天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


番外編 ○○の秋

マユリにクズと呼ばれている男はマユリに呼び出されていた。

「クズ。秋と言えばなんだね?」

「あ、秋と言えば……ですか?」

男は考える。

(涅隊長の真意は何だ?ここはポピュラーに秋刀魚(さんま)とか栗とか言えばいいのか?……いやここは普通に食欲の秋とか芸術の秋、スポーツの秋とかなのかもしれん。……いやここは何の関連性のないことを答えさせようと――)

「いいからさっさと答えんか、このクズが!」

「は、はい……すいません!」

上司に怒鳴られ、男は恐る恐る目の前の上司が望んでいそうな答えを口に出す。

「しょ、食欲の秋……でしょうか?」

「ファ○ナルアンサー?」

「ふぁ、ファイナ○アンサー……」

歳がばれるぞ!と男は心の中で突っ込む。するとどこからかダララーンッ!という音とドラム音が聞こえる。永遠とも思える間とドラム音。そして。

「正解だよ」

マユリの言葉に、男は目の前の上司にばれないようにホッとため息をつく。

「さて」

マユリは男に背を見せて話し出す。

「クズよ。他にはどんな秋がある?」

「他に、ですか……」

男はアゴに手を当てて考える。

「まず秋は、芸術を楽しむのに適していると言われていますから。芸術の秋がありますね」

「確かに。他には?」

「他には……さわやかな気候でスポーツを楽しむのに向いた季節であると言われていますから、スポーツの秋がありますね」

「他にはどうだ?」

「他ですか……あとは、秋は読書に適した時季だと言われていますから、読書の秋ですね」

「他にあるだろう?」

背を向けてまま尋ねるマユリに、男は腕を組んで考え込む。

「他?他にですか……う~ん、申し訳ございません。僕が思いつくのはこれくらいです」

その時だ。マユリは「グフフフフ」と不気味に笑い出す。

「他にもあるだろう、そう……解剖(じっけん)の秋とか」

マユリはメスを持ちながら邪悪な笑みで男の方へ振り返った。

「な、何を言っているんですか!?」

男は慌てふためいたが、すぐに冷静さを取り戻し出口に向かって走り出す。

「逃がさないよ」

マユリがメスを持っている手とは反対の手で指を鳴らすと、ドアや窓にシャッターが下りた。

(こ、このマッドサイエンティスト!何を考えてやがる!!)

逃げ場を失ったことを悟った男はマユリを説得するという一縷(いちる)の望みをかける。

「く、涅隊長!何で秋が実験の秋なんですか!?どう考えてもおかしいでしょ!?」

「おかしい?何がおかしいんだね?」

とんでもないことを言う技術開発局の局長はふくろうのように首をかしげる。

「読書の秋。それは知的好奇心を満たすという意味だろ?知的好奇心を満たすという意味では解剖(じっけん)も間違いではない。……というわけで解剖の秋、改造の秋、人体実験の秋を始めようじゃないか?」

「うわあぁっ!もう実験という当て字を使わず本性表しやがった!」

説得は無理だと悟った男は扉のシャッターを叩く。

「誰か!誰か来てくれ!隊長が、隊長が乱心された!!」

「五月蝿いよ!正気の私を乱心呼ばわりするとは……覚悟しろ!!」

「乱心している状態が正気――」

それ以上男は何も言えなかった。男の腕に何かが投与された瞬間、男は意識を失ったからだ。

 

 

 

その後男が口から破壊光線。腕は前腕部を分離させ、敵にめがけて発射でき、足にはジェットエンジンを搭載するようになるのだが、これはまた別の話。 

 

 

 

 

 


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