突破。ありがとうございます。・・・執ゾンだと三年かかったのにこんなに早く突破するなんてバイオと武器商人、あと所長は愛されているんですね。

今回はバーサーク・ライダーとの激闘と、ディーラーの宝具に関しての一悶着。ストレンジャーの怒りが爆発します。楽しんでいただければ幸いです。


最大28人だ安心しろストレンジャー

夢を見た。生きる事を諦めた、死ぬことも諦めた、理性を奪われながらもただ残った商人魂で支配から抗い、ただ誰かの役に立つためだけに、正体を隠して死ぬまで商売を続けた男の夢を。爆破される島から去って行く二人を見送りながらも、逃げなかった男と、それに準ずる彼等の物語を。

 

捕まってプラーガを埋め込まれてしまった捜査官の助けとなるべく渓谷に訪れた事を皮切りに、地下に、湖に、城に、檻の中に、炭鉱に、塔の上に、海の上の孤島に、時には出口のない死人しかいない落とし穴の最下降に。

どこにでも現れ、生きるために戦う者達の助けとなった者。自分は死ぬと分かっていても喜んで商売を続けてそれをただ歓びに、自身を人外に変えた恨んでいた全ての元凶が死んだことを確認し、満足したとでも言う様に、生きると言う意味では報われぬまま海に散ったその末路に。

 

ふざけるなと叫びたかった。人間じゃないからなんだ。自分にはこれしかできないからなんだ。ただ、寄生生物を埋め込まれただけじゃないか。●●の様に人を襲う事は決してないのだろう?だったら、生きる事を望んでもよかったのに。彼らは齎される死に抗わなかった。生を望む者達の助けとなったのに、自分達は生きる事を望んでいなかった。

 

ああ、起きたら一発殴ろう。文句を言われるだろうけど、一回死んでしまうかもしれないけど、そう決めた。殺すのではなく、馬鹿じゃないかと殴る人間が彼等には必要だ。

 

 

そんな夢を見た翌日、やり過ぎて後輩含めるサーヴァント全員に止められ、同じ夢を見たらしい所長にはお説教された。死を望んでも生かされていた人達だっていたんだから文句は言ってやるなと。理解はしたが、納得は行かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュラの森

ディーラーが死ぬという、恒例行事を終えた直後。その場にいたサーヴァント全員が危険度を感じて、動き出す。

 

 

「はああっ!」

 

「甘い!タラスク!」

 

 

不意打ちに飛び出したセイバーオルタの剣が、一瞬消えてバーサーク・ライダー・・・マルタの前に甲羅を前面にして出現したタラスクに防がれ、回転を受けて大きく弾かれ、体勢が崩れた所にまたタラスクが消えて距離を詰めたマルタのボディブローが鎧に叩き込まれて吹き飛ばされるセイバーオルタ。それに続くように、クー・フーリンが心臓に向けて槍を構え突進するも、

 

 

「ハレルヤ!」

 

 

パンッと言う乾いた音と共に胸に掌底を受けて吹き飛び、木にぶつかって崩れ落ちるクー・フーリン。マリーとアマデウスが宝具で妨害しようとすると、タラスクが間に割って入り回転して二人を弾き飛ばしてしまい、止まったその甲羅に片手を乗せ、宙返りしたマルタの鉄拳が、急降下で威力を増して盾を構えていたマシュとぶつかり、こちらに突進しようとしていたジャンヌごと吹き飛ばされてしまう。

 

 

「こんなものなの?人理修復を成し遂げようって連中の実力(ちから)は。言ったでしょう、私程度乗り越えられないと、決してジャンヌ・ダルクには勝てないと!」

 

「…まさか竜を鎮めた聖女が、その拳で鎮めていたなんて・・・」

 

「マシュ、皆・・・!え、えっと・・・応急手当!」

 

 

クー・フーリンとマリー、アマデウスは気を失って再起不能。マシュとジャンヌは息も荒く、立ち上がるので精一杯。比較的無事だったセイバーオルタは立香の回復魔術を受けて一人、剣を構えて相手の出方を窺っているが、相手は邪竜さえその拳で鎮めた聖女と巨大な邪竜。過去に邪竜ヴォーティガーンを倒した彼女であっても、あまりに分が悪かった。

 

 

「・・・宝具を使っても耐えきれられる可能性の方が大か・・・」

 

「あら、撃たないの?ならこちらから行かせてもらうわ!愛を知らない哀しき竜……ここに」

 

