Fate/I am sword 作:雑種48号
ヒントは、たぶん一番強いです。
仄暗い冥界の空で、母なる神ティアマトとの戦いが終わりを告げようとしていた。いや、正確に言うなれば、幕を引こうとしていた。かの黄金の王の手によって。
冥界からの永続的な攻撃と、諦めることを知らない英霊たち。花の魔術師もその枠に入れるべきだろうか。まあ、ようは彼ら彼女らのおかげで英雄王は時間を得たのだ。
そうーーーーーーーーーー
「起きろ、エア」
この我をたたき起こす時間を、だ。
「裁きの時間だ」
廻れ、廻れ、廻れ。その輪は天を、地を、冥界を指し示す我自身。
「世界を裂くは我が乖離剣!受けよ!」
我こそは原初の地獄そのものである。神も人も、星でさえも飲み込む乖離の剣である。
さあ、
「『
我が力の奔流は空を裂き、次元を歪め、世界を削り、目標である醜き獣へと向かって行く。概念ですら、我の前では意味を為さない。総ての
『哀れな女神よ。願わくば、次は何者からも自由であれ』
古代バビロニアを滅ぼさんとしていた獣は、一切の抵抗を許される間もなく消滅した。
それが当たり前であったかのように。
最初から、存在自体がなかったかのように、だ。
あぁ、哀しき女神ティアマトよ。愛した子供らに拒絶され、最後まで理解させることもなかった白亜の神よ。貴様の魂に、幸多からんことを。
『.....これで良かったのか、
「此度の戦いにおける助力、感謝する」
『なに気にするな。我も永い間何もしないでは体が鈍るからな。丁度いい運動になったさ』
「これを『丁度良い運動』と言うか!?英霊どもが聞けばどうなるか分かったものではないな!」
それもそうなのかも知れない。まあ、我と英霊とではそもそも存在からして違うんだから、劣等感を持つ必要はないんだけどな。
「しかし
『ないな、我が出張ったのは単なる気まぐれに過ぎない。断じて
「そういえば先ほどエレシュキガルに会ったのだがな、貴様に礼が言いたいとーー」
我は
「エレシュキガル!どこだエレシュキガル!?我と一緒に夕食を食べよう、その後はウルクでしょっぴんぐしよう!無論、代金は我が持つ!!」
誰かが小さい声で呟いたような気がした。
「神でさえ恐れた乖離剣が冥界の女神に恋とは。
しかし見ろ、夕陽を受けた
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!