天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


第二十話 蚊破壊爆弾

マユリの部屋。

 

ブーン!

「……」

ブーンブーン!

「…………」

ブーンブーンブーン!

「………………ッ!!」

 

ブチッ!

 

自分の周囲を飛び回る蚊に、マユリはついにキレた。

「五月蝿いんだよッ!たかだか蚊の分際で私の安眠を妨害するなど!!」

 

 

 

「というわけで徹夜で作った」

「何をですか?」

目にクマを作るマユリの前にはマユリにクズと呼ばれている男がいた。

蚊破壊爆弾(かはかいばくだん)~!」

寝不足と疲れているのかいつものとは違うテンションで懐から質量保存の法則を無視した巨大な何かを取り出した。

「……え?」

その何かを見て、男は絶句した。上司が両手で頭上に掲げた物。それは原子核と電子の構造を表す絵が描かれた巨大な爆弾だった。

よだれを垂らして「フヒーッ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒ」と奇声を上げながらマユリは続ける。

「これを起動させれば尸魂界(ソウルソサエティ)を焦土にすることができる。これで尸魂界の蚊は全滅だネ!」

「だ、誰か!誰か来て下さい!!」

爆弾のスイッチを押そうとするマユリを男が全力で止める。

「えぇい!離せ!離さんか、このクズが!!」

しかし男は無我夢中でマユリの身体にしがみつく。

「こんなもの起動させたら蚊だけじゃなくて僕達も死にます!ってかこれ原作でも使用されていないドラ○もんの地球○かいばくだんを使用しないで下さい!!」

「おい、何大きな声出し……って涅隊長!!」

男の叫び声に駆けつけた研究員達が次々にマユリを止めようと飛びかかる。

「「「お止めください、涅隊長!!」」」

「な、何だ!お前たちまで!!」

普段なら自分の命令に忠実な部下が、涙を流しながら自分を止めようとする部下の行動にマユリは驚きの表情を浮かべ、すぐに怒りの感情を燃え広がらせる。

「お前達に何が分かる!私という一秒の無駄も許されない天才科学者の安眠を妨害する蚊の無礼を!!そして損失が!!!」

「「「分かります!分かりますがお止め下さい!!」」」

それでも部下達はマユリから離れようとしない。

「ええい、離せ!すぐに離さないとお前らを実験体として恐怖の限りを味合わせるぞ!!」

「「「うわあぁっ!?」」」

マユリは自分をおさえつける部下達を力づくで振り払い、頭上の爆弾のスイッチを押した。

しかし反応がない。

「ん?」

マユリは頭上を見る。見ると蚊破壊爆弾は巨大なチャッピーの形をしたものにすりかえられていた。

「うぅっ、バカにしているのか!早く本当の蚊破壊爆弾を寄越すんだ!!」

「「「考えを、考えをお改め下さい!お願いです、隊長!!」」」

 

 

その後十二番隊の敷地内で大量の蚊取り線香が()かれるまで、この騒動は続くのだった。

 


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