甘くない偽物の恋   作:鼻眼鏡26号

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こっちは描くの楽しいな。


とりあえずスタート




16話

問題を起こした2人の謹慎が解けたこの頃。

次のイベントが始まろうとしていた。

 

 

いつも通りの教室は今度の週末にある林間学校の話題で盛り上がっていた。

誰と班を組むやら、男子は誰を班に入れたいとか女子も誰がいいとやら色々なところから聴こえてくる。

俺自身としては、別にどこでも良かった。でも、強いて挙げるとしたら桐崎さんが1番に頭に浮かび上がった。まだ、心では引きずるところもあるが、もう俺の本能がそう考えるのだから自覚したのだ。

 

 

「優は誰と組みたいのかな〜」

 

 

「うおっ…びっくりしたー、なんだ集かよ。」

 

 

「おおう…友人に対してなんだとは凹むぜ。それよりもさ、誰と組みたいんだ?優さんはよ〜、言ってくれれば手伝うぜ〜」

 

 

一挙一動が早く話しかけてくる集。

ここは、なんとか言っておかないと終わらないなと思い。

 

 

「お前と楽の班に入れば自動的に美人が揃うからハブくなよ。」

 

 

「おお〜わかってるではないか〜ハブいたりしないから安心しとけ。…しっかし、またはぐらかされたな〜。」

 

 

「教えるかっつーの。」

 

 

そんな、朝の何気ない会話を俺は楽しんだ。

その後、朝のホームルームで班決めが行われて無事に楽と集と同じ班になり、さらに小野寺と宮本、寝ている桐崎さん、そして鶫が同じ班となった。

正直、林間学校が楽しみで仕方なかった。

 

 

 

 

鶫side

 

 

 

最近、謎の症状が私の体を苦しめている。

それは、とある人物を思い浮かべると胸が苦しくなってしまうのだ。ならば、その人物を思い浮かべなければいいじゃないかと思ったが、そう思ってもふと気づけば彼を目で追っていた。

 

最初の出会いは、思い出すだけで顔から火が出そうになるような出来事だった。知らなかったとは言え全力で腹に向かって拳を打ち込んでしまったからな。

それでも、彼は何事もなかったかのように私に接してくれる。

 

私は気絶しててあまり記憶になく後で知らされた事だが、彼は私の命の恩人でもある。不思議な事にあの時、誰かに優しく包まれている感覚があってとても心地よかった。

そして、何より自宅謹慎の一週間の間、彼と一度も会えない事がさらに私を苦しめていた。それこそ、反省部屋の罰よりもだ。

 

そして彼が訪ねてきた時、それはもう苦しかったが、心地の良い苦しさだった。

 

この症状をクロード様やクラスメイト、担任教師や嫌々だが彼の友人達の舞子集や一条楽にも聞いたが曖昧な答えばかりで確信をついた答えではなかった。

 

 

「………鶫さん、それって…」

 

 

「何か知っているのですか!?小野寺様!」

 

 

「お…小野寺様って…小咲でいいよ。…えーとそれは多分…

 

 

鶫さんは恋をなされてるのではないでしょうか。」

 

 

「…………はい?」

 

 

小野寺様の言葉に私の頭は真っ白になった。

来い、鯉、濃い、故意…………恋。

頭に巡るのは、恋という文字で恋の意味は異性に対して愛情を持つこと。

つまり、私は彼を異性として見ていて愛情を持っている。

 

 

「………………///」ボンッ

 

 

「つ…鶫さん!?」

 

 

一瞬にして顔が赤く熱くなり思考が停止した。

はたして、林間学校はどう彼と接すればいいのか分からなかった。

 

 

 

 

 

桐崎side

 

 

 

ここ最近、鶫は上の空である事が多い。

何か悩みでもあるのか、聞いてみても顔を赤くしながら慌てるも教えてはくれなかった。おかげで、悶々とした気持ちになり気になり夜もなかなか寝つけなかった。

 

でも、その原因はすぐに分かった。

 

鶫は気づいていないだろうが、彼をよく見ていたのを私は気づいてしまった。

彼は、私の友達だ。それ以上でも以下でもない。

その筈なのだが、私はとても胸が締め付けられた気がした。

 

何故なのだろう、鶫がそう言った感情を持つことは喜ばしいことの筈だが。

なぜ、私は胸が締め付けられるほど苦しいのだろう。

私は、不安なこの気持ちを持ったまま林間学校に望む。

 

 

 







アニソンで最初の伴奏がピアノだとテンションが上がる。

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