浦原商店 お茶の間。
「うひょひょひょっ!」
ちゃぶ台に置かれた札束の山を見ながら浦原商店の店主、
先日
結果は一位を走っていた本命中の本命、二番隊アンカーの
「いやぁ、まさか先頭を走っていた二番隊が転倒し、十一番隊がそれに巻き込まれるなんて……いやぁ、勝負に
邪悪な笑みを扇子で隠しながら目の前のお金の使い道を思案する。
「さて、まずは夜一サンも含めた皆で世界一周旅行をして……それからこの店を拡張させて──」
「次のニュースです──」
「ん?」
喜助は付けていたテレビの方へ振り返る。
「……なん……ですと……」
そのニュースを見た喜助は驚きの声を漏らした。そのニュースは世界で大流行を引き起こした病原菌で渡航などの移動を制限、それに合わして店などが営業を制限するというものだった。
「ふふふ……面白いですね!」
喜助の身体から禍々しい赤黒いオーラが立ちのぼる。今まで立てていた計画がご破算したからだ。
「せっかく考えた楽しい計画を潰されるとは……許せませんね!」
喜助の目に狂気が宿る。それからの喜助の行動は早かった。自らを崇拝レベルまで慕っている元部下、
その後四番隊平隊士、
その後仏宇野が入手した情報を元に粕人と共に、
ちなみに新型ウイルスを撲滅させることに意識が向きすぎて、配当金全てを開発費と新薬に使ってしまったことに浦原喜助が気づくのはもう少し後である。
にした。
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「おや、黒崎サン。どうしたんですか?」
「あ、浦原さん」
クロサキ医院の前を通りかかった喜助は、缶コーヒーを片手に空を眺めていた
一護は飲みかけの缶コーヒーをグイッと飲み干して喜助の方へ振り返る。
「ほんの少し前まで新型ウイルスで世界が大パニックになってたじゃないですか。もちろん
「本当ですねぇ」
そう言って一護は微笑む。それを見て喜助も微笑む。
粕人達と共に新薬を作った喜助だったが匿名で新薬の情報と製品を世界に配付したため、当人達以外にこの事を知っている者はいない。そしてそれは喜助と目の前で話している一護も。
「それじゃあ黒崎サン。何かあったら
「ありがとう、浦原さん」
家へと入る一護、
皆様いかがお過ごしでしょうか?
2021年もあと一時間とちょっとで終わります。数か月も投稿できなかったのは本当に申し訳なくおもいます。
今後も読んでいただけると幸いです。
それではよいお年を。
追記。
新章第三十三話十番隊編 仕事の鬼、松本乱菊の後に『新章第三十三話十番隊編 松本乱菊、墓参りに行く』を投稿しました。
ご迷惑をおかけすることをお許しください。