本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。
今回は残酷な描写があります。苦手な方は読まないほうがいいかもしれません。
「ふ~む。たまには外で気分転換というものも悪くないものだネ」
季節は夏。大きな入道雲に蝉の鳴き声。うっすらとにじみ出る汗。普段なら不快感を露わにする所だったが今はそんな気分ではなかった。
「こういう時に案外天使とかいうモノが現れるのかもしれないネ」
「マユリ様!」
「ん? ──―」
振り向いたマユリは心を奪われる。そこには髪をシニヨンでまとめた愛娘、
風そよぐ夏の朝を思わせる、一枚の絵として飾りたい姿だった。
「どうですか、マユリ様! クズさんが作ってくれたんですよ!」
「……」
「マユリ様?」
「あ、あぁ……似合っているヨ」
「うわぁ~い、ありがとうございます。マユリ様!」
無邪気にその場でクルッと一周すると眠八號は「これから
「……ふっ」
愛娘の可愛らしい浴衣姿に嬉しそうに微笑みながらマユリは研究所に戻った。
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研究所に戻ったマユリは先ほどの眠八號の姿を思い出しでは今まで積み上げてきた涅マユリ像が崩れる笑顔を浮かべていた。幸いなことにその姿をこれから『
「
「ん?」
マユリは声のする方へ振り返る。そこには私服の写真を机に並べて自慢する
「確かに似合っているわ。でも男が女に服を送るって『送った服を引き
ッッッ!!!!
「それじゃあ仕事に戻りましょう」
「そうですね」
その場を後にする二人とは対照的に、さきほどの浮かれていたのが嘘のようにマユリは大きく目を見開き、大粒の汗を流していた。
「……『送った服を引き剥いてその女を自分のものにしたい』……だと……?」
マユリの脳内にある光景が浮かび上がった。
~~~涅マユリの脳内~~~
『キャアッ!!』
『グヘヘヘヘッ』
口から
『く、クズさん! 何で!?』
母のように優しい男の
『知らないんですか、眠さん。男が女に服を送るというのは『送った服を引き剥いてその女を自分のものにしたい』という意味があるんですよ』
『そ、そんな……』
これから何をしようとするのか想像し逃げようとする眠八號。しかし外に通じる扉は粕人の真後ろ。そして自身の後ろは音一つ漏らさない厚い壁。壁を破って逃げるという方法はなかった。
『さあ、始めましょうかね』
そう言って粕人は自身が送った青い濃淡の朝顔で彩られた浴衣に手をかけ、力任せに引きちぎった。
眠八號のきめ細やかな、白く透明感のある肌が露わになる。
『いや、助けて……マユリ様ァァァァァァッッッ!!!!』
『呼んでも無駄ですよ! グフフ、ギャハハハハハハッッッ!!!!』
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「ククク、クズの分際で!」
愛娘を凌辱する部下を許すほど護廷十三隊でも一、二位を争うサディストである十二番隊隊長兼技術開発局局長の涅マユリは慈悲深くはなかった。例えそれが
「さて
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技術開発局通路。
「ねぇ采絵さん。今日のお昼は何にします?」
「そうね。今日は血のように赤いことで有名な
「え~、こんな暑い日に激辛ですか♪」
「何言ってんのよ。暑い時に熱いものを食べる。これも一つの暑さ対策というものよ……ん?」
「どうしたんですか……ん?」
楽しそうに昼ご飯を何にしようかと談笑していた采絵と久南ニコは耳を傾ける。
だ……誰か助けて……爆弾が、爆弾が……うわああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!
ドゴォォォォンンンッッッ!!!!
ビチャッ!! ビチャッ!! ビチャッ!!
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普段人が足を運ばない資料室の方から涅マユリの怒りを買った哀れな
「……ねぇ。今日は
「……そ、そうですね」
そう言って二人は資料室から離れるようにもと来た道を引き返した。
ハロウィンネタじゃなく夏がとっくに終わった時に夏のネタを思いつく。
どんだけ旬をはずすんだ、私は?