 

祈るように手を合わせるマルタに、隙有りと見たセイバーオルタが突進する。

 

 

「星のように!愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)!」

 

 

それを遮る様に、隕石の如く空から迫り来る邪竜。セイバーオルタはそれを見て一瞬止まり、マルタの背後から何かが自分に向けて伸びて来たのを見て、素早く剣を突きの形に構え、もう片方の手を前に伸ばしレッド9を構える。

 

 

「・・・何をするつもり?貴方のマスターが盾の子の宝具で助かったとしても、貴女はもう助からないわよ?」

 

「安心しろ。その前に貴様を倒す。商人!」

 

「ヒッヒッヒェ!しくじるなよ、騎士王様ァ!」

 

「!」

 

 

己の左肩の上を通過してセイバーオルタの鎧の肩に引っ掛かるそれ・・・フックショットに、思わず振り向くマルタ。そして、自身の背後の木々の中からしたり顔でこちらを見やるディーラーが見え、タラスクが宝具を発動したマシュとぶつかり、大爆発を起こした・・・その瞬間。

 

 

「ハアァアアアアアアッ!」

 

 

高速でワイヤーが巻き取られ、宙に浮かびこちらに突き進んでくるセイバーオルタを振り向きざまに確認し、迎撃しようとマルタは拳を構えるも、連射されたレッド9の銃撃を咄嗟に防いでがら空きになった腹部にエクスカリバーが突き刺さり、勢いのまま剣が抜け、大きく後方に吹き飛ばされる。

 

 

「グッ・・・まだよ!」

 

 

自身にはスキル、信仰の加護がある。まだ大丈夫だと、スキル:奇蹟も発動し、不可能を成し遂げるべく拳を握り直す。しかし、見えてしまった。吹き飛ばされた先で待ち構えていた、どうしようもない、避けようもないそのとどめの一撃が。

 

 

「接近戦では拳の方が速いのがアンタの常識だろうが・・・ナイフもそれなりに速いんだぜストレンジャー」

 

 

一閃。ただ、吹っ飛んで来た聖女に致命的な一撃を与えるだけの事。振り抜いたその一撃はマルタの胴体を大きく斬り裂き、倒れ様にもう一閃。背中にも斬撃を受け、マルタはその場に崩れ落ちる。

 

 

GoodBye(お返しだ),Berserk Rider」

 

 

振り返れば、そこには満身創痍のサーヴァント達を支えながら此方をじっと見つめる人類最後のマスターと、人類最後の砦を統べる少女が二人。自身の相棒、宝具をマスターから守るために真正面から受けて見せた半端な少女も耐え切り、自身の足で立っている。己に打ち勝った反転した騎士王は自身の主である聖女と似た存在であるはずなのに壊れた様子は見せず。

 

 

「油断大敵だ。武器があれば雑魚だって強者を倒せるのが世の常だ」

 

 

そして己に引導を引き渡した貧弱なサーヴァントは、満足気にナイフの血を丁寧に布で拭っていた。自身を殺した相手も、倒してしまえば恨みも失せるのだろうか。いや、そもそも彼は怒っていない。自身が殺される事が当り前だと思い諦めながらも、生き汚く生きようとしている矛盾を持つ英霊。何となく感じ取り心底ムカついたが、負けていたら世話がない。むしろ、負けず嫌いな所は共感できた。

つまりはまあ、言い訳のしようもなく、己の敗北したという事実は明確で。

 

 

 

「・・・そう。ここまでね。・・・タラスク、ごめん。貴方も頑張ったのに、私が最後の最後で油断したから敗北してしまった。今度はもうちょっと真面に召喚されたいものね・・・」

 

「・・・聖女マルタ、貴女は・・・」

 

「手を抜いた?んな訳ないでしょう、バカ。バーサーカーにそんな器用な真似できません。これでいい、これでいいのよ。まったく、聖女に虐殺させるんじゃないってえの」

 

 

オルガマリーの問いに笑って答えるマルタ。そう、今の自分の本気を出し切り、彼等はそれに打ち勝って見せたのだ。希望は見えた。人理を救うと言う、途方もない旅の果てに至るための第一歩、一筋の希望が。

 

 

「いい、最後に一つだけ教えてあげる。竜の魔女が操る竜に、貴方達は絶対に勝てない」

 

