とある世界の選択異譚《ターニング·リンク》   作:タチガワルイ

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大変遅くなりました!
新キャラ(?)がわんさか出てきます。
『シュタゲ世界のあのキャラ、禁書世界に合わせるととどこら辺のポジションになるの?』って辺りを楽しんでいただけると←


拘束隠匿のハウンド·ドック___2010.8.10.12:15:30__

「──くそ、まだ追ってくるか!」

 

「岡部!余所見してないで──っ、見つかった!」

 

紅莉栖、インデックスを引き連れ、全力疾走する。路地裏を右へ、左へ。一息つけると思ったら人影を見つける。

そして走っての繰り返し。

 

先程までファミレスで涼んでいた筈が、何故気がつけば再び追いかけられている。

 

「くそ、まさかファミレスにまで踏み込んでくるとは思わなかったぞ!」

 

「そ、それだけ相手は本気ってことなんじゃない!?」

 

「ねぇねぇ、ちょっと、おなか、減ったかもなんだよ····」

 

 「「早くない(か)!?」」

 

しかし包囲網とは恐ろしい。どの路地裏からも出ることができないまま、疲労が限界に達し1歩も動けなくなったところで鬼ごっこは終わった。

全方位6人から銃を突きつけられる俺達3人。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、…」

 

「目標、1…目標、2…確保」

 

「……………!?」

 

この、声。この、言い方。まさか…!?

6人の後ろからゆっくりとした足音。

 

前方の2人がこっちに銃をむけたまま道をあける。

 

「………また、お前か…ッ!」

 

真っ黒のライダースーツ。長く波打つ金髪。小さめのメガネ。ガラケーは持っていないのか。代わりに拳銃を持っている。

見間違うはずか無い、

見違える訳が無い。

俺が『閃光《シャイニング》の指圧師《フィンガー》』と名付けた、ラボメンナンバー005。

──この世界線では''そちら側''らしい。

 

「桐生、萌郁……!」

 

「……ッ!?」

 

無表情に僅かに動揺が走る。

 

「……どこで、仕入れた……情報だ」

 

打って変わって鋭い声音で低く尋ねる。

 

「岡部!何する気よ」

 

紅莉栖が小声で囁く。

「分からん、だがなんとか場を持たす。その間に隙を見て逃げろ」

 

「岡部はどうなるのよ」

 

「なんとかする」

 

なんとかって、と言い募る彼女を視線で止める。

 

 

「………分かった」

 

「何を…コソコソやっている……?」

 

ゆらりと銃口が上がる。

 

「待て桐生萌郁。…いや、閃光の指圧師、シャイニング・フィンガーよ!俺を忘れたわけではあるまい?」

 

「……知ら…ない。それに、…その、変な名前…はなんだ」

 

銃口を突きつけながら静かに言う桐生萌郁。だがこれでいい。話に食いついたのならばこちらのものだ。

 

「何?お前の真名、シャイニング・フィンガーを忘れたとな?その閃光が如く煌めくお前のメール捌きを俺はしかと見ていたぞ。そして!何より桐生萌郁、貴様は我が未来ガジェット研究所のラボメンだ!今からでも遅くはない、再加入すると言うのならば、話は聞いてやろう」

 

盛大に両手を広げ高らかに宣言する。

同時に、二人を背後に隠す。俺達は『捕獲対象』だ。つまり、即刻殺されることはないということ。ならば逃げようはあるはずだ。

 

「…何を、言って…!」

 

「んん?何を言っているとはこちらの台詞だぞシャイニング・フィンガーよ!さぁIBN5100は見つかったのかな!?機種変をすると言っていたが本当か!?そして」

 

これで、動揺して手元が狂えば儲けものだ。

半ば賭けのような祈りをこめていい放つ。

 

「──未だに顔も見えぬFBに心酔しているのかぁ!?」

 

「貴様…!」

 

引き金が引かれようとした瞬間──。

 

「ナイス時間稼ぎだよ、岡部倫太郎!」

 

頭上から、声が。直後。

 

「うぎゃぁ!?」

 

一つの悲鳴を皮切りに、一秒の殺戮がそこで起きた。

何があったかさっぱり分からないが、取り囲んでいた男達が軒並み倒されていた。

今、ここに立っているのは両手を広げたまま固まる俺と、インデックスを庇う紅莉栖。

その数m目の前では小銃を構えたバイト戦士と、拳銃を持つ桐生萌郁が睨み合っている。

 

俺は、どうすればいい。




半年ほったらかしてましたね!
すみません!

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