もしもタツミがオネストの隠し子だったら… 作:ゼパル・ガルベスク
では、早速どうぞ!!!
籠の中の鳥
「いやぁ〜〜、貴女には感謝してますよタマモ」
とある城の中…分厚い肉を頬張りながらこの国の大臣、オネストがニヤニヤと笑いながら長い茶髪と褐色の肌の女性、タマモに話しかける。タマモはそんなオネストをジトッとした目で睨み付ける。
タマモ「…善悪の区別も付かない動物の様な女の子に戦わせた後、無理矢理私に子を孕ませた悪魔に魂を売った貴方にだけはお礼を言われたく無いわ」
オネスト「いやいや、嫌われたものですなぁ…」
タマモ「当然です、貴方の過去には同情できても共感は出来ない。本当は分かっているのでしょう?こんな事しても過去を払拭出来る訳では無いと」
タマモは南方に存在する異民族の将軍であり、その国の王族だったのだ。だが、彼女の国は南西の部族バン族に協力していた事が判明したため、オネストがエスデスを送り込み国を滅ぼしたのだ。
タマモ「ところで私と国の帝具は?何もして無いでしょうね」
オネスト「あーーー…あの二つの帝具ですか?安心して下さい、今の所誰も扱えてないですからね。性能的には中々な物なんですがねぇ……」
その帝具は空間を操る【次元方陣】『シャンバラ』…本来シャンバラは一度使うと数時間のインターバルが存在するのだが、タマモはシャンバラをマーキングせずに何度も扱う事が出来るのだ。
そして、もう一つの帝具の名は【魔王憑依】
『ブレイブディザスター』と言う生物型帝具だ。この帝具は少し変わっていて、適合者が触れない限り、封印されている壺の中から出て来る事は無く、所有者の体の中に入り込むのだ。その瞬間から数多の帝具を操れる様になり、力も何倍にも跳ね上がると言う代物なのだが…所有者の体の成長を止め、寿命が尽きたらその者を人形に変えて壺の中に戻り自らを封印してしまうのだ。オマケにこの帝具、かなり面倒臭い帝具で、いくつかの条件を満たしてないと出て来ないのだ。
その条件、『魔王の十戒』と言う物が少々、いや結構、かなり、滅茶苦茶とんでもなく厄介で……
一つ、危険種を帝具や臣具などの特殊武器無しで倒せる者。
二つ、ちゃんと生活力のある者。
三つ、常識人で尚且つ理解力のある者。
四つ、出来れば若者。
五つ、癒しを与えてくれる者。
六つ、美形である事。
七つ、将軍級の器がある者。
八つ、素敵な笑顔が出来る者。
九つ、自分より誰かを優先して助けられる優しさがある者。
十、善人である事。
と以下の様にこの中の内、最低5つか6つはクリア出来てないと顔すら出さないのだ。無理矢理引き摺り出そうとした愚か者は、壺から出て来た拳で顔が消えて無くなったり、蹴りで胴体がミンチになったり、最終的には灰になったり食べられたりしたそうだ。
オネスト「全く…エスデス将軍と同じでドSな帝具ですねぇ。まぁそのエスデス将軍も適合しなかった訳ですが…他にもブドー大将軍やナジェンダ将軍が試したそうですが全くもって無反応だそうですよ…本当に存在しているんでしょうね?」
タマモ「なら、無理矢理やってみれば?帝具を奪われるのが関の山だけどね…それに最低5つか6つって言われてるけど実際は気分次第で出てくるのよ。まるで風に乗って飛んで行くタンポポの綿毛みたいな帝具なのよ」
オネスト「ほぅ………?何故その事を?」
タマモ「子供の頃に誘われた事があるのよ、でも私にはもうシャンバラがあるから大丈夫って言ったら安心そうに壺の中に入り込んじゃったわ。私の推測だと、まず適合者が触れる、そして話し合い、合意の上で取り憑くって寸法らしいわ。話し合いで解決する辺り人間なんかよりよっぽど平和的ね」
オネスト「人を簡単に消すのにですか?」
タマモ「それは無理矢理引き摺り出そうとしたからよ、ブレイブにとって引き摺り出されると言うのは侵略行為も同然なのよ」
オネスト「ふむ、そうですか…まぁいいでしょう。むしろ反乱軍の手に渡ってないだけだいぶマシですからね、それにシュラならシャンバラを扱えるでしょう…なんて言ったって貴女の子供なのだから」
タマモ「…………貴方、シュラにちゃんと愛情は与えているの?だいぶ傷だらけだったけど。まさか、虐待なんてして無いでしょうね」
タマモはギラリと眼を光らせてオネストを睨んだ。その鋭い眼光に少し怯んで冷や汗を欠くも、すぐに調子を取り戻し話を続ける。
オネスト「子供だからと甘やかしてはいけません、所謂愛の鞭と言う奴ですよコレは……分かっていただけますか?」
タマモ「よく言うわね、怒りを通り越して呆れを感じるわ。もういい、これ以上話しても無駄ね。気分が悪いから帰って頂戴……」
そう言ってタマモは顔を背け、窓を眺める。こうなった彼女はテコだろうと危険種だろうと動く事がない事をオネストは痛感している。
オネスト「分かってます分かってます…今帰りますよ…全くもう……」
そうブツブツ言いながらオネストはタマモの部屋から退出する、タマモは訓練場でボロボロになりながらも必死に剣を振るうシュラを見つめる。すると、シュラがこちらに気づいたのか笑顔になり手を振る。それに答える様にタマモは微笑み手を振る、シュラやほとんどの者にはタマモは、バン族に唆されて国が滅んでしまい、バン族に毒を盛られてしまったと伝えられている。
その為、今現在タマモは籠の中の鳥なのだ。
ークヒヒヒヒヒ!タマモ?まるでマリモ見てえな名前だなぁ?どうだ?俺と手を組まねぇか?楽しく暴れようぜ相棒!!
タマモ「あの子に…シュラに最悪の未来が来ませんように…」
そう言って、タマモは自身と国が守り続けた帝具を思い浮かべながら空を見上げてそう呟いた。
『何やらぁ、嫌な感じがするなぁ………』
オネストは良い素材が手に入ってラッキーって思ってる。外道、超外道。
シュラはオネストにタマモは体が弱いと聴かされていて、それを信じている。いつか会いたいと心の奥底から思っている。
タマモは、シュラの事が心配で仕方ない感じです。良い人や!!
ではでは、また今度!!
※P.S.
活動報告でアカメが斬るのアンケート、始めました。