龍斗が寮を飛び出す少し前明石裕奈は練習で遅くなり帰り道を走っていた。
「いやー遅くなっちゃたよー龍せんせーに怒られるかも」
すると裕奈の少し先に黒いコートを着た男が立っていた。
「おいそこのお前」
「何よナンパならお断りよ」
「近衛木乃香を知っているか」
「あんた、木乃香に何の用なの」
裕奈は直感でこの男に木乃香の居場所を教えてはならないと思った。
「うるせーなてめぇは」
男はコートに隠していた刀を抜き一瞬で裕奈の前に距離を積めて居合いで裕奈を斬ろうとしたその時、裕奈の御守りが光り裕奈を刃から守った。
「!?」
男は刀を防がれたことに驚いた。
「!?な、何御守りが光った?」
「てめぇは何者だ、まあいい次はねぇ」
男はまた刀を構えて居合いで裕奈を斬ろうとし裕奈は目を瞑ったが今度御守りではなくある人間によって防がれた。
「あん?今度はなんだ」
「貴様いったい何者だ」
裕奈が目を開けると桜咲刹那が愛刀の夕凪で男の刀を止めていた。
「さ、桜咲さん!?」
「明石さん私の後ろにいてください」
(こいつ私よりも数段強い、ここは明石さんを守りつつ増援を待たねば)
刹那と男は刀でつばぜり合いを始めた。
「お前神鳴流だな、そういえば木乃香お嬢様には護衛の神鳴流がいるって聞いたがお前か?」
「木乃香お嬢様が狙いか、そうはさせん」
男はつばぜり合いをしていた刹那から少し離れて刀を構えた、刹那も刀を構えると男は一瞬で刹那の後ろに移動すると刹那の右足と右手を斬った。
「くっ、早い」
「桜咲さん!」
「何だよ、こんな太刀筋も見切れないのか、お前みたいな弱い奴が何でお嬢様の護衛なんだ?まあいいこれで終わりだ」
腕を押さえてしゃがみ痛みを堪える刹那に男は刀を振り上げて下ろした。
(お嬢様申し訳ありません、私はやはり未熟者です今度こそ守ると決めたのに)
男の刀が降り下ろされる瞬間、刹那は昔のことが走馬灯のように頭を駆け巡った、刹那と木乃香は幼なじみとして育ったが、ある日流された木乃香を刹那が助けようとして川に飛び込んだが、助けられず最後は大人に助けてもらいその時刹那は次は必ず木乃香を守る、そう泣きながら言うと剣の修行に力をいれて木乃香とも遊ばなくなった、そして木乃香は中学生の時に祖父が学園長をしている麻帆良学園に入学し刹那も木乃香の父の詠春の頼みと自らが木乃香を守りたいと願い麻帆良に入学した、刹那は死を覚悟したが男の刀は刹那に届くことはなかった。
「おいおいここは学園だろ随分物騒だな」
刹那の前には着物を着た男がコートの男の刀を止めていた。
「あ、貴方は?」
「そこにいろすぐに終わるから」
男はそれだけ言うと刹那の前に出てコートの男から刹那と裕奈を守るように立った。
「お前人を切るのがそんなに楽しいか?」
「おめぇの面見たことあるぜ、神鳴流二大剣豪のうちの一人木梨恭輔だろ」
神鳴流には二大剣豪と呼ばれる人間が存在した、一人はナギスプリングフィールドの友の近衛詠春そしてもう一人がこの男木梨恭輔だった。
「お前と会った事があったか?」
「ああ実際戦った事はないがな、俺は御子神亮だ」
「残念だが俺はお前の名を覚える気がない、そうだお前人を切るのは好きなようだが、自分が切られた感触はどうだ?」
「!?」
恭輔の言ってる意味が分からなかった亮が恭輔に聞き返そうとした時亮の両足と両手が斬られた。
「少しは人の痛みを知れ」
「糞が」
亮はうつ伏せに倒れた。
「逃げはしないだろうが一応縛っておくか、縛」
恭輔は符術を使って気で気絶した亮の体を拘束した後刹那の方に向かった。
「そっちの女の子は怪我ないな、」
裕奈はこくりと頷くと恭輔は刹那を診た。
「運がいいなこの程度なら俺でも治せる、治療」
恭輔は魔法で刹那の足と手を治した。
「魔法を使えるんですか?」
「ああ」
恭輔の治癒魔法のお陰で刹那の傷は塞がった。
「これで大丈夫だ後は」
恭輔は裕奈の方を向くと裕奈の持つ御守りに目がいった。
(あの御守りは、参ったな夕子の娘か巻き込みたくはなかったが)
自分を見る恭輔に裕奈は首をかしげた。
「あのアタシに何か?」
「いや、君も大変な目に遭ったね」
恭輔がそう言うと龍斗ともう一人女性が現場に到着した。
新キャラ登場です、UQホルダーの放送日に投稿したかったのでできて良かったです、それではまた5話でお会いしましょう。感想と評価お待ちしています。