天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。

あと今回の話はホラーです。猟奇的なシーンがあります。苦手な方は読まないことをお勧めします。


新章第三話 男性死神協会は資金獲得に乗り出すようです

男性死神協会の理事だった浮竹(うきたけ)十四郎(じゅうしろう)が亡くなり、また他の男性死神が死亡・引退したこともあり、その穴を埋める形で会員だった葛原(くずはら)粕人(かすと)が理事に昇進した。

 

 

 

男性死神協会集会所となっている男子トイレ。

「ないんじゃ、ないんじゃ……ないんじゃあ!」

男性死神協会会長、射場(いば)鉄左衛門(てつざえもん)は苛立ちに任せて机を叩いた。

「どうしたんですか、射場会長?」

頭を抱えて悩むサングラスに極道風の男に、粕人が声をかける。

「あぁ、葛原かぁ。実は男性死神協会の予算が削られてのぉ……」

頭を落とす会長に、粕人は考えていた案を伝える。

「射場会長。僕に一ついい考えがありまして……」

いい考えを伝えた粕人は射場に許可と手続きをお願いすると、すぐさまいい考えを実行するべく上司である涅マユリの元へ足を運んだ。

 

 

 

「え~、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!瀞霊廷(せいれいてい)(いち)怖いお化け屋敷じゃけん!」

数日後。瀞霊廷の一角に造られたおどろおどろしい建物の前で射場が一人客引きをしていた。

「ねぇ、『男性死神協会プロデュース。瀞霊廷一怖いお化け屋敷』だって」

「どうする?」

「どうしようか?」

通りかかった三人の女性死神がコソコソと話をする。その視線は男性死神協会が作ったという侮蔑が込められていた。

(が、我慢じゃ!資金獲得のため、そして葛原を始めとする男性死神達の尽力を無駄にするわけにはいかんのじゃ!)

女性死神の侮りに怒りを覚えながらも、目的遂行のために射場は我慢して笑顔で客引きをする。

「どうじゃあ、今なら安くしとくよ。怖くなかったら入場料は返却するよ!」

「ふ~ん、そこまで言うんなら」

そう言って金髪の女性が射場に入場料を渡す。

「え、莉子(りこ)。本当に入るの?」

「大丈夫だって。男性死神協会が作ったものだもの。怖くないって」

リーダー格らしい彼女の言葉に、他の二人もしぶしぶ射場に入場料を渡す。

「ありがとうございます」

(皆。こいつらに男性死神協会の恐ろしさを骨の髄まで教えてやれぃ)

お化け屋敷に入る三人の女性死神を見ながら、射場は心の中で中にいる男性死神を鼓舞した。

 

 

 

入り口を進むすぐに部屋があった。その部屋に入るとすぐに背の高い、ウニのように見える黒髪の男が背を向けて立っていた。

「よう、いらっしゃい。楽しんでいってくれ」

男は振り返った。次の瞬間、

 

「「「ギャアアアアアアァァァァァァッッッ!!!!」」」

 

三人が悲鳴を上げた。振り返った男の顔は左頬辺りに69と数字が刻まれ、右頬に三本の傷跡が走った骸骨だったからだ。

眼球辺りの(くぼ)みからは百足(むかで)などの女性が嫌がりそうな虫が女性達の方へ向かって次々と現れる。

その光景にしぶしぶ入った女性の一人が失神。入ってきた入り口はいつの間にか扉が現れ出ることが出来ない。恐怖に怯えながら失神していない二人は逃げ道を求めて奥の通路へと走っていった。

「「はあ……はぁ……はぁ……」」

迷路のような構造を走ること三分。どこが出口なのか分からない彼女達が途方にくれていた時だ。

「どうしたんですか?何かお困りですか?」

左目を金色の髪で隠した男が声をかけてきた。その男を見て再び

 

「「ギャアアアアアアァァァァァァッッッ!!!!」」

 

彼女達の悲鳴が木霊する。なぜならばそこには男の右胸がぽっかりと空いていたからだ。

「あう~」という力が抜ける声と共にしぶしぶ入った女性がその場に倒れこむ。

「ひ、ヒィ!」

残った女性死神、莉子は右胸がぽっかり空いた男から逃れようと奥へと進んでいく。

 

もうお化け屋敷(ここ)から抜け出したい。

 

無我夢中で出口を探す莉子はついに見つける。『出口』と書かれた看板を。

(やった!これで出られる!)

莉子は出口と書かれた扉を開けた。

「え?」

扉を開けた莉子は固まる。なぜならばそこは部屋だったからだ。

「おめでとうございます。貴方がこのお化け屋敷脱出成功第一号です」

中にいた男、葛原粕人が笑顔で拍手をする。次の瞬間だった。

 

バシュッ!

 

目の前の小柄な男の首が、見えない刀で斬られたかのように地面に転がったのだ。首からは噴水のように血が噴き出す。

「え、ああぁ……あああ!?」

入るまではどうせ男性死神協会の作ったものとバカにしていた女性はその場に崩れ落ちる。しかし彼女は更なる恐怖を味わうことになる。

「あ、すいません。首を、身体にくっつけてくれませんか?」

転がった男の首が。笑顔で、恐怖で動けなくなる女性に声をかけた。まるでボールを拾ってくださいというかのように。

 

「……………………――――ッ!!??」

 

声にもならない絶叫を上げ、金髪の女性は気を失った。

 

 

 

その後この幽霊屋敷は「本当に怖い!」と評判を呼び、あまりの怖さに撤去を命じられるまで賑わう事となった。

そして本来の目的である男性死神協会の予算もめどがついた。

 

 

 




右胸がぽっかり空いた男以外は全て演出です。

ネタバレ
左頬辺りに69と数字が刻まれ、右頬に三本の傷跡が走った骸骨→特殊メイクをした檜佐木修兵。
右胸がぽっかり空いた男→吉良イヅル。
首が切り落とされた粕人→粕人のCG。
です。
特殊メイクやCGはマユリ特製です。

ネタが枯渇しているので「こんな話はどう?」と言うのがあると助かります。

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