天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


番外編 実はザエルアポロは某漫画に登場するノートを持っていたようです

ある日。

「クズ、さっさと終わらせろ!」

「クズ、何でこの程度のことも出来ないんだ!」

「クズ、死神がどの程度で死ぬか調べたいから内蔵と血液を死ぬくらいまで抜かせてくれ」

「クズ、ドラマのオファーがあった時のためにリアルな演技が出来るように解剖に付き合え」

 

 

その夜。

「ついに、ついに手に入れた!」

体中ボロボロになりながらもマユリにクズと呼ばれている男の手には一冊の黒いノートがあった。そしてその内容は。

「『ノートに名前を書かれた者は心臓麻痺』。まさしく(くろつち)マユリを殺したいと思う僕にピッタリじゃないか!」

しかし、と男は呟きながら考える。

「このノートはデス○ートと違って死因が指定できない上に、一度使ったら最後だとある」

それに、と男は再び(つぶや)く。

「僕って運ないよな……」

その一言に男の全てが凝縮されていた。

「某漫画のあるキャラクターが言っていたよなぁ。『自分を…信じる…!? きれいごとぬかしてんじゃねーーー!! この世に自分ほど信じられんものがほかにあるかあああっ!』と。まさしく自分より信用できるものがあるのか、だよな」

男は目を(つむ)って考える。

(目の前のノートを使うか、それとも使わないか。もし目の前のノートが本物なら今すぐ殺したい上司を殺すことが出来る。しかし今まで使ったノートはどれも曲解したものばかりだった。曲解したものだった場合、自分にどのような不利益がもたらされるかわかったものではない。使わなければ何もない)

「いや」

男は心の声を否定する。

(僕は保管庫からもうすでにノートを盗み出した。このノートを盗めたのも盗み出した時の保管庫のセキュリティを何日もかけて解読したからだ。そして慎重な隊長のことだから今の保管庫のセキュリティは前回のパターンでは突破できないようにしているはず。ということは元通りにするのは今日明日では不可能。その間に隊長が保管庫を調べたらノートが盗まれたことに気づき、アウトだ)

「だったら」

心の中で男は続きを言う。

(涅隊長の保管庫からノートを盗み出した時点で……僕にはもう後がない。僕が出来るのは前に進むことだけ……!)

男は覚悟を決めた。

「死ねや!涅マユリ!!」

目をカッと開くと、男は力強くノートに名前を書いた。

 

 

『涅マユリ』

 

 

 

同時刻。

「ん?」

技術開発局局長兼十二番隊隊長・涅マユリは自身の心臓が止まっていることに気づいた。

「フンッ!」

奇怪な顔の隊長は迷うことなく右手で自らの胸を突き刺し、止まった心臓に直接マッサージを(ほどこ)す。マッサージをすること数分。止まっていた心臓が正常になると静かに右手を抜いた。

「はて?私は心臓麻痺を起こすようなことはしていないはずだが……」

技術開発局局長はすぐに監視用の菌を見る。そして、止まる。

「あのクズか」

なぜ自分が突然心臓麻痺を起こしたのか。その犯人が分かったマユリは満面の笑み(・・・・・)を浮かべた。

 

 

 

その後数日間。男の姿を見た者は誰もいなかった。

 




『自分を…信じる…!? きれいごとぬかしてんじゃねーーー!! この世に自分ほど信じられんものがほかにあるかあああっ!』
『GS美神 極楽大作戦!!』に登場する横島忠夫の名言(迷言)です。

歳がばれてしまいますね(苦笑)


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