天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


第十二話 雷光剣

夜。黒崎家リビング

「いやぁ、あと五分で始まる『BLEACH~(くろつち)マユリの活躍、全部見せます~』が始まるよ。楽しみだねぇ」

「いや、何でテレビでそんな特集作ってんの!?ってかアンタ、なんで毎回毎回テレビ見るとき俺ん()で見るんだよ!!」

五月蠅(うるさ)いよ、黒崎(くろさき)一護(いちご)!私の素晴らしい活躍をお前のような愚民にも余すことなく見せてあげるんだ。黙っていなよ!」

「わ、わかったから顔を近づけるな!……ん?」

突然部屋の電気が消えた。窓を見ると他の家の電気も消えている。

「あぁ~、こりゃあ停電だな」

「て、停電だと!?」

マユリは慌てふためく。自分の特番がもうすぐ始まるのに停電では見ることは出来ない。

「残念だな~、見たかったんだけどな、『BLEACH~涅マユリの活躍、全部見せます~』」

明らかな棒読みの一護。

「バカな、バカなバカなバカなっ!」

怒りと焦りで身体を震わせるマユリに一護の言葉は耳に入っていない。

「させんよ、そんなことは!」

奇怪な顔の技術開発局局長は空間移動扉を取り出した。

 

 

 

男の自室。

「はぁ~、今日は良い日だったなぁ。仕事は休みで涅隊長は現世に行っているから突然呼び出されることもない。まぁ、明日になったらまた地獄を見ることになるけれど、それまでこの幸せを享受(きょうじゅ)することにしよう」

「クズ!今すぐ私と共に現世に来い!!」

「どわあぁおっ!?く、涅隊長ッ!!」

突然現れた上司に、クズと呼ばれている男は腰を抜かす。

焦っているマユリは柄の部分が星形の剣を取り出す。柄の中央には丸い球が埋め込まれている。

「これは雷光剣といって電気を作ることが出来る代物だ。さぁこれを持って発電所に行け!」

「え、ええ?うわあああぁっ!?」

「これってYAI○Aの○神剣ですね」と男に言わせる間もなく、マユリは空間移動扉の行先を空座町(からくらちょう)に電力を供給する発電所に指定すると、義骸と共に男を蹴り飛ばした。

 

 

 

四分後。

空座町の停電は復旧し、マユリは一護と共に『BLEACH~涅マユリの活躍、全部見せます~』を観賞した。

「う~む、素晴らしい。素晴らしすぎるよ!」

番組を見てマユリは歓喜の笑みを浮かべる。

「そ、そうか……」

一護は終始呆れ顔だった。

「あ、そうだ」

ポンッと手を叩きながらマユリはあることを思い出す。

「雷光剣は発電したら最期、死ぬまで発電させられることをあのクズに伝えるのを忘れていた。まぁ、いいか」

 

 

 

翌日。発電所で剣を持った男の遺体が発見された。そしてその遺体がどこかに姿を消えたことで空座町の都市伝説に『いつぞかに消えるさえない男の遺体』が加えられた。

 




旋風陣(風)が出たので雷も出さないと思ったのでこの話を作りました。

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