マクロス U.C.   作:真仁

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就職後初めての投稿です。
学生時代と比べて時間も意欲も減っていましたがこれではいかんと一念発起、遅くても駄文でもなんでも書いていこうと思います。
また忘れた頃に更新・・・となるかもしれませんが暇な時にでもみて貰えたらと思います。


ユニバーサル・センチュリー

辛うじて敵の撃破に成功したマクロス。しかし息つく暇もなく新たなる問題が彼らに降りかかる・・・。

 

 

 

 

戦闘終了後、中破したプロメテウスの代わりにダイダロスの甲板にウェイブライダー形態のZガンダムを固定したルーはバーミリオン小隊と未沙と共にマクロスのブリッジに上がっていた。そこにはブリッジのメンバーに加えバルキリー隊のリーダーであるフォッカーの姿もあった。

グローバル「SDF-1マクロス艦長のブルーノ・J・グローバルだ。こちらの申し出を受けてもらい感謝する」

ルー「反地球連邦組織エゥーゴ所属のルー・ルカです。こちらこそ危ない所をそちらの所属機に助けていただきありがとうございました」

そう言いグローバルの差し出した手を握り返すルー。

ルー「あの、グローバル艦長・・・」

グローバル「君の聞きたい事は分かってる。もうすぐ答えが出る筈だ」

ルー「答え?」

シャミー「艦長!長距離観測カメラが地球圏の様子を捉えました!ですが・・・!」

クローディア「どうしたの?」

シャミー「地球の周囲を囲むように巨大なシリンダーの様なものが複数浮いてるんです・・・」

ブリッジのメインモニターに映し出された地球の姿、地球そのものは特に変わりはないのだがその周囲を取り巻く環境は全く違っていた。

巨大なシリンダー型の建造物が幾つも作られており、それらの集合体が地球を囲むように何ヶ所かに集まっている。

輝「な、なんだアレ・・・」

ルー「貴方達・・・コロニーも知らないの?」

グローバル「スペースコロニーか・・・」

キム「スペースコロニー?」

未沙「かつて1969年にジェラルド・オニールによって提唱された宇宙空間用の人工居住地の事よ」

柿崎「って事は、あの筒の中に人が住んでるのか⁉︎」

ルー「一年戦争もコロニーも知らないなんて、貴方達ホントどこから来たのよ・・・」

グローバル「別世界だ」

ルー「え?」

グローバル「この映像で確証が持てた。・・・我々はどうやら私達のいた世界とは異なる世界・・・別世界に来てしまったようだ」

ヴァネッサ「別世界・・・ですか?」

未沙「ルーさんの乗っていた機体、私達の知らない単語、歴史、それらもコレが別世界なら説明がつくわ。もっとも、ゼントラーディが攻めてきていたからこの映像を見るまでは彼女の方が私達の世界に飛ばされてきた可能性もあったのだけれど」

柿崎「で、でも別世界なんて一体いつ飛ばされたんですか?」

マックス「・・・フォールド」

輝「あの時か!」

グローバル「そうだ、タイミングとしてはそこしか考えられん。我々は月の裏側にフォールドする筈が別世界の冥王星に飛んでしまったのだ。ゼントラーディも一緒にな」

未沙「ルーさん、今聞いた通り私達はこの世界の人間ではありません。信じてもらえないかもしれないけど・・・」

ルー「・・・でもこの戦艦や可変機、襲ってきた敵を見たら信じる他ないでしょう」

未沙「今私達が欲しいのはこの世界の情報です。貴方の知る限りのこの世界の情報を教えて欲しいの」

ルー「わかりました。その代わりそちらの情報も教えて頂くという事でよろしいですか?」

グローバル「了解した」

ルー「では、この世界・・・宇宙世紀についてお話します・・・」

輝「宇宙世紀・・・」

 

 

 

 

 

