本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
この話は『番外編 涅マユリがザエルアポロの貯蔵庫から某漫画に登場するノートに似たノートを拾ったようです』の前日談にあたります。
読者の皆様は不思議に思わなかっただろうか。
当然ある疑問に行き着くだろう。
彼はノートを使用しなかったのだろうか?
と。
今回の話は
某日。
「ん、なんだこれは?」
怪しいと思ったザエルアポロだったが科学者としての
色々調べていくうちにそれが名前を書けばその通りになるノートだと気づいた。
「なるほど、じゃあ本当にそうなるか試してみようかな」
そう言ってザエルアポロはじっくりとノートを選び、
「これだ!」
とピンク色のノートを選ぶ。
それは『女にモテる』と書かれたノートだった。
「まあ顔がよく最高の研究者というモテる要素しかない僕がこれ以上モテる必要はないがね。まあこれは実験だから、仕方がないよね」
そんなことを言いながらザエルアポロはノートに名前を記す。
『ザエルアポロ・グランツ』
「さて、どんな女性が僕に求愛の言葉をかけるんだろうなぁ……ん?」
ザエルアポロの身体が突然光に包まれたかと思うと急に浮き始める。
(な、なんだ!?)
眼鏡をかけた科学者は上を見る。そこには自分が今まで見たことのない形をした銀色の巨大な円盤が宙を漂っていたのだ。そして光はその巨大円盤から放たれている。
「な、なんなんだ!?この僕に、何をする気だ!!下ろせ、下ろせッ!!」
ザエルアポロは懸命に身体を動かして上昇するのを止めようとするが、上へと向かっていく身体は降下する気配も止まる気配もない。光を放つ巨大円盤の方へ吸い込まれていく。
「やめろ、やめろっ!うわあああぁぁぁっっっ!!」
絶叫と共に。ザエルアポロの身体は完全に謎の巨大円盤の中に吸い込まれていった。
(何故だ?なぜこのザエルアポロ・グランツが……このような目に!?)
巨大円盤に吸い込まれたザエルアポロはすぐさま円盤内の診察台に固定された。
すぐ傍にはタコを人間と同じように歩行できるようにした生物と、灰色か青白い肌に大きな頭にアーモンド型の黒く大きな目をした小柄な体格の生物がザエルアポロを見ながら話していた。
「ピロ、ピロロロピロ(ねえ、タコ美姐さん。この男、やっぱりかっこいいわね)」
「タコ、タコタコタコ(えぇ、その通りね。グレ子さん)」
「こら!そこの化け物!!いい加減僕を解放したらどうだ!!」
その言葉に異形の姿をした女性二人は互いを見る。
「ピロ、ピロロロピロ(ねえ、タコ美姐さん。この男、いい男だけど、ちょっとアレじゃない?ここは我々好みに整形しない?)」
「タコ、タコタコタコ(えぇ、その通りね。グレ子さん)」
お互いが頷くと異形の姿の女性二人はザエルアポロが見たこともない器具を持って美形の科学者に近づいた。
嫌な予感しかしなかったザエルアポロは必死の抵抗を試みたが、診察台には帰刃などを妨害する効果があるのか、結局はなす
ザエルアポロは知る
突然自分の頭上に現れ、自分を連れ去ったのは宇宙人のUFO。そして自分の名前を書いたノートが『女にモテる』ではなく『
数日後。虚園。
「藍染サマ。ザエルアポロ・グランツ、タダ今戻リマシタ」
「こ、これは……けったいな姿になってもうて」
「……」
「こ、これは……困ったことになったね」
ロボット化したザエルアポロに
その後何とか元の姿に戻ることができたザエルアポロは、ノートを保管庫の奥に封印し、二度と開けることはなかった。