天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


番外編 何かを得るにはべつの何かを背負わされる

マユリの部屋。

「ふう出来た」

技術開発局局長兼十二番隊長、(くろつち)マユリの手には水晶玉が握られていた。

「これは有産玉(ゆうさんぎょく)。 出したら出したものに応じて使用した者の大事な人間が何かを背負わされる。そして背負わされる人間を使用した者は選べず、どのようなものを背負わされるか分からない」

普通なら自分の大切な人が何かを背負わされることを恐れ、使用するという選択をしなかったであろう。だがこの人は違った。

「とりあえず北海道産の秋刀魚(さんま)100匹」

マユリは大好物の秋刀魚を自身が作った水晶玉に要求する。

ちなみに秋刀魚は夏の間は北海道の北東の方に北上しており、夏の終わりごろから秋にかけて南下。南下するころの秋刀魚は成熟しているため、北海道は秋刀魚の名産地の一つとされている。

早速目の前に現れた秋刀魚を焼いて食べていくマユリだったが、

「さすがに100匹は食べられないな」

仕方なく奇怪な顔の隊長は食べきれない秋刀魚を冷蔵庫に入れた。

 

 

 

同時刻。

「ふうぅ。やっと仕事が終わったよ」

研究素材の調達に、マユリにクズと呼ばれている男は布団に倒れこんだ。

「今でもきついけど最初十二番隊(ここ)に来た時は本当に地獄だった。配属された初日から一ヶ月無休で働かされたし」

正確に言えば休みはあったのだがマユリの気まぐれともいえる呼び出しで潰されたのだ。

一週間一睡もしなかったこともあった。それでも男は死ぬことはあっても(本人に死んだ記憶がないので死んだという自覚はない)、病気などで休むことはなかった。

「本当に……よく涅隊長(あのひと)の下で頑張ったものだ。まぁ、これからも理不尽なことはあるだろうけど頑張ろう。まぁ、仕事は終わったしミスもしていないから今日はもうひどい目にはあわないだろう」

そう呟いた時だった。

 

ガラッ!

 

前触れもなく男の部屋の扉が開けられた。

「ん?どちら様です……か?」

ノックや声かけも無しに扉を開けるなんて失礼な奴だな。

そんなことを思う男が扉を開けた人物を見て、言葉を失った。

男の視線の先には手枷(てかせ)足枷(あしかせ)をしたスキンヘッドの二人のボディビルダーだった。

100人に「怪しいか怪しくないか?」と尋ねたら間違いなく100人が「怪しい!」というほど怪しい存在に、男は顔を引きつらせ冷や汗を流しながら思わず後ずさる。

ボディビルダー二人はニヤリと意味深な笑いを浮かべながら距離を詰めていく。そして、

 

「…………………………………………ッッッ!!!!」

 

 

 

声にもならない男の絶叫が十二番隊隊舎に木霊(こだま)した。




有産玉(ゆうさんぎょく)の元ネタは安西信行先生の代表作『烈火の炎』の螺閃の魔導具(まどうぐ)『光界玉』です。ただしこちらは消す対象に対して自分が持っている何かが消されますが。

そして男の部屋に現れたボディビルダーの参考キャラはメサイヤが世に送り出した名作(迷作?)『超兄貴』のサムソン&アドンです。
男が何をされたかは・・・皆様の想像にお任せします。

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