本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
あとこの話はゲームは
『RADIO-KON Play station2』
『RADIO-KON ラジコンベイビー』
『Radio Kon Golden』
を見た後の方がより楽しめると思います。
とあるラジオ局。
「よぉ!元気かてめぇら!今日も元気にお届けするぜ、ラジコンゴールデン!!今日のゲストはこの男、十二番隊平隊士・
「ど、どうも葛原粕人で~す。よろしくお願いしま~す」
ペコペコと頭を下げながらマユリにクズと呼ばれている男が部屋に入った。
「いやぁ、今日はよろしくお願いしますよ~」
そう言って手を差し出すコン。差し出された手を、男は「こちらこそ」と言って握る。
「ところでこのコーナーって
最後の方は小さく言う男に、コンは「いいんですよ~」と笑顔で続ける。
「葛原さんのご活躍は聞き及んでいますよ。その活躍はあの技術開発局局長殿の右腕と言っても過言ではないですから」
「えぇ!いやぁ……僕なんかまだまだですよ。それを言ったら涅前副隊長や阿近副隊長の方が……」
「いえいえ~」
そう言いながらコンの心の声は違うことを言っていた。
(別にお前の活躍なんか興味はないんだよ。俺が知りたいのはあの技術開発局という悪魔の巣窟に住む親玉、涅マユリの情報が知りたいんだよ。それさえ知れればお前なんてどーでもいいんだよ)
「それじゃあリスナーからのハガキを読んでいきますね」
そんなことを思っていることを露にも出さず、コンは手紙を無作為に取り出し読み上げる。
「『葛原さんへ。復活おめでとうございます。これからも涅隊長の腹心として活躍されることだと思います。ところで葛原さんに聞きたいことがあります。僕は将来十二番隊に入隊しようと思っているのですが、涅隊長のことを知りたいので何かとっておきの情報を下さい』だそうですが、どうなんですか?」
「隊長の、とっておきの情報ですか~」
「う~ん」と腕を組みながら考える。
「まあ涅マユリは技術開発局局長で十二番隊の隊長ですね」
んなこと誰だって知っているだろうが!とは顔に出さずコンは「それで?」と撫で声で尋ねる。
「好物は秋刀魚。あと今でこそ丸くなった所はありますが、昔は隊士に爆弾を仕込んでいたとか。まあその時の僕は四番隊の荻堂八席の班にいたので真相はわかりませんが」
(だ・か・ら!あいつが恐ろしいっていうのは百も承知なんだよ!!俺が欲しいのはあいつの弱点なんだよ!!)
「あれ?僕なんか悪い事言いました?」
コンの顔が物凄いことに変わったことに気づいた男は、ぬいぐるみに確認する。
「いえいえ。そんなことないですよぉ。ところで、この十二番隊入隊希望者さんもやっぱり上司になる隊長の弱点とかも知りたいと思うので。どうか教えてくれませんかねぇ」
「弱点ですか!?……う~ん、弱点ではないですが。涅ネム前副隊長の後継にあたるネムリさんは手を出すとヤバイです。マジでヤバい。僕は眠さんの成長日記をつけるように言われているんですが、『石につまずいて泣いていました』って書いたら『なぜお前は
シクシクと泣く男に今にもブチ切れそうになるのを我慢してコンは尋ねる。
「わかります、わかりますよ葛原さん。ですからこの十二番隊に入りたい人のために弱点を教えてあげてください」
涅マユリには色々不利益を
「あ、そうだ!隊長の弱点!!」
あることを思い出した男はポンッ!と手を叩く。
「な、なんですか!?それは!!」
「あ、でも……これって全国に伝わるんでしょう?これを不特定多数に伝わる状況でいう訳には……」
と言いつつも男は話したいのだろう。チラチラとライオンのぬいぐるみを見ていた。
それを察したコンは男に囁いた。
「だったら俺に。俺にだけ教えて下さい。誰にも言いませんから」
「えぇ、本当ですかぁ~?」
「本当ですよぉ~」
(誰が言うもんか!あのマッドサイエンティストの弱点を!!)
「じゃあ……コショコショコショ」
大きく頷くコンに、男は満面の笑みを浮かべながら耳元で話した。
「!!!」
(よっしゃあ!これは良いことを聞いたぜ!!これがあればあの化け物にビクビクしないで――)
男からもらった情報でどう行動に移そうか考え、コンは男に背を向ける。その時だった。
ドサッ!
その音にコンが振り返る。そして驚愕する。
「く、く、く……涅マユリッ!!??」
気絶した男を足蹴にしながら、コンが恐れる技術開発局局長の涅マユリが立っていた。
「やあ
「ど、ど、ど……どうもで~す」
ドアップになるマユリに、コンは震える声で答える。
「今さっきこのクズが何を言ったか知らないが、このクズが言ったことはデマだ。本気にしないでくれたまえ」
「あ、は……はい。もちろんですよ」
(ふう、これで何とかこの場は乗り切ったぜ)
「と思ったかい?」
「フギャアアアァッ!?」
更に顔を寄せる奇怪な顔の隊長に、コンは恐怖で涙を流す。
「あぁ、そんなに恐怖に震えなくていい。ただ――」
マユリは懐から栄養ドリンクのようなものを取り出す。
「これを私が足蹴にしている男と一緒に飲んでくれればそれでいい。安心したまえ、毒薬じゃないから!」
「フガァッ!?」
そう言ってマユリはぬいぐるみの頭を掴むと、以前自身がクズと呼ぶ男に飲ませた忘却ドリンクをぬいぐるみの口に突っ込んだ。
数分後。
「あ~、あぁ~、あはははははっ~」
「うへ~、ふふ、あはははははっ~」
コンと男はよだれを垂らしこれ以上ないアホ面をさらしていた。
「それじゃあまた会う日まで、ご機嫌ヨウ!ラジコンゴールデン!!」
会話すら出来なくなった二人に代わり、涅マユリが締めくくった。
「そうだ。前回
私はあの男が死んだことを勘付かれないように”あのクズが死んだことに関する記事は何も見えないように洗脳してある。例えば見出しに『葛原粕人死亡!!』と書かれていたとしよう。しかしあのクズには『 !!』と見えるわけだ。答えになっているかネ?」