何とか週末に2話投稿できた…。
少しずつですが、描きたいものに接近しつつあります…。出てくるのはもう少し先ですが。
それでは、どうぞお楽しみください!
※ストーリー進行に関わる重大な誤りに気付いたため、マリウスの武器を変更しました。
変更前→クリムゾンゴート 変更後→エピタフイディオン
大変申し訳ありませんでした。
「…これが、今回のクエストのパーティメンバーか」
集会浴場、クエストカウンター前。集まったメンバーを見て、私はそう呟いた。
集まったのは私とケート、ジーク。それからあと1人、見知らぬ男。黒髪で、年齢は20代くらいか。
初対面の人と共に狩りに出ることになる、というのはよくある話だ。そしてこのユクモ村は、正確にはその温泉は、タンジアやロックラック、果てはドンドルマでもその噂を聞くことができるほど、有名なものである。となれば、多くの人(ハンター含む)が訪れるのは必然で、そんな場所で狩りに行くとなれば、見知らぬ人とパーティを組むことになるのも至極当然のことである。
ところで、初対面の人と一緒に行動することになった時、我々がしなければならないことは何だろうか?
それは、互いにコミュニケーションを取り合うことである。それによって、パーティメンバー間の連携を高めることができるし、それはクエスト成功確率の上昇にもつながってくる。
と、いう訳で。
「では、先ずは自己紹介から…。私はベティ、よろしく頼む。」
「ジークっス、よろしく!」
「ケートよ、よろしくお願いするわね」
「…マリウスだ。チッ、なんでこんな依頼に付き合わなきゃいけねぇんだ…」
何だこのやる気のない態度は。こういう人は基本的に邪魔にしかならない。それでなくても、狩りは命のやりとりだというのに。
「ちょっと、やる気がないなら帰ってもらえる?」
「ああ?てめ誰に言ってんだ」
「あんたよ、あんた。大体、相手が上位個体なのよ?半端な気持ちで来られては困るわ」
ケートが注意するが。
「俺がそこらのヤツらに負けるわけねえよ!上位だろうとG級だろうと俺の相手じゃねぇよ」
この発言を聞いた瞬間、3人が抱いた思いは同じものだった。
(…フラグだな)
(…思いっきりフラグ建ててるッスね)
(…フラグ建ったわね)
「しゃあねえ、金稼がなきゃいけねぇし、クエストには行く。但し俺に指図すんじゃねえぞ!」
そう言うとマリウスは背を向け、カウンターの方へ歩いていく。
「何なんスか、アイツは…」
「まぁまぁ、落ち着いて」
憤るジークをケートが宥める。
私は、カウンターに向かう間に素早く全員の装備をチェックした。
ジークはメイルシュトロームにヴァイクSシリーズ一式。ガノトトスが狩れるようになったのか。確実に腕を上げているな、いいことだ。
マリウスはエピタフイディオンにレックスSシリーズ一式。腕はあると見える。性格に難ありだが。
ケートは…相変わらず私より格上の装備だ、界雷の電竜棍にカイザーSシリーズ一式。
そして、私ことベティが双剣リュウノツガイにシルバーソルシリーズ一式という出で立ちである。
クエストを受けるにあたっては、クエストカウンターで受注の手続きをしなければならない。また、帰ってきた時には報告を行い、必要なら報告書を提出しなければならない。これは、ハンターズギルドの仕事の1つがモンスターの生息個体数の管理であることが理由である。
4人でクエストカウンターに立ち、依頼を探す。目当ての依頼は、すぐに見つかった。
クエスト名: 舞うは黒影、響くは雷鳴
成功条件: ナルガクルガ1頭とジンオウガ1頭の狩猟
報酬金: 7,500z
契約金: 700z
失敗条件: 報酬金が0zになる
フィールド: 渓流
備考: 狩猟環境不安定
依頼人はユクモ村の村長だった。村長直々の依頼となると、事態は切羽詰まっているようだ、早急に対処しなければ。
全員の了解を得たので、なるべく捕獲する方針であることを受付嬢に伝える。そして、契約書に全員で署名していると、受付嬢が注意を与えてきた。
「最近、渓流とその周辺で小型モンスターの数が全体的に減少しています。ガーグァやジャギィ、オルタロスなども…。さらに1週間前には、全身引き裂かれて食べられた痕跡のあるアオアシラが見つかりました。どうかお気をつけください。」
私は主にドンドルマを中心に活動しているため、アオアシラと戦ったことはない。だが「ババコンガみたいなヤツ」だとジークから聞いている。腐っても大型モンスターだ、それを食するとなれば、只者ではない。噂に聞く、各地にふらりと現れては暴食を繰り返す竜、名前は確か…
「イビルジョーが出たんスか?」
そう、そいつだ。
「姿は見られていませんが…もしかすると可能性があります」
「そりゃ厄介ッスね」
これはいよいよもって長居無用だな。手早く捕獲して、終わらせるとしよう。
Now Loading…
ハンターズギルドの手配したネコタクの準備が整いつつある中、私はジークに尋ねてみた。彼なら何か知っているかもしれない、地元なんだし。
「なあ、先ほど温泉に入っている時に聞いたんだが、渓流には幽霊が出るそうだな」
「ああアレっスか、死んだうちのじいさんから聞いたことがあるッスね。自然の守り神だとか何とか…。でも、ここ何十年かは1度も見つかってないッス、だから大丈夫ッスよ。あんま気にしなくていいッス」
そう言って笑うジーク。だが私は、どうも一抹の不安を感じずにはいられなかった。
そうこうするうちにネコタクの準備が完了し、私たちは渓流へと繰り出して行った。
如何でしたか?
なんとなく察しがついている方もいるかと思いますが、マリウスは転生者です。
何の能力を出してくるかは次回のお楽しみですが、恐らく皆様の知ってるものだと思います。
では、次回予告です!
渓流へ出撃した主人公パーティ一行。満月の光が満ちる渓流で彼女らを待つものは…。
次回「赤き眼光」 乞うご期待!
このタイトルで相手が何なのか、分かっちゃった人もいるかもしれませんね…が、口外はダメですよ!
いよいよ狩りです…気合い、入れて、描写しますっ!(某戦艦風に)
P.S. 第5話投稿と同時に、活動報告にて、質問コーナーを開設します。ネタバレに関わること等でなければ、答えられる限り答えますので、この作品に関して分からないことがあれば是非ともご利用くださいませ。