この力、この世界で役立つのか?   作:zaurusu

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遅れてすみません!

それではどうぞ!!


第11話

亡国機業のメンバーに会って、一週間が経った。

 

何か仕掛けて来るかと日夜警戒していたが、今のところ、何も起きてはいない。

 

一応、束に亡国機業に会った事を伝えた所、いつものおちゃらけた口調が嘘のように丁寧になった事で次狼は束が過去に亡国と何かあったのではないかと考えた。

 

一応、束に奴らとの関係を聞いてみたところ、「今は別に何もない」と冷たく淡々と返された。

 

今は……か。

 

言葉のあやじゃなければいいのだが……

 

何やら千冬やクロエちゃんにも内緒で何か計画を進めているようだが、それが何かはわからない。

 

こういった時の束の計画はろくなものではないが、今回は何かが大きく違う気がする。

 

まぁ、今は束を信じるしかない。

 

最悪の場合も想定して、準備だけはしている。いつでも、止められるように。

 

友として尻拭いぐらいはするつもりだ。勿論、千冬も巻き……げふんげふん、協力して。

 

 

 

 

それはさておき、本題に戻ろう。

 

今、次狼はとある行列に並んでいた。

 

そこは、飲食店でも無ければスーパーでもない。

 

目の前に広がるのはドーム型の建物。今日行われるイベントの垂れ幕がずらりと並び、客も今か今かと待ちわびている。

 

何故、そんなところに来ているのか?

 

何を隠そう、この間束に頼まれて郵便局まで届けた応募ハガキが何と当選したのだ。

 

噂だと倍率が軽く1万倍は超えてたとかで、当選した時のハガキが来た時は本当におどろいた。

 

何故、自分の家に届いたのか疑問に思った所、束の奴、応募するのに俺の家の住所を使ったんだとか。

 

よく読んどけばよかった。

 

おかげで、買いに行く羽目になってしまった。

 

後でお金払うから支払いよろしく〜とうさぎマーク付きのメールが送られてきた時は思わず携帯を握り潰す所だった。

 

クロエちゃんからお詫びのメールが来なければ今すぐにでも探し出して説教しに行く所だった。

 

まぁ、でもやっぱりダメなものはダメ。

 

と言うわけで、この事は全部千冬に伝えてある。

 

今度会った時に握りつぶ……話し合いするから任せておけと、なんとも頼もしいお言葉を頂いた。

 

でも、せっかく当たったので、勿体無いから払ってあげることにした。

 

フィギアの値段だが、なんとISの装甲に使われる部品と一緒の素材が使われてる事もあり、20万円と破格の値段だった。

 

クレジット払いも可なのだが、運が悪いことに、次狼はクレジットカードを持っていなかった。

 

実はというと、2日前の大雨の日に財布を水たまりの中に落としてしまい、紙幣や硬貨は乾かせば使えたのだが、ポイントカードやクレジットカードの類が全部読み取り不可になってしまったのだ。

 

勿論、再発行してもらおうと思ったのだが、本人確認やら審査やら書類上の関係で最低でも一週間はかかるんだとかで、間に合わなかったのである。

 

コンビニのATMもカードがダメになったので使えないので、わざわざ銀行に通帳を持って泣く泣く20万円を下ろしたのだ。

 

これを機に、次狼は少しでも現金を持つべきだと思い知り、金庫を買うことになるのだが、それはまた別の話。

 

販売開始まで、まだ数十分はある。

 

一応、早く買って帰りたいから結構早めに並ぶつもりだったのだが、既に50人は並んでいた。

 

話によると、一番前に並んでテレビカメラにインタビューされている人は3日前から並んでるらしい。

 

当選のハガキが無ければ買えないのだがら、順番など関係ないかと思ったのだが、一番最初に並んで買うことに意味があるとか。

 

よくわからないけど

 

まぁ、買えるならいいと思う。

 

てな訳なんだが、ものすごい暇だ。

 

仕方ないので、携帯でゲームでもすることにした。

 

 

しばらくして

 

「やっとか……」

 

ようやく会場の扉が開かれて、販売が開始された。

 

「はい、どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

受付が応募ハガキに書かれてる番号を確認し、とバーコードを自動読み取り機にかざすと、緑色に光る。

 

どうやら、これが正常らしい。

 

意外にも警備は厳重で、この緑のランプが警備員によって確認され、金属探知機にかけられる異常が無くて初めて、、会計口に入れる仕組みだ。

 