一方で戦闘終了後のマクロスタウン、巨大な重機によってアルトの搭乗したバルキリーが運び出されていた。

アルト「・・・・・」

フォッカー「アルト君だったな」

運ばれていくバルキリーを見つめるアルトに後ろから来たフォッカーが声をかける。

アルト「あの子は・・・ミンメイは?」

フォッカー「ミンメイちゃんならシェルターに退避させた。戦闘が終わったとはいえ戦闘のダメージで建物が倒壊する恐れがあるからな」

アルト「そうか・・・」

フォッカー「君は民間人だな?なぜバルキリーの操縦の仕方を知っていたんだ?」

アルト「そ、それは・・・」

未来の時代でバルキリーのパイロットをしていました。などと言える筈もなくアルトは返答に困ってしまう。仕方なく話題を逸らしてみることに。

アルト「や、やっぱり民間人がバルキリーを動かしたら処罰の対象に?」

フォッカー「ん?あぁ、まぁ今回は状況が状況だからな。不問になるだろう。俺も後輩を勝手に訓練用バルキリーに乗せた事あるしな」

アルト「は、はぁ・・・」

フォッカー「それよりもだ、・・・単刀直入に言わせてもらうと・・・アルト、お前統合軍に入らないか?」

アルト「俺を・・・統合軍に?」

フォッカー「情けない話だが今回の戦闘でバルキリー隊の戦力は半減しちまってな。人手不足なのさ。見た所スジは良さそうだし・・・どうだ?」

アルト「・・・少し、考えさせてもらっていいですか?」

フォッカー「ああ構わんよ。ノリで決められる事じゃないしな。だが敵がいつ来るかわからない以上あまりのんびりとも待ってられん」

そう言いながらフォッカーはメモを取りその紙をアルトに渡す。

フォッカー「もし統合軍に入隊する気があるのなら明日の朝までにここに来てくれ。軍の宿舎の俺の部屋だ」

そこにフォッカーの通信機に通信が入る。

フォッカー「こちらスカルリーダー」

クローディア『フォッカー少佐、これからの鑑の動向について重要な話があります。至急ブリッジに来てください』

フォッカー「了解、すぐに行く。じゃあなアルト、一晩良く考えてみてくれ」

そう言うとフォッカーはバルキリーで飛び去っていった。

 

 

 

 

 

マクロス ブリッジ

フォッカー「すまんクローディア、遅くなった」

輝「先輩!」

フォッカー「なんだ輝も来てたのか」

輝「なんだってなんですか」

グローバル「ルー少尉、説明を始めてくれ」

ルー「はい、まずは私達の世界、宇宙世紀の成り立ちからお話したいと思います」

フォッカー「その口ぶり・・・やはりここは俺たちの世界とは別の世界という事か」

輝「先輩?やはりって・・・知ってたんですか?」

フォッカー「前にも言ったろ?お前の遭遇した人型兵器のデザインがゼントラーディとは違う気がすると。俺とグローバル艦長はそこから異世界の可能性を考えていたんだ。ま、限りなくゼロに近い確率だったがな」

ルー「私達の世界では増えすぎた人口による食料危機などの問題に対する解決策として国家の枠組みを超えて作られた政府、地球連邦によって宇宙にコロニーを建設しそこに人々を移住させる宇宙移民政策によって現在の地球圏の原型が作られました」

未沙「私達の世界での統合政府と同じね。もっとも成り立ちには大きな違いがあるけど・・・」

輝「でも人口増加の問題はそれで解決したんだろ?」

ルー「確かに人口増加による問題は無くなったわ。でもそのやり方に問題があったの」

フォッカー「やり方?」

ルー「地球連邦政府の関係者や一部の有力者は自分達以外の・・・身分の低い民間人ばかりを宇宙に送り、自分達は環境の安定している安全な地球に残ったんです」

輝「なんだよそれ!」

未沙「まるで移民というより棄民ね・・・」

ルー「そう捉えられても仕方ありません。そしてそれは宇宙に出た人々も同じように考え、徐々に連邦政府から独立しようと考える人々も出てきたんです」

フォッカー「殖民地と独立運動・・・時代が変わっても人々はそう簡単には変わらんか・・・。そしてその果てに起きる事も」

シャミー「その果て・・・?」

ルー「宇宙世紀0079、地球から最も離れたコロニー群、サイド3がジオン公国を名乗り地球連邦に宣戦布告をし一年戦争が開戦しました」

グローバル「やはりそうなるか・・・。しかしルー君、宇宙世紀での生産活動はコロニーに依存する割合が高いとはいえそのジオン公国は数あるコロニー群のひとつ、いわば国としては小国に過ぎない。地球圏で唯一の統治機構である連邦に対して国力差があまりにもあり過ぎるのでは?」

ルー「はい、開戦当初の地球連邦も同じように考え戦いはすぐに決着が着くと考えられていました。しかしジオンは新兵器モビルスーツを極秘裏に開発していたのです」

クローディア「モビルスーツ・・・あのZガンダムの事ね」

ルー「当時はあれほど高度な機体ではないですけどね。当時の連邦は戦艦の火力と宇宙用戦闘機が主な戦力でしたがレーダーやセンサーを撹乱するミノフスキー粒子とこの人型兵器であるモビルスーツにより大敗を喫する事になったのです」

