甘くない偽物の恋   作:鼻眼鏡26号

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お久しぶりです。

最近忙しい上に書こうとする意欲がわかないんですよね。

とりあえずスタート





5話

調理実習から数日経って現在は放課後

 

 

「優…俺ん家に来れないか?」

 

 

帰り支度をしていた俺に楽は話しかけてきた。

何でも楽の家で勉強会を始めるそうで女子3人に男子3人で数を合わせたいらしく俺に頼みに来たのである。

当然俺は断る訳なく

 

 

「おう、いいぞ。」

 

 

二つ返事で返した。

 

 

楽の家

 

 

「家でっけーなー」

 

 

俺は始めて楽の家に来て最初の一言はそれだった。

ヤクザの家の出身で金はあるだろうなと思っていたが和風な立派な家であった。

 

 

「あれ?優ってきたことないのか?」

 

 

「まぁ知り合ってまだ2ヶ月くらいだしな俺の都合もあったから行けなかったんだ。」

 

 

「で?…なんであなた達まで付いてきてるの?舞子君に大谷君。」

 

 

今回のメンバーは楽に集に俺に桐崎さん小野寺に宮本と6人でこの企画も宮本が提案したらしく誘ったのは楽だけだが俺らが来たのは想定外だったようだ。

 

 

「何でって楽に誘われたからな。」

 

 

「まーまーいいじゃないの同じメガネのよしみでさぁ!」

 

 

「………」

 

 

(あれ絶対なんか意図がありそうだな。)

 

 

そんな事を考えながら家の中に招待されおそらくヤクザ達であろういかつい人達が盛大に歓迎していた。

いかつくなければいい人達なんだろうなと俺は思う。

 

 

「ん?桐崎さんすごいそわそわしてるけどどうしたの?」

 

 

俺の隣で家に入る前から落ち着かない様子の桐崎

 

 

「え!?…あーえーと…友達と勉強会って初めてだからさ。ワクワクしててね。」

 

 

桐崎は恥ずかしがりながら答える

 

 

「それわかるよー俺も初めてだし。」

 

 

俺自身中学時代世界を回ってた為まともに日本に居なかったから一緒に勉強なんてしなかったのだ。

 

 

「へー大谷君友達多いそうなのにね。」

 

 

「まともな中学時代を送らなかったからな〜」

 

 

前の調理実習の時から少しの間桐崎は俺に顔を合わせようとはしなかったが少しするとまた元に戻って今では普通に会話をする仲だ。

顔を合わせようとはしなかった時は本気で凹んだけど。

 

 

「坊ちゃん!茶ァ用意しやした!」

 

 

「おお、龍サンキューな。」

 

 

「あ!運ぶの手伝います。」

 

 

ガシャン!

 

 

お盆に乗った湯呑みを楽は受け取るがそれを手伝おうとした小野寺が手が楽と触れた瞬間2人は大きく手を上げてお盆を上へと打ち上げた。

 

 

シュパパパ

 

 

そこを俺は落ちてくる湯呑みと中身を全て綺麗にキャッチしてお盆に乗せた。

 

 

「セーーフ!」

 

 

「「「おおおお!」」」パチパチ

 

 

それを見た集、宮本、桐崎が賞賛の拍手をした。

 

 

「わ…悪りぃ優助かった。」

 

 

「ご…ごめんね。大谷君。」

 

 

「たくっ…気をつけろよ。中身が当たったら火傷するからな。」

 

 

謝ってくる2人に俺は注意してそこから勉強会を始めた。

みんなは机を囲み勉強を始める。全員それなりに頭がいい為スラスラと宿題を解いて行く中俺はずっと頭を抱えていた。

 

 

「……なぁ、数学ってこんなに難しかったかっけ?」

 

 

「難しいが教科書見て当てはめるんだ。だから横になってだらけるな。」

 

 

数学を考えただけで嫌気がさして始めて早々倒れる俺はまたゆっくりと上半身を起こしてプリントを見た。

 

 

「しかし意外だよな優が勉強苦手なんて。普段の行動見てるとちゃっかり勉強ができそうな感じなのにな。」

 

 

「俺は料理だけにスキルを極振りしたからな〜数字なんてレシピのグラム数だけで十分だ。」

 

 

茶化してくる集に気だるそうに答え頑張ってペンを走らせる。

 

