本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
前回の『番外編 涅マユリがザエルアポロの貯蔵庫から某漫画に登場するノートに似たノートを拾ったようです』の後日談になります。
あと今回のお話は、百合です。本当に百合です!(重要なので二回言います!)
ツッコミどころはいっぱいあると思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。
昼。
「
「そうはいかん。夜一様の
砕蜂が男の胸に刻まれた蜂紋華を突き刺そうとする。
(ま、まずい。このままでは殺される!何か、何か助かる方法・・・・・・あった!)
あと数ミリで針状の刃が胸に当たる寸前。男はあることを思い出すと目の前の隊長にしか聞こえない小声で訴える。
(「あ、砕蜂隊長。僕、夜一様と砕蜂隊長がもっといい関係になる方法を知っています!」)
ピタッ!
小声で言い放つ男に、砕蜂は突き刺そうとした刃を止める。
(「夜一様と、私が……いい関係になる方法、だと?」)
(「はい。いい関係です!」)
(「詳しく話せ。ただし単なる命乞いだったり時間稼ぎと判断した場合……」)
私はお前を容赦なく刺すぞ。
砕蜂の冷たい視線に男は血の引いた顔で何度も頷く。
(「で、いい関係になる方法とは?」)
(「は、はい。それはですね――」)
男から夜一といい関係になれると聞いた日の深夜。
砕蜂はマユリが研究資料を収めている部屋に忍び込んでいた。
マユリをよく思っていない彼女が何の目的もなしにマユリのテリトリーとも言える場所に自ら飛び込むことはしない。それなのにこのような場所に忍び込んだのはとある目的のためだった。
罠に気をつけながら砕蜂は男の言葉を思い出す。
(『
(『覚悟はいいな!』)
(『は、話は最後まで聞いてください。その復活させるノートの他にあったんですよ』)
(『何がだ?』)
(『ノートに名前を書いた人間が百合になるノートが!』)
「確か、その百合になるノートは『ピンクがかった白』と言っていたな。あの男は」
砕蜂は誰にも聞こえない小声で男が言っていた特徴を
「そして、あの男が言っていたノートが収められているというのはこの辺りのはず……!」
白いノートを探す砕蜂の目の前に様々なノートが納められた本棚が目に付く。
(これだな)
その中から男が言っていた特徴と酷似したノートを抜き取ると、砕蜂は音もなく研究資料が収められた部屋から抜け出した。
部屋に戻った砕蜂は盗み出したノートに名前を書く。
『
「ああ、これで夜一様と……ッ!」
名前を書いた砕蜂は夜一との今後の展開を想像する。
『砕蜂。お前が居れば
「ああぁ、夜一様!私も、私も夜一様がいれば何もいりません!!」
「のぉ、砕蜂。自分の世界に入っている所で悪いのじゃが。ちと頼みを聞いてくれないか?」
「そ、その声は夜一さ、ま……?」
敬愛する女性の声の方へ砕蜂は振り返り、固まった。
そこには百合の花束があったからだ。
「え、よ……夜一様?どちらに、どちらに
「ここじゃよ、目の前の百合の花が儂、四楓院夜一じゃよ!」
「え?」
未だ信じられない二番隊隊長は目の前の百合の花束を拾い上げる。
「夜一様、夜一様なのですか!?」
「うむ、にわかに信じられないとは思うが儂が四楓院夜一じゃ。お前の所に行こうと思ったら突然このような姿になってしもうて。砕蜂、何か心辺りはないか?」
「……あります」
百合の花束になった夜一をゆっくりと地面に置いて、砕蜂はその場から姿を消した。
数分後。男の部屋。
「
「ギャアアアァァァッ!砕蜂隊長!?」
前触れもなく自分を攻撃する隊長に男は目を白黒とさせるだけ。
「な、なんで僕を――」
男が言い終わる前に
「弐撃目だ!」
「ウガァッ!?そ、砕蜂……たいちょ……――」
胸を抑えたまま男は崩れ落ちる。
「ゲスめが!」
敬愛する夜一を百合にした男を、砕蜂はゴミを見るような視線で最期を見届けると風のようにその場から消え去った。
なおノートから『四楓院夜一』の名前を消すと、夜一は百合から元の姿に戻った。