まるで、飛行機の搭乗口にいる気分だった。

 

扉を開け、中に入ると、2人の男女が椅子に座っており、その後ろには、丁寧に積まれたフィギアがある。

 

「お会計、20万円でございます」

 

「はい、現金でお願いします」

 

20万円の束を渡すと隣の女性がきちんとあるか一枚一枚丁寧に数えていく。

 

「確かに。では、どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

丁寧に幾多もの包装がされた箱をうけとった。

 

結構、ずっしりとして重みがあり、これを歩いて持ち帰るのは少し骨が折れそうだ。

 

しかし、これくらいの重さは次狼にはどうって事ない。

 

後は、これを機に家まで持ち帰って束に渡すのを待つだけだ。

 

ちなみに本人からは絶対に箱を開けないで、誰も目のつかない場所に置いてほしいとのこと。

 

どうやらよほど大切にしたいらしい。

 

少しでも傷でもつけたら、どうなるかわからないので、両手でしっかりと持つことにした。

 

数分後

 

「やっぱり、めんどくさいからタクシーでも呼ぶか」

 

疲れたわけではないが、いちいちぶつからないように首を左右に動かしたり避けたりとめんどくさくなってきた。

 

バスや電車が近くにあるのだが、駅に降りたらしばらく歩かなくてはならないし、それならタクシーで自宅前に止めてもらった方が楽だし、安心できる。

 

ここから家までそう遠くないし、2000円あれば足りるだろう。

 

次狼がタクシー乗り場にいる運転手に声をかけようとしたその時

 

「やめてください!」

 

何やら、向こうの奥から女性の切羽詰まった声が聞こえた。

 

「いいじゃねぇか、この後暇なんだろ?なら、俺たちと遊ぼうぜ〜?」

 

「そうそう、絶対に楽しいからさ〜?」

 

「きひひ、いい胸してるね〜」

 

緑色の髪をし、メガネをかけたどこかおっとりとした女性がガラの悪い金髪の男とその仲間なのか2人の男に絡まれていた。

 

「やめてくださいって、言ってるじゃないですか!」

 

「うだうだ、うるせぇな。大人しく俺らが言うことを聞いてた方が痛い目に遭わないぜ?」

 

「うんうん、俺ら紳士だからさぁ〜」

 

「きひひ、大丈夫。痛いのは最初だけだから」

 

(時代が変わってもああいう奴らは幾らでもいるんだな……特に、3番目の(でぶ)、本音がダダ漏れじゃないか。)

 

仕方がない。

 

ため息をついて、次狼はその集団へと詰め寄った。たく、今日本当についてない。

 

「こんなところにいましたか。」

 

「え?」

 

突然、現れた次狼に女性は素っ頓狂な声をあげた。

 

「早く、いきますよ?」

 

女性の手を取ってここから直ぐに離れささせようとしてすると

 

「おい、なんだお前?」

 

金髪の男が次狼の前にスッと割入って立ちふさがった。

 

「ただ、待ち合わせしてた仕事の同僚ですよ。どいてくれませんか?早くしないと会議におくれて……」

 

「ふーん、なら、彼女は俺たちが後でしっかり送り届けるから、お前、先に行ってろよ」

 

「……………」

 

返す言葉もないな。というか、それをする価値もない。

 

「ささ、そんな木偶の坊は置いといて、俺たちと行こうぜ?」

 

男が女性に手を掴もうとした時

 

「………馬鹿か、お前?」

 

「あ?今なんつっ……」

 

ビシー!

 

次狼は瞬時にその男の手を取ると、すかさず掴んだその手でノッキングをした。

 

「が、ががが……」

 

金髪の男はそのまま、ピタリと動かなくなった。

 

「てめぇー、何をしや……」

 

もう1人の仲間が殴りかかろうとするが、刹那

 

「……!?」

 

そのまま、動かなくなった。

 

よく見ると、男の胸に次狼の手の先がくっついていた。

 

「お前も、いい加減にしろよ?さもないとこの手がお前の心臓を上がることになるぞ?」

 

その言葉に男は恐怖で気絶してしまった。ノッキングで動かないため、たったまま気絶という奇妙な光景だけがその場に残った。

 

「さて、お前はどうしようか?」

 

残った、欲望丸出しだった男を睨め付ける。

 

この時、次狼はどんな顔をしているかというと、それは修羅と化した猛の如く、物凄い形相だったそうだ。

 

「ひいい!!」

 

