星と奏でる千歌の恋音   作:★星夜☆

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第2話 「星と千歌」

 

引っ越しして数か月たった。

 

 

 

「……起きて………起きて!」

 

 

 

大きい声にびっくりして目が覚めるとそこにいたのは千歌だった。

 

 

 

 

「もう9時だよ!いつまで寝てるの!」

 

 

 

朝から説教は疲れる。

 

 

 

「なんだよ。そんなに大きい声で起こさなくても。」

 

 

 

「だって昨日また明日話そうって約束したじゃん!」

 

 

 

そういえば昨日約束してたんだった。

 

 

 

まだ話す時間はいっぱいあるでしょ。

 

 

 

でもそう言うとめんどくさいことになるから言わないことにしよう。

 

 

 

 

「分かった。昨日の話の続きしよう。」

 

 

 

 

「うん!でも朝ごはん食べて出かけて帰ってきてからね!」

 

 

 

 

いつのまにそんなスケジュールを立てていたのか。

 

 

 

「...分かった。」

 

 

 

 

「やった~!じゃあ、朝ごはん食べよう!」

 

 

 

 

そう言われて1階に降りて二人で朝ごはんを食べていた。

 

 

 

 

「モグモグ…そういえばギター弾けるんだよね?」

 

 

 

「うん。弾けるよ。」

 

 

 

「じゃあ、あとで弾いてほしいなって...思ってるんだけど...ダメ?」

 

 

 

 

「いいよ。あとで弾いてあげる。」

 

 

 

「やった~!」

 

 

 

 

笑顔で喜んでいた。

 

 

 

 

その笑顔はズルすぎる。

 

 

 

「ごちそう様~!」

 

 

 

「ごちそう様でした。」

 

 

 

「よし!じゃあ、出かけよう!」

 

 

 

 

食べ終わったばっかりなのに。

 

 

 

 

そう思いながらも出かける準備をした。

 

 

 

 

そして準備ができて外へ出ると、千歌はすでにそこで待っていた。

 

 

 

 

「遅い!」

 

 

 

 

「いや千歌が速すぎるだけだと思うよ」

 

 

 

 

「え?そうかな?」

 

 

 

「バカチカ」

 

 

 

「うるさい!」ムスッ

 

 

 

少しにバカにしたら頬をふくらませて言ってきた。

 

 

 

怒った顔も可愛いかった。

 

 

 

 

「あれ?なんでギター持ってるの?帰ってきてから弾いてもらうから置いてきてもいいんだよ?」

 

 

 

いつもの癖でギターをもってきてしまった。

 

 

 

「いつも持ち歩いてるから大丈夫」

 

 

 

 

僕は笑って言った。

 

 

 

「そんなにギター好きなんだね~!じゃあ行こ!」

 

 

 

 

そう言って二人で沼津駅に向かった。

 

 

 

 

「私、服買いたい!」

 

 

 

「いいよ。」

 

 

 

「あの...よかったら...よかったら服とか選んでもらいたいんだけど...いいかな?」

 

 

 

 

モジモジしながらこっちをみている。

 

 

 

 

こんなかわいい顔して断る人がいるのか。

 

 

 

 

「分かった。一緒に選ぼう。」

 

 

 

 

「ありがとう!」

 

 

 

 

そう言って二人で店の中へ入った。

 

 

 

「これなんかどうかな?」

 

 

 

オレンジ色のワンピースを試着していた。

 

 

 

 

とても似合っていてかわいかった。

 

 

 

「それすごく似合ってるよ!」

 

 

 

「本当に!!じゃあ、これにする!」

 

 

 

あっさり決めていた。

 

 

 

「そんな簡単に決めちゃっていいの?」

 

 

 

そう言って千歌に聞いてみた。

 

 

 

 

「うん!だって流星くんが選んでくれたやつだもん!」

 

 

 

 

「そっか。じゃあ会計しに行こう」

 

