戦火と人魂は夜闇に映ゆる   作:Red October

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あれー?ほぼ同時期に投稿開始された転生モノの作品のほうがお気に入り・UAともに多い…。皆さん転生モノがお好きなんでしょうか…。

それはさておき「戦火と人魂は夜闇に映ゆる」第5話、投稿です!

ようやく狩りの描写ができる…うp主、乏しい文章力を使って頑張って書いてみました。
読んで上手く伝わるのであれば、恐縮と光栄の至りでございます。

それでは、タグに「夜戦」と付けたことですし、夜のお供にでもしながら、ゆっくりお読みくださいませ!


第5話 赤き眼光

渓流。

夜ともなれば、このフィールドは基本的に静寂が支配する。聞こえる音といえば、夜鳥のさえずり、虫のさざめき、草木がそよ風にそよぐ音、流れる水の音…そのくらいだ。

この日この夜も、満月の投げかける優しい光の元、渓流の時間は、静かに流れていた。

 

…ただ1ヶ所、人がエリア5と呼称する場所以外は。

 

 

「ヤバい、怒った!」

 

焦るジークの声。それにかぶさるようにして、

 

ゴォアァァーーォォォ!!!

 

モンスターの咆哮が響き渡る。

運悪くすぐ近くでそれを聞いてしまい、耳を押さえて動けなくなるジーク。

咆哮の残響が消える前に、闇の中を二筋の赤い光が走り、ジークの背後に回り込む。

 

「ジーク、後ろ!」

「ッ!?しまっ…」

 

ケートが注意したが、時既に遅し。夜の暗闇を切り取ったような、黒いモンスターが、ジークの背中に飛びかかった。突き飛ばされ、地面を転がるジーク。

 

「くっ、この…!」

 

双剣リュウノツガイで斬りかかる。双剣がモンスターの硬い翼とぶつかり、火花が散った。

今私達が相手しているのは、迅竜ナルガクルガ。闇に溶ける黒い鱗や体毛を持ち、疾風のように素早く動く、4足歩行の飛竜である。武器は、刃翼と言われる、刃物のごとき硬く鋭い翼と、体長の約半分を占める長大な尻尾、そしてその素早さだ。

 

「えい!」

 

今度はナルガクルガの尻尾に斬りかかるも、持ち前の速度を発揮した迅竜は易々とかわした。結果、リュウノツガイはナルガクルガの残像を斬っただけに終わる。

斬撃をかわされたことで若干姿勢を崩してしまう。それを立て直しながら、私は、自分の背後に回り込むナルガクルガの殺意にも似た怒りを、気配で感じた。

 

(来る!…2、1、今!)

 

心の中で叫び、右側に側転回避。半瞬後、ナルガクルガの右の刃翼が、さっきまで私のいた場所をぶった斬った。

回避の直後に斬りかかる。が、剣はまたもナルガクルガの右刃翼に命中。腕が痺れ、あやうく剣を落としそうになった。

 

(くっ、さすが上位、ブシドースタイルを以てしても、一筋縄じゃいかないか…)

 

その時、「ていっ!」という掛け声とともに、反対側から走り込んだケートがナルガクルガの前足を踏みつけ、その反動で飛び上がった。ジャンプした勢いのまま、界雷の電竜棍をナルガクルガの背中に振り下ろす。

背中をザックリやられた迅竜は、堪らず仰け反って怯む。その隙を見逃すことなく、今度こそリュウノツガイは迅竜の尻尾に切り傷を付けた。

私の左手の方では、ジークが回復薬を飲み干して、態勢を整えている。

 

エリア4で遭遇し、戦闘を開始して小1時間。だがナルガクルガは一向に弱みを見せない。このまま戦闘が長引けば、乱入と暴食の権化等と言われるイビルジョーが出てきたりして、ややこしいことになるかもしれない。そんな状況の中、私は戦闘しながらあることを考えていた。

 

(ったく、アイツどこ行ったのよ…)

 

アイツとは、マリウスのことだ。渓流には同時に到着したのだが、支給品の配分中に先に行ってしまい、行方不明となったのである。そして今も、まだ合流できていない。

 

「ベティ、避けて!」

 

余計なことを考えたのがまずかった。ケートの警告にはっとした時には、黒く太いものが頭上に迫っていた。

次の瞬間、頭部に衝撃。そのまま地面に叩きつけられた。

 

「ぐはっ!」

 

腹部から思い切り地面にぶつかり、息が詰まる。星の舞う頭で、ナルガクルガの尻尾で叩かれたのだと知った。

飛びかけた意識を引き戻し、回復薬グレートを呷った時だった。

 

「そこにいたのか!ぶっ殺してやるぜぇ!」

 

マリウスだ。ホントどこ行ってたんだ、アンタは。

そして両手に持ってる、その長いものは何?角材か何かかしら?

