龍斗は麻帆良学園の中にある墓地の中の一つの墓石の前で手を合わせていた、この墓には明石裕奈の母である明石夕子が眠っていた。
「やあ夕子君ただいま、時が経つのはほんとに早いね、裕奈君も君に似て良く育っているし」
龍斗が言い終わる前に近づいて来る足音が聞こえたので龍斗は足音の方に目を向けた。
「やあ、明石君」
歩いてきたのは明石夕子の夫の明石教授だった。
「龍斗さん帰って来てたんですね」
「ああ3ーAの副担任と女子寮の管理人を任されたよ」
「裕奈のクラスですね、女子寮の管理人と副担任どっちも裕奈が迷惑をかけなければいいんですが」
「まあ彼女なら大丈夫さそれにしても・・・早いね月日がたつのは夕子君が亡くなって9年か」
「ええ・・・実は龍斗さん相談にしたいことがあるんです」
明石教授はそう言うと近くのベンチに腰をかけ、龍斗も隣に腰をかけた。
「明石君君まだ煙草吸ってるかい?」
「ええ、吸いますか?」
「悪いが一本くれるかい」
龍斗は貰った煙草に火を着けた。
「相談というのはなんだい?」
「夕子が任務中に殉職して以来私は裕奈に魔法の事を隠すことに決めました、でも私は今だに魔法先生を続けている、矛盾してますよね」
明石裕奈の母である夕子はメガロメセンブリアのエージェントだったが任務中に殉職してそれ以来明石教授は裕奈に魔法の事を隠し続けてきた。
「辞めちゃダメだ明石君、学園長も他の魔法先生魔法生徒たちも君を信頼している」
「でも裕奈には普通の道を歩いてほしいんです」
龍斗が彼を見ると顔を下に向けて涙を流しながら話していた。
「実はね明石君、夕子君に聞いたことがあるんだもし裕奈君が魔法の道に入りたいと言ったらどうするか、そしたら彼女はこう答えた、あの子がどうしても魔法の道に入りたいと言ったら私はあの子の意思を尊重します、旦那もいるし頼れる師匠たちもいますしね!・・・とね」
龍斗は夕子に戦いを教えた師匠でもあった、その言葉を聞くと明石教授は涙を拭いて龍斗の方を向いた。
「敵わないな夕子には」
明石教授は照れるように頭をかきながら笑った。
「それにね明石君、僕はどんなことがあろうが生徒たちは必ず守る、それにネギ君もいるしね」
「それは心強いですね」
「そういえば裕奈君は僕があげた御守りをまだ持ってるかい?」
「ええ鞄に着けてありますよ裕奈の宝物ですから」
「そうそりゃ良かった、おっともうこんな時間かそろそろ帰って管理人の仕事しないとな」
龍斗が腕時計を見ると生徒の下校時刻が迫っていた。
「それじゃ明石君また会おう」
「はい」
龍斗は寮に向かって歩いて行き、明石教授は背を向ける龍斗に頭を下げた龍斗もそれを知ってか後ろ手に右手を振った、龍斗は寮に着くと寮に住んでいる生徒が帰る前に玄関の掃除をしていると続々と生徒たちが帰ってきた。
「「龍せんせーただいまー」」
「やあ鳴滝君お帰り、君たちは何時も元気だね」
「ただいま龍さん」
「おお龍宮くんお帰り」
「今度手合わせに付き合ってくれ」
「構わないよ何時でも言ってくれ、後僕も夜の見回りに加わるからよろしく」
「分かった刹那にも言っとくよ」
麻帆良学園は回りを結界で囲い悪魔や魔法使い等が勝手に入れないようになっている、だがまれに入って来るものがいるので魔法先生と魔法生徒が交代で見回りをしていて、龍宮真名は魔法生徒の中の一人だった。
「ああよろしく」
「龍斗せんせーただいま」
「やあ亜子君アキラ君まき絵君お帰り、三人だけかい?」
龍斗が亜子の後ろを見ると何時も一緒に帰ってくるはずの裕奈の姿が無かった。
「ああ、裕奈は部活で居残り練習しとるよ」
「そうか分かった」
龍斗がそう言うと亜子たちは寮の中に入って行った、そして龍斗も中に入り、夜になって皆が夕食を食べ終わると龍斗も夕食を済ませて一階の管理人室に戻り荷物の整理を始めた。
「さて荷物の整理を」
整理をしようと龍斗が立ち上がると学園内で気と気がぶつかり合うのを龍斗は感じた。
「やれやれ復帰そうそう事件か」
龍斗は窓から飛び出て現場に向かった。
明石教授は名前が発表されてないので明石教授と言ってますが多分オリジナルの名前をつけます、作者は裕奈が結構好きなのでこれから話に大きく関わると思います、今回から日常の生徒たちの会話は読者の好きな生徒を書きたいと思います今回は龍宮が好きと言われたので龍宮を出しました、でも龍宮は多分物語に深く関わると思いますが、それでは長くなりましたが4話でお会いしましょう。感想評価お待ちしています。