天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


番外編 マユリにクズと呼ばれる男は多額の借金を背負わされたようです

 ドンカンガッシャン!

 

 マユリと男は防音用の幕などが掛けられた建物を見ていた。

「霊子実験用施設の増設は着実に進行しているネ」

 満足そうな顔で工事現場を見るマユリに、マユリにクズと呼ばれている男は口を開く。

「……よくそんなお金がありましたね。まさか(危険薬物を売りさばくなどの)不正なことで得たわけじゃありませんよね……」

 男は「貴様は私がそんな男と思っているのか!」と激昂されることを覚悟で尋ねた。しかし男の予想に反して、奇怪な顔の上司は清々しい笑みで答える。

「安心するがいい、クズ。この施設は正式にとある金融会社から借りたものだ」

 そう言ってマユリは男に借用書を見せる。

 男は受け取った借用書を見る。そこには正式な手続きを踏んでお金が借りられていることが記されていた。そのまま読み進める男に、マユリは続けた。

「お前の名前で」

「え?」

 そこには『葛原(くずはら)粕人(かすと)』と実印が押されていた。

「な、何で僕が借りたことになっているんです!そもそも何で実印が!!」

「その程度の判子など私にかかればいくらでも偽造可能だ」

 男は借用書の金額を見て震える。

 その額は男が平隊士のままでは100年たっても返せない額だったからだ。

「まあ安心しろ。いくら何でも命はとられることはないだろう。ただし……」

 その時男は固まった。いつの間にかサングラスに黒服という怪しい服装の集団が自分を囲んで逃げられないように拘束したからだ。

「どこかに連れて行かれてしまうかもしれないがな。例えば地下帝国と言う名の核シェルターを作るために日の当たらない地下で土方をさせられるとか……おや?」

 振り返るとそこには男はおらず、黒服に連れ去られた後だった。

「くっ。説明の途中で突然いなくなるとは!そんな常識外れの奴にはお仕置きをしないとネ!!」

 自分が無断で男に借金を背負わせたということを棚に上げ、上司はどのような仕置きをするべきか考え愉悦に浸るのであった。

 

 

 

 地下帝国へと連れて行かれた男は境遇を共にした仲間と共に自分たちを(しいた)げた班長からチンチロリン(さいころを使った賭博の一種)で、班長が不正に溜めていた地下帝国専用通貨を巻き上げた。

 その後その巻き上げた専用通貨を使って外に出ることを許されると、一玉4000円という異常なまでのギャンブル性を持つパチンコ台を様々な困難がありながらも攻略。

 その後協力者との分け前で稼いだ大金がごっそり持っていかれたものの、男は背負わされた借金を全額返済することに成功した。

 

 

 

「クズ、この一週間どこをうろついていたんだ!おかげで生死を彷徨(さまよ)う人体実験が出来なかったではないか!!」

「ウギャアアアアアアァァァァァァッッッ!!」

 自分が勝手に背負わせた借金のせいだということを忘れ、マユリは疲れ果てて帰ってきた男を人体実験に使用するのであった。

 

 


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