天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


もし仏宇野八葉が千年血戦篇に参戦していたら

 砕蜂(ソイフォン)BG9(ベーゲーノイン)と戦っている頃。

「こんなものかよ? 隠密機動総司令官ってやつは!」

 右目に虚特有の骨のような仮面をつけた水色髪の大人な女性、カマセーヌ・ザッコーは逃げ続ける砕蜂に攻撃を加えていた。

「くっ!」

(当たり前でしょうが!? 私は二番隊食堂係(ただの平隊士)なんだから!!)

 敵戦力の分散のための囮として、砕蜂に化けた仏宇野(ふつうの)八葉(やつは)は顔では冷静を装いながら心の中で毒つき、逃げ回っていた。

 瞬歩や周りの地形を利用して逃げ回る八葉だが、ただの平隊士である彼女に曲がりなりにも

 尸魂界(ソウル・ソサエティ)侵攻部隊の一人に選ばれた破面(アランカル)。勝敗は火を見るよりも明らかだった。

「おい、どうしたよ隊長さんよ! そんなに苦しいなら卍解したらどうだ?」

「……」

 挑発するザッコーの言葉に八葉は怪しむ。しかし

 

(釣ってみるか)

 

 このままでは事態は好転しないことを悟った八葉は懐から黒い丸薬を取り出した。

正野(しょうの)家秘伝『遮霊霧(しゃれいむ)』!」

 地面にたたきつけると瞬く間に八葉とカマセーヌ・ザッコーとの間に白い霧が立ち込めた。

「……何かしら、これは?」

 周囲が白い霧に覆われ、自分と目の前の砕蜂に化けた八葉しか霊圧を感じられなくなったことを理解したザッコーは何がしたいのかわからず首を傾げる。

 ザッコーへの返答を、砕蜂に化けた八葉は行動で答えた。

「卍解! 『形白(かたしろ)二振(ふたふり)』!!」

 砕蜂に化けた八葉が刀を抜いて卍解を発動した瞬間、ザッコーは狂気の笑みを浮かべるといつの間にか握っていた星章(メダリオン)を発動させた。

 

「……!? ……ば、バカな………………」

 

 自分の身体から大事なものを奪われる感覚に八葉は言葉を失った。ショックのあまり砕蜂の姿から本来の姿の子どものような愛らしい姿へと戻る。

 

「……ば、卍解を……奪われた………………」

 

 放心しその場に崩れ落ちる八葉。そんな八葉を見下す視線を送りながらザッコーは歯を見せるように笑いながら近づいていく。

「ふふっ。自らの卍解の味、とくと堪能しなさい。卍解! 『形白二振』!! ……!!??」

 ザッコーは言葉を失った。自身の身体が刀と同化し地面に転がったのだ。動こうにも刀となった自分に動く(すべ)はない。

「私の卍解は少し特殊でね」

「……!?」

 ザッコーは意識を前に向ける。そこには先ほどの愛くるしい姿の美少女とは相反する、あと少しずれただけで乳首が見えてしまいそうなほど服をはだけさせているグラマーな女性が立っていた。

 突然現れた謎の女は刀となったザッコーを拾い上げる。

「まずは私の始解で触った状態のものでしか変身することができないの。当然ただ卍解しただけじゃただの刀にすぎない」

「……」

「次に形白二振は第三者の力が必要。変化した斬魄刀の力を再現できるだけの力を持った第三者の力が。そして最後に……」

(ま、まさか……)

 ザッコーが一番知りたく、そして一番知りたくなかった事実を謎の女は告げる。

「形白で刀になると少なくとも十五分は元に戻ることが出来ない。つまり敵に何されてもどうすることもできない」

 謎の女は優しい笑みを浮かべて、言った。

「最期に教えてあげる。私の名前は仏宇野八葉。裏の顔は隠密機動第四分隊裏見隊副分隊長、月読(つくよみ)

(ま、待て!!)

 ザッコーは月読に向かって叫ぶ。しかし発声機能がない今のザッコーの叫び声は月読に届かない。

 月読は刀となったザッコーを放り投げた。

「破道の五十四 『廃炎(はいえん)』」

 

 

 

 月読の手から放たれた円盤状の炎がザッコーを両断すると同時に二つに折れた刀を焼き尽くした。




今更ながら気が付いたこと。
仏宇野八葉の能力(記憶と姿のコピー能力)ってRのロイドそのものですね。

実力は圧倒的にRのロイドの方が上ですが汗

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