 

 

 

そして会計に向かった。

 

 

 

 

「僕が出すからいいよ。」

 

 

 

 

「え!?だって自分のものだから自分で払うよ!」

 

 

 

 

「今日は奢ってあげたい気分だから」

 

 

 

 

「そっか!ありがと!大切に着るね!」

 

 

 

 

そして買い物が終わって午後6時。帰り道を歩いていた。

 

 

 

「ね~ね~」

 

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

 

「ちょっと寄っていきたいところあるんだけどいい?」

 

 

 

 

「いいけど、どこ行くの?」

 

 

 

 

どこへ行くんだろう。ここら辺はコンビニくらいしかないのに。

 

 

 

 

そう思いながら千歌について行った。

 

 

 

 

千歌が寄りたい場所は海だった。

 

 

 

 

2人で砂浜に座って夕焼けを見ていた。

 

 

 

 

「綺麗だよね。ここから見る夕焼けって。」

 

 

 

 

いつもの千歌とは違う気がした。

 

 

 

何かあったのか?そう思いながら返事した。

 

 

 

「綺麗だね。」

 

 

 

こんな元気で可愛い女の子が彼女だったら、どれだけ楽しいだろうか。

 

 

そういえば千歌って好きな人とかいるのかな。

 

 

でもまだ引っ越ししてきて2日目なのに聞くことじゃないか。

 

 

 

そう思っていると千歌は突然僕にこんな事を聞いてきた。

 

 

 

「流星くんって好きな人とかいるの?」

 

 

 

マジか。まさかそっちからくるとは。

 

 

 

「...いないよ」

 

 

 

「...そっか...」

 

 

 

 

なぜか千歌は悲しそうだった。

 

 

 

 

とても気不味い。この空気。気不味い。

 

 

 

そう思いながら聞いてみた。

 

 

 

 

「どうしたの?何か相談があれば聞くよ?」

 

 

 

 

「ううん!なんでもない!」

 

 

 

 

千歌は笑顔で返事した。

 

 

 

「そっか。」

 

 

 

 

そうだ。せっかくギター持ってきたから弾いてあげよう。

 

 

 

 

そう思って僕はギターを弾きながら歌い始めた。

 

 

 

 

「いい曲だね~心が落ち着くなあ~」

 

 

 

 

いつもの千歌に戻ってきたみたい。

 

 

 

 

「...よかった」

 

 

 

 

僕は小さい声でつぶやいた。

 

 

 

 

「ん?なんか言った?」

 

 

 

 

「なんでもないよ。」

 

 

 

 

こうやって一緒にいられるのはいつまでなんだろう。

 

 

 

「暗くなってきたし、そろそろ帰ろうか!」

 

 

 

 

「うん。じゃあ僕は自分の家に戻るよ。」

 

 

 

 

すると千歌は僕の袖を掴んできた。

 

 

 

 

「ダメ!家にきて!もう家族なんだから!」

 

 

 

 

ん?どういうことだ?

 

 

 

 

「流星くんが私の家に住むってこと流星くんのお母さんにはいってあるから安心して!」

 

 

 

いつのまにそんなことを。

 

 

 

 

でもいいか。こんな可愛い子と一緒にいられる。

 

 

 

 

僕の好きな人と一緒にいられる。

 

 

 

 

「じゃあ帰ろうか。僕たちの家に。」

 

 

 

 

僕は笑いながら千歌の手を握って歩き始めた。

 

 

 

 

すると数秒後、千歌も握り返してくれた。

 

 

 

 

「ただいま~!」

 

 

 

 

 

家に入ってすぐに千歌の部屋に入った。

 

 

 

 

「楽しかった~今日はありがとうね!」

 

 

 

 

「こちらこそ。ありがとう!」

 

 

 

 

数秒間、二人は笑って見合った。

 

 

 

 

「僕疲れたから、お風呂入ってくるね。」

 

 

 

 

そう言って部屋を出ようとしたとき千歌に腕を引っ張られた。

 

 

 

 

「ダメだよ!今日は一緒にお風呂にはいるんだから!」

 

 

 

 

マジかよ!まだ会って数か月しかたってないなのに!

