Fate/I am sword   作:雑種48号

1 / 4
主人公の名前が分からなかった人、絶対に知ってる奴だからよく考えてみて欲しい。絶対に分かるから!!

ヒントは、たぶん一番強いです。


プロローグ

 

仄暗い冥界の空で、母なる神ティアマトとの戦いが終わりを告げようとしていた。いや、正確に言うなれば、幕を引こうとしていた。かの黄金の王の手によって。

 

冥界からの永続的な攻撃と、諦めることを知らない英霊たち。花の魔術師もその枠に入れるべきだろうか。まあ、ようは彼ら彼女らのおかげで英雄王は時間を得たのだ。

 

 

そうーーーーーーーーーー

 

「起きろ、エア」

 

この我をたたき起こす時間を、だ。

 

「裁きの時間だ」

 

廻れ、廻れ、廻れ。その輪は天を、地を、冥界を指し示す我自身。

 

「世界を裂くは我が乖離剣!受けよ!」

 

我こそは原初の地獄そのものである。神も人も、星でさえも飲み込む乖離の剣である。

さあ、小さき王(ギルガメッシュ)よ!今こそ我が力の一端をその眼に焼き付けよ!

 

「『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!!」

 

我が力の奔流は空を裂き、次元を歪め、世界を削り、目標である醜き獣へと向かって行く。概念ですら、我の前では意味を為さない。総ての原初()はそれをも破壊して見せよう。

 

『哀れな女神よ。願わくば、次は何者からも自由であれ』

 

古代バビロニアを滅ぼさんとしていた獣は、一切の抵抗を許される間もなく消滅した。

それが当たり前であったかのように。

最初から、存在自体がなかったかのように、だ。

 

あぁ、哀しき女神ティアマトよ。愛した子供らに拒絶され、最後まで理解させることもなかった白亜の神よ。貴様の魂に、幸多からんことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『.....これで良かったのか、小さき王(ギルガメッシュ)

 

「此度の戦いにおける助力、感謝する」

 

『なに気にするな。我も永い間何もしないでは体が鈍るからな。丁度いい運動になったさ』

 

「これを『丁度良い運動』と言うか!?英霊どもが聞けばどうなるか分かったものではないな!」

 

それもそうなのかも知れない。まあ、我と英霊とではそもそも存在からして違うんだから、劣等感を持つ必要はないんだけどな。

 

「しかし乖離剣(エア)よ、貴様が重い腰を上げるのは珍しい。(オレ)が思うに、本当はなにか別に理由があったのではないのか?」

 

『ないな、我が出張ったのは単なる気まぐれに過ぎない。断じてエレシュキガル(惚れた女)に自分をアピールしたかったとか、そういう事はない!!』

 

「そういえば先ほどエレシュキガルに会ったのだがな、貴様に礼が言いたいとーー」

 

我は小さき王(ギルガメッシュ)の手のひらから瞬時に離れ、ヒトのカタチを型取る。愛に生きるというのはあぁ、確かに楽しいものだ。

 

「エレシュキガル!どこだエレシュキガル!?我と一緒に夕食を食べよう、その後はウルクでしょっぴんぐしよう!無論、代金は我が持つ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かが小さい声で呟いたような気がした。

 

「神でさえ恐れた乖離剣が冥界の女神に恋とは。全て遠き理想郷(アヴァロン)に戻る前に、面白いものが見れたね」

 

 

 

しかし見ろ、夕陽を受けたエレシュキガル()は世界で一番キレイだぞ!!

 

 

 




最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。