天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

99 / 192
この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。

隠密機動第四分隊が私が調べた限りでは不明となっていたので「こんな組織では?」と想像して作ってみました。
BLRACH本編と混合しないよう気をつけて下さると幸いです。


番外編 砕蜂は粕人について調べているようです

隠密機動第四分隊・裏見(りけん)(たい)

彼らの部屋は隠密機動及び二番隊隊舎にはない。なぜならば本来の姿である裏見隊ではなく仮の姿(・・・)が彼らの部屋だからだ。

裏見隊の目的。それは護廷十三隊、鬼道衆、そして隠密機動と瀞霊廷に存在する主たる実力行使部隊の異分子を探すことである。

故に彼らは隠密機動第四分隊裏見隊でありながら各隊に配置されている。

内部調査を行う裏見隊という顔を隠して。

 

 

砕蜂(ソイフォン)の執務室。

一人の男が二番隊隊長兼隠密機動総司令官である砕蜂に報告をしていた。

「というわけで十二番隊第二十席、葛原(くずはら)粕人(かすと)を調べましたが特に変わった様子はありませんね」

上司の砕蜂にまるで気軽に話せる先輩に話しかけるような軽い口調に、目の前に座る小柄な女性はこめかみをピクピクとさせながら我慢して尋ねる。

「本当に間違いないだろうな?」

「あれ、俺のことお疑いですか?」

「お前は葛原粕人(あの男)とは同期でかつ同隊に所属していたからな。そう思うのは仕方がないだろう」

「う~ん」

男は困った風に頬をかく。

「砕蜂隊長。同期なんていくらでもいますよ。それに同期で四番隊に所属されたと言っても妻の音芽(おとめ)も同期で同隊ですし」

「お前と水城(みずき)は裏見隊だろうが!」

上司の強い口調にも男は「あ、これは一本取られたな!」と楽しそうに笑う。

「しかし……」

「……」

先ほどまでの軽薄な物言いとは一変、真剣な表情になる部下の言葉を女上司は黙って待つ。

「俺は四番隊。葛原(あいつ)は十二番隊。十二番隊なら松永がいるじゃないですか。あいつに聞いた方が良いんじゃないです?」

「……」

女上司はすぐに答えなかった。お前以外の者では無理だと言うのを強調するかのように。

「お前は葛原粕人(あの男)とは真央霊術院(しんおうれいじゅついん)からの付き合いだ。つまりお前が葛原粕人という男を隠密機動の中で分かる人材と言える」

「……なるほど。確かに葛原(あいつ)をよく知っているのは俺で間違いないでしょうね。六年間ずっと二組で苦楽を共にしましたからね」

その時を思い出したのか、男はふと視線を逸らす。

真央霊術院では成績優秀者のみで構成される特進学級第一組とそれ以外の二組に分けられる。阿散井恋次、吉良イヅル、雛森桃など第一組にいた人物達の多くが若くして隊長、副隊長に就いていることからその優秀さは一目瞭然だ。

「今の葛原(あいつ)は隊長が気にするような男とも思えませんが」

「それを判断するのは私だ。お前はいつも通り葛原粕人と接触し、怪しいところはないか調べろ。仏宇野(ふつうの)段士(だんし)……いや月光」

「了解ですよ~。砕蜂隊長」

砕蜂の命令に四番隊の平隊士で、鏡霞(きょうかすみ)水月(すいげつ)(くろつち)ネム誘拐事件に協力した粕人の同期、仏宇野段士は陽気な笑みを浮かべた。

 




筆先文十郎が勝手に作った裏見隊の元は平家物語に登場する平家方の密偵、禿(かぶろ、かむろ)です。
瀞霊廷を主な担当区域とする諜報を担当する警邏隊と被るような気がしますが、裏見隊はより各隊の対象人物の情報を得ることに特化した部隊と考えて下さると幸いです。

あと本当の隠密機動第四分隊の情報がありましたら、教えてくださると嬉しいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。