「それが龍斗のダンナのアーティファクトですかい?」
カモがネギの肩から降りて風神の剣をペタペタ触っていた。
「ああ、風神の剣だ、アーティファクトの中でも数本しか存在しない神の剣シリーズのうちの一本だよ、そういえばアスナ君はネギ君と契約したんだろ?、このカードが出てきてるはずなんだけど」
するとカモが思い出したと言わんばかりに手をポンと叩いて、何処からかカードを出してアスナの肩に乗った。
「そういえば忘れてたぜ、これが姉さんのパクティオーカードだぜ」
カモはアスナにカードを渡して肩から降りた。
「へえ~、じゃあさあたしもこれでなんか武器が出てくるの?」
「来たれと言えばいいんでさあ、姉さんのカードには破魔の剣と書いてありましたから剣が出るんじゃ」
アスナはカードを持って呪文を唱えた。
「来たれ・・・あれ?、ねえカモあんたにはこれが剣に見えんの?」
アスナのカードから出て来たのは剣ではなくハリセンだった、見た目のカッコ悪さにアスナはがっかりした。
「あれ~おかしいっすね姉さんのカードには破魔の剣と書いてあったのに」
するといままで黙っていた龍斗が口を開いた。
「アスナ君、この玉をその剣で斬ってごらん」
龍斗が風の魔法で作った野球ボールぐらいの大きさの球体をアスナに向かって放った。
「わ、わわ、ええいこうなったらやけくそよ、てやー!」
アスナがハリセンで叩くと魔法の玉は消えた。
「凄いね、僕の魔法を一振りで簡単に消すとは」
アスナは照れて頭をかいたが、ネギが神妙な面持ちで言った。
「さっきの人たちはいったい誰なんだろう?」
(うーん、ここで関西呪術協会の名前を出してもいいが、どうするかな・・・よし!)
「実はねネギ君」
龍斗は木乃香の事は伏せながらネギとアスナに襲撃してきたのは関西呪術協会の関係者であることを話した。
「やっぱり京都は行けないのかな」
「大丈夫行けるよ、君をサポートするのが僕の仕事だ、何かあれば全力で助けるよ」
落ち込むネギを元気づけようと龍斗はニコッと笑ってネギの肩に手を置いた。
「ありがとう龍斗」
「おっと、もうこんな時間だ、ささ帰って少し寝なさい、アスナ君は新聞配達もあるんだろ」
龍斗の言葉にネギとアスナも頷いて三人は寮に帰って行った。
それから一週間が過ぎネギたちは修学旅行当日の朝を迎えた、教員は生徒よりも早く集合場所の大宮駅に居なければならないのでネギは龍斗と一緒に行こうと約束していて、龍斗は寮の玄関でネギを待っていた。
「龍斗ー!、待たせてごめーん」
ネギが寮の中から龍斗に手を振りながら走って来た。
「いやいや、僕も今来たところだよそういえば何人かの生徒は先に出かけたよ」
「ほ、本当に!?じゃあぼくたちも急ごう、龍斗」
「わ、分かった、分かったから引っ張らないでくれ」
そして大宮駅に着くと教師の源しずな先生、新田先生、瀬流彦先生、さらに生徒たちは図書館探検部の宮崎のどか、早乙女ハルナ、綾瀬夕映、そして運動部の仲良し四人組の明石裕奈、和泉亜子、佐々木まき絵、大河内アキラ、そしてバカレンジャーの長瀬楓、古菲が先に大宮駅で待っていた。
「皆さん早いですねー」
「おはよー、ネギくーん、龍さーん」
「やあ、まき絵君、ほんとに早いね始発で来たんだろ」
「いやーごめんね龍さんじっとしてられなくてさ」
「いやいや、遅く来たらえらい事だか早く来る分には問題ないよ、裕奈君」
ネギは四人組に捕まってしまい龍斗はネギと離れてしずなに挨拶した。
「遅れて申し訳ありませんしずな先生、新田先生、瀬流彦先生、皆さんも始発で?」
「いえいえお気になさらないで下さい龍斗先生、私達は皆楽しみで早くくるかなと思っただけですので」
龍斗はしずなたちに挨拶し終わると図書館探検部の三人に近づいた。
「やあ、ハルナ君、のどか君、夕映君、君たちも早いね」
「もちろんだよ龍さん、あたしたちも裕奈たちと一緒でじっとしてられなかったんだもん、そうだ龍さん、実はねのどかが恋したのよ」
「ほう、そりゃ良かったのどか君の事はかなり心配していたんだ、お相手は僕が聞いても大丈夫かな?」
「は、はい」
龍斗は一年生の頃、のどかの男性恐怖症を治そうとして、根気良くのどかに声を掛け続けて何とか普通に話せるまでになったが二年生になると龍斗は長期出張に出てしまいのどかが話せる男性がいなくなってしまったが、新しく担任になったネギに危ないところを助けてもらったりしてネギに好意を寄せていた、そして三人はネギが来てからの事を龍斗に話した。
「そうかのどか君、君の恋が実ることを応援するよ、いやーほんとに良かったね」
龍斗は心からのどかが恋をしてくれた事を喜び、のどかの頭をゆっくり撫でた。
「あ、あぅぅ」