「俺の武器を舐めているのかストレンジャー。ハンターならいざ知らず、竜如きが俺の武器に勝てる道理もない」

 

「それは無理よ。騎士王、貴方が過去に戦ったヴォーティガーンやこのタラスクさえも超越する、竜と言う幻想種の頂点なのだから。

あの竜種を越える方法はただ一つ。リヨンに行きなさい。かつて、リヨンと呼ばれた都市に。竜を倒すのは聖女ではない、姫でもない、ましてや王でも商人でも無い。竜を倒すのは、古来から竜殺し(ドラゴンスレイヤー)と相場が決まっているわ」

 

「いいや、竜を殺すのは俺の武器だ。それだけは譲れない。・・・あんなのがハンターより上とかあってたまるか」

 

「その負けず嫌い、何とかしないと自分の首を絞めるわよ。私からの言葉は以上です、貴方達が人理修復を成し遂げる事を祈っています」

 

 

最後に聖女らしく慈愛に満ちた笑みを浮かべ、タラスクと共に消滅するバーサーク・ライダー・・・マルタ。やっと敵のサーヴァントを一騎倒しただけだと言うのに、この満身創痍は如何なものか。

 

 

「取り敢えず回復だな。救急スプレーだ、ストレンジャー。皆に配ってやれ」

 

「うん、分かった」

 

 

ディーラーから渡された袋の中に入ったそれを配って行く立香。この場で真面に動けるのは立香とオルガマリー、そしてディーラーぐらいだった。随一の耐久を誇るマシュでさえも今は片膝を突いている。

 

 

「まずはリオン、だったか?」

 

「リヨンよ。リオンってなに?」

 

「・・・すまん。大統領の娘の声が耳から離れなくてな」

 

 

レオンと呼んでいたはずなのにリオンとしか聞こえなかった思い出を振り返るディーラー。割と充実していた。

 

 

「まあとにかくだ。あの聖女様が言うんなら、間違いなく強い英霊だろう。だがな、俺達が訪れたあの街でその噂が一切出なかったのが気になる。考察するに、既にやられたか、もしくは弱って隠れているかのどちらかのはずだ」

 

「弱っているなら恐らく呪いね。竜殺しの英雄が毒なんかで弱る筈もないし。何とかなる?」

 

「呪いってのは体が弱って行く異常状態の事だろう。だったらブルーハーブだ。コイツは、ウイルスに感染した蜘蛛の毒でも解毒できる。ウイルスってのは現代の呪いの様な物だろう。ならコイツで十分効くはずだ」

 

『それについては検証してある。彼のブルーハーブなら、魔術的な呪いだろうと効果はあるよ』

 

 

ディーラーの言葉に賛同するダ・ヴィンチちゃん。なら大丈夫だと、オルガマリーは頷いた。

 

 

「呪いだったら普通は洗礼詠唱なのでしょうが・・・強力な物ともなると、少なくとも私だけでは無理ですね。あと一人聖人のサーヴァントがいる確証もありませんし、自信があるならそれがいいと思います」

 

「なら決まりだ。急ぐぞ、ストレンジャー。奴は聖杯を持ち、バーサーク・サーヴァントなんてのを配下に置いている。それ即ち、戦力をいくらで増やせるって事だ。無限湧きのゾンビほど厄介な物は無い。召喚される前に、とっとと竜殺しを回収して敵の本拠地、オルレアンに殴り込みだ」

 

「でも私達にアシは・・・」

 

「マリー・アントワネットの宝具を使えば速いだろう。ガラスだから防御力は皆無だろうが、俺が屋根の上でワイバーン共から防衛する。それで何も問題あるまい」

 

「むっ、確かに・・・」

 

 

あちらの戦力、それもサーヴァントがいくらでも増やせるとなると、速めに倒さねばどんどん戦況は悪くなる。今ならまだあちらも戦力を整えられていないはずだ。そう考えたオルガマリーはマリーへと確認を取った。

 

 

「王女様、貴女の宝具なら何日でオルレアンに着くかしら?」

 

「早くて三日ね。ワイバーンに邪魔されず、リヨンでそれほど時間を喰う事も無ければそれぐらいだと思うわ。

でも今の私の魔力じゃ一人用の馬を出すぐらいが精一杯だわ。・・・マスターがいれば、もう少し楽になると思うけど・・・」

 

「だったら私が・・・」

 

「いいえ藤丸。私が彼女と契約します。仮契約で悪いけどいいかしら、王女様?」

 

