魔刺繍職人の花嫁修業(笑)   作:丸焼きどらごん

42 / 79
2章あらすじ

ざっくりと2章あらすじと人物、用語紹介。

 

 

 

 

++++++++++++++++++++++

 

 

 

 盗賊から逃れたエルーシャは、樹海を抜け出た後ルーカスという町で12年間暮らしていた。旅に出るのは怖いからと平和な田舎町に引きこもっていたエルーシャだったが、友人の結婚式を転機に再び外の世界へ旅立つことを決意する。

 魔法の刺繍職人としての技術を身に着け働いていた彼女は、その技術を駆使して自分が男性に見える魔法のかかった品を作り出す。この世界に来た当初「やりたいことをやろう」と決めたことを思い出したエルーシャは、とことん趣味に走ってしまおうと「男装してイケメンと知り合い友情の果てに紆余曲折を経てロマンチックな恋をして結婚する」という計画を立てていたのだ。

 町の者にその阿呆な計画を心配されつつも、エルーシャはエルフリードと名を改める。こうして第二の人生を歩む中身アラフォー現18歳の婚活の旅が始まった。

 

 道中で冒険者アルディラと商人たちに出会い、魔族について、魔刺繍職人が貴重であること、魔道具の職人が姿を消す事件など今まで知りえなかった情報に触れるエルーシャ。

 銀鉱山の街シュピネラを経て王都に向かうことにしたエルーシャに、思いがけずアルディラが送ろうと申し出てくれた。ありがたく申し出を受け、初めてパーティーを組むことになったエルーシャ。シュピネラで旅に便利だと言う冒険者登録を済ませ、彼女たちは次の目的地へ向かう。

 

 そして旅立ったはいいが、いくばかも進まぬうちに道中で障害に遭遇する2人。シュピネラで噂に聞いていた、旅人を襲う白い狼が現れたのである。そしてその狼を追っていた冒険者ポプラに出会い、成り行きで捕獲を手伝うことになった。

 しかしその狼が獣人であることに気が付いたアルディラが止めを刺すことに待ったをかける。そこでエルーシャは獣人と人間の関係を初めて聞く事となった。

 人間に近い姿になった獣人の少女の怪我は酷く、魔法で癒やしたものの疲労の色は濃く残っていた。事情を聞くために近くの村まで連れて行き休ませようとした一行は、ポプラの案内で森の近道を通って近場の村を目指すことにした。しかし、途中で不自然に迷ってしまい、行き着いた先は「地図から消えた」とされていた森の中の小さな村。村長に話を聞けば、13年前から外の世界と隔絶されてしまったのだという。

 

 休める場所を求めていたエルーシャ達は村娘のコーラルと出会い、彼女の家で休ませてもらうことになる。

 その夜の事だ。村が騒がしくなり、何事かと外へ出れば空に浮かぶ巨大な影。

 影は自らを封印されてた魔人「ゲルニザウラ」だと名乗り、魔法で脅しをかけると復活した祝いに村人に”贈り物”を要求し姿を消した。コーラルと仲の良い元旅人の青年ハウロが言うには、それは50年前にフェルメシア王国へ進軍して来ていた魔将の名だと言う。

 村長に依頼され、翌朝に魔人討伐を決めた冒険者達。だが、留守にしている間に先走った村人が、家に残してきたコーラルとエキナセナを攫って魔人への供物としようとしていた。

 

 後を追い、様々な経緯を経てなんとか魔人を倒すに至る。

 

 そして魔人に囚われていた精霊が解放され、村とコーラルについての真相を語った。

 コーラルは取り換え子と呼ばれる存在であり、本来は精霊であること。彼女の成長を見守り、魔人を封印するために森に結界を張っていたこと。そしてそれが村を隔絶していた原因であったこと。

 精霊界に行くか、このまま人間として過ごすかと選択を迫られるコーラルは、迷った末に精霊としてではなく人間として生きる事を選択する。そして彼女はこの一件を機に、世界を見て色んなものを知るために旅立ちを決意した。コーラルはエルーシャ達に次の村か町まで同行したいと申し出る。

 

 こうして5人となった一行は解放された村から旅立ったのだが、魔人の報告のために戻った銀鉱山の街シュピネラで冒険者ギルドの支部長から思いがけないことを告げられる。なんと、魔人について王都まで報告のために来るようにと通達があったのだ。それも迎えには竜騎兵をよこすのだと言うではないか。

 竜騎兵団は王家直轄の部隊。それすなわち、報告を聞きたがっている人物が王族であることに他ならない。

 

 すっかり萎縮してしまったエルーシャたちは眠れぬ夜を過ごし、早くも翌日には迎えに到着した竜騎兵たちに連れられて、王都を目指すことになった。

 

+++++++++++++++++++++++++++++

2章はだいたいこんなお話。

 

 

《人物紹介》

 

