天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

涅マユリが壊れます。イメージが壊れるのを嫌う方は読まないことをお勧めします。


番外編 大激震!十二番隊最後の日

黒崎家リビング。

『男には、やらなければならないことがある。皆でお医者さんと禁煙しよう!』

テレビでは禁煙を促すCMが流れていた。

「なるほど。タバコは200種類以上の有害物質があるといわれ発がん性物質も多数あることが分かっている。タバコを吸い続けると余命だけではなく様々な病気や妊娠や出産、美容にも悪影響が出るという。さらにはタバコから出る煙はタバコを吸う人よりも有害と言われている。タバコの害を減らすというのは一考する価値があるものだね」

「いや、だから何でアンタが(ひと)の家でテレビ見てんだよ!」

黒崎(くろさき)一護(いちご)の指摘に気にする様子もなく、(くろつち)マユリは腕を組んで考えていた。

 

 

 

 

「よし、出来たぞ!」

自室に戻ったマユリはある物を完成させていた。その手にはタバコのような物があった。

「これはタバコ型毒吸引機。これをタバコのように火をつけて吸えば体内の毒と周囲の毒をこのタバコ型毒吸引機が吸い込むという画期的な発明品だ!」

ただ、とマユリは一度首を落とす。

「どれほどの威力を発揮するかは分からん。本来ならばクズ辺りを実験体にするべきだが、……まあ実害はないのだし私自身で試してみるとしよう」

そう言ってマユリはタバコ型毒吸引機に火をつけて口に咥えた。

 

 

 

三日後。

「あぁ!く、苦しい!!た、助けてくれ!!」

四番隊の病室のベッドで、マユリにクズと呼ばれている男が胸を抑えて苦しんでいた。

「あぁ!やめて、やめてくれぇ!!」、「苦しい、苦しいよぉ!」、「あ、頭が!頭がぁ!!」

男だけではない。他の十二番隊の人間も同様に苦しんでいた。

「葛原君、大丈夫か!?お前達、しっかりするんだ!!」

涅マユリが隊員のベッドの傍で涙を流しながら励ましていた。そしてマユリが励ませば励ますほど隊員たちが苦しみ、隊員たちが何に苦しんでいるか分からないマユリはさらに涙を流した。

「こ、これは……」

その様子に虎徹(こてつ)勇音(いさね)を始めとする四番隊の面々は引いていた。

十二番隊は涅マユリのワンマン部隊と言っても過言ではない。部下を駒として使うことに抵抗がない男が部下の苦しむ姿に涙を流すというのは西から上ったお日様が東に沈むのと同じくらいありえないことだった。

「十二番隊の皆さんはどうですか?」

病室に入った卯ノ花(うのはな)(れつ)に、マユリは真剣な表情で涙を流しながら(せま)る。

「卯ノ花隊長!彼らはいったいどうなるのでしょうか!?私に出来ることがあるなら何でもやります!だから、彼らを助けて下さい。お願いします!!」

そう言ってマユリは目の前の女性隊長に頭を下げた。

その光景に四番隊隊員はもちろん、普段冷静な女性も冷や汗を流していた。

十二番隊隊長涅マユリは対人関係は良くなく、十一番隊隊長の更木剣八の次に四番隊隊長の卯ノ花烈と仲が悪いと言っても過言ではない。その仲の悪い隊長に演技ではなく心の底から頭を下げるなど悪夢以外何者でもない。

「あ、あの涅隊長。普段のように振舞われてはどうでしょうか?部下を駒のように――」

「何を言っているんですか!!」

女性隊長の言葉を制して、奇怪な顔の隊長は激昂する。

「卯ノ花隊長!我々隊長にとって部下とは家族であり我が肉体と言ってもいい大事な存在!それを駒だと、貴方は部下を何だと思っているのですか!!」

 

 

「「「うぎゃああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」」」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、十二番隊の隊員たちが一斉に苦しみ出す。

「お、お前達……」

苦しむ部下を前にして、マユリは膝から崩れ落ち、床に拳を埋め込む。

「くっ、何が技術開発局局長だ!何が十二番隊隊長だ!……私は、部下が苦しむ姿に何もすることが出来ない無力な存在だ。……このまま部下達を死なすようなことがあれば……ご家族になんと言えば!!」

 

 

「「「うわああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」」」

 

 

歯を食いしばり苦悩する姿に四番隊隊員は発狂する者が続出した。

そんな阿鼻叫喚な状態に、四番隊隊長は冷や汗を流しながらも十二番隊隊長に尋ねる。

「涅隊長。最初に葛原さんが四番隊の病室に運ばれたのは三日前。三日前に何か変わったことはありませんでしたか?」

「三日前、ですか」

マユリは腕を組んで考える。

「体内のみならず周囲の毒をも吸い込むタバコ型毒吸引機を開発して自分の身体で試しましたが。その後ずっと試しに吸っています」

その言葉を聞いて卯ノ花烈はこの悪夢のような出来事の原因を悟った。

 

 

涅マユリはタバコ型毒吸引機で性格の悪い部分も吸収されてしまった。

 

 

と。

「直ちにそのタバコ型毒吸引機の服用をやめて下さい!!」

女性隊長はキッパリと言い放った。

 

 

 

数日後。

「ネム。これよりクズの解剖を始めるよ」

「はい、マユリ様」

「イヤアアアアアアァァァァァァッッッ!!」

十二番隊に普段の日常が戻った。




タイトルの元ネタはウルトラマンレオの『大激震!日本列島最後の日』です。
CMは『いいなCM ファイザー製薬 石原軍団 「軍団禁煙」篇』からお借りしました。

分かった方は滅茶苦茶凄いです。

あとなぜマユリがおかしくなったのかが分からないというご意見を頂いたので修正しました。わかりずらくて申し訳ございません。

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