 

 

 

 

そう思いながら聞いてみた。

 

 

 

 

「あの...まだ会って数1か月しか...」

 

 

 

 

「いいの!一緒に入りたいの~!お願い~!」

 

 

 

 

こんな可愛い女の子とお風呂に入るなんて。

 

 

 

 

「分かった。じゃあ一緒に入ろう。」

 

 

 

 

2人は風呂場に向かった。

 

 

 

 

あれ?誰もいない。なんでだ?

 

 

 

気になったので千歌に聞いてみた。

 

 

 

 

「なんで今日人いないの?」

 

 

 

 

「二人だけの貸切温泉!いいでしょ~!」ニコッ

 

 

 

 

「よく貸し切ったね...」

 

 

 

 

そして二人はゆっくり入った。

 

 

 

 

「私が流星くんのからだを洗うから、流星くんは私のからだを洗ってね!」

 

 

 

マジか。ものすごい緊張する。好きな人のからだを洗うなんて。

 

 

 

 

そして僕は千歌のからだを洗っていた。

 

 

 

 

 

発育すごいな...

 

 

 

 

 

そう思いながら千歌のからだを洗っていた。

 

 

 

 

「今、私の胸見てたでしょ!もう!変態!」

 

 

 

 

「いや見てないよ!!」

 

 

 

 

 

まるで心を見抜いたように言ってくる。

 

 

 

 

「だって今絶対私の胸見てたもん!」

 

 

 

 

 

「見てないってば!ほら!洗い終わったよ!」

 

 

 

 

 

 

僕は焦りながら言った。

 

 

 

 

 

そういって千歌のからだを洗い流した。

 

 

 

 

 

そして二人はお風呂から上がった。

 

 

 

 

 

「気持ちよかったね~!」

 

 

 

 

「うん!」

 

 

 

 

お風呂あがりの千歌も可愛い。

 

 

 

 

これから好きな人と一緒に過ごせるのか。夢みたい。

 

 

 

 

「ねね、今日は私の部屋で一緒に寝よ~!」

 

 

 

 

断ろうと思ったけど今日くらいはいいか。

 

 

 

 

 

「いいよ。一緒に寝よう。」

 

 

 

 

「やった~!」

 

 

 

 

 

そう言って二人で一人用の布団に入った。

 

 

 

 

少し狭い気もするけど、まあいいか。

 

 

 

 

 

...千歌の顔が近い...千歌に鼓動聞こえてないかな。

 

 

 

 

 

 

そう考えていると千歌が急に僕の唇にキスをしてきた。

 

 

 

 

 

「えへ...まだ会って数か月なのにね♡」

 

 

 

 

 

夢のようだった。好きな人からキスをされるなんて。

 

 

 

 

 

僕も迷いながらキスし返した。

 

 

 

 

 

 

 

「初めてが千歌とだなんて思ってもいなかったよ。」

 

 

 

 

 

 

「え!?まだだったんだ...うれしいな...」

 

 

 

 

 

 

 

「ん?なんか言った?」

 

 

 

 

 

 

 

「ううん。なんでもないよ。早く寝よ。おやすみ。流星くん。」

 

 

 

 

 

 

 

そう言って千歌は眠った。

 

 

 

 

 

 

寝顔も可愛い。

 

 

 

 

 

この幸せな時間がずっと続きますように。

 

 

 

 

 

星が輝く空に願いながら僕は千歌の頬にキスをして言った。

 

 

 

 

 

「おやすみ。僕の好きな人。」

 

 

 

 

 

そして僕も千歌の隣で眠りについた。

 

 

 

 

 




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