甘くない偽物の恋   作:鼻眼鏡26号

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よろしくお願いします


とりあえずスタート。




3話

休日デートを目撃した日の次の日

 

 

俺はあの空気の中逃げ出したことにちょっとばかし罪悪感を感じながら歩く朝の通学路。

 

 

「ハァ…朝会ったら一応謝っとくかな。」

 

 

そんな重い足取りの中教室に着くとクラスメイトが盛り上がっていた。

 

 

「お!おはよう優なぁなぁ聞いたか聞いたか!」

 

 

「ど…どうした集朝からテンション高いなウザいくらいに。」

 

 

「はっはっは…聞いて驚け。」

 

 

「おおう…無視か。」

 

 

「あの楽が桐崎さんと休日デートしていたのを城ヶ崎と板野が目撃してな。」

 

 

「「見ましたー!」」

 

 

「お…おう」

 

 

知っているせいかいまいち高いテンションについていけない

 

 

「なんだよ優あんまり驚かないな。」

 

 

「お…おう…いや意外だったからよ。驚いて。」

 

 

「だよなー意外だよな!!」

 

 

テンションが高い集に合わせて見たものの心の中では楽や桐崎に悪いことしたなと思う。

 

 

「ん?あれ…あの人誰だろう?」

 

 

そんな考えをしていたら窓の外にある木に登ってこちらを見ている人を見つけた。

 

 

「あ…隠れた。」

 

 

俺の視線に気付きいち早く男は隠れた。

 

 

「誰だったんだろう。」

 

 

そうこうしているうちに楽と桐崎がやって来てクラスメイトに先生までもお祝いやらで騒がしくなっていた。

 

 

その日の放課後

 

 

お祝いムードは冷め切らないまま迎えた放課後。

俺は料理部の部室に向かっていると

 

 

「じゃあまた誘うね。」

 

 

「うん…ごめんね。」

 

 

廊下で話していた桐崎と女子生徒が別れるところであった。

 

 

「よお…桐崎さん。」

 

 

「あ…大谷君」

 

 

「誘い断っちゃてたけどよかったの?」

 

 

「あ〜それなんだけどね。……私のことよくしてくれてる大人の人がいてね…その人すごい過保護でさそれでその」

 

 

「友達との接し方がわからないって所か?」

 

 

「そ…そんな所かな。」

 

 

桐崎は「ははは」と笑うがどこか悲しそうな目をしていた。

 

 

「それならさ…これからうちの料理部に来て見ないか?」

 

 

「えっと…え?今から?」

 

 

「そ…今から」

 

 

 

料理部 部室

 

 

学校の一階にある調理室その前にやって来た2人。

桐崎はどこか緊張していた。

 

 

「き…緊張して来た。」

 

 

「大丈夫だよ…ちょっとキャラの濃いのが三人いるだけだから。その内1人は女子だし。大丈夫だよ」

 

 

「キャラ濃いの!?余計心配なんだけど!」

 

 

「ウィッス!」ガラガラ

 

 

「ちょっと!?まだ心の準備が!」

 

 

桐崎の言葉をよそに俺は扉を開ける。

 

 

「配置につけ!」

 

 

「「はっ!」」

 

 

突然女子部員の声に2人の男子部員が女子部員を挟むように一列で並んだ。

 

 

「君のハートをじっくり温める煮込みの小木良太!」

 

 

「可憐にそして優雅に輪切りの中林優香!」

 

 

「大胆にかつ冷静に仕込みの大森巧!」

 

 

「「「我ら料理部!!」」」

 

 

(…とんでもないところに来てしまった。)

 

 

決めポーズを決めて完全ドヤ顔の残念な美男美女料理部員を見て桐崎はポカーンと呆然としていた。

 

 

「ふむ…やはり部活動勧誘としてはインパクトが足りないな。」

 

 

「え!?大谷君!?」

 

 

「「「さすが部長!!目の付け所が違いますね!!」」」

 

 

俺の指摘に桐崎は声を上げて驚き3人は歓喜の声を上げる。

 

 

(…マジでどうしよう。)

 

 

「そうだ三人共紹介忘れてたな。こちら同じクラスの桐崎さん現在一条と付き合ってるそうだ。」

 

 

「うぇ!?…えっと…桐崎千棘です。よ…よろしく。」

 

 

急な紹介に驚くも緊張しながら自己紹介をすると三人の反応は

 

 

「フフ…緊張しなくていいよ…小木良太だ。同じ一年よろしくね。」

 

 

「ひっ!」

 

 

長身キザイケメンの小木は桐崎を壁際まで追い詰め壁ドンしながら自己紹介を済ませ次へとバトンタッチした。

 

 

「優雅に!そして大胆に!…副部長の中林優香です同じ一年よ敬語は無しでね。」

 

 

「うう…は…はい〜」

 

 

社交ダンスのように優雅にタンゴのように大胆に桐崎を振り回すモデル顔負け体型の美女。中林優香はクルクルと桐崎を回しながら次へとパスをする。

 

 

「大丈夫?…大森巧です。ここの部活全員一年だから敬語は無しでいいよ。よろしくね。」

 

 

最後は普通の優男イケメンの大森巧が桐崎を受け止めた。

 

 

「で知っての通り俺が部長の大谷優だ。どうだ?桐崎も料理部に入らないか?」

 

 

「うん…無理です」

 

 

桐崎は曇りのない笑顔で答えた。

 

 

 





おまけ 部活創立時


「さてさて…部活を立ち上げたものの1人でも顧問さえ見つければ作れるんだな。」


調理室で料理しながらそんなことを考えていると


「「「あの〜料理部ってここですか?」」」


三人の暗い感じで横幅の大きい男女が入って来た。


「その通り出来立てホヤホヤの料理部とはここですよ。なに?入部希望者?」


「「「いえ…美味しい料理が食べれると思って。」」」


「欲望に忠実だな〜まぁそれでもいいけど。」


「とりあえずさ作ったから食べてみてよ。試作段階だけどコンセプトは身体を作る料理だ。食べればたちまちーーー」


「「「いただきまーす…むむっ!!」」」


優の説明を聞かずに料理を食べた三人は


「な…なんだこの体から湧き上がる力は!!」


「例えるならそう!好きな人のために一生懸命になるあんな感じ!!」


「使いたい!この力を!!」


キャラが濃くなっていた。


「とりあえず山に猪捕まえに行く予定だけど付いてくる?」


「「「はい!部長!!」」」


こうして三人は1ヶ月身体を動かしまくったら無駄の無い体型を手に入れた。


三人共料理部に所属することになった。




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