「貴女がいいなら喜んで!お世話になるわ、マスター!」

 

 

立香に負担をかけさせられないとばかりに進んで苦手だったはずの英霊と仮契約するオルガマリーの姿に、成長したなぁとしみじみ思うロマン。そのままついでとばかりにアマデウスとも仮契約し、準備は整った。

 

 

「あの、所長。私なら大丈夫ですよ?カルデアの援助もありますし・・・」

 

「貴女のセイバーの本領発揮するにはできるだけ魔力を有り余らせておいた方がいいのよ。・・・それに、ディーラーの事もあるし」

 

「え・・・?」

 

「気付かなかった?ディーラーが回復できるのは体力と傷だけ、魔力だけは無理。サーヴァントに出来ない事はマスターが補う物なの。これはつまり、ディーラーは貴方の魔力に依存していることになる」

 

 

オルガマリーの言葉にチンプンカンプンな立香であったが、マシュは合点が行った様で「ああっ!」と声を出した。

 

 

「先輩、宝具です宝具!・・・私の中にいる英霊はカルデアで召喚された物で、セイバーオルタさんやキャスターさんも同様です。ですがディーラーさんだけは、先輩と所長に召喚された。それはつまり、彼の宝具による魔力消費をカルデアでバックアップできないんです!」

 

「・・・ん?」

 

「・・・貴方は魔術師になりたてだものね。自分の魔力がいくら減ろうが気にしなかったんでしょう。そして、魔力の消費も微々たるものだから影響もあまりなかった。でも、今回はセイバー戦の時の様な相手は一人じゃなくて、多数。つまり、ディーラーが何度も死ぬことになるかもしれない。それの影響で、貴女が魔力切れで倒れたりでもしたら私達も全滅なのよ」

 

「つまり、ディーラーは私の魔力を勝手にちまちま使って、復活していたと?」

 

 

じろりと睨むと、ビクッと怯むディーラーに確信を持った目を向ける立香。図星であった。オルガマリーは呆れたように溜め息を吐き、言葉を続けた。全ては、マスター適正以外は優秀だった彼女の在り方故気付いたことだった。

 

 

「ディーラーの霊基は貧弱だから復活による魔力消費も少ないんでしょうね。これが過去に前例があるヘラクレスだと、貴女一回だけで干乾びているわ。・・・そうでなくても、弱いといっても最上級の使い魔であるサーヴァント。満タンの魔力でも復活できるのは10回程度なんじゃないの?」

 

「・・・半分正解だストレンジャー。俺は無限に復活できる不死身なんかじゃない。あの聖女はそれを見抜いていたらしい。ストレンジャー(マスター)の魔力量でもそうでなくても俺が復活できるのは最大28人だ。宝具を真名解放したらその半分にも満たない。それ以上はストレンジャーが魔力切れで倒れてしまう」

 

「それが貴方の宝具の通常効果ね。28回・・・回数的には過去の聖杯戦争で確認できたバーサーカー、大英雄ヘラクレスの宝具「十二の試練(ゴッド・ハンド)」よりも上の効果を持つ宝具か。その分、本体の性能が低すぎるのね」

 

「俺はとにかく数でストレンジャーを援護するからな。だが覚えておいてくれ、俺が死ねるのは28回だ。それ以上死んだら俺は完全に消滅する。そうなったらまた呼んでもらうしかない」

 

「そんな大事な事、もっと早く言ってよ!?もう何回死んだ!?」

 

「まあ待て。安心しろストレンジャー。一日だ。その時間だけ魔力回復に専念すれば、俺の復活回数も戻る。だから今の俺は、あと25回死ねる。いや、魔力切れのデメリットを考えればあと十数回だな」

 

「安心できるか!」

 

「?」

 

 

間違いなく安心できることを言ったはずなのに激怒しているマスターに目を丸くするディーラー。今更明かし、魔力切れの危険があるとはいえ、あと最大25回は殿としてでも特攻役としてでも切り捨てられる捨て駒がいるのだ。戦略的にも役に立つはずなのに、目の前のマスターは怒っている。何故だ?

続けて、怒りながらも涙を流す立香に今度こそ驚く。何故だ、何故泣く。怒るのはいつもの事だから分かる、だが何故このストレンジャーは泣いている?そして何故オルガマリーを筆頭に周りは一歩引いている?