 

「喰らえ!エクスパンデッド・オンバシラぁ!」

 

マリウスが叫ぶ。次の瞬間、何もない夜空に、突然巨大な柱のようなものが20本ほど出現し、一斉にナルガクルガ目がけ落下した。

巻き込まれかけたケートが慌てて回避する。

降ってきた柱は、轟音を立てて次々と地面に突き刺さった。が、ナルガクルガには1本も命中していない。

下手くそ、普通あれだけ撃てば1本くらい当たるでしょうに。

 

「チッ、避けられたか」

 

そりゃ避けるでしょ、ナルガクルガは動体視力が高い。そんなデカブツを捉えられない訳がないわ。それはそうと、この大量の柱はどうやって出したのかしら。

柱の攻撃が空振りに終わったマリウスは、角材?を一旦捨てると、今度は右手を掌を上にして天にかざした。

 

「なら、これでどうだ!スピア・ザ・グングニル!」

 

だから何なのよそれ。

かざした右手に赤い光の粒が集まり、瞬く間に投げ槍のような形になった。マリウスはそれを、ナルガクルガ目がけ投擲する。

だが、槍が手を離れる前に、ナルガクルガは夜空に向け飛び上がった。エリア移動だ。これでは当たらないのでは?

 

「無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

得意げなマリウスの声。見ると、投げ槍は物理的にあり得ない軌道を描き、ナルガクルガを追尾していた。

ちょ、なんて動きしてんのよ!?

そして命中。だが翼に当たったためか、大したダメージにはならなかったようだ。ナルガクルガはそのままエリア6へと飛び去っていく。

 

「取り逃がしたか、まあいい」

「「良くないわよ!」」

 

マリウスの言葉に、ケートと2人でツッコミを入れる。

 

「どこ行ってたんスか、ホントに!」

 

ジークがマリウスに尋ねる。

 

「あ?エリア1からぐるっと渓流1周してきただけだぜ」

「そうじゃなくて、なんで勝手に行ったんだって聞いてるんスよ!」

「ああ!?最初に言ったろ、指図は聞かねえって!」

「言い合いはそこまで!早く追いかけるわよ」

 

にらみ合う男2人をケートが制する。それを横目に、私は携帯食料をかじっていた。

 

40秒ほどで、全員が準備を完了し、エリア6へと移動を開始する。

移動中に、マリウスが何を持っているのか、見てみた。それなりに風化した感じの木材だ。多分、エリア4の廃村のどこかから引き抜いてきたのだろう。

木材で思い出して、ふと後ろを見る。20本くらいあった例の柱は、1本残らずなくなっていた。

本当に、どこから出して、どこにしまったのだろう…?

つくづく不思議な術である。

 




如何でしたか?

いやーやはり、モンハンといえば狩りですね!
文章書いていて、狩りに行きたくなってきました…。ブラキあたりでも、狩りに行こうかな…


マリウスの使っていたアレは…二次創作って言ったらやっぱりこれかな、と思って採用しました。
ちなみにうp主はやっていません。知識としてある程度持っているくらいです。ですので登場にあたりなるべく再現度を上げるよう、検証した上で投入しました。
え?原作じゃスピアは追尾なんてしない?…確かに。ではどうしてこうなった?
それには、マリウスの転生特典が関わっています。それについては次回で説明します。

最後に、自分でやっておいてなんですが…某転生リオレイアちゃんじゃないですが、世 界 観 を 守 っ て 下 さ い よ!
あと、おぜうさまとガンキャノンと原作者に謝れこのクソ野郎!


次回予告ですっ!


逃走したナルガクルガを追うパーティ一行。しかし、エリア6で彼女らが見たもの、それは…。
…そしてベティの不安は現実のものとなる…。

次回「遭遇!緑の幽霊!」 乞うご期待!


ついに、幽霊出現です。うp主の全文章力を総動員して頑張って描写します!
(問題は、その全開の文章力が、戦車で例えるとチハの短砲身57㎜砲の威力程度しかないことですが…)

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