■エルーシャ(男装名:エルフリード(前世名:斉藤夏芽)・・・男装して婚活するとかいうわけ分からないことを言い始めた中身いい年した18歳。ルーカスで魔法の刺繍職人として働いていた。

ルーカスの孤児院で育ったために家事スキルと面倒見の良さが磨かれ前世以上の女子力スペック!いつでも嫁に行けると高をくくっていたが、同年代からはお母さんポジションに据えられていてギャフンとなる。

 

■アルディラ・・・主にシュピネラを拠点に活動しているベテラン冒険者。23歳独身。胸が小さいのを気にしている模様。普段は冷静沈着であるが、熱い面も持ち合わせている。面倒見が良くお気遣いの人。武器は斧で、妖精術の使い手。

 

■ポプラ・・・道中で出会った見た目チャラ男中身お子様な冒険者。悪い奴ではないが、アルディラと仲の良いエルーシャが気に食わずちょくちょく態度が悪い。年上のお姉さまが好みらしい。闇の精霊術を得意とし、武器は曲刀。現在16歳。

 

■エキナセナ・・・白狼の獣人の少女。半年前に家族もろとも人間に誘拐され奴隷にされるが、逃げ出して家族を探していた。その際旅人から食料を奪うなどして、結果ポプラに追われる羽目になる。肝が据わっていて、少々ぶっきらぼう。16歳で、家族は父母と妹が一人。

 

■コーラル・・・赤い髪の毛、昔から変な事を言ったり、コーラルの生まれた13年前から村から出られなくなった事などから不吉だと言われ故郷の村では孤独に過ごしていた。両親は病気で他界している。実は精霊の取り換え子だったらしく、魔人戦で覚醒して魔人に囚われていた精霊を解放した。生い立ちのせいで若干卑屈な所が目立つが、心優しい13歳の女の子。

 

 

◎ルーカス

 

■アンダルシアとカメル・・・エルーシャの孤児院での幼馴染。最近結婚して、エルーシャに花嫁衣装と花婿衣装をプレゼントされた。

 

■トマス・・・ルーカスの教会の神父様。孤児院の院長でもあり、ルーカスでのエルーシャの育ての親。

 

■カトレア・・・トマスの祖母。エルーシャの魔刺繍職人としての師匠。

 

■キーロ・・・孤児院の少年。苦労性の気がある。

 

■ファルファ・・・孤児院の少女。エルーシャによく懐いている。

 

◎道中

 

■マリオ・・・ルーカスの商人。珍しい拡張魔法が付与された馬車を持っていたり、袋から爆発する魔道具を投げて魔物を倒したりと只者ではない雰囲気。のんびりとなまった口調で話し美女に目が無い。

 

■商人と護衛・・・マルキオ、ドナウ他商人3名。Bランクと偽っていたDランク駆け出し冒険者4名。エルーシャに魔纏刺繍の作品を売ってもらった。

 

◎シュピネラ

 

■リララ・・・孤児院の少女。危ない所をエルーシャに助けられる。

 

■ララック・・・孤児院の少年。リララの双子の兄。

 

■シャオメル院長・・・シュピネラの孤児院の院長さん。おっとりしている。

 

◎グリンディ村

 

■ハウロ・・・村に迷い込んで出られなくなっていた青年。妙に強く、魔人の止めを刺すなど美味しい所を全部持っていったちゃっかり者。魔人を倒した後姿を消している。

 

■レラス・・・コーラルの友達の陽だまりの精霊。コーラルを助けるため、旅立つ彼女と契約を結ぶ。

 

◎魔族

 

■ゲルニザウラ・・・50年前フェルメシアを攻めていた魔王軍の将。人も精霊も喰う悪食。魔力で巨大化するなど微妙に芸達者。

 

 

 

《用語、作中説明紹介》

 

■魔刺繍職人・・・魔纏刺繍《まてんししゅう》という技術により、魔法効果のある刺繍を布に施すことを生業とした職業。

 

■魔道具職人失踪事件・・・十数年前から魔道具の職人が失踪する事件が多発している。魔人の仕業との噂。

 

■獣人国家ファームララス・・・ある事件をきっかけに鎖国中。自然が豊かで精霊の加護が厚い国。

 

■獣人と人間・・・獣人が人間の国で派遣された場合、辿る道は奴隷か保護の二択。裏で獣人は高値で取引されるが、ファームララスと国交を取り戻したい各国家は積極的に獣人を保護しファームララスに帰してゴマをすっている。

 

■外法精霊術と憑依精霊術・・・外法精霊術は精霊の意思を捻じ曲げて無理やり生物に憑依させる術。憑依精霊術は逆に生物の意思をねじまげて精霊に生贄として捧げることで憑依させる術。獣人は精霊との親和性が高く、それが発覚したことも獣人奴隷が誕生した理由の一つ。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。