2話目も投稿します。
その日ガイアは、悲しい夢を見た。
それは優しい少年の、悲しい夢だった。
大切な友達を守るため、嘗ての幼馴染とその仲間達と殺し合い、多くの命を奪った。
目の前では、大切な友人や初恋の少女、なんの罪も無い民間人達が殺されていく。
少年は何度も嘆き悲しみ、それでも『大切な物』を守るために戦う。
その思いは転生しても変わらず、今まで痛みに耐えてきた。
そんな悲しい夢の最後に映ったのは、何処までも続く蒼い空と海。
そして、その間にポツリと立っている優しい少年だった。
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「・・・?」
目を覚ましたガイアは、ゆっくり起き上がりあたりを見回す。
窓からは日差しが刺し、周りには机やタンスと言った必要最低限の家具がある。
そして彼女の隣には、あの夢の少年よりも幼い少年が眠っていた。
「あぁ、なんて可愛らしい寝顔なのでしょうか。とても、人を殺したとは思えませんわ・・・」
キラの寝顔を見てガイアは少し悲しくなった。先ほど見た夢は間違いなく、キラの前世と自分に出会う前の夢だ。だからこそ尚更、目の前で眠っている彼を見て悲しくなってしまうのだ。
ガイアは彼の世界を見て理解したのだ。
(あの世界は、いくらなんでも狂い過ぎていましたわ・・・)
遺伝子操作によって生まれたコーディネーター、そこまではまだ良い。しかし、自分達でやっておいてそれを『化け物』と呼ぶのは、幾らなんでも酷すぎる。そしてどちらも憎み合い、核やそれ以上の殺戮兵器を使った虐殺など、余りにも狂気で満ちていた。
「キラ様は、元の世界での『被害者』でしたのね・・・」
実の父親に最高のコーディネーターにされ、狂った大人たちに利用され、目の前で沢山の人達が殺されて嘆き悲しむ。それがガイアから見れば彼は被害者なのである。
「キラ様・・・もう安心してくださいまし。これからは、ずっと私がおりますわ」
そう言ってガイアはキラの額にキスをした。
「・・・それにしても、キラ様のク○ニは気持ちよかったですわ。オッパイを吸ってる時も、まるで赤ちゃんの様に可愛かったですし」///
その後キラとやったことを思い出し、キラが起きるまで顔を赤くするガイアだった。
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「それでガイアさん、神姫ってどうやって探すんですか?」
「そうですわね・・・とにかく旅をすれば、きっと見つかるとしか言い様がありませんわね」
とある道を歩きながら、キラとガイアはこれからのことを話し合っていた。
「異世界って、どうやって行けるんですか?」
「異世界への扉は、遺跡にありますの。扉を開けるには、キラ様の様な継承者でなければ開けることができませんの」
「はあ・・・」
そんなことを話し合いながら森を歩いていると、少し大きな滝壺が見えてきた。
「すごい・・・こんな綺麗な場所に来たのは初めてだ」
今までキラは、自然とは無縁な世界で生きてきた。だから目の前の光景には驚愕と感動が入り混じっているのだ。
「キラ様は自然を見るのは、初めてですの?」
「・・・そうですね。前世は月とヘリオポリスにいましたし、転生した後も街の方で暮らしていたので」
前世では地球に降りても、命を賭けた戦いばかりだったので、実際に自然と触れ合うのは今回がはじめてなのだ。
「少し、休んでいきませんか」
「はい」
二人は靴を脱ぐと、滝壺に足を入れた。
「冷たい!」
「うふっ、気持ちいいですわ」
冷たいと言ったキラは、最初こそ驚いたがゆっくり足を入れていく。
「・・・自然って、こんなに気持ちが良いんですね」
「そうですわね・・・」
「ほう?自然の良さを解ってくれる人間がいるとはな」
「「え?」」
突如聞いたことの無い女性の声が聞こえて来た。その声は後ろから聞こえ、キラとガイアは振り向いた。
そこに居たのは、銀色の髪をした槍を持った女性だった。
「あなたは、シヴァさん!?」
「久しぶりだな、ガイア」
シヴァと呼ばれた女性を見て、ガイアは驚愕した。
「ガイアさん、あの人は?」
「彼女はシヴァさんですわ」
「えぇ!?シヴァって○Fとかメガ○ンとかシュ○トに出てきた、インドの神話でも最高クラスの神様ですよね!?」
「ふむ、どうやら私のことを知っているようだな?というよりもシュラ○を知ってるとはお前は何歳だ?」
「ふえ?6歳ですけど・・・」
シヴァからの指摘にキラは即答する。
「ガイアさん、シヴァさんを知ってるんですか?」
「はい。ラグナロクの際、彼女も世界の破滅を実行した破壊神ですわ」
「え!?」
キラは目の前の女性が、世界を破滅しようとした破壊神と言われて驚愕した。
「あの時は私以外にも神姫がおりましたので。被害は最小限に留められたのですわ。それでも彼女は、世界を破壊することなど簡単に出来る存在ですの」
「ど、どうしてそんなことを・・・」
「ふん、決まっている。自然を破壊する科学文明など、毒でしかない!だから私は世界を破壊しようとした」
「そんな・・・その為に、大勢の人を・・・」
「そうでもしなければ、自然は破壊されるだけだからな」
怒りと悲しみが入り混じったかのような表情のシヴァに、ガイアはとあることを問う。
「・・・もしや、また世界を破滅させるのですか?」
「見たところ、あれから自然は回復したらしいな。なら、今は何もする気はない」
「そうですの・・・」
「だがもしもまた、自然を破壊するものがいれば、私はこの世界を破壊する」
シヴァは二人に殺気を放ちながら宣言する。
「ところでガイア、その子供は?」
「・・・デバイスに選ばれたマスターですわ」
ガイアはキラを抱きしめながら、シヴァにキラの事と旅のことを話した。
「えっと・・・はじめまして、キラ・ヤマトです」
「そうか。私はシヴァ、世界を破壊し創造する神姫だ」
二人が自己紹介し終えると、キラはあることをシヴァに話した。
「・・・シヴァさんは、自然が好きなんですか?」
「キラ様?」
「・・・あぁ、私は自然が好きだ」
キラの問いに答えるシヴァは、先ほどとは違い穏やかな表情だった。
「自然という生態系は、生物が生きていく上で一番大切なものだ。空気も、水も、生物にとって大切な物を産んでいるのは自然だ」
「確かに・・・」
「私は使命だからではなく、本当に自然が大好きだ。・・・だから、私は自然を壊そうとする科学文明が許せない・・・」
そう言ってシヴァは拳を強く握り締める。
キラは彼女と会話して理解した。
目の前の女神は、悲しんでいるということに。
大好きな自然が破壊されていくのが嫌だったから、科学文明が発達したこの世界を破壊しようとしたのだとわかった。
昨日ガイアからこの世界のことを聞かされた。
キラが来たこの世界は、自分のいた世界よりも発達した世界であり、科学だけでなく『魔法』もあるだ。
しかしラグナロクの折、あらゆる世界の街が大打撃を受けてしまい、文明は衰退していったのである。
「・・・・・・優しいんですね」
「「え?」」
キラの言葉にガイアと当人であるシヴァは素っ頓狂な顔になった。
「な・・・何を言っているんだ!?私は、科学文明と共に人類を滅ぼそうとした破壊神なんだぞ!?」///
「でも・・・人類を滅ぼそうとしたのは、自然が壊されていくのに悲しんだからですよね?」
「「っ!」」
二人はキラの顔を見ると、キラの瞳から涙が流れていた。
「キラ様。泣いておられるのですか?」
ガイアの問いにキラは首を縦に振る。すると今度は、シヴァの前で土下座し始めた。
「ごめんなさい・・・僕達の所為で、こんなことになってしまって・・・・・」
「な・・・何故お前が謝る!?お前は別に・・・」
「そんなことない!」
大声で叫ぶキラにシヴァは最後まで言えなかった。
「僕達人間は、何度も命を奪う争いをして、その度に多くの自然を壊すから・・・」
「キラ様・・・」
「お前は・・・・・・」
シヴァはキラのことが不思議でならなかった。目の前に居るのはまだ幼い少年なのに、その言葉には子供とは思えないほどの重みがある。
「許してくれるとは・・思ってません・・・僕達が・・・やってきたことは・・・・それほど大きな罪なんですから・・・」
「キラ様・・・」
「でも・・・これだけは言わせてください!」
そこまで言うとキラは、シヴァに顔を向ける。
「少しだけで良いです・・・ほんの少しだけで良いから、科学文明を信じてください!」
「っ・・・!」
「お願い・・・します!」
瞳から大粒の涙を流しながら叫ぶキラに、シヴァもガイアも何も言えなかった。
ただ、
(・・・優しいな、キラは)
目の前で泣いている少年は、自然の為に泣いてくれているのは理解できた。
ギュ
「・・・良いだろう」
「ふぇ!?」///
「少しだけ、お前の言葉を信じよう」
「シヴァ・・・さん」
何を思ったのか、シヴァはキラを優しく抱きしめた。
「・・・ありがとう、自然の為に泣いてくれて」
「シヴァさん・・・」
それから数分間キラを抱きしめた後、シヴァは二人にある提案を述べた。
「キラ、私と契約してくれないか?」
「ふぇ!?」///
昨日ガイアと契約したキラにとって、契約の単語を聞いた途端顔を赤くする。
「私はお前が気に入った。お前の生涯が終わるまでは付き合ってやる」
「で・・・でも」///
「大丈夫ですわキラ様。シヴァさんは嘘は付きませんわ」
「・・・これから、よろしくお願いします」///
「あぁ」
キラは今だに顔を真っ赤にしながら、シヴァにお辞儀をする。
「ふむ・・・折角だ、此処で契約をするか」
「「えぇ!?」」///
突如シヴァが爆弾発言をし、キラとガイアは驚愕する。
「心配するな。誰も近づかないように結界を張る」
「それならシヴァさん、私も入りますわ」
「ガイアさん!?」///
「ほう?良いだろう、ならどちらが多く○けるか勝負するか?」
「望むところですわ!」
もはや神様が言う台詞ではない。キラはそう思った。
「というわけですわキラ様」///
「私達とエッチをしてもらうぞ」///
「も・・・もう趣旨変わっているんですけどおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!??」///
その日、とある滝壺では3人の喘ぎ声が聞こえてきたとさ・・・。