グローバル「なるほど・・・レーダーやセンサーが使えなければ戦艦は目と耳を潰されたも同然、どれだけ火力があろうと意味をなさんか・・・」

フォッカー「長距離からの砲撃やミサイルも使えないとなれば戦闘は必然的に敵を直接視認して行う有視界戦闘が主となる。それならば航空機のファイターより人型のバトロイドの方が有利となる」

ルー「元々国力の劣る為に短期決戦を理想としたジオン軍は連邦の本拠地に向けてモビルスーツを使った戦術でコロニーを奪い、それを地球に落としたのです」

未沙「コロニーを地球に・・・⁉︎あれだけの質量が落下すれば地上には甚大な被害が出るのではなくて⁉︎」

ルー「・・・コロニーの落下だけでなくそれによって生じる2次被害も含め・・・地球の人口の半数以上の人が亡くなりました」

柿崎「なんて事しやがる!ジオンの野郎やり過ぎだぜ!」

ルー「連邦軍の必死の抵抗により本拠地ジャブローに落ちるのだけは回避されましたがコロニーの落下したオーストラリア大陸は原型を留めない程のダメージを受けました」

グローバル「こちらの統合戦争と同じようなものだと考えていたが・・・それ以上に激しく悲惨な戦いだったのだな・・・」

ルー「ジオンはその後もモビルスーツの優位性を活かして地球に降下して勢力を広めていきましたがジオンのモビルスーツの脅威を知った連邦もモビルスーツの開発を開始し、徐々に劣勢を覆していきました。そして0080 1月1日、ジオンが終戦協定に調印する事でこの一年戦争は終結したのです」

柿崎「ようやく平和が訪れたって訳だな」

ルー「いいえ・・・、敗戦したジオン軍の一部は更に遠方の小惑星帯に逃げ延びたり地上や宇宙に残された残党によるゲリラ戦など終戦後も戦いは続いたの。そして連邦はジオン残党討伐を目的としたエリートによる部隊、ティターンズを設立したのよ」

クローディア「ティターンズ・・・」

グローバル「大地にそびえ立つ巨人という訳か・・・」

ルー「ティターンズはジオン残党討伐を目的としながらそれを生み出す温床として宇宙に住むスペースノイドにも弾圧を強行しました」

フォッカー「宇宙に住む人達はみんなジオンの仲間とでもいいたい訳か?」

ルー「実質そのようなものですね。自分達のやり方に反感を持つ者がいればコロニー内に平然と毒ガスを流し込むような奴らです」

輝「毒ガス⁉︎」

未沙「周りが真空で逃げ場の無いコロニーで毒ガスを使うだなんて・・・」

ルー「連邦内外でもティターンズのやり方に反感を持つ者は少なくなく、そういった人々が集まり結成されたのが私の所属する反地球連邦組織エゥーゴなんです。そして地球圏は今、エゥーゴとティターンズとの戦争状態にあります。これが宇宙世紀の現状です」

グローバル「うむ・・・」

この世界の成り立ちと現状を聞いたグローバルはパイプを口に咥えながら考え込む。

クローディア「ルーさん、地球圏全てがエゥーゴ派かティターンズ派かに分かれているの?」

ルー「サイド6など中立のコロニーもいくつか存在はしますが・・・」

グローバル「現状で我々がやらねばならない事は大きく分けて2つ、1つはマクロスの補給、そしてもう1つはルー君とZガンダムをエゥーゴに送り届ける事だ。優先すべきは艦の補給だが・・・」

未沙「ルーさん、ここからだと中立で一番近いコロニーは何処かしら?」

ルー「私も全てを把握してる訳ではないですけどここからだと・・・」

ルーはメインモニターに映し出された地図を指差す。

ルー「サイド1のシャングリラコロニーだと思います。ただ、これだけ巨大な艦の補給をそこで賄えるかどうかまでは・・・」

グローバル「いや、情報があると無いとでは大違いだ。少なくとも補給が出来る希望は見つかった。クローディア君、マクロスの目的座標をシャングリラコロニーに設定、すぐに発進する」

クローディア「イエッサー」

グローバル「ルー君、君と機体の受け渡しは補給の後になってしまうがそれでもよろしいかな?」

ルー「構いません。地球圏に戻ってきた事でこちらからの連絡も行える筈ですのでそれだけはさせて頂きますけど」

グローバル(何事も起こらなければいいが・・・)

 

 

こうしてZガンダムを乗せたマクロスは補給物資を求め一路、シャングリラコロニーへと向かった。




ガンダム知ってる人ならこの後の展開も多分わかるとは思いますが・・・。
突然ですが次回から別作品からの参入あります。マクロスと宇宙世紀にバランスを崩さない程度の参戦とはなりますがタグ修正も含めてやって行きたいと思います

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