のどかは顔を真っ赤にしていたが振りほどきはしなかった。
最後に龍斗は楓と古菲に話をかけた。
「やあ、楓君、古菲君二人ともまた腕をあげたね」
「いやーそうでもないアルよ、龍さん帰ったらいつかの手合わせの続きをしてほしいアル」
「拙者もお願いしたいでござるな」
「いいだろう僕でよければ何時でも付き合うよ、君たちには京都で迷惑をかけるかもしれないが、よろしく頼むよ」
「なんの事だかわからんアルが、OKアル」
「元からネギ坊主の事は何かあったら手を貸すつもりでござるから、構わないでござるよ」
二人と話していると集合時間が近くなり生徒たちが段々と集まって来た、その中には刹那の姿もあり龍斗は刹那に近づいた。
「やあ、刹那君」
「龍斗先生おはようございます」
「見違えたよ、大分アイツに鍛えられたみたいだね、厳しかっただろ」
「え、ええ、かなり」
刹那に修行の事を聞こうとも思ったが、刹那の気の高まりが感じ取れたので深くは聞かなかった、そうこうしてるうちに集合時間になった。
「それでは京都行きの3-A、3-D、3-H、3-J、3-Sの皆さん、各クラスごとに点呼をとってからホームに向かいましょう」
しずなが言うと各クラスの担任がクラスの点呼をとった、3-Aは龍斗が点呼をとりネギが人数を数えることにした。
「第一班、鳴滝風香、鳴滝史伽、椎名桜子、釘宮円、柿崎美砂」
「ネギくーんまた一緒にカラオケ行こーよ」
「ええ、桜子さんまたよろしくお願いします」
「いいねえ、今度は僕も一緒に行こうかな」
「龍さんなら大歓迎だよ!!」
「第二班、古菲、葉加瀬聡美、超鈴音、春日美空、長瀬楓、四葉五月」
「ネギ坊主引率大変アルね、これ食べるよろしアルよ、力でるネ!!」
「ありがとうございます古菲さん、でもさっきおにぎり食べたので」
「じゃあ僕がもらうよ古菲君」
龍斗は古菲から肉まんをもらい食べた。
「第三班、雪広あやか、那波千鶴、村上夏美、朝倉和美、長谷川千雨」
「さあネギ先生グリーン車を貸りきってありますので、そちらでゆるりとおくつろぎを・・・二人っきりで」
「あ、あのいいんちょさん!?僕にはまだ仕事が・・・」
「こらこらあやか君犯罪行為は先生としては見逃せないぞ」
「第四班、佐々木まき絵、明石裕奈、和泉亜子、大河内アキラ、龍宮真名」
「ネギくーん、自由行動日私達と一緒に遊びに行かなーい?」
「いや、あのっ・・・」
「亜子くん、相変わらず乗り物に弱いんだね」
「ちゃうねん、肉まん美味しくて食べ過ぎただけで」
「やれやれ、ほら冷たい水と胃薬あげるから」
ネギがまき絵に言い寄られている中、龍斗は亜子に飲み薬と自販機で水を買い亜子に渡した。
「第五班、近衛木乃香、神楽坂明日菜、綾瀬夕映、早乙女ハルナ、宮崎のどか」
「ネギ、大丈夫だった?ごはんちゃんと食べれたの?」
「はい!!ありがとうございます!、おにぎり美味しかったです!、ん?」
ネギがアスナたちと話していると後ろから肩を叩かれた。
「龍斗どうしたの?」
「実はね六班まであるんだけどエヴァに茶々丸くん、さよくんが欠席でね、六班がザジ君と刹那君だけなんだ、だからあやか君!」
「なんでしょう?」
「君の班にザジ君を入れてくれないかな?」
「ええ、構いませんわ」
「じゃあ頼むよ、じゃあ後刹那君はちょうど五班がいるから五班に入ってくれ」
するとネギが龍斗に耳打ちした。
「やっぱりエヴァンジェリンさんは修学旅行来れないんだね?」
「ああ登校地獄、厄介な呪いをかけたもんだよアイツは」
エヴァンジェリンはその昔悪行ばかりしていたが、危ないところをネギの父のナギに助けられそのまま恋をした、いつの間にかナギを倒して自分のものにしようとしたエヴァはとある孤島でナギと勝負をしたが、返り討ちに合いナギに登校地獄の呪いをかけられて魔帆良学園から出れなくなってしまったのである。
「一緒の班やな、せっちゃん」
「あ、あの・・・失礼します」
木乃香の挨拶にどうしていいかわからない刹那は逃げてしまい木乃香は落ち込んだ。
「大丈夫だよ木乃香君、刹那君も歩み寄ろうとしているさ、だって前は話しかけても知らんぷりしてたけど今回は行っただろう、失礼しますてさ」
「うんせやな、うち頑張るわ、ありがとう龍さん」
全ての班の点呼が終わると新幹線が発車する時刻になり皆が席についた、そして皆の思いをのせて新幹線が出発した、ネギたちの修学旅行が今始まる。
ちぐはぐな感じですがやっと修学旅行に突入です、これからが新しいキャラ等が出て大変ですが頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします、それではまた9話でお会いしましょう。感想評価お待ちしています。