天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

176 / 192
この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

綱彌代(つなやしろ)時灘(ときなだ)という成田良悟先生著の小説 BLEACH Can't Fear Your Own World』のキャラが説明だけですが登場します。
「誰?」と思われる方はあとがきを先に読んでから読んだほうがいいかもしれません(ネタバレ注意)。


涅マユリは粕人の斬魄刀・幽世閉門を改造するようです

 尸魂界(ソウル・ソサエティ)の命運をかけた護廷十三隊対見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)の戦いは多数の犠牲を払いながらも死神側が勝利。その半年後に起きた綱彌代(つなやしろ)時灘(ときなだ)の騒動が終わった数日後。十二番隊隊長兼技術開発局局長、(くろつち)マユリは部下(モルモット)である葛原(くずはら)粕人(かすと)斬魄刀(ざんぱくとう)幽世(かくりよ)閉門(へいもん)を手に取り観察していた。

「う~む、どうしたものかネ」

 マユリには一つ困りごとがあった。それは補充などの心配をすることなく実験に使える被験体(モルモット)、葛原粕人がいないことだった。

 葛原粕人は星十字騎士団(シュテルンリッター)が優先的に倒すべき敵、通称『特記戦力』に数えられた更木(ざらき)剣八(けんぱち)に群がる敵戦力の情報収集及び更木剣八にトドメを刺そうとしたバンビーズの妨害のために単騎で交戦。善戦するが力及ばず、刀が破壊されるなどしなければ何度でも生き返る幽世閉門を破壊された後に戦死した。

 マユリが事前に本物とすり替えたために生き返ることは確定しているのだが、幽世閉門には死んだ時の持ち主と距離が離れていればその分だけ生き返るのに時間がかかるというデメリットも存在した。

 特記戦力にも数えられた元上司にして初代技術開発局局長、浦原(うらはら)喜助(きすけ)を除いて他の追従を許さない卓越した頭脳と技術開発力を持つマユリであってもすぐに粕人を復活させることは不可能だった。

 マユリは考える。

「今すぐにでも行いたい実験を行うことが出来ない。あのクズがいないだけでこんなにも苛立つことになるとは思わなかったヨ。二度とこんなことにならないように考えておかないといけないネ」

 幽世閉門を見ながら、マユリはニヤリと笑った。

 

「さあ、私にとって都合がいいように幽世閉門(コイツ)改造(なお)しておこうじゃないかネ!!」

 

 こうしてマユリによる幽世閉門の改造が始まった。

 まずマユリが着手したのは幽世閉門の強度だった。粕人は元々戦闘をするタイプではなく戦闘を行う場合でもマユリが開発した秘密道具を使用し愛刀の幽世閉門を使うことはほとんどなかった。例外として前四番隊隊長で粕人が大恩人と尊敬する元上司、卯ノ花(うのはな)(れつ)直伝の居合いのみ。

 大戦時。Zの聖文字を持つ星十字騎士団の一人、ジゼル・ジュエルの背後を取った時に粕人は首を落とすべく居合いで幽世閉門を使用した。しかし圧倒的な実力差によって簡単に受け止められた挙句、最後はPの聖文字を持つ星十字騎士団の一人、ミニーニャ・マカロンによって普通の斬魄刀程度の強度しか持たない幽世閉門はいとも容易く破壊された。

「最低でもあの小娘が破壊出来ない位には強度を高めておかないといけないネ」

 こうしてマユリの強度強化改造により幽世閉門はミニーニャの怪力を持ってしても折れない数ある斬魄刀の中で一、二位を争う最硬の斬魄刀へと変貌を遂げた。

「さて、次は復活する時間を私の好きな時間に設定できるようにしようかネ」

 幽世閉門は粕人が(じか)に持っている状態であっても復活するまでに一日前後時間を要していた。粕人が死亡している間に今すぐに行いたい人体実験が山のように出来たマユリにとってそれは許しがたいことだった。

 こうしてマユリは最硬の斬魄刀になった幽世閉門に新たな改造手術を(ほどこ)した。

 結果、幽世閉門の復活する時間が一日から数分に短縮した上に距離が離れるほど復活に時間がかかるデメリットを克服。さらにマユリの意思によって復活する場所を指定できるようになった。

 

 

 

 こうして自分が死亡している間、愛刀の幽世閉門を魔改造されたとは知らない粕人は今まで以上にマユリの人体実験用モルモット兼雑用処理係としてこき使われるのであった。

 




綱彌代(つなやしろ)時灘(ときなだ)
元護廷十三隊で綱彌代家末席。綱彌代家の当主とその周辺人物が次々と暗殺され、その暗殺者を全て返り討ちにした功績によって末席から一気に当主の座へと上りつめた(真相は自作自演)。

一言で言い表すならば悪意の塊と言える人物。
東仙要の親友の歌匡の夫で、彼女を殺害した張本人であり、東仙に自分のことを伏せた状態で「彼女を殺した犯人を恨んではいけない」と諭した後に「実は殺したのは自分でした。君が恨んでくれなくて助かったよ」と煽った。その後京楽や七緒、砕蜂、白哉など色んな人物を煽る。

九天鏡谷(くてんきょうこく)という京楽の花天狂骨(かてんきょうこつ)と響きが似ている、綱彌代家に代々伝わる斬魄刀を持つ。能力は見えない鏡のような結界を展開し、鬼道を含む相手の技・術を跳ね返すもの。(本当の名前は艶羅鏡典(えんらきょうてん)。九天鏡谷という偽りの名前は『九天鏡谷なんて、偶然お前の刀と似た響きになったとでも思っていたのか?』と京楽を煽るためと彼への戒め。能力は全ての斬魄刀の能力を模倣し出現させるというもの。デメリットとして使用するたびに魂魄=寿命が削られる)。

最期は当主らの殺害の際に利用した暗殺者の一族の少女が仇を取るために自分を刺したことに驚きを表した後、京楽、東仙、檜佐木、自分を気にかけていた浮竹などを煽った後殺害した妻の歌匡に対して

「どうだ…….歌匡……私は……星を……」

と息絶える。

もし彼が幽世閉門のことを知っていたら物凄く嫌な敵がさらに嫌な敵になっていたことは想像に難くない。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。