まさかあんなことが起きるなんて僕は思っていなかった。
迎えたのはいつもの朝だった。
「千歌~朝だよ~」
「ん...もう...少し...」
「じゃあ千歌の分のみかんも食べちゃうよ~」
「それはダメ!!」
千歌はすぐに起き上がった。
「はい~行きましょう~」
そう言って僕は千歌のことをお姫様抱っこして1階まで行った。
「流星くん...自分で歩くからいいよ...///」
千歌は恥ずかしそうに僕に言ってきた。
「そっか。でも階段で降ろすと危ないから1階で降ろすね。」
「うん...ありがとう...///」
千歌は顔を真っ赤にしていた。
「はい到着~」
「ありがとう...///」
いつも通りに朝ごはんを食べていつも通りに千歌と一緒に学校に行った。
あ、そういえば僕も千歌と同じ浦女に通ってます。
そして僕も千歌もいつも通りに学校で過ごしていた。
災難が起きたのは学校の帰り道だった。
千歌たちはAqoursの練習があるから僕はいつも先に帰っている。
そして僕はいつも通り家で曲を作っていた。
ドーン!
何かが崩れたような音だった。
沼津駅から変な煙が出ている。
みんな様子をみるために家から外へぞろぞろ出てくる。
千歌は学校で練習しているから大丈夫だろうと思ったが一応電話をしてみた。
「もしもし、千歌?今どこ?」
「今曜ちゃんと梨子ちゃんと一緒に沼津駅にいる。助けて。」
「どうした!?」
「瓦礫で出入り口が塞がれてて外に出れないし、曜ちゃんは頭に何か当たって血が出てる。」
千歌は泣いていた。
「わかった!今すぐ行く!」
僕は電話を切ってすぐに走って行った。
沼津駅に着くと瓦礫で出入り口が塞がっていて中は見えない。
「千歌~!聞こえる~?」
返事がない。
消防士などが瓦礫をどけて出入り口を作ってくれた。
僕はすぐに中へ入った。
しかし千歌たちは見当たらない。
瓦礫の山が僕の視界に入った。
「まさか...あの中に!」
僕は走ってそこへ向かった。
「千歌~!聞こえるか?」
「流星くん!」
「今助けるからちょっと待ってて!」
そう言って僕は瓦礫をどけ始めた。
その瓦礫の山から千歌たちが出てきた。
「大丈夫か!?」
「私と千歌ちゃんは大丈夫だけど曜ちゃんが...!」
曜は頭からかなり出血していた。
「曜ちゃん...」
「...千歌ちゃん...梨子ちゃん...心配かけてごめんね...」
「曜ちゃん...!今はしゃべっちゃダメ!」
千歌は涙声で曜に言った。
僕は着ていたパーカーで曜の頭から出血しているところを圧迫した。
「痛い!」
「大丈夫だ!曜!がんばれ!」
「ダメだよ!流星くん!曜ちゃんがかわいそうだよ...!」
梨子も涙声で僕に言ってきた。
「大丈夫だよ梨子さん。圧迫して出血を止めて氷と水で患部を冷やせばある程度は大丈夫。
たしかここらへんお店あったよね?そこから氷水もらってきてもらっていいかな。」
「私がとってくる!」
千歌は突然立ち上がった。
「じゃあお願いするよ。」
千歌は走って店のある方へ向かった。
「よし。患部からの出血は止まった。あとは冷やすだけ。曜?聞こえる?吐き気とか無い?」
「...大丈夫...」
曜は痛そうだった。
「大丈夫。もうすぐでよくなるからね。」
「はい!持ってきたよ!」
「ありがとう!」
そして僕は着ていたTシャツを氷水で濡らして患部へ当てた。
「少し楽になった?」
「うん...ありがとう...流星くん」
「大丈夫ですか?」
後ろから医者が来た。
「頭部からの出血です。救急車お願いします。」
「分かりました。こちらです。」
「僕は曜と一緒にいるから千歌と梨子さんは先に戻ってて。」
「分かった。あと私に連絡ちょうだい。」
「分かった。千歌。相変わらず強くなったね。」
僕は千歌の頭を撫でて救急車に乗った。
病院についた。
「早めに処置をしたおかげで命に別状はありません。」
「そうですか。よかった。」
僕はホッとため息をついた。
そして僕は曜の隣で千歌に電話をかけた。
「もしもし!流星くん?曜ちゃんは?」
「早めに処置したから命に別状は無いってさ」
「よかった~」
「あと曜と千歌の家に行くから」
「分かった~!待ってるね!」
曜が目を覚ました。
「曜?大丈夫か?」
「うん...ありがとう流星くん。」
「無事でよかったよ。」
そして僕と曜は病院を出た。
すると突然曜は僕の手を握った。
「少しだけでいいから...手繋いでてほしいんだけど..千歌ちゃんに悪いのは分かってるけど今だけは...お願い。」
「分かった。千歌にもちゃんと説明すれば大丈夫だと思うよ。」
僕は曜の手を握り返した。
そして僕と曜は茜色に染まった空の下で手を繋いで千歌の家に歩いて向かった。
あの事故の原因は店のガスがかなりの勢いで爆発したらしい。
次回もお楽しみに!
誤字や何か言葉が変だったら教えてもらえるとうれしいです!
感想なども待ってます!