本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
タイトル通り『五話 鏡霞水月(きょうかすみすいげつ』の続きです。
五.五話 鏡霞水月その後
「ああああああっ!!その手があったかぁぁぁっっっ!!」
翌日。
「涅隊長。もう一度だけ鏡霞水月を貸してください!」
「何故だ?」
猛烈な勢いで土下座をする男に、技術開発局局長は疑いの眼を向ける。
「覗きをするためです!鏡霞水月があれば鉄格子の彼方先にある女子更衣室だろうが、鬼道で出入り口を閉ざされた女湯だろうが、光が漏れる隙間さえあれば可能だということに気がついたからです!!」
「
「ギャアアアァァァァァァッッッ!!」
マユリは地面に倒れ動けなくなった男を見ながら言い放つ。
「私の技術の粋を集めた芸術作品をそのようなことに使おうとは!そこで反省でもしてろ」
「く、涅隊長。せめて、動けるくらいには……」
マユリは目ざわりとなった男を外に蹴り飛ばした。
数時間後。
「よし。鏡霞水月をさらに改良したぞ。これでより正確に、より精密に、自分好みの光を意図的に集めることが出来る。ふふふ、はははははは!天才、そう!私は天才だ!!」
「涅隊長。少しよろしいでしょうか?」
「ん?……!!な、何だね。君たちッ!?」
高笑いしていたマユリは思わず後ずさる。そこには八番隊副隊長、
「涅隊長。あの男から聞きました(というよりあの男が一人でブツクサと言っていたのを聞いただけですが)。その鏡霞水月とやらで覗きを企てようとか?」
「し、失敬だぞ!私の発明品をそんな低俗なことに使うと思うのかね?」
「いいえ。とんでもございません」
七緒は大げさなリアクションでかつ棒読み口調であっさり肯定する。しかし眼鏡をクイッと上げた後、次の言葉でマユリを追い詰める。
「まさか技術開発局の長である
「そ、そうだろうとも……」
「では、涅隊長。その鏡霞水月をこちらに渡して下さい」
「な、何でそうなる!これは私が誠心誠意こめて作った――」
「渡してくれないのであれば。死神セクハラ対策本部にこの事を伝え、涅隊長には――」
「わ、わかった!」
七緒の言葉をマユリが止める。
「わかった、わかったよ……。私も身に覚えのないことに詮索され、貴重な時間を奪われるのは我慢ならない。……もって、いきたまえ……」
マユリは涙を堪え、震える手で厳格な副隊長に鏡霞水月を手渡す。
「確かに」
七緒は鏡霞水月を傍にいた女性死神に箱に入れるように指示する。そして女性死神たちはマユリの部屋を後にした。
残されたのはマユリとマユリがクズと呼ぶ磔にされた男のみ。
「……あ、僕は確か鏡霞水月を覗きに使えることを一人呟いていたら女性たちがいつの間にか僕を囲んでいて……!涅隊長、僕を――」
助けてください。男はそう言う事が出来なかった。
「クズ、貴様という奴は!」
怒りに満ちた顔で刀に手をかけていたからだ。
「貴様のようなクズのクズは一度ペシャンコにした方が良さそうだな。
「ギャアアアアアアァァァァァァッッッ!!!!」
赤子の頭を持つ巨大なイモムシのような外見の巨体が男を容赦なく押しつぶした。