本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
前回投稿させて頂いた『番外編 なぜマユリにクズと呼ばれている男が十二番隊に来たのか』の感想を読んで今回の話を作りました。
前回同様皆様の卯ノ花隊長像が壊れたら先にお詫びいたします。
某日。
護廷十三隊で大規模なインフルエンザが発生した。今まで発見されたものではない型のインフルエンザの威力は凄まじく、医療救護専門の四番隊を総動員しても対応できるものではなかった。ましてや四番隊内でも感染者が出ている状況では十分な医療行為ができるはずもなかった。
感染者は次々と
技術開発局の長にして十二番隊隊長、
救護を専門とする四番隊の隊長、
「涅隊長。この度のインフルエンザに対する特効薬の提供、本当にありがとうございます。おかげでこの危機的状況を回避することはできましたわ」
「そうかい。それは何よりだ」
「ふふふ」「ははは」と笑いあう二人の隊長。その光景を、周りの隊員は胃を抑えながら見ていた。
「ところでよくあんな短時間であのような特効薬ができましたね。流石は涅隊長と言ったところでしょうか(
「いやぁ、なに。あの程度の病原菌に対する薬を作ることなど私にとっては朝飯前だヨ(あのクズを何度も殺しただと?あのクズを被験者にしたのは確かだが、殺したのは一回だけだ!)」
二人は楽しそうに笑顔で話す。しかしお互いの心の声は微妙に漏れていた。それを聞かされた隊員たちは胸を抑えて苦しんでいたり、耳を塞いで聞かないようにしていた。
その後一言二言話した後、四番隊隊長は「それでは失礼します」とマユリに背を向ける。
「あ、卯ノ花隊長」
かつての上司に、マユリにクズと呼ばれている男が頭を下げる。
「葛原さん。元気そうで何よりです」
「あ、いえ……」
元部下の身体から、自分の隊に居たときには見えなかったオーラが見えた。そんな男を見て元上司はニコリと笑う。
「私の言った通りでしょう?
「あ……はいッ!」
一瞬何を言われていたのか分からなかった男は一瞬固まったものの、異動の前の話を思い出し、目の前の元上司の言葉通りだったと力強く答えた。
その後、男は隊舎の前まで元上司を見送った。
「隊長。葛原隊士にそこまで気を配られていたんですね!私てっきり葛原隊士の能力があまりにも低い。だから十二番隊なら被験体として活躍できると考えて十二番隊に異動にさせたのだと思ってました」
上司の後ろで男とのやりとりを見ていた四番隊副隊長、
「……」
「……隊長?」
「……ええ。その通りですよ、勇音」
威圧感を漂わせる優しそうな笑みに、勇音は「さっきの間は何ですか!?」とは言えなかった。