これからは投稿頻度が一日一個から1日二つくらいにおちます。ご勘弁ください。
爆風が吹き荒れる。
「イデデ!イテ!」
風で勢い良く飛んでくる砂つぶが当たって痛い。
「ねぇ、砂当たって痛いんですけど、服どうにかならなかったの?」
露出した肌にすごい勢いで当たったいたのでクレームをいれる。
「仕方ないだろ?仕様なんだがら」
仕様とはこれいかに
「くぅっ…ッ…」
後ろからうめき声が聞こえてきた。どうやら大分治って立ち上がろうとしているようだ。
「あ、行かなきゃ」
正直どうやっても、いつものように喋ろうとしても口調が勝手に変わるのでそこら辺は諦めた…
慌てて駆け寄る。
「大丈夫…ではないか…でもこれならなんとかなりそうな良かった…」
体は以前傷だらけのボロボロだが見た感じさっきよりも確実に良くなっているし顔色もいい。するとこちらを呆然と見ていた。茜が喋ってきた。
「助けてくれてありがとう!」
強い感謝の言葉を述べてきた。
「うっ…!」
目線を外す。
普段、妹にそんな心のこもった言葉を絶対言はれないので若干恥ずかしい。
「でも、どうやってあの悪魔に…ロノウェに勝てたんですか?私達では勝てる要素がなかったんですけど…」
と、そんな事を聞いてきた。
…………え?あの化け物悪魔なんだ…てかロノウェって名前なんだ…全然知らなかった…あぁ〜今思えばそんな事言ってたな…
取り敢えずその問いに適当に答える。
「これで殴りまくってたらなんか言ってきたからこう….魔法的なやつで…ドンと」
なんだがアバウトすぎる気がするがそう答える。
すると手にはめていたシュシュから声が聞こえてきた
「おい!黎征!黎征!!」
そうだったこの姿についてこいつとはよく話し合わなければならなかったのだ、てかなんで男を魔法少女にするんだよ…今わかんねぇよ…
「やばいぞ!ホントこれは多分やばい!」
「え?」
急に凄く不安な事言ってきた。
「へ、変身が…」
「変身が?」
「解けそう…」
「解けそう!!!?」
ヤバいどころの騒ぎじゃなかった。
普段でさえあれなのに、もしここで変身が解けたら…
「ごめんね!!私帰る!!」
茜との話を切り出して全力ダッシュする。
呼び止める声も聞こえた気がした、だがそんな事より自分の心配だ。茜達は多分大丈夫だ。うん…きっとおそらく絶対。
人気のほぼない路地裏にはいった瞬間変身が解ける。
危ない本当にギリギリだったようだ。
手首を見ると妖精…アルモアもシュシュ携帯から変わりいつもの姿へと変わっていた。ポージングをしている理由は聞かないことにしよう、てか聞きたくない。
「これか?これはサイドチェストと言って体の側面、特に大胸筋をアピールするポーズだ!このフォルム…美しいだろう?」
聞いてないのに言ってきた…
なんだよこいつほんとヤダ!
「で、なんで俺が魔法少女に…」
路地裏の出口あたりでアルモアに問い詰めようとしたその時。声がかかってきた。
「すいません!そこの学生さん!」
「むごッ!?」
声がかかってきた瞬間アルモアをがっしり掴んでポケットに突っ込む。
見てみると、
手にはマイク、後ろにカメラを引き連れた綺麗な女性、例えるなら大会社のとびきり有能な秘書だ。そう、俺が魔法少女になる前ワンセグで見ていた女性…
…………え?TV?は?これ…ヤバいやつやん…オワタ…俺氏終了のお知らせ……あの懐かしの公園で…死のう……
そう思っていると。
「この辺りに魔法少女を見かけませんでしたか?黒い格好の服を着た!」
ビャァアァァァアアアァァァ!!!!セェェェフ!!!!
危ねぇぇぇぇ!!!!!
心とは裏腹に真剣な表情を作って返答する。
「僕もその魔法少女ここら辺に入ってったの見て来たんですけどね、いませんでしたねぇはい」
ナイス俺…ファインプレイだ。
「く…それは残念です。私達も追っていたのですが…」
それを聞いて少し焦りを覚え聞いて見ることにした。
「そ、そう言えばあの怪物と戦っていた魔法少女、どうなったんですかね」
これでもし何か答えを渋ったら何かあるということだ
最低妹の正体が白日の下に晒される事態になる。それはマズイマズすぎる。
しかし、その心配事も徒労に終わってくれた
「それがあの悪魔?とかいうやつにやられた瞬間姿が消えたのよねその後、黒い格好の魔法少女が来て…あなた私の実況見てなかったの?」
と言ってきた。
その後は安心した影響もありTVという緊張感があったが適当に相手をして家に帰った。
茜視点
黒い魔法少女が逃げるように何処かに行き茜達本当の魔法少女組は黎征とアルモアが出会った公園にいた。
黒い魔法少女の第一印象を言ってしまうと何か、他人の気がしない不思議な親近感があった。
その事を他の魔法少女、私の友達に言うと全然違う意見が帰ってくる。
おっとりとした雰囲気の魔法少女アクアマリンに変身する私の親友鈴島 蒼華は「私も似た雰囲気の人知ってる気がするの」と答える。
本当に中一か?と思えるような大人の雰囲気を醸し出す。
魔法少女ガーネット、緑馬 京子は「大物の雰囲気を感じた」と言う。
少しアホの子だけどいつも元気な小学6年生魔法少女クォーツに変身する小鳥遊 黄沙羅ちゃんは「凄くカッコいい良かった!」と返事をして
最近仲良くなれたいつもしっかりとしていてクールな先輩魔法少女アメシストいつも若干恥ずかしながら変身するのが可愛い。
この人の返答だけは他と違ったどうやらその戦いぶりを見ていたようで「よく皆んなそんな評価下さるわね、私はできるだけ近づきたくないくらい怖かったわ…」
と普段の気丈でクールな雰囲気とは離れた、怯えたように語っていた。
私達は今日出会った魔法少女の話を終えて家に帰ると
居間でバカ兄が微妙な顔をしながら正座をしていた。
「お、おかえり…」
何か気まずそうに言ってくる
「あ、茜ちゃんお帰り。少し遅かったねぇ」
と眞銀おねぇちゃんが挨拶をする
え?なんか怒ってる?最近はよくこのくらいの時間になるし、いつも何も言はれないはずだが…ふと兄さんの方に目を向ける目が合う
(やべぇ、やらかした)
と目線で答えてきた。
「はぁ〜」
ため息しか出ない、今日は色々あったのにこの兄は眞銀おねぇちゃんに何かしらをすることで問題を起こしたようだ。
「で、兄さん何したの?」
視点回帰:黎征
今日は疲れた…家に帰りつくと玄関の前には…
眞銀様が鎮座していた。
「あ…」
はっきり言おう完全に忘れていた。
眞銀様が俺に目を向けて口を開く
「私さ、言ったよね?朝に今日はクロの家行くねって言ったよね?」
「すんませんでした!」
土下座をして全力の謝罪
「……………」
何も言はれないこれはきたか?この美しい土下座が通用した話じゃないか?
楽観視していると、笑顔を向けて眞銀が話す。
「取り敢えず鍵開けて入ろうか」
眞銀様の笑顔が怖いです。
中に入り居間に行くと
「クロ、取り敢えず正座して?」
やっぱりダメでした。
「はい」
返事をして、座る
「ねぇ、私さ携帯にも連絡入れたよね?こっちに私がついた時にもさ、連絡入れたよね?」
「え?」
「あぁん?」
素直に驚いた。
やっべぇ!やっちまった!
「…でもね?私は既読つかないなぁ〜と思ったけど、待ったよ?多分聞こえてなかったんだろなぁと思って20分に一回ずつ送ったの、はいじゃあ何回私は送っているかな?携帯見ていいよ?」
「はい」
ごそごそと右ポケットが動いたが今は無視だ。
携帯を見る。
その通知の数、計6回、つまり2時間は待ったのか、なるほど。了解した。
スッ
無言ででDOGEZA。
すると眞銀は嗤い言ってくる。
「うんうん、わかればいいのわかれば頭上げていいよ?」
良かった許してくれたようだ、立とうとすると。
「誰が立っていいって言った?」
なんて冷たい目をしてやがる!鳥肌が止まんねぇ!
その後俺を座らせたまま眞銀が料理をはじめて数分後
ガチャン!と扉が開く音がしたどうやら茜が帰ってきたようだ。
さっきのことがあって正直きまずい。
「お…おかえり」
微妙なテンションで言う。
「あ、茜ちゃんお帰り少し遅かったねぇ」
眞銀様、笑顔が怖いです。
茜にこの状態の訳を聞かれ、かくかくしかじかと答えると
「はぁ」と呆れたようにため息をついて眞銀の方に行く。
「眞銀さん、眞銀さん」
「なに?茜ちゃん」
茜が眞銀になにか話し眞銀がもそれに答えている。
聞いた感じ俺の処遇について話しているようだ。
直談判が終わったようで茜が俺の方に近づく
「眞銀さんがもう立っていいからバック片付けて夕飯の準備してだって」
妹への感謝の心でいっぱいになった。
夕飯、テレビをつける。すると、とあるニュースが流れていた。
「今日○○時の魔法少女と悪魔との戦いで新しく魔法少女が登場しました。」
思いもよらぬニュースに吹き出しそうになる。
その反応は三者三葉で吹き出しそうな俺とはとは違い、茜の反応は凄く興味深そうに見ている。恥ずかしい
それとは反対に興味なさそうに「ふ〜ん」という反応をするのが眞銀だった。
さらにニュースは続く
「この魔法少女は他の魔法少女と違い移動を徒歩で行ったようで、その影響で足跡による道路の凹みが、多く見られている模様です。」
俺が魔法少女になって走った跡が映されている。
いや、仕方ないやん全力疾走だったんだからさぁ…
「そしてこれが、戦闘跡です魔法少女が放った爆弾と思しきものにより建造物の一部損害爆風で飛んだ破片による被害が多く報告されました。負傷者は奇跡的にいないようです。」
うそやん…マジかよ…
「この魔法少女を警察はブラック・リーベルと命名、魔法少女国際法によりこの魔法少女を指定魔法少女第2級と定めました。」
このニュースにより俺は、俺が変身する魔法少女の姿はブラック・リーベルという名前で国に目をつけられる羽目になった。
魔法少女の名前
魔法少女の名前は警察に定められる。
指定魔法少女第3級
危険な魔法少女であると世界に定められた者の称号のひとつ見つけ次第保護観察とされる。