 

 

「分かっているの!?私は新米マスターなんだよ!所長みたいに、きちんとした戦略も練れない!感情で動いちゃうから、必要以上に危険に巻き込んでしまう!・・・もし何も知らなかったら、今まで以上の強敵が出て、ディーラーに任せて逃げる時が来たら・・・それで消えちゃったら、私は自分が許せなくなる!

簡単に生きる事を諦めないでよ!死ぬことを前提に考えちゃ駄目!勝手に死のうとするな!バカ!」

 

「・・・相手の戦力を考えれば俺が死ぬ必要も出てくるだろう。人理を救いたいなら、それぐらいの被害を考えるな。ストレンジャーの魔力を考えたら、俺なんかに魔力を持って行かれるのは嫌だろうが」

 

「だから自分を卑下しないでよ。・・・私は頼りにしているんだから、魔力をいくら持って行ってもいいから消えないで。一回死んだだけでも心が痛むのに、消えたりなんかされたら・・・私、戦えない。マシュも、セイバーオルタも、クー・フーリンも、メディアさんも、所長も、ロマンも、ダ・ヴィンチちゃんもそうだけど、絶対いなくならないで。もし聞かないなら令呪を使うよ。何度でも言う。私のために、世界を救うために、消えようとしないで」

 

「・・・分かった、マスター。必ずオーダーには応えるぜ、俺は武器商人だからな。だから泣き止んでくれ、アンタの相棒が怖い」

 

 

振り返ると、ムスッとしている後輩と、それと自分達を生暖かい目で見つめる所長以外の面々が。所長は何故か呆れていた。

 

 

「・・・所長、教えてくれてありがとうございます」

 

「礼はいらないわ。召喚された直後に教えようとしなかったディーラーが悪いんだし。さあ、心配事が一つ消えた所で早速行くわよ藤丸。護衛は任せたわディーラー」

 

「やれやれ、死なずに守れってか。無理の多いオーダーだ、だが任せろ。オーダーは必ず果たす主義だ」

 

 

そんなこんなでリヨンを目指し、出発する一行。相も変わらず出くわしたワイバーンどころか、遠くにちらっと見えたワイバーンさえも見過ごさず全て駆逐し、ディーラーが無駄に張り切っていたのは語るまでも無いだろうか。

 

 

 

 

 

行く先に待つのが究極の竜種どころか、ディーラーとマリーにとって最大のアンチ・サーヴァントである事を彼らはまだ知らない。




前半が本編の筈が後半が本編になってしまった件について。フックショットってこういう使い方できたら強いよねって話。ナイフ万歳。

優秀な所長は今回からサブマスター入り(一応令呪GET)。ブチ切れ立香は心配事が一つ減ってご満悦。マスターが二人いるだけで負担も減るから原作よりは楽。

ディーラーの宝具の詳細がちょっと判明した今回。いくら復活できるといってもサーヴァント、なので有限です。ヘラクレスより復活回数は多い物の、本人の性能が低いので強いのか弱いのかよく分からない宝具です。真名解放すると攻撃にも使える宝具になります。
何故28人かというと、ゲームに登場した武器商人の総数だからです。数えてみましたところ、村:8人、城:11人、島:9人でした。一人一人殺して行ったので多分間違いないです。あ、射的屋の武器商人とエイダ編の武器商人は省いてます。

ところで武器商人に関して疑問があります。最初に出会った武器商人と、二回目に会う武器商人。親しげな様子と会話から同一人物だと思われますが、これはおかしい。何故なら道中、変な鍵やら閂やら村長の家の鍵でしか開かないはずの扉やらを抜けないと行けないからです。物理的に不可能、なのでエイダ・レポートも読み直してこう考えました。
プラーガは寄生生物でありながら真社会性生物。他のプラーガとコミュニケーションを取るのですが、武器商人は複数いる事にはいるが、彼等だけ独自のコミュニケーションで繋がっていて、記憶と思考を共有しているのではないか。つまり、28人もいながら全員同一個体。こういう結論に至りましたがどうなのでしょう?あ、素人の独自解釈なのであまり気にしなくていいです、はい。ただ、この小説の武器商人はこういう解釈の元生まれたと思ってください。だって誰も本編で武器商人に言及しないんだもの、自分で考えるしかない。

次回、究極の竜種+ディーラー、マリーのアンチ・サーヴァントとの対決。すまないさんも出るよ。次回もお楽しみに!よければ評価や感想などをいただけたら嬉しいです。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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