 

「他に苦手な教科って何があるの?」

 

 

「えーと…現代文に古典に数学、化学物理学英語日本史位だな。逆に世界史は得意だぜ。世界回ってたらその土地の過去とか調べたりしてたからな。」

 

 

「主要5教科ほとんどじゃねぇか。」

 

 

「英語が苦手って世界回ってたのになんでだよ。」

 

 

「喋るだけはできるけど文法とか無理だ。」

 

 

そんなこんな話しながら進めて行くが俺は数学の難しい問題のところにあたり手が止まる。

そうしていると後ろから

 

 

「それ先にαに代入しないととかないわよ?」

 

 

「ん?……桐崎さんまさかだけどもう終わったの?」

 

 

「うん、もう終わった。」

 

 

「「「はやっ!」」」

 

 

桐崎は全てが埋まっているプリント3枚を見せて証明しなぜか楽はそれを見て落胆していた。

 

 

「おお…ほんとだ解けた解けた。すげーな桐崎さん。」

 

 

「まぁ向こうでは評価とか成績とかAだったしね。」

 

 

桐崎は見た目に反して頭が良いという意外な事実を知りそこからまた再開し始める。

途中小野寺が楽に教えてもらおうとしていたが桐崎が割り込んで教え始めた。

 

 

「そういえばさー小野寺さんって好きな人とかいないの?」

 

 

桐崎のその一言で楽と小野寺が噴き出した。

 

 

「お…お前何言って。」

 

 

「なによ…ガールズトークに決まってんじゃない。」

 

 

「わ…私は今はそういう人は…」

 

 

「そっかー私もまだそうゆう人いなくてさー…漫画みたいに素敵な恋をして見たいのよね〜…」

 

 

「「「………ん?」」」

 

 

桐崎の一言に一同が静まり返り

 

 

「!!…ジョ…ジョーク!!ジョークです今の!!」

 

 

「こ…こらひどいぞハニー!僕という人がありながら!!」

 

 

楽と桐崎は慌てる様子で口早に話す。

そんな2人を見て俺は疑問に思った事がある。

 

 

「そういえばさ…2人ってどうして付き合うようになったの?最初の様子を見るに想像付かなくてさ。」

 

 

「いやいや優よ。そんなことよりもっと重要な事があるだろ…ぶっちゃけ2人はどこまでやったかだ!!」

 

 

俺の疑問は集に速攻でもみ消されその集が新たに出した質問に2人はまたも噴き出した。

 

 

「ど…どこまでとおっしゃいますと?」

 

 

「そりゃあもちろんキーー」

 

 

「ちょっとお前らこっち来い!」

 

 

「なぜ俺も!?」

 

 

集の言葉を遮るように楽は俺と集を掴み部屋から引っ張り外へ連れ出した。

連れてこられたのは楽ん家の庭で楽は息を切らせながら

 

 

「いいか!この際だから話しておくがよく聞けよ!!」

 

 

「「ん?」」

 

 

そこから話は実は楽の家のヤクザと桐崎の家のマフィアが抗争が起きないように偽物の恋人を演じているという話であった。

 

 

「へーまさかそんなことになっていたとはな。」

 

 

「なるほどねーそんな理由で恋人のフリしていたわけか〜」

 

 

「んだよ。集お前気づいてたのか?」

 

 

「なはは…そりゃまぁ見てればな。でもあえて正直にいうと付き合ってる発表した時点から気づいてた。」

 

 

「それ最初の最初じゃねえか!!」

 

 

「マジかよ。俺なんかさっぱりわかんなかったよ。」

 

 

「ははは…優は結構鈍感だからな。」

 

 

「ちくしょーわかった上で俺にあんな辱めを〜」

 

 

「はっはっはっ……んでお前は出来れば小野寺に誤解されたままでいて欲しくないと……」

 

 

「そりゃあ…まぁ。」

 

 

「なんだだったら簡単じゃねえーか。告白すればいいじゃん。」

 

 

「出来るわけないだろ!」

 

 

ん?この話の流れを聞いていると俺はなんだか嫌な予感がする。

 

 

「そうか?俺は勝算あると思うけどな。…だって小野寺お前の事好きだよ?」

 

 

「え?」

 

 

俺としてはとても聞きたくない言葉であった。








この作品は作者の気分投稿です。

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