天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


第十一話 模写スール

(くろつち)マユリにクズと呼ばれている男がマユリの部屋を訪れていた。

「涅隊長。分からない所がありまして。どうすればいいかご指示を――」

ふと突然扉が開いた。

「私の戦闘力は53万です」

「ぎゃあああっ!フ○ーザ様ッ!?」

そこには宇宙中の惑星を片っ端から攻撃し占領や破壊を行う、宇宙規模の地上げ屋をしていそうな宇宙人が立っていた。

「き、貴様。何者だ!?」

「私だよ、クズ」

「ま、まさか!?」

「そのまさかだよ」

宇宙人の身体から白い(もや)が立ちのぼり、全身を包み込んでいく。靄が晴れると、そこには見慣れた奇怪な顔の上司が立っていた。

「く、涅隊長!?で、でもさっきは……?ど、どういうことです!?」

混乱する男にマユリは「ククク」と笑いながら種明かしをする。

「鳩が豆鉄砲を、という顔をしているな。特別に教えてやろう。これだ」

そう言ってマユリは懐から(てのひら)に収まる程度の大きさの水晶を取り出す。

「これは模写スールという私の発明品でな。これを握って霊力を込めると自分と異なる姿に変身できる代物だ。他にもこんな変身も出来るぞ」

そう言ってマユリは掌サイズの水晶に霊力を込める。すると全身から靄が現れ、奇怪な顔の技術開発局局長の身体を包み込む。

靄が晴れて現れたのは。

「は~ひふへほ~!」

「うぉ!バイキ○マンだ。まるでドラ○エに出てくる呪文のモ○ャスみたいですね――ッ!」

男は慌てて口を押さえるが、遅かった。何故ならば目が笑っていない笑みを浮かべながらマユリが刀を抜こうとしていたからだ。

()(むし)れ『疋殺(あしそぎ)――」

「い、いいい、いいえ!何でもありません涅隊長!!そのような小さなサイズなのに持つだけで変身できるアイテムを作るなんて僕ら凡人には到底できない発明を簡単に成し遂げてしまう実現能力!!流石は涅隊長です。これぞまさしく神の腕を持つ死神、涅マユリ!!!」

焦る頭で必死に考えながら賞賛の言葉を贈る男に、マユリは「ボキャブラリーが低下したな」と文句を言いつつも決して嫌そうではない笑みを浮かべて刀を元に戻す。

「ただ欠点としてその声優(こえ)でないと変身することができないところかな。あと私しか試していないから本当に変身できるかもまだ確証を得ていないからな。という訳で」

マユリは模写スールを男に手渡す。

「とりあえずクズよ。てっとり早く何かに変身してみろ」

「え?いったい何に変身を?」

「いいからさっさとしないか!私は忙しいんだ!!」

「は、はい!」

奇怪な顔の上司に怒鳴られ、男は掌サイズの水晶を握って考える。

(変身、変身、変身……ん?)

「ん?」

いくら霊力を込めようと水晶は何の反応も示さない。そして男は気づく。

「って、僕はこの小説のオリジナルキャラだから声優(こえ)があるわけないじゃないですか!」

 

 

 

後にマユリが誰でも涅マユリに変身できるように改造。偶然マユリに変身した男が女嫌香(じょけんこう)の件で(いか)朽木(くちき)白夜(びゃくや)に斬り刻まれるのだが、それは別の話である。




ふと思ったのですが。マユリにクズと呼ばれている男って、もし声優さんが声をされるとしたら。皆さんは誰が適切だと思いますか?

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