ちょっと今回は悪魔ロノウェ視点ちょい多めの暗めの話です。
掛け声も何もあげずただ全力で大きな顔に向けて拳を放つ
重い、拳が生物に当たる音の後に魔法少女になることによっていつもより小さくなった拳にメキメキと何かが潰れるような音が伝わり…
その後勢い良く巨体が吹き飛んだ。
完全にキレている…だがそれと同時に冷静な自分もいる…
そのおかげかすぐに茜や他の魔法少女達の様子を見ることが出来た。どうやら全員無事とはいかないが生きているようだった。
茜の隣を見やると妖精が茜に何か知らの魔法をかけていた。
すると茜の傷が、少しずつではあるが治癒されていることがわかった。
治癒しながらその妖精が俺に話しかけてきた。
「名前を知らないけど魔法少女よ!私の契約者茜ちゃんを助けてくれてありがとう、でも危険よ!あの悪魔は強すぎる、さっきのだって不意打ちのまぐれ当たりかもしれない!ここはみんなで逃げてあなたを交えて体制を立て直しましょう!」
と茜をこんなズタボロな状態にまで戦わせた張本人が言ってきた。…腹立たしい正直に言うとこの妖精を叩き潰したい心境になった、だがこいつは茜の治療をできるし治療をせず放置というのは最も危険だ
「うるさい、早くその子を治療しておいて….「でも!」次喋ったら叩き潰す。」
そう全てを凍りつかせるような目をして言い放つ。
その瞳に茜の妖精は理解した。
次に喋ったら、間違いなく叩き潰されるだろうと。
体が冷たくなるような恐怖が、湧いてくる。
そしてその発せられた言葉の緊張感はさっきまで戦っていた悪魔を凌駕するもの…
茜の妖精は生唾を飲み込み目の前の黒い魔法少女への恐怖心から茜の傷の治療に専念させられる。
仙道 黎征にとって二番目に忌むべきものはいけしゃあしゃあとブーメランの様な言葉を放ってくるさっきの妖精の様なタイプだ。
そして最も忌むべきもの、それは今まで出会ったことがななかった、消し飛ばさなければならない相手…そしてそれは今殴り飛ばしたがまだ生きている自分の大切なものを踏みにじる
今の自分にできることは変身した時、頭の中に情報として入っていた。
横に水平に伸ばしす。そして言い放つ
「
その言葉により ボンッ!という音と共に魔法少女が魔法を発動させることにおいて重要なファクターとなる杖を召喚する。
そう杖だ本来出てくるのは杖だ確かに個人によって出てくる杖は形状が違う、時には指輪なんていうのもいる。
しかし仙道 黎征が……黒い魔法少女が召喚した物はそんなチャチなものではなかった。
魔法少女となった身長と同等またはそれを超える長柄のメイスだった。
その
槌部は円筒型で顔よりも少し大きく横に等間隔で切れ目が入っていてその各区間ごとに丸い凸のスパイク、そして槌部の先端には穴。
そんな見る者に強い警戒心を煽るような無骨な者だった。
瓦礫の中から妖精に悪魔と言はれていた化け物が出てきて立ち上がる。
「なかなかの一撃だったぞ、不意打ちとは言えこの私を飛ばすなどそうそうできるものではない」
そんな事を言ってきた。
「敬意を評して俺の名を貴様に教えてやろう私はソロモン72柱が1、第2じゅう…が!?」
口上?名を名乗る?そんなもの必要性を全く感じない。
ただ無言で
それはただ槌部で力一杯殴る…というものでは無い、確かな技術を持って打ち込む、黎征が昔通っていた。道場で培われた。杖術による打撃の応用。
黎征自身昔のことで覚えていない、祖父の道場に通っていた時、言い放たれた言葉。
「黎征…お前は企画が違いすぎる…神童という呼び名すら生温い…お前はこの道において、もはや化け物だよ…」と
ロノウェ視点
ソロモン72柱が1、第27柱ロノウェ、その称号にロノウェは誇りを持っていた。悪魔の中でもトップクラス勿論それは力の強さにおいてもそうだ、確かに自分より強いものはたくさんいる。それでもロノウェにとって強者に分類される者として、そうあろうという誠実さがあった。
彼の王たる魔王が、急に人間界への制圧を目論み始めそれを言い渡されても変わらない。「何かお考えがあるに違いない」そう信じ続けるほどの忠誠心もあった。
だがそれでも魔法少女との…人間との戦いを好まないロノウェは、命令は必ず守るという忠義心で板挟みになりながらも王への忠誠をとった。せめて、せめて殺すときは絶望を持たせぬように、一思いに…一瞬で
変身を解除して倒れ伏したルビーにそんな思いを抱えていた。
しかし、今現在…
一撃、一撃が確実にロノウェを詰んでいく。
突如として現れた魔法少女。
対して反撃に転じて見るがいなされ、弾かれ、攻撃の勢いを利用され、さらに詰まされるロノウェ。
ロノウェだって鍛錬を怠っているわけでは無い悪魔という存在は知恵と力の両方を重視されるのだ。そんな世界で高位の地位で生き残り続ける。サボれるわけがない。
実際最初の不意打ちの二発はもらったもののそれからはロノウェがまだ優勢だった。
この魔法少女は強い、同じ技はおそらく通用しないだろう
その思い故にロノウェは確実に勝つため、長い生で身に付けたありとあらゆる技術を用いて積もうとした。そして一度試したがやはり同じ技は効かなかった。
しかし、近接戦闘を続けて行くにつれ、戦況は変わっていく、黒い魔法少女はロノウェが初めて打つ技にすら対応し始めたのだ。それも一度や二度ではない10を超える数全てを対応してみせたのだ。
このまま積まされ負ける!
相手を良く視ろ!獲物は長物!であれば!
であれば、数発撃たれるのは覚悟し長物には不得手の超、超近距離に入り悪魔の持つ筋力で圧倒する。
それがロノウェの持つ最後の賭けだった。
「うおぉぉぉぉ!!!」叫ぶ
しかし……
メイスのうちに入れたと思った矢先に飛んでくる徒手空拳の連撃。
そしてまたメイスの槌部による下からの一撃で思いっきり吹き飛ばされる。
視点回帰 黎征
最初の方は苦戦した打ってくる技のほぼ全てが、初めて見る技、しかしある程度受けるとどんな技を打ってくるのか予想がつく、そして今は完全に詰みだ。
次の奴の行動はは防御を捨てた。メイスが振るいにくい間合いへの特攻からの力押し…
「うおぉぉぉぉ!!!」
ビンゴ
メイスを陽動にして軽く一発殴った後ステッキを消して隙だらけの体に素手での連続。
「
手に伝わる鈍い感触と共に名も知らない悪魔が飛ぶ。
そろそろ潮時だ…これで消し飛べ…
メイスの槌部をロノウェの飛んでいった方向に向ける。
魔力をステッキに充填、槌部の切れ目が少し開きそれぞれ4つのパーツごとに回転を始める、さらにその回転により魔力圧縮、熱発生、アルモアに魔法仕様の補助を頼む。
変身時に頭に流れた使用可能な魔法、さらにそれを杖の機能で威力を上昇
「くそ!くぞぉぉおおぉぉぉ!!この化け物め!!!」
「ハハッ、化け物に化け物って言われたくないなぁ」
どこまでも冷たい感情で静かに嗤う
そして準備のできた魔法を悪魔に向け、放つ。
1人の魔法少女では打つことなどほぼ出来ない言われる上級魔法LevelⅠのさらに難易度の高い上級魔法LevelⅡ
「
爆発でできたその球は発射され
魔法は大きく分けて3つ
初級魔法から始まり中級、上級となる
さらに上級魔法は難易度が細かく分かれLevelⅠ〜Ⅲまである。
魔法は効果や範囲、威力などで分類される。
エクスプロドキャノン(爆撃砲):上級魔法LevelⅡ
着弾と同時に爆発を起こす球をメイスの穴から打ち出す魔法。爆発範囲:12m 射程:100m
つまり隠れた場所から遠くで芋れる(作中ではあまりさせたくない).
魔法少女ブラック・リーベル (黎征変身体)
アルモアのミス(?)により黎征が変身した姿黎征本人の運動神経、さらにほぼ大人と言える体を小さな体に圧縮する形となりその肉体能力のスペックから放たれる近接は格闘能力の高さも相まって凄まじい、メイスを使うことによりさらにその近接能力に拍車がかかる
しかし、妖精であるアルモアが欠陥妖精であり魔力の回復能力もほぼなし故に魔法の仕様は制限される。(魔法に使う魔力はほとんど自前の魔力)
さらに通常の妖精による変身は魔力の回復や飛行が可能だがアルモアとの変身であると言う影響からそれらは出来ない。
変身しても同一人物とバレないという理由も魔法による認識一致阻害(中級:世界ではなく人に及ぼす魔法であるから)がかかっているせいである。