あまりの恐怖に男は逃げ出したが……これを見逃す程、次狼は甘くなどない。

 

「ふぅー!!」

 

ノッキングブレス

 

相手を自身の吐く空気の衝撃でノッキングする。

 

見事、男の背中に命中し、2人同様この男も動かなくなった。

 

「やれやれ、怪我はありませんか?」

 

「あ、はい。大丈夫です。その……ありがとうございます」

 

「いえいえ、流石にあれは見過ごせませんからね。当然のことをしたまでです。」

 

「そ、そんなことありません!それに、すごく……かっこよかった。」

 

最後の方はよく聞き取れなかったが、女性はなぜか赤くなってもじもじし始めた。

 

「あ。あの私、山田真耶と言います!それで、あなたは……」

 

山田真耶、下から読んでも上から読んでもやまだまや……ってえぇえええええええ!?

 

まさかのここで、原作キャラにバッタリと遭遇。更識姉妹の時もそうだが、こうも簡単に原作キャラに続々と会うとは……

 

それにしても……

 

プルン

 

大きいな。

 

かなり大きいと聞いていたが、まさかここまでとは……恐るべし!山田先生!!

 

て、こんなこと思ってる場合ではないな。

 

「申し遅れました。俺は八神次狼といいます」

 

「八神さんですか?」

 

「はい、8つ神で八神で次の狼とかいて、ジロウと読みます。よく次郎(こっちの字)と間違えられますが。」

 

「確かに、珍しいですね。でも、なんか強そうですね。私は好きですよ?」

 

「はは、ありがとうございます」

 

原作通り、おっとりしてるがしっかりとした一面もあってなかなか話やすい人だ。お嫁にもらうならこういう人がいい。

 

「ところで、この後時間はありますか?よければ先程のお礼をしたいんですが……」

 

まさかの、山田先生からのお誘い。これは、YESしかない……と言いたいが俺にはこれを無事に運ばなければならい使命がある。本当は、そちらを優先したいが、あとが怖いからね

 

「すみません、この後少し用事がありまして……」

 

「そ、そうなんですか……」

 

 

少し残念な顔がなんとも保護欲そそられる。なんか、このままだと、こちらが申し訳なく感じるので、再生屋の住所と電話番号が書いてある名刺を渡した。

 

「もし、何かあったらここに電話してください。それでは」

 

そう言って、次狼は走り去った。

 

そんな中、1人残された真耶はというと、警察に電話して先程の3人の男を引き取ってもらったのだが、頭の中は次狼の事でいっぱいだった。

 

「八神次狼……再生屋ですか。あれ、この名前…確か先輩が意味分からない仕事をしている知り合いがいるっていっていたような……」

 

何故か、分からないがその時の話をしている先輩は少し嬉しそうだった。

 

まさか……

 

いや、偶然ですねきっと!

 

それより、男勝りな性格の先輩が恋愛なんてあり得ないですね。なんせ、ブリュンヒルデですし。

 

その日の帰路、真耶の足取りはどこか嬉しそうだったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「ほら、これでどうですか?」

「わーい、ありがとうじーくん!あ、お金はここに置いとくね!」

「はー、無理にとは言いませんが、今度からは自分で行ってくださいよ……」

「じーくんは忘れてないかい?私は今、全世界だ指名手配中なのだよ?」

「どうって事ないんじゃないんですか?天災なんですから。」

「ありゃ、これは一本取られちゃった」

「はー、それはそうとですね」

「ん、何かな?」

「後、5秒……3、2、1。」

「なになに、何か始まるの?」

「ええっと……」.

「そうだ、今から楽しい楽しいお話が始まるところだ」

「ち、ちーちゃん!?何を怒ってるの?私、今のところは何もしてないよね !?」

「いや、それは分かっている。だが、私の知り合いに多大な迷惑をかけているようで、全く反省してないと聞いてな。どれ、親友同士少し話し合う度はないか」

「ぎゃー、ちーちゃんやめて!話し合いも何もいろんなものが出ちゃいそうだよ!!」

「そうだ、ついでにその腐った脳みそも全部出しとけ!」

「にぎゃー!!!」

「ご愁傷様です」合唱







お久しぶりです。

今回は山田先生との出会いです。一応、この時はまだ代表候補生として設定しています。

自分で言うのもあれですけど、何かわからなくなってきている現状。

まぁ、分かっているのは原作まではもう少しかかるかと。

次